2018.07/14(Sat)

Op.448 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第14番」 by クリーン

シューベルトピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
今日は当地の最高気温は36.8度とか。厳しい暑さです。

久々振りにワルター・クリーンのディスクを取り出してみました。
シューベルトピアノ・ソナタで当拙ブログに初めて登場をしたのは第13番だったようです。
2013年3月30日。5年以上も前のこと。
クリーンシューベルトピアノ・ソナタ全集第2集の収録曲中で一番気に入ったソナタでした。
以降、時々、想い出したかのように登場をしていたシューベルトピアノ・ソナタ

初めてクリーンで聴いた中期のソナタでお気に入りになった第13番。
今回は次作のソナタ第14番イ短調を。
イ短調はシューベルトお気に入りの調性とのことで関心を抱きました。
初めてシューベルトピアノ・ソナタでこのブログに登場をした想い出深いクリーンのピアノで。

シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番 イ短調D.784
ワルター・クリーン


ピアノ・ソナタ全集第2巻 ワルター・クリーン
(シューベルト:ピアノソナタ全集第2巻CD1 収録曲より)
               
ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959
ピアノ・ソナタ第1番ホ長調D.157
ピアノ・ソナタ第14番イ短調D.784
                
 ワルター・クリーン(P)
(全集録音:1971-73年 ステレオ)

第1楽章:Allegro giusto イ短調 4/4拍子
第2楽章:Andante ヘ長調 4/4拍子
第3楽章:Allegro Vivace イ短調 3/4拍子


作曲されたのは1823年2月に完成したとのことです。
シューベルト26歳頃でしょうか。
前作のソナタ第13番イ長調D.664 から4年を置いて書かれたそうです。

第13番は旧全集版や他の多くの版で「1825年作曲」と誤って収録され、曲番は第10番が付けられたそうです。
その結果、ピアノ・ソナタの創作に関し1817年から1823年までは空白期間と考えられていたとのこと。
その期間に書かれた作品は少ないそうですが、ソナタ第13番の他にスケッチが残されており、ソナタ創作に対するシューベルトの苦悩ぶりを示す重要な時期でもあったとのことです。

前作の第13番後の4年振りの努力が実を結んだのがこのソナタ第14番。
以前のソナタとは格段の差のある作品が生み出された、とのことです。
が、他者の記述を見るとこのソナタに対しては次のような厳しい評価も目に付きます。
このソナタは完成作品であるが調性が不安定。
短調であるが故に陰鬱、とのこと。
以上のことによりシューベルトの中期のピアノ・ソナタの中では
第13番(イ長調 D 664)、第15番「レリーク」(ハ長調 D 840)、第16番(イ短調 D 845)に比べ演奏される機会は少ないそうです。

このソナタに着手をしていた頃のシューベルトの状況を知りたくなりました。
1823年を中心にその前後の年をメモとして。

●1822年、25歳:「魔弾の射手」のウィーン上演を機にウェーバーと会う。
(1、3月)シューベルト歌曲に関する詳細な論評を新聞と雑誌が掲載。
この年に書かれた作品:交響曲「未完成」D.759(10-11月)、「さすらい人幻想曲」D.760 など。

●1823年、26歳:少なくとも4つの公的演奏会で作品が演奏される
(4月)シュタイヤーマルク音楽協会から名誉会員に推奨。
(7-9月)夏から秋にかけてフォーゲルとともにシュタイヤーとリンツに旅行。
(8月)リンツ音楽協会がシューベルトとフォーゲルを名誉会員に推奨。
(11月)健康が優れず、春あるいは秋にウィーン一般病院に入院か。しかし回復に向かい「美しき水車小屋の娘」D.795を完成。
シュトゥーベンバスタイに転居、フーバーと住む。
(12月)「ロザムンデ」初演。反響を呼ぶ。
この年の作品:「ピアノ・ソナタ第14番」D.784、「君こそわが憩い」D.776、オペラ「フィエラブラス」

●1924年、27歳
(3月)シュパンツィッヒ弦楽四重奏団が「ロザムンデ」D.804 を楽友協会ホールで演奏。
シューベルトはかなり健康を取り戻すが、この頃、手紙や日記に苦悩と葛藤を綴る。
夏から秋にかけ再びハンガリーのツェレスに滞在。
秋以降、ロッサウの父の家に戻る。
この年の作品:「八重奏曲」D.803、弦楽四重奏曲「死と乙女」D.810、連弾用ソナタ「グラン・デュオ」D.812、「アルペジョーネ・ソナタ」D.821   (以上)

   
寄り道が長くなりました。

自筆譜はスウェーデンのマルメーの領事オットー・タウシッヒが所蔵。
初版はシューベルトの死から11年後、1839年にウィーンのA.ディアベッリ社から出版。
出版社の意向でメンデルスゾーンに献呈されているそうです。


ワルター・クリーンで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第14番

重々しく陰鬱な旋律で始まる第1楽章。
この第1主題の前半は重々しく陰鬱な雰囲気が漂う中にもシューベルトらしい歌を感じさせる趣も。 
主題の後半では低音域が激しく響き渡り激情を感じるよう。
現れる第2主題。
穏やかな歌の調べが奏された後にフォルティシモに。
力感のある和声が混じり重厚な雰囲気に。 
展開部になり第1主題冒頭の動機が活躍し緊張感が高じるような雰囲気に。
再現部では第2主題がイ長調で再現されているとのこと。
迎えるコーダもイ長調で第2主題の静かな歌の旋律が奏されるのが印象的。  
ゆっくり消え入るように閉じられる第1楽章。

第2楽章はほぼ2部形式になっているとのことです。
前楽章から一転して穏やかな旋律で始まる第2楽章。
主題の初めの部分では穏やかに。
後半より雰囲気が変わり激しい音型。力強い盛り上がり。
第2部に入り漂う夢想的な雰囲気。
束の間右手高域が煌めきのように奏されるのが印象的。
ゆったりと静かな冒頭の主題が奏され閉じられる第2楽章。
ホッと寛いだ気分にさせてくれる快い調べの楽章でしょうか。

第3楽章はロンド・ソナタ形式とのことです。
目まぐるしく疾走するような第1主題で始まる第3楽章。
この第1主題の後半では16分音符とスタッカートで奏され躍動的な趣に。
第2主題は歌の調べ。
叙情味が漂う穏やかな歌。
展開部で再び第1主題が現れ活気のある雰囲気に。
再現部を経て迎えるコーダは第1主題の後半が用いられているとのこと。
力強く闊達に迎える曲の終わり。


このソナタもじっくりと耳を傾け聴くのは初めてに等しい曲です。
聴き終えて感じるのは陰鬱さなどを吹き飛ばしてしまうようなスケールの大きさでしょうか。
緩徐楽章ではホッとするものの両端楽章のダイナミックな趣。

クリーンの演奏では第1楽章の第1主題の後半部の瞬発力を感じさせるタッチが印象に残ります。
楽想の故でしょうか、じっくりと耳を傾けさせるというよりも
実直な感情を込めた演奏のように感じられます。

                
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2018.07/07(Sat)

Op.447 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第4番」 by シフ

シューベルトピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
1817年に作曲された6曲のピアノ・ソナタで完成した5曲のうち
前回は最後のソナタ第9番D.575をケンプの演奏で聴いてみましたので
今回は1817年に作曲されたソナタのうち最初の第4番D.537をシフで聴いてみました。

シューベルトピアノ・ソナタ第4番
シフシューベルトピアノ・ソナタ全集より

(447)シューベルトピアノソナタ第4番 シフ~ピアノ・ソナタ全集
(収録曲)
シューベルト

ピアノ・ソナタ第4番イ短調D.537
ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959(遺作)

アンドラーシュ・シフ(P)
(録音:全集1988-1993年)


第1楽章:Allegro ma non troppo イ短調 6/8拍子
第2楽章:Allegretto quasi andantino ホ長調 2/4拍子
第3楽章:Allegro vivace イ短調 3/8拍子


作曲されたのは1817年3月とのことです。
1815年頃からピアノ・ソナタを作曲し始めたシューベルト
1817年には6曲のソナタを書き上げ、そのうち完成されたのは5曲だそうです。
このソナタ第4番は6曲のソナタのうち最も早く3月に作曲されたとのこと。

曲の構成は3楽章とのことですが終楽章は主調で書かれ
一応完成した作品と考えられるそうです。
シューベルトは生涯に短調のソナタを5曲完成させているとのことです。
5曲のうち3曲がイ短調で書かれているそうです。
イ短調はシューベルトが最も好んだ調性だったとのこと。

