♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.409 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第15番≪レリーク≫」(補作完成版) パウル・バドゥラ=スコダ

先日聴いた、シューベルトピアノ・ソナタ第15番「レリーク」。
手持ちのディスクは第2楽章までの未完の演奏ばかりでした。
いつか補作完成された演奏で聴きたいと思っていたところ
お寄せいただいたコメントにてパウル・バドゥラ=スコダのシューベルトピアノ・ソナタ全集に第15番の第3,第4楽章をスコダが補作完成した演奏で収録されていると教えてくださいました。
早速、注文を。
1927年10月6日生まれのパウル・バドゥラ=スコダは今年10月6日が
90歳の誕生日だったそうです。
偶然にも10月6日に届いたスコダのシューベルトピアノ・ソナタ全集。
シューベルトピアノ・ソナタ第15番をパウル・バドゥラ=スコダ補作完成版
聴いてみました。

                シューベルトピアノ・ソナタ第15番
       パウル・バドゥラ=スコダシューベルトピアノ・ソナタ全集より


            408シューベルト:ピアノソナタ第15番 ピアノ・ソナタ全集 パウル・バドゥラ=スコダ
                        (収録曲)
                       シューベルト

         ピアノ・ソナタ第15番:ハ長調 D.840(スコダ補作完成 ヘンレ版)
         ピアノ・ソナタ第16番:イ短調 D.845
                  (録音:第15番 1968年 ウィーン)


           第1楽章:Moderato ハ長調 4/4拍子
           第2楽章;Andante ハ短調 6/8拍子
           第3楽章:Allegretto - Minuetto 変イ長調 3/4拍子
           第4楽章:Rondo Allegro ハ長調 2/4拍子


先日のシューベルト、ピアノ・ソナタ第15番は未完の第1、2楽章まででしたが
今回は補作完成された第3、4楽章を中心に。
第1、2楽章は先日、綴ったことを手抜きをしてコピーで。
以下も先日綴ったことと重複しますが、忘れっぽい自分の復習 として再度。

作曲されたのは1825年4月だそうです。
最初の2つの楽章は完成し、第3、4楽章は未完のまま放置されたとのことです。

ソナタ第15番の「レリーク」は「聖遺物」という意