初版は1852年頃、ウィーンのC.A.シュピーナ社から出版。
自筆譜はパリのコンセールヴァトワールに所蔵。
写本はウィーンの国立図書館に。


シフで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第4番

流麗、優美な旋律で始まる第1楽章。
美しい旋律と切れの良い力強い和音が応答するような第1主題。
この主題の後半は力強い躍動を感じるようで印象に残り、また気に入っています。
続いて現れる第2主題の素朴な調べ。
この調べに漂う抒情性はいかにもシューベルト特有の旋律のように感じられます。
この第2主題もまた印象深く心惹かれる調べ。
展開部は初期の作品の中では例外的に長く、また動機操作ではないとのこと。
即興曲を聴いているような。
自由で伸び伸びとした雰囲気。
ドラマティックな面影も見せているような展開部。
再現部では第1主題がニ短調、第2主題がイ長調で主調以外での再現とのことです。
コーダでは第1主題を奏しつつ凛とした趣で閉じられる第1楽章。

静かに右手が奏する抒情的な主題で始まる第2楽章。
この主題の抒情性を湛えた素朴さは強く印象に残ります。
第2部は性格的には展開部と言えるものだそうです。
第3部では左手の規則的な伴奏に乗り右手が奏する簡潔な調べ。
可憐の一言に尽きるような。
愛らしく閉じられる第2楽章。
心に残り、お気に入りの楽章になりました。
因みにこの楽章の主題は第20番の終楽章に引用されているとのことです。

力強いユニゾンで始まる第3楽章。
上行するユニゾンのすぐ後に続く柔和な雰囲気の主題。
経過部の辺りになるのでしょうか、雄姿を連想するような旋律が現れ楽想に変化が。
第2主題では愛らしい響きの旋律が現われ
その愛らしさに惹かれ耳を傾けていると、すぐに現れる第1主題の後半の部分。
この楽章では特に展開部を置かないようで再現部を経てコーダに。
コーダでも姿を表す第1主題の素材。
力強く迎える曲の終わりに。


このソナタ第4番に耳を傾けつつ初期のソナタとはまったく感じることができませんでした。
充実した印象を与えるソナタのように思います。
全体として形式に嵌らない自由さ、伸びやかな雰囲気を感じるようです。

このソナタが耳に飛び込んだ瞬間に第1楽章冒頭の流麗さ、華麗さに耳を奪われてしまいました。
シフのタッチも流麗そのもの。
第2楽章ではまるで別人のような面を見せるシフ。
軽く触れるようなシフのタッチ。
そしてピアノの音色の愛らしさが印象的。
第3楽章で感じられる力強さからも心配りの感じられるタッチ。
各楽章ごとに変容するシフのピアニズムに聴き入るばかり。

演奏時間は約20分程の短いソナタですが
シューベルトの溢れる楽想が散りばめられているソナタではないでしょうか。

                 
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2018.06/30(Sat)

Op.446 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第9番」 by ケンプ

前回に続き今回もシューベルトピアノ・ソナタです。
シューベルトピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
今回、シューベルトピアノ・ソナタ第9番を聴き、遅まきながら「シリーズ」第2弾はベートーヴェンに続きシューベルトになりました。

シューベルトピアノ・ソナタも聴いた作品はほんの僅か。
ほとんどの曲が初めて聴くに等しいソナタばかりです。
今日はソナタで完成されている第9番を聴いてみることにしました。
ケンプの演奏です。

シューベルトピアノ・ソナタ第9番
ヴィルヘルム・ケンプ~シューベルト ピアノ・ソナタ全集より


446シューベルト ピアノソナタ第9番 ケンプ~シューベルト ピアノソナタ全集
(収録曲)
シューベルト

ピアノ・ソナタ第13番イ長調 D.664
ピアノ・ソナタ第11番ヘ短調 D.625
ピアノ・ソナタ第9番ロ長調 D.575

ヴィルヘルム。ケンプ(P)
(録音:全集 1965-69年 ステレオ)


第1楽章:Allegro ma non troppo ロ長調 4/4拍子
第2楽章:Andante ホ長調 3/4拍子
第3楽章:Scherzo Allegretto ト長調 3/4拍子
第4楽章:Allegro giusuto ロ長調 3/8拍子


作曲されたのは1817年8月だそうですので
シューベルトは20歳頃でしょうか。
1817年はシューベルトのピアノ・ソナタ創作上の画期的な年だそうです。
この年の3月から8月までの約半年間にソナタの作曲が集中しているとのこと。
少なくとも6曲のピアノ・ソナタを手掛け、そのうち5曲が完成された作品だそうです。
これら5曲のソナタは完成されたピアノ・ソナタのほぼ3分の1に相当するとのこと。
このソナタは1817年に作曲された6曲のソナタのうち最後に書かれたものだそうです。

シューベルトは生涯にピアノ独奏曲を60曲以上手掛けているそうです。
未完や断片も少なくないそうですが多くはソナタであり、ソナタ楽章と思える様々な単一楽章作品とのこと。
ピアノ・ソナタだけに限っても23曲に着手しているそうです。
ソナタと明記されていなくても1827年12月作の「4つの即興曲」D.935 のように、恐らくソナタとして構想された作品もあるとのことで、少なくとも25曲以上のソナタに着手していたと考えられるそうです。
そのうちピアノ・ソナタの名称を持つ作品は23曲とのことです。

シューベルトはベートーヴェンにより崇高なまでに高められたピアノ・ソナタに
常々、感嘆と畏敬の念を抱いていたそうです。
因みに1815年までにベートーヴェンのピアノ・ソナタは第23番「熱情」まで作曲されていたとのこと。
尊敬してやまないベートーヴェンのピアノ・ソナタの後に自作を続ける勇気がシューベルトにはなかなか湧いてこなかったそうです。
この年、1817年、シューベルトは20歳を境にし芸術家としての自覚がピアノ・ソナタへの集中的な挑戦となり現れたとのことです。


446シューベルト ピアノ.ソナタ第9番 Sigismund Thalberg
Sigismond Thalberg
(1812年1月8日-1871年4月27日)

献呈はディアベッリ社の意向により作曲家であり、また19世紀の有名な巨匠ピアニストの一人ジークムント・タールベルクに。

初版は1844年頃、ウィーンのディアベッリ社から出版。
自筆譜はスケッチだけが発見され、ウィーン楽友協会が所蔵しているとのこと。


ケンプで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第9番

跳躍するような主題で始まる第1楽章。
経過句の辺りで奏されるカノンから伝わる柔和な雰囲気。
そして現れる第2主題の可憐な愛らしさ。
この主題を奏するケンプの優しいタッチ。
弱音の軽やかさと清明感に好感を抱きます。
展開部での軽やかなリズム感。
多様なリズムが華麗な雰囲気を醸し出しているよう。
再現部でのユニゾンの美しいタッチ。
軽やかな愛らしさを感じさせつつ閉じられる第1楽章。

静かに歌い出すピアノの調べで始まる第2楽章。
この主題の柔和な歌のような旋律。
内気な雰囲気が漂っているようにも感じられます。
第2部に移り趣が一転。
16分音符で刻まれるスタッカートの力強さは激しさを感じさせるかのよう。
左手と右手との応答を経て第3部に。
第1部の再現にホッとするものを感じます。
左手の低音を伴奏に右手が奏する調べで穏やかに終わる第2楽章。

軽やかなリズムで奏され始まる第3楽章。
茶目っ気な雰囲気の主題。
軽やかなリズムに乗り左手と右手の会話の愛らしさ。
トリオでの流麗で清楚な調べは印象に残ります。
スケルツォにダ・カーポし軽やかに閉じられる第3楽章。
軽やかな「舞」の雰囲気に溢れ、清楚で溌剌とした楽章でお気に入りに。

軽やかにステップを踏むかのように奏され始まる第4楽章。
簡潔で明快な趣の主題。
抒情性が漂う第2主題はいかにもシューベルトの調べでしょうか。
展開部は主に第2主題が用いられているとのこと。
再現部を経て生き生きとした勢いをともない迎える曲の終わり。


初めて聴くソナタ第9番です。
始めて耳にする曲に対しては解説等を読んでは期待と興味、関心に。

嘗て、3年程前にシューベルトのソナタ第21番の虜になった際に聴いたケンプの演奏。
シューベルトのソナタをケンプの演奏で耳にするのはその時以来のように思います。
初めて聴くソナタ第9番・・・「ケンプって良いなぁ」、としみじみと心の中で呟くばかり。

第1楽章での簡素で清楚な趣のケンプのタッチ。
殊に第2主題を奏する優しさ、弱音の軽やかさと清明感。
ケンプのピアニズムの根底に流れているような清明感に好感を抱きます。
第2楽章での第2部も印象に残ります。
各部の微妙な趣の変化をケンプは誇張することなく明瞭なタッチで伝えてくれるようです。
第3楽章でのタッチの軽やかさ。
指先が紡ぎ出す清楚で軽やかな運指も印象に残ります。
第4楽章の躍動的に溌剌とした雰囲気を、生き生きとした淀みのないケンプのピアニズム。
各楽章に散りばめられているケンプの魅力。

ケンプのピアニズムの軽やかさ、溌剌さ、音の輪郭の明瞭さ等々は作品の神髄に迫るよう。
今まで他の作品でケンプの演奏を耳にしながら、「何故気付かなかったのか」とも想います。
後期のソナタからは感じられない明るい躍動感、清楚な趣のこのソナタ。
随所にシューベルトらしさ・・・「らしさ」という曲者的な言葉。
自分にとっての「シューベルトらしさ」を感じるソナタのように感じています。

このディスクに収録されている3曲のソナタ。
私にとってはいずれの曲とも初対面(?)です。
ソナタ第11番にも期待していた以上に惹かれるものを感じつつ
「ケンプって良いなぁ」と心の中で繰り返しては耳を傾けている一枚です。

                 
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21:03  |  シューベルト  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2018.06/23(Sat)

Op.445 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第19番」 by アラウ

以前、3年程まえに聴き始めたシューベルトピアノ・ソナタ
早々に中断をし、休止状態のまま今日に至ってしまいました。
今回よりシューベルトピアノ・ソナタの中で未登場だった曲を聴いてみることにしました。
今回はシューベルトピアノ・ソナタの遺作3部作、第1作目の第19番を。
ベートーヴェンのソナタから引き続きアラウのピアノで。

シューベルト ピアノソナタ第19番 
アラウ~フィリップス録音全集より

(HMV)445シューベルト ピアノソナタ第19番 アラウ フィリップス録音全集
(収録曲)
シューベルト
ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D.958(遺作)(1978年録音)
ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959(遺作)(1982年録音)

クラウディオ・アラウ(P)

第1楽章:Allegro ハ短調 3/4拍子
第2楽章:Adagio 変イ長調 2/4拍子
第3楽章:Menuetto: Allegro – Trio ハ短調 3/4拍子
第4楽章:Allegroハ短調 6/8拍子


作曲されたのは1828年9月中、シューベルトの死(11月19日)の数週間前に書かれたそうです。
シューベルトの遺作とされる最後の3部作のピアノ・ソナタ
第19番ハ短調D.958、第20番イ長調D.959、第21番変ロ長調D.960 は
「シューベルト最後の作品。3つの大ソナタ」と題され1838年にウィーンのディアベッリ社より出版されたとのことです。

シューベルトがピアノ・ソナタを書き始めたのは1815年頃からだったそうです。
平野昭氏の記述によると
「1815年頃から始められたピアノ・ソナタの険しい道は、古典的な模範から始まり
その模範から離脱しようと苦悩し、自らの湧き出る楽想を受け入れる器を試行錯誤を繰り返しながら模索する歴史であった」。

そのような成果が実を結んだのが第16番、第17番、第18番で、シューベルト独特のソナタを確立したそうです。
それらの作品から2年の間を隔て生み出されたのがこのソナタ第19番とのこと。

このソナタの調性であるハ短調は、もともとはベートーヴェンのものであり
それを意識して用いていることは第1楽章冒頭の主題に顕著に表れているそうです。
ソナタ第19番はシューベルトのベートヴェニアーナの総決算とのこと。
この曲の自筆譜には「第1ソナタ」とタイトルが付けられているそうです。

出版は1838年、ディアベッリより。
献呈はアントン・ディアベッリによりロベルト・シューマンに。
ソナタの出版は1831年頃から準備され、当初はシューベルトの遺志によりヨハン・ネポムク・フンメルに献呈する予定だったそうです。
印刷完了の1年前、1837年にフンメルが死去したためにディアベッリ社により
献呈者はフンメルからシューマンに変更されたとのこと。

自筆のスケッチはウィーンの市立図書館所蔵。
自筆決定稿はスイスのアルガウに住む、マリー・フレールハイム夫人がリート「鱒」等とともに所蔵しているそうです。


アラウで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第19番

力強い主題で始まる第1楽章。
早々に左手の伴奏に乗り奏される右手は優しく歌うような調べを。
第2主題になり漂う厳粛な趣。
展開部で第1、第2の両主題の素材が顔を出し、変容する姿には幻想的な趣も。
再現部を経てコーダで速度を落とし閉じられる第1楽章。

ゆったりとした速度でピアノが歌う物想うような調べで始まる第2楽章。
静かな雰囲気を湛えた主題の調べは心に残るよう。
瞑想的な雰囲気を漂わしつつ進み
殊に第3部での主題の瞑想的な美しさはこの楽章中、最も心に残るような美しさ。
再び主題が戻りコーダを兼ねつつ閉じられる第2楽章。

左手で奏されるレガートを伴奏に右手が奏する流れるような旋律で始まる第3楽章。
躍動的な趣を経て、右手が奏する静かな調べ。
可憐な趣を見せるトリオ。
軽快に奏される主題。
第3部でメヌエットの主部にダ・カーポをし
そのまま軽やかに閉じられる楽章。

第4楽章は717小節に及ぶ長大なものとのこと。
軽やかに跳躍をするように始まる第4楽章。
この主題部はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第18番の終楽章に似た音型とのこと。
確かに跳躍感の中にベートーヴェンのソナタの面影が。
第2主題になり左手が奏するスタッカートに乗り軽快な趣の調べ。
展開部で現れる美しい旋律は第3主題的なものだそうで
第2主題の変奏のようになっているとのこと。
この楽章のみならず、このソナタでは最も美しさを感じる調べ。
華麗な雰囲気を漂わしつつ進む展開部を経て再現部に。
力強く迎える曲の終わり。


このソナタの第2楽章は「リートをピアノ曲にしたような趣」の楽章とのことで
興味、関心と期待を抱きつつ耳を傾けてみました。
ソナタ全体としては特別に深い共鳴を受けることもなく・・・。
音符が「美」を描きつつ奏される個所には惹かれるものも。
第2楽章の第3部での瞑想的な美しい調べ。
第4楽章の展開部での調べ。
これらの2つのパートのみが印象に残ります。
このソナタに大きな期待を抱き過ぎたようにも・・・。

シューベルトのソナタを聴きつつ、ついついベートーヴェンのソナタが浮かんでしまいます。
これ以上、綴っているとベートーヴェンのソナタ讃歌になってしまいそう。

アラウのピアノは勿論、言うことなし、です。
ベートーヴェンの多くの要素を含むソナタの数々、心から生み出される調べを奏するアラウのピアニズム。
このシューベルトのソナタでも同様にアラウの曲に向かう真摯さ。

嘗てシューベルトのピアノ・ソナタを聴き始めた頃。
ソナタ第21番や「さすらい人幻想曲」がお気に入りになり夢中で耳を傾けた日々。
そのような日々を想い出しつつ、中断をしていたシューベルトのピアノ・ソナタを予定していますが。

                 
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2018.06/16(Sat)

Op.444 ベートーヴェン:「ピアノ三重奏曲第7番<大公>」 by ソロモン、ホルスト&ピーニ

ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴くシリーズ」は終了しましたが
またベートーヴェンです。
ベートーヴェンピアノ三重奏曲の中で一番好きな第7番をソロモン他で。
ソロモンの演奏でベートーヴェンのピアノ・ソナタのディスクをショップで探していた頃、偶然目に付き入手をした副産物のディスク。
ソロモンのピアノで「大公トリオ」を聴くことができるなんて、まるで夢みたい・・・と、膨れ上がる期待で手にしたディスク。
ソロモン、HMV初期録音集1942-43」に収録されている一曲です。
演奏者でヴァイオリンのヘンリー・ホルスト及びチェロのアンソニー・ピーニは初めてです。

ベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番「大公
ソロモン~HMV初期録音集1942-43 より


(HMV)444ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番 ソロモン Solomon The First Hmv Recordings 1942-3
(収録曲)

ショパン:練習曲Op.10-9
ショパン:練習曲Op.25-2
ショパン:練習曲Op.25-3
ショパン:夜想曲第8番
ショパン:舟歌
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番Op.97「大公

 ソロモン・カットナー(P)
 ヘンリー・ホルスト(Vn)
 アンソニー・ピーニ(Vc)
(録音:1942年-43年 モノラル 
     ベートーヴェン:1943年9月9-11日) 


第1楽章:Allegro moderato 変ロ長調 4/4拍子
第2楽章:Scherzo: Allegro 変ロ長調 3/4拍子
第3楽章:Andante cantabile ma pero con moto ニ長調 3/4拍子
第4楽章:Allegro moderato - Presto 変ロ長調 2/4拍子


大公トリオ」は3年程前に、ルービンシュタイン、ハイフェッツ&フォイアマンの演奏で登場していたようです。
いつものように当時の記事を参照、コピーのようになりますが自分のメモとして

作品が完成したのは1811年だそうです。
曲の草稿にはベートーヴェンの自筆で最初の部分に「1811年3月3日」の日付。
また最後の部分には「1811年3月2日完成」の日付が記されているそうです。
ノッテポームによると1810年にすでにこの曲のスケッチが幾つかあり
実際には草稿に記された日付けより以前に構想されたものであることが実証されているとのことです。

初演は1814年4月11日にウィーンのホテル「ローマ皇帝」にて行われたと伝えられているとのこと。
ピアノはベートーヴェン自身、ヴァイオリンはシュパンツィヒ弦楽四重奏団のイグナーツ・シュパンツィヒ、チェロがヨーゼフ・リンケの3人による演奏だったそうです。
初演当時、ベートーヴェンの聴力はかなり低下をしており、この初演がピアニストとしてのベートーヴェンの最後の公開音楽会になったとのことです。

出版は作品の完成後かなり年が経過した1816年9月。ウィーンのシュタイナー社より。
自筆譜はベルリン国立図書館に保存。
献呈はルドルフ大公に。


ソロモン、ヘンリー・ホルスト&アンソニー・ピーニで聴くベートーヴェンの
ピアノ三重奏曲第7番(簡単な感想で)

1942年から1943年に当時の英グラモフォンに録音されたものだそうです。
ソロモンは40歳頃の演奏でしょうか。

大好きな「大公トリオ」ですが、今まで聴いてきた演奏とは違うように感じられ妙に印象に残っています。
初めて聴いた時に落ち着かない状態でしたので改めてじっくりと。
初めて聴いた時と同様に印象に残る「大公トリオ」です。

この曲の躍動感や堂々とした趣が気に入っています。
今まで出合った演奏は躍動感があり聴いていて心がときめくようなものが伝わってきました。
そのような耳に馴染んでいる「大公トリオ」。
が、ソロモン、ホルストピーニによる演奏は今まで聴いてきた演奏よりも「静」を感じるようです。
落ち着きがあり静かな印象を受ける演奏でしょうか。
最初、聴いた時には物足りなさを感じてしまったものです。

ソロモンの淀みのないピアニズム。
録音の所為でしょうか、ヴァイオリンとチェロの存在感が弱く感じられてしまいます。
ヴァイオリンのヘンリー・ホルスト(1899-1991年)はデンマークのヴァイオリニストとのこと。ベルリン・フィルのコンサート・マスター(1922-31年)や他のオーケストラのコンサート・マスター等々、音楽大学などの教授も歴任したそうです。
ホルストのヴァイオリンは地味な音色でしょうか。温か味を感じるヴァイオリン。
チェロは控え目すぎ(?)のようにも。

この3人の演奏で印象に残るのは第3楽章でしょうか。
第3楽章で主題をピアノが静かに奏し、続くヴァイオリン。
落ち着きのある響きでヴァイオリンのしっとりとした歌は胸に染み入るようです。
変奏の部分でもヴァイオリンの美しい歌に寄り添うソロモンのピアノも印象的。

初めは躍動感があまり伝わらず物足りなく感じた演奏でしたが、
何回か耳を傾けるうちに味わいのある「大公トリオ」のように感じられてきました。
躍動感に満ちたパートでも落ち着きがあり、高貴な美しさが漂う「大公トリオ」でしょうか。
耳に馴染んでいる心躍らせる演奏も好きですが
この3人が生み出す「静」の「大公トリオ」に新たな魅力を見い出したように感じています。

このディスクを求めたお目当ては「大公トリオ」でしたが・・・。
ソロモンが紡ぎ出すショパンの「練習曲」に耳を傾け
初めてショパンの「練習曲」に好感を抱くことができたように思います。
抜粋ではなく「練習曲」全曲を聴きたくなりショップ・サイトでディスク探しをするほど気に入ってしまいました。
そして「夜奏曲」の何と美しいこと!
「舟歌」の心に沁みる調べ。
ソロモンが紡ぎ出すショパンの虜に。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタのお陰で出合うことができたソロモン。
今でも、いつまでも、ソロモンはお気に入りのピアニストの一人に。


蛇足。いつものオバサンの井戸端会議。
ソロモンについてWikipediaを参照しつつ、自分のメモとして。

本名はソロモン・カットナー(1902年8月6日-1988年2月2日)
ロンドンのイーストエンドに7人兄弟の末っ子として誕生
5歳でクララ・シューマンの弟子、マチルダ・ヴェルンに師事
1912年、10歳でデビュー(プログラムはベートーヴェン、ピアノ協奏曲第3番。指揮ヘンリー・ウッド)
その後、ロンドンにデヴュー(チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番)
これらのコンサートの成功から「神童ソロモン」と呼ばれ、以後ファースト・ネームの「ソロモン」で活動。
演奏活動での成功にも拘らず、ソロモンは演奏活動を中断。
パリに渡り、マルセル・デュプレ 及びクララ・ハスキルの師でもあるラザール・レヴィに学ぶ。
19歳、演奏活動の開始。
1929年、初めてのレコーディング。
1953年、来日。あまり話題にならなかったとのこと。但し、音楽評論家の吉田秀和氏は彼を高く評価。最高のベートーヴェン弾きとして著作にて言及。
ソロモン、EMIと契約を結ぶ。
1951年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の録音に取り組む。
1956年夏、脳梗塞。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は未完。
引退を余儀なくされる。
           (以上)

                  
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2018.06/09(Sat)

Op.443 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第32番」 by アラウ(新旧2種の録音で)

ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
今回でこのシリーズも何とか無事に最終回を迎えることになりました。
ソナタ全32曲のうちベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ第32番を。
シリーズの締め括りは、やはりアラウで。
1980年代の新録音を主として、1960年代の旧録音の2種で聴いてみました。

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第32番
アラウ~デッカ録音全集より

437ベートーヴェン ピアノ.ソナタ第32番クラウディオ・アラウ~デッカ録音全集

ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

クラウディオ・アラウ(P)
(旧録音:1965年10月)
(新録音:1985年6月)

第1楽章:Maestoso – Allegro con brio ed appassionato
      ハ短調4/4拍子 ソナタ形式
第2楽章:Arietta: Adagio molto, semplice e cantabile
      ハ長調   


作曲されたのは1821年から22年にかけてだそうです。
先に書かれた作品109の第30番、作品110、第31番と同様に「ミサ・ソレムニス」と並行をして作曲されたとのことです。
スケッチは1819年に始まり1822年の初めに完成。
浄書された原稿には1822年1月13日の日付けがあるそうですがこれは浄書を始めた日と考えられ、書き上がったのはその直後のことと推測されるようです。

ピアノ音楽としては翌年に大作「ディアべりのワルツによる33の変奏曲」Op.120 を始め
この後に幾つか作曲されたそうですがソナタとしてはこれが最後の曲になるとのこと。
曲の楽章構成はベートーヴェンが幾度か試みた2楽章構成に圧縮されているそうです。

ベートーヴェンは1822年6月5日付けでライプツィヒの楽譜出版者ペータース宛ての書簡にて、ピアノ・ソナタを近いうちに渡すことができる旨を書いているそうです。
第30番から第32番までのソナタの他に更に一曲のソナタが着想されていたようですが、痕跡はスケッチにもまったく残っていないとのことです。

出版は1822年、パリとベルリンのシュレジンガーから。
自筆譜はボンのベートーヴェン・ハウス、ベルリンの国立図書館
チューリッヒのボドマー・コレクションに異なる草稿が分散しているとのこと。

            (wikiドイツ)443ベートーヴェン ピアノ.ソナタ第32番Die erste Ausgabe
             (ピアノ・ソナタ第32番の初版)

献呈はルドルフ大公に。
このソナタは最初の予定ではブレンターノ夫人であるアントーニエ・ブレンターノに献呈される筈だったそうです。
献呈についてはアントーニエ・ブレンターノ 或いは ルドルフ大公の両者間でベートーヴェン自身、かなり迷い二転三転をしたとのこと。
1822年7月1日、ルドルフ大公宛ての書簡にベートーヴェンは次のように記述しているそうです。
「殿下はソナタ <ハ短調> がお気に入られたようにお見受けしましたので、それを突然献呈しましても無作法ではないと考えました。」
因みにアントーニエ・ブレンターノにはベートーヴェンが変奏技法を集大成し、バッハの「ゴルドベルク変奏曲」と並び変奏曲の最高傑作とされる「ディアヴェリのワルツによる33の変奏曲」(1819-1823年作曲)が献呈されたとのことです。


アラウで聴くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番

力強く厳かな序奏で始まる第1楽章。
荘重で暗さが漂う序奏。
低音域の重厚な響きと余韻が重厚で荘重な趣を更に増加させているようです。
弱音になり奏される左手の低音域を轟かせつつ主部に。
主部に入り低音域の轟きが激しくクレッシェンド。
フォルティシモで力を込め奏される第1主題の冒頭動機。
緊張感が漂い気迫を感じる雰囲気の第1主題。
第2主題が現れ右手で奏される高音の調べは清楚で可憐な趣。
コーダでの新しい旋律が静かに奏され閉じられる第1楽章。
この楽章では気を抜いて耳を傾けること許さない(?)ような、第1主題の魔力の虜に。

第2楽章は主題と5つの変奏からなっているそうです。変奏番号は付いていないとのこと。

静かで柔和な雰囲気の主題で始まる第2楽章。
夢幻的な世界に足を踏み入れたような雰囲気。
ゆったりと静かな佇まいの調べ。
低音域の響き、高音域の清澄な音色が醸し出す調べ。
気が付くと第1番目の変奏に。
主題が簡素で素朴な雰囲気を醸し出しつつ変奏され惹かれるものがあります。
5つの変奏を聴きつつ各変奏で印象に残るのは
楽しげな雰囲気も漂っているような3番目の変奏。
4つ目の変奏の活発な趣。右手は戯れを連想されるような。
最後の5つ目の変奏では低音域の細かい伴奏に右手の流麗な動きが印象的。
続くトリルがからコーダに。
クレッシェンドの盛り上がり、そして現れる主題。
一音一音を噛みしめるかのように奏され静かに迎える曲の終わり。


曲が終わっても第1楽章の第1主題の旋律が脳裏で響き続けるかのような強い印象を受けます。
対照的な第2楽章。
繰り返し聴きたくなる楽章です。

今回、主として聴いたアラウの演奏は1985年の録音とのことですので、82歳頃でしょうか。
旧録音は1965年だそうですので、ちょうど20年の月日を経ての録音。
このソナタも新旧で聴きつつも明瞭に区別することは私にはできそうもありません。

新旧の2種の演奏の間の20年の時間の差が先入観となり感想に紛れ込む可能性を案じつつ以下に。
新録音では音の輪郭がスッキリしていて聴き易く感じるようです。
旧録音では伸びやかさを感じる演奏。
第1楽章、第1主題の気迫と精力的なタッチ。
アラウはこのソナタでもフォルティシモを強く叩き付けるタッチではなく丁寧な音作りが心に残ります。
第1主題と第2主題の対比も素晴らしいタッチで、一音一音から表情が感じられるよう。
耳を傾けつつ、旧録音でも闊達に楽想を生き生きと再現する精力的なピアニズム。
聴いている最中にふと「新、旧、どちらの演奏を聴ているのだった?」となることも。
第2楽章での静かで穏やかな優しい歌。温か味を感じるピアニズム。
旧録音より20年を経た新録音では深みも増しているような(先入観?)。

ベートーヴェンの最後のソナタ。
アラウにとっては年齢的にも「最後の録音」となることを内心意識しつつ演奏をしていたのだろうか、と考えてしまうことも。
アラウの紡ぎ出すソナタ第32番。
新旧ともに、アラウの真摯で誠実な語りかけを聴く想いで耳を傾けていました。
今日は6月9日。1991年6月9日、アラウ逝去。
偶然にもアラウの祥月命日のようです。

シリーズとしては今回で一旦、終了しますが、苦手だったベートーヴェンのピアノ・ソナタがお気に入りのジャンルになりました。
これからも顔を出すことになりそうです。
シリーズ中にお寄せ下さいましたコメントの一つ一つに心から感謝をしています。
お寄せくださいましたコメントにより他のピアニストの演奏を知りディスクを求めることもできました。
ソロモン、ギレリス、イヴ・ナット、そして最近のニコラーエワとの出合いもコメント、ブログのお陰です。
ありがとうございました。
これからもベートーヴェンのピアノ・ソナタは弦楽四重奏曲とともに聴き続けてゆきたいと思っています。

                 
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2018.06/02(Sat)

Op.442 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第11番」 by ニコラーエワ

ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」を続けている間にすでに6月になってしまいました。
今年も半分が過ぎようとしている時間の経過の速さ。
私の脳内カレンダーでは、現在はまだ2月か3月頃。
現実の時間は2-3倍の速さで進み驚き、慌てるばかりです。

ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」
今回は第11番、作品22を。
タチアナ・ニコラーエワのピアノです。
初期のピアノ・ソナタでは最後の曲であり、当拙ブログで初期のソナタの中では唯一未登場かと思います。

ニコラーエワのBox を知ったのは、いつもお邪魔をさせていただいているブログです。
ベートーヴェンピアノ・ソナタ全集だけの再発売を待つつもりでいましたが
やはりニコラーエワの演奏を聴きたいとの想いは募るばかりの月日。
手元に届き、初めて耳にするニコラーエワのピアノ。
最初に聴いたのはお目当てのベートーヴェンピアノ・ソナタではなく
収録曲の中で最も耳に馴染みのあるバッハの「ゴルドベルク」。
今まで聴いてきた「ゴルドベルク」からは受けることがなかった感銘。
一音、一音がまるで噴水の滴が陽光を受け煌めいているような美しい音色。
惹き込まれるピアニズム。美しさを感じる「ゴルドベルク」。
求めて本当に良かったと思っています。
さて、お目当てだったベートーヴェン
今回の第11番から聴いてみました。
ベートーヴェンの初期のピアノ・ソナタの締め括りの第11番はニコラーエワで。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番
ニコラーエワ~The Art Of Tatiana Nikolayevaより

442ベートーヴェン ピアノ.ソナタ第11番 ニコラーエワ The Art Of Tatiana Nikolayeva
(収録曲)
ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 Op.22
ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 Op.26
ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調 Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調月光」 Op.27-2

タチアーナ・ニコラーエワ(P)
(録音:1984年1月 モスクワ音楽院大ホール ライヴ)


第1楽章:Allegro con brio 変ロ長調 4/4拍子
第2楽章:Adagio con molta espressione 変ホ長調 9/8拍子 
第3楽章:Minuetto 変ロ長調 3/47拍子
第4楽章:Rondo: Allegretto 変ロ長調 2/4拍子


作曲されたのは1799年から翌1800年に完成したそうです。
1800年の夏、ウンターデ―プリングで纏められたと推測されるとのこと。
このソナタは作品18の弦楽四重奏曲などと並行して書かれたそうです。
ベートーヴェン、29歳から30歳頃でしょうか。
このソナタ第11番は出版に際しベートーヴェン自身により「大ソナタ:Grande Sonate」と名付けられていたそうです。

ベートーヴェンはライプツィヒの出版業者ホフマイスター宛ての1800年12月25日付けの書簡で新作を列記し、その一番最後にこのソナタ第11番が記されていたそうです。
曲の出来栄えについてはベートーヴェン自身は満足をしていたそうで、同じくホフマイスター宛ての翌1801年1月15日付けの書簡で新作に各々値段を付けた折に「このソナタは素晴らしいものです」と書き加えていたとのことです。

出版は1802年3月、ホフマイスターにより行われたそうです。
献呈はヨハン・ゲオルグ・フォン・ブラウン伯爵に。
自筆譜は紛失したとのこと。


ニコラーエワで聴くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第11番

躍動感のある第1主題の冒頭で始まる第1楽章。
第1主題は冒頭に明快な動機をもち、後半楽節は対照的な快いながれと冒頭動機によってできているとのこと。
克明に刻まれるリズムは鍵盤のダンスのような。
躍動的であり溌剌とした主題。
第2主題では柔和な雰囲気も。
コーダを置くことなく楽章は終わっているとのこと。
終始、生き生きとした躍動感に溢れたエネルギッシュな楽章でしょうか。

第2楽章について音楽評論家のパウル・ベッカーは「ロマン派のノクターン」を連想しているとのことです。
左手で奏される和音に乗り右手の歌うような旋律で始まる第2楽章。
穏やかな抒情性を湛えた旋律。
ロマンティックな趣でベートーヴェンの作品を聴いていることを忘れてしまいそう。
第2主題も同様の趣。
装飾的で華麗な雰囲気が漂う主題。 
寂寥感を帯びたような夢想的なピアノの歌のような楽章でしょうか。
夢見つつ、速度を緩め静かに閉じられる第2楽章。

軽やかなメヌエット主題で始まる第3楽章。
中間楽節では低音域が力強く現れ、再びメヌエット主題に。
親しみやすい主題。 
トリオになり力強く活気を帯びて。
左手は音を刻みつつ流れるように。
再びメヌエットに戻り奏され閉じられる第3楽章。

優しげで軽やかなロンド主題の調べで始まる第4楽章。
第2主題の幻想曲風な趣。
左手が奏するスタッカートが合図(?)のようになり
新しい主題の出現。
経過部以降は楽章の頂点が築かれるようなドラマティックな趣。
軽やかな内にも力が込められ迎える曲の終わり。


この第11番がベートーヴェンの初期のソナタの締め括りになる曲だそうです。
初期のソナタはいずれも翳りがなく、若々しい感情、生気に溢れているようです。
このソナタからもまた若いベートーヴェンの明るく、生き生きとしたエネルギッシュさを感じるようです。
曲が書き始められたのはベートーヴェンが郷里のボンからウィーンに移り住むようになってから約7年後でしょうか。
初期のピアノ・ソナタの一曲一曲に将来への希望に満ち溢れる青年ベートーヴェンの心を垣間見るようです。

初めて耳にするニコラーエワの演奏によるベートーヴェンのピアノ・ソナタ。
第1楽章の生き生きとしたエネルギッシュな躍動感を奏するニコラーエワの右手と左手の生気溢れる対話。
明晰なピア二ズムに息を呑む想いがします。
他の楽章とは異質のような第2楽章の内省的、微妙な感情を織りなすニコラーエワのタッチは自身への語りかけのようにも。
第3楽章のメヌエット主題の優しい調べを滋味溢れるタッチで歌うニコラ―エワ。
第4楽章では特にロンド主題を奏するニコラーエワに第1楽章と同じように息呑んでしまいます。
このソナタに耳を傾けつつ、楽想とニコラーエワのピアニズムの虜に。
途中で曲を止めることのできない惹きつけるものを感じていました。
演奏から伝わる「熱気」はライヴ故のものでしょうか。
楽想を超えるような熱気のある第11番のように感じられます。

前置きと重複しますが、このBoxより最初に聴いた「ゴルドベルク」。
ニコラーエワが紡ぎ出す美しいピアノの音色に感嘆をしたほどです。
ベートーヴェンでもソナタ全集はライヴとのことですが、セッションと変わらない音色の美しさに感じ入ってしまいます

こちらのBoxに収録されているベートーヴェンのソナタ全曲は
9枚のディスクに後期作品以外は番号順に収録がされており
曲が探し易く、また聴き易く感じます。
ベートーヴェンの他にバッハの「平均律」の第1巻、第2巻、そして「フランス組曲」「イギリス組曲」「ゴルドベルク」等々、曲名を見ては喜々としています。
最初に聴いた「ゴルドベルク」は末永く印象に残る演奏になりそうです。
私にとっては苦手で、ほとんど聴くことのないショスターコヴィッチ。
5枚のディスクに収録されている「24の前奏曲とフーガ」はニコラーエワが初演をしたとのことですが・・・耳を傾ける日は来ないような予感も・・・。

ニコラーエワの演奏をするベートーヴェン、バッハをじっくり、ゆっくりと。
ニコラーエワに出合うことができ感謝です。


蛇足。いつものオバサンの井戸端会議。
ニコラーエワについて自分のメモとして。ショップ・サイトの記述を参照しつつ。

タチアーナ・ニコラーエワ(Tatyana Nikolayeva 1924年-1993年)
1924年5月4日、ロシア東部、ブリャンスクにて誕生。
母親からの手ほどきを受け、13歳でモスクワ音楽院ピアノ科に入学。
アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルに師事。
卒業後には同音楽院教授エフゲニー・ゴルブレフから作曲を学ぶ。
1950年 ライプツィヒでの第1回バッハ国際コンクールで優勝。
      世界各国で本格的な演奏活動を開始。
1955年 ソビィエト連邦国家賞受賞。
1959年からモスクワ音楽院で教鞭を執る
1965年 モスクワ音楽院教授に就任。後にロシア共和国功労芸術家の称号を授与される。
1993年 サン・フランシスコでのリサイタル中に脳動脈瘤破裂により収容先の病院にて死去。
     69歳。
                                  (以上です)

                
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2018.05/26(Sat)

Op.441 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第6番」 by ギレリス

ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
初期のピアノ・ソナタ作品10の3つのソナタのうち
作品10-1、第5番は1昨年の10月にシュナーベルで
作品10-3、第7番は2カ月ほど前にソロモンの演奏で当拙ブログに登場をしていました。
今回は作品10-2、第6番をギレリスのピアノで聴いてみました。

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第6番
ギレリスベートーヴェン ピアノ・ソナタ選集より

483:ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番「テンペスト」ギレリス~ベートーヴェン・ピアノソナタ集より
(収録曲)
ベートーヴェン

ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 Op.10-1
ピアノ・ソナタ第6番 ヘ長調O p.10-2
ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 Op.10-3

エミール・ギレリス(P)
(録音:第6番 1973年)


第1楽章:Allegro ヘ長調 2/4拍子 
第2楽章:Allegretto へ短調 3/4拍子
第3楽章:Presto ヘ長調 2/4拍子


作品10の3つのソナタについて以前の記事のコピーのようになりますが
いつものように自分の復習を兼ねて。

作品10の3つのソナタの作曲時期についての明確な年代は不明だそうです。
ノッテポームはソナタの主題のスケッチから判断をして1796年から98年夏までの間に
3曲が完成されたと推定をしているとのことです。
近年の研究では異説もあるとのこと。

作品10-1、第5番と作品10-2、第6番はベートーヴェンとしては初めての3楽章構成であり
作品10-3、第7番は4楽章構成に戻り大きな音楽になっているそうです。
各曲、内容的には
第5番、6番はきびきびとした楽想
第7番は劇的でロマンティックな曲とのこと。
ベートーヴェンがいろいろなソナタを古典的簡潔さと内容に充実を考え合わせながら既成の様式を抜け出して行こうとする姿勢が現れているそうです。

ソナタ第5番が第3楽章に相当する部分を省略した3楽章構成になっているのに対し
このソナタ第6番は第2楽章に相当する緩徐楽章が省略され3楽章構成になっているとのことです。
この曲のように独立した緩徐楽章のないソナタの形は、工夫をされ以降のピアノ・ソナタやチェロ・ソナタで素晴らしい傑作を生むことになったそうです。

作品10の3つのソナタはブラウン伯爵夫人アンナ・マルガレーテに献呈されているそうです。
夫人は夫のヨハン・ゲオルク・ブラウン伯爵ともども、若いベートーヴェンの熱心な支持者だったとのこと。
尚、ベートーヴェンは伯爵に弦楽三重奏曲(作品9の3曲)を献呈しているそうです。
伯爵夫人は1803年5月13日にウィーンで他界。
ベートーヴェンはその死を悼み歌曲集「ゲレルトによる6つの歌」を作曲し 伯爵に贈ったとのことです。

出版は1798年9月、ウィーンのエーダーにより行われたそうです。
自筆譜は紛失したとのこと。


ギレリスで聴くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第6番

第1楽章。ソナタ形式。
跳躍をするような明朗で軽快な第1主題で始まる第1楽章。
第2主題は第1主題の延長のような趣。
続いて現れる新しい主題。
この主題の調べの美しさ。惹かれます。
この主題の変奏を経て現れる第1主題。
小結尾は穏やかに。
展開部での流麗な調べ。生き生き、溌剌とした雰囲気。
再現部を経て現れる第2主題。
この楽章はコーダを置いていないとのこと。
リズミカルで軽やかに、明るく、流麗な旋律が流れつつ
力を加えて閉じられる第1楽章。
楽章に流れる明るく軽妙な旋律の数々を耳に、「この曲はベートーヴェンの?」と感じてしまいました。

第2楽章は通常の緩徐楽章を省き、事実上のスケルツォ楽章になっているとのこと。
ユニゾンで奏される第1部の主題で始まる第2楽章。
低音域の響きに内省的な雰囲気が漂っているかのようです。
中間楽節で現れるスフォルツァンドは楽想のスパイスのよう。
このスフォルツァンドをギレリスは殊更に強いアクセント付けのタッチではなく(と感じられるます)、バランスの良い響き。
カノンで進む右手と左手が奏する主題に内省的なものを感じるようです。
第1部の終わりは和音を弾くようなタッチで終えてトリオに。
トリオでの柔和な調べの主題。
この主題のリピートでのスフォルツァンドは第1部とは違い強いアクセント付けをするギレリス。
緊張が走るような趣に。
第3部での第1部の再現で現れる多彩な変容。
力強いタッチで閉じられる第2楽章。

忙しげな趣の主題で始まる第3楽章。
活発で動的な趣の主題。
展開される主題は華麗な雰囲気に。
そして現れる第2主題。
この主題は第1主題を材料とし独立性はなく、また小結尾の役割を兼ねているとのこと。
跳躍感満点。
動的でエネルギッシュな旋律。
展開部、再現部も終始、休むことなく動き続ける音符たち。
この楽章も前楽章同様にコーダを置くことなく再現部がコーダを兼ねているとのこと。
華麗な趣のうちにクレッシェンドし力強く迎える曲の終わり。


第6番は初めて聴いたような・・・これまた記憶が定かではありません。
第1楽章には初めて耳を傾けたのにも関わらず、懐かしさのようなものを感じてしまいます。
始めは何気なく耳を傾けていた第2楽章。
改めて聴き込み魅力を感じる楽章になっていました。

この曲に耳を傾けつつ第2楽章の緩徐楽章はスケルツォに。
コーダを置かない第2、第3楽章。
曲の構成に戸惑いを感じつつ聴いていましたが第3楽章に至り、気が付けば曲に惹き込まれていました。

ギレリスのピアニズムにはこの曲でも魅了されるばかり。
第1楽章では明朗な軽快さの旋律を、強弱の微妙な変化を克明なタッチで奏される表情の豊かさ。
軽やかで愛らしさを感じさせるピアニズム。
第2楽章で関心を抱いたスフォルツァンドの扱い。
同じ楽章内でもスフォルツァンドのアクセントの強さの違いが楽想を豊かにしているかのよう。
また強いタッチの個所でも、単に力強いタッチで表現をするのではなく、キーを軽く弾くような切れの良いタッチ。
第3楽章の動的でエネルギッシュさを奏するタッチにはため息が出るほど。
動的、軽やか、淀みなく進むギレリスのピアニズムに魅了されるのみです。

ギレリスへの形容「鋼鉄のピアニスト」、と嘗て耳にしたイメージはこの曲でもまったく感じることはありませんでした。
一曲、一曲、ベートーヴェンのソナタを聴いているうちに
ギレリスのタッチの繊細な動き。キーを操る自在な運指。
特に第3楽章では息を呑むような想いに。
改めてギレリスのピアニズムに惹かれるばかりです。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴き続ける昨今。
私にとってのお気に入りの三大(?)ピアニストはアラウ、ソロモンそしてギレリスになったようです。

ベートーヴェン独特(具体的にどのような?と自問をしても答えられないのですが)のピアノ・ソナタの魅力は、既にこの第6番でも豊かに花開いているように感じられます。

                 
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2018.05/19(Sat)

Op.440 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第4番」 by アラウ(旧録音)

ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
初期のピアノ・ソナタより作品2-2の第2番 そして 作品2-3の第3番と聴いてきました。
今回は第4番をアラウの1960年代の旧録音より。

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第4番
アラウベートーヴェン ピアノ・ソナタ全集(1960年代、旧録音)より

416ベートーヴェン ピアノ.ソナタ第10番 アラウピアノ・ソナタ全集(1962~66)
(収録曲)
ベートーヴェン

ピアノ・ソナタ:第3番 ハ長調 Op.2-3(録音:1964年4月)
ピアノ・ソナタ:第4番 変ホ長調 Op.7(録音:1964年4月)
ピアノ・ソナタ:第19番 ト短調 Op.49-1

クラウディオ・アラウ(P)


第1楽章:Allegro molto e brio 変ホ長調 6/8拍子
第2楽章:Largo con gran espressione ハ長調 3/4拍子
第3楽章:Allegro 変ホ長調 3/4拍子
第4楽章:Rondo:Poco allegretto e grazioso 変ホ長調 2/4拍子



作曲年代についてははっきり分かっていないそうでが、文献を総合し1796年から翌97年にかけて作曲されたという結論とのことです。
ベートーヴェンは26-7歳でしょうか。
このソナタ第4番では作品2よりも形が一層大きくなり、内容も力感を供えてきているそうです。
楽章構成は作品2と同じく4楽章構成とのこと。

献呈はケグレヴィッチ伯爵令嬢アンナ・ルイーズ・バルバラに。
ケグレヴィッチ伯爵はハンガリー出身だそうです。
令嬢バルバラは才能豊かなピアニストであり、当時ベートーヴェンの弟子だったそうです。
ベートーヴェンはこのソナタの他にピアノ協奏曲第1番、1802年に書かれた作品34の「6つの変奏曲」(ヘ長調)等の作品を彼女に捧げているとのこと。
このソナタは当時「Die Verliebte:愛する女」と呼ばれたそうですが、ベートーヴェンの恋愛とは無関係で、この形容は曲の優雅な気分が当時の人々にとっては相応しいものと思われた、と推測ができるようです。
バルバラは1801年2月にオデスカルキ侯爵と結婚し1813年に他界したそうです。

出版は1797年10月 ウィーンのアルタリア社から。
自筆譜は紛失したとのことです。


アラウで聴くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第4番(旧録音より)

第1楽章:ソナタ形式
この楽章は若いベートーヴェンの大きな感情の振幅を表した雄大な音楽とのことです。
この第4番では劇的な生命感を吹き込もうとする意図が明瞭に現れてきているそうです。
しかし中期のようなはっきりとした効果を生むところまでは行っていないそうですが、曲の底に流れる熱いものを感じることができるとのこと。

第1主題の左手が刻む速いリズムが奏され始まる第1楽章。
この第1主題の動機、右手による調べには流麗な趣が。
弾力を感じさせる第2主題。
この主題がフォルティシモの力強い盛り上がりになり情熱的な高揚を感じるようです。
ピアニシモで静かに奏され始める新しい動機が印象的。
小結尾でのアルペッジョの美しさもまた印象的。
短い展開部では第1主題が展開され、そして第1主題第2主題を扱う再現部を経てコーダ に。
コーダでは第1主題と第2主題が現れ華々しい活力を感じさせつつ閉じられる第1楽章。

第2楽章:三部形式。
充実した響き、多様な色彩感、深い情緒を備えた楽章だそうです。
作品2の緩徐楽章よりも更に一層成熟したものになっているとのこと。

しっとりと静かな歩みの主題で始まる第2楽章。
物想うかのような内省的な雰囲気も織り込まれているよう。
中間部では左手のスタッカートに乗り現れる主題。
闊歩し前進するようなスタッカートの伴奏が印象的。
一貫して左手はスタッカートの伴奏、右手が刻む歯切れの良い旋律。
ピアニッシモで初めの主題が右手の高音で美しく奏される調べが印象的に耳に響きます。
第2部の重厚さ、重々しさ。
コーダでは中間部の主題と第1部の主題が現れ静かに消え入るように終わる第2楽章。

愛らしさを湛えた優しい調べの主題で始まる第3楽章。
第1部の愛らしく優しい主題。
柔和で平和な趣に溢れているような調べ。心に残る主題です。
トリオでは趣が変わり活発に。激しさも感じるようです。
トリオが終わり第1部の反復を経てカノン風の旋律で閉じられる第3楽章。

第4楽章:ロンド
優美なロンド主題で始まる第4楽章。
左手が力を感じさせる低音を切れ味良く奏し、短く音を刻む右手。
左手と右手の活発な応答。
現れる第2主題では活躍するトリルと低音域の動きの対照に耳を惹かれます。
第3の主題は漲る力を感じさせるよう。
コーダで現れるロンド主題。
盛り上がりを経て静かに平穏に迎える曲の終わり。


前回、作品2-3の第3番を聴き、音楽が一回り大きくなっているように感じました。
この第4番では、第3番よりも更に一層拡大された音楽として感じられます。
新しい作品の誕生とともに大きな成長を感じさせるベートーヴェンのピアノ・ソナタ。
そのような変化、変貌が初期のピアノ・ソナタに耳を傾ける時の「期待」「楽しみ」のようになってきました。
このソナタ第4番のダイナミズム、雄大さ。対する抒情性や愛らしさ。
耳を傾けつつ初期のピアノ・ソナタであることを忘れてしまうようです。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴く時、迷う折にはシュナーベルで聴き
他にはアラウとソロモンが鑑賞の主流となってきている昨今です。
今回は時間の制約にてアラウの旧録音のみを聴いてみました。
このソナタを聴き終え、新録音の方も聴きたいとの想い、他の演奏者でも聴きたくなってきました。

アラウのタッチ。
随所に煌めいているように感じられるピアニズムはいつものことでしょうか。
第1楽章では特に小結尾でのアルペッジョの美しさに耳を奪われておりました。
解説書の活字を通して想い描く曲よりも、アラウの演奏にはいつもの落ち着きがあり、過度な感情表現はなく、端正で穏やかな楽想になっているように感じられます。
アラウの演奏に魅力を感じる要素の一つを感じます。
第2楽章での主題を奏するアラウのピアノからは静かな楽想ながら一音一音のタッチから堅固な意思を感じさせるような強さ。
第3楽章では愛らしく優しい主題を愛でるかのように優しさの溢れたピアニズム。
第4楽章での勇壮さ、雄大な趣を感じさせるタッチ。
生き生きとしたアラウのタッチはこのソナタの溢れ出る楽想を感じさせるようです。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第4作目、作品番号7 を与えられてた第4番のソナタ。
新たに生み出されるベートーヴェンのピアノ音楽への前進。
そして新たな光彩を放つ第4番。
楽想とともにアラウの演奏にも魅了されている今日です。

                
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2018.05/12(Sat)

Op.439 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第3番」 by ソロモン

ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
前回の作品2-2、第2番に続き、今回は作品2-3、第3番を聴いてみました。
演奏はソロモン
ソロモンの廉価盤Boxからです。

前置きが長いこのブログ。今日は殊更に長い前置きになりそうです。
今週に入りベートーヴェンの作品、と言うよりクラシック音楽にじっくりと耳を傾けることができたのは、やっと昨夜になってからでした。
ふとしたキッカケでイージー・リスニングばかりを聴いていた日々。
急にベートーヴェンを聴きたくなった昨夜。
そのような時には必ず弦楽四重奏曲。
ハンガリー四重奏団の演奏で第5番を聴き、続いて第6番。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴きつつ久々振りに感涙の心境に陥ってしまいました。
心底「やはりベートーヴェンは良いなぁ」と痛感をした昨夜。
ベートーヴェンの音楽に委ねるひと時の安心感、安堵感。
大げさな言い方ですが生き返ったようでした。
まったく別のジャンルの音楽に接し、改めてベートーヴェンの素晴らしさ
自分にとって絶対に切り離すことができない音楽は何なのかを痛感しました。
生きていることの素晴らしさを感じさせてくれるベートーヴェンの音楽、クラッシック音楽。
このような経験は初めて。
今までは、当たり前、当然のように聴いていたクラシック音楽。
今回は感慨深く、感無量の心持ちでベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番に耳を傾け始めました。
かなり長い前置きになってしまいましたが、自分の心の軌跡として。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番
ソロモンソロモン名演集より


439 ベートーヴェン ピアノ.ソナタ第3番 ソロモン ソロモン名演集より
(収録曲)
ベートーヴェン

ピアノ協奏曲第1番 Op.15(ハーバート・メンゲス&フィルハーモニアO.1956年録音)
ピアノ・ソナタ第3番 Op2-3(1951年録音)


第1楽章:Allegro con brio ハ長調 4/4拍子
第2楽章:Adagio ホ長調 2/4拍子
第3楽章:Scherzo Trio::Allegro ハ長調 3/4拍子
第4楽章:Allegro assai ハ長調 6/8拍子


作品2の3つのソナタについては前回のコピーになりますが再度。

作品2の3つのソナタが作曲されたのは1793年から1795年にかけてだそうです。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32曲の最初に位置する作品2。
ベートーヴェン、23歳から25歳にかけてでしょうか。
作品2の3曲が書かれる前年、1792年にベートーヴェンはハイドンに弟子入りを
するために11月10日にウィーンに到着したそうです。

作品2にはすでにベートーヴェンの個性が深く刻印され
当時のピアノ・ソナタの一般様式を踏み越えた音楽になっているそうです。
作品2の3曲は4つの楽章からなり形式的には定型通りのピアノ・ソナタとのことですが
音楽としてはそれぞれが性格的であり3曲はまったく異なった趣を持っているとのこと。
これらの曲は音楽が類型的な枠の中で書かれることが普通だった時代に於いては 常識を破っている、と言えるそうです。

3つのソナタの特徴、性格
第1番は作品2の3つのソナタの中では一番悲劇的な情緒
第2番、3つのソナタのうちでは最も晴れやかな明るい美しさ
第3番、規模が大きく、ピアノ技巧も華麗な曲
とのことです。
       (以上、前回の引用)

さて、今回の作品2-3、第3番は
作品2の中では一番規模が大きく、ピアノ技巧も華麗で、当時のベートーヴェンの意気揚々とした気概が映し出されているそうです。
これまでに蓄積されたきたベートーヴェンのピアノ音楽の技巧もこの第3番のソナタの中に盛られ尽くされているような作品とのこと。
大木正興氏によると
「このソナタ第3番は1795年頃のベートーヴェンの最も張りきった姿であり、音楽には前進的な気分が脈々と流れ続けており、それを遮るような暗い運命の声はどこにも聴かれない」とのことです。
聴いていても確かに前途のベートーヴェンを待つ運命の暗い影はまったく感じられません。
ベートーヴェンがこの後、辿ることになる年月、事象を想うと、この曲の明るさ、軽快さが痛さを伴い感じられてしまうことも。

ベートーヴェンの創作精神は対照的な2つのものを生む出すように働いていたそうです。
ピアノ・ソナタに於いては対照的な2つのものとして「悲愴」と「熱情」に対し「ワルトシュタイン」。
作品2-1の第1番のソナタが後の「悲愴」や「熱情」に通じるのに対し
このソナタ第3番は「ワルトシュタイン」の方向を示唆している
ということがしばしば指摘されているそうです。


ソロモンで聴くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番

第1楽章、ソナタ形式。
溌剌とした躍動を感じさせる第1主題で始まる第1楽章。
前進あるのみ、という趣。力強い躍動で進む第1主題。
華やかな経過部を経て現れる新しい旋律。
盛り上がりを経て現れるもう一つの優美な趣の旋律。
経過部の後に現れるこれら新しい2つの旋律は前者がト短調
後者がト長調の優美な旋律とのこと。
後者の旋律は規則通りに言えば第2主題だそうですが、実質的には2つの旋律はともに並んで主題的なはっきりとした性格を持っているとのことです。
(脱線をしてしまいますが、この2つの旋律について。
1785年、ベートーヴェン15歳。宮廷オルガ二ストに就任した年にボンでベートーヴェンが作曲したピアノ四重奏曲ハ長調WoO.36。
WoO.36-1、2、3 の3曲があるようですが、ハ長調はWoO.36-3 のようです。
このピアノ四重奏曲の第1楽章からの転用とのことです。
ピアノ・ソナタへ短調作品2-1にも、ピアノ四重奏曲の第2楽章の主題を使用しているとのことです。)
第1楽章の続きです。
華麗な小結尾を経て展開部に。
展開部も華やかな趣のアルペッジョが奏され
展開される第1主題には凛とした雰囲気とともにユーモラスさも感じてしまいます。
再現部を経て迎えるコーダ。
このコーダは非常に長いものになっているそうです。
華麗なコーダ。
始めにアルペッジョが奏され、カデンツァもまた華麗に。
次に現れる第1主題を経てドラマティックに力強く。
ソロモンのピアノは一歩一歩を力強く踏みしめるかのように奏され強い意志のようなものを感じます。
力強く閉じられる第1楽章。

第2楽章、自由なロンド形式。
ゆったりと優しく柔和な調べのロンド主題で始まる第2楽章。
美しい歌を感じさせる主題。
この主題の旋律が耳に入った途端に惹き込まれてしまいます。
続く第2主題は左手と右手の親密な対話のよう。
左手が細やかに奏される中、現れる高音域の美しい調べ。
瞑想的な美しさを感じて聴き入っていると、フォルティシモで現れるロンド主題の冒頭動機。
そして現れる第2主題。
抒情的、詩情豊かな雰囲気が漂い魅了されます。
コーダも静かな調べ奏され閉じられる第2楽章。
詩情豊かな美しさと静かな佇まいの印象的な楽章でこのソナタの中ではもっとも心に残ります。

第3楽章、スケルツォ。
軽やかな主題で始まる第3楽章。
軽やかに闊歩するようなソロモンのピアノ。
時折、響く左手の低音域がスパイスのよう。
中間楽節では左手が奏する響きに右手の高音域が伸びやかな動きを。
トリオでは目まぐるしい動きに。
アルペッジョの3連音で忙しげでありつつも生き生きとした趣。
静かなコーダで消えるように閉じられる第3楽章。

第4楽章、ロンド形式。
小刻みな動きで上昇するようにそしてスタッカートを交え軽やかなロンド主題で始まる第4楽章。
行く手に微塵の暗雲も漂うことのない明朗で軽快なロンド主題。
前途洋々な明るさに彩られている主題のように感じます。
現れる第2主題の美しい調べ。
第3主題も軽やかな明るさ。
曲の終わり近くになりトリルを伴い奏されるロンド主題の華やかさ。
華麗さの中にも力強さを湛え迎える曲の終わり。


第3番のソナタは2年程前に聴いた筈ですが、すっかり忘れていた旋律。
今回、再び聴き以前とはまったく違った曲として感じられるようです。
「第3番、こんなに良い曲だった?」と、これまたいつものパターンに。

第1楽章冒頭から惹き込まれてしまいます。
初期の曲とは感じられない充実したソナタ(と、断言できるような知識はないのですが)。
耳を傾けていると充実感を抱きます。
第4楽章の緊密に織り込まれた旋律からは気迫すら感じられるようです。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴きソロモンがお気に入りのピアニストの一人になりましたが、この第3番の演奏を聴き
今まで気付くことがなかったソロモンの新たな魅力にも触れることができたようにも感じています。
ソロモンのピアニズムがこれ程華麗に感じられるのも初めてのような気もしています。

前回、そして今回と作品2のソナタを聴き続け
今日に至るまで後回しになってしまった初期のピアノ・ソナタに
「もっと早く耳を傾けたかった」との想いを抱きました。

前書きにも綴りましたが、今週に入りクラシック音楽とは隔絶状態に鳴っていた時間に感謝しています。
ベートーヴェンが、クラシック音楽が、ソロモン他の演奏家が
すべてが新しい「音楽」として感じられる今日です。

               
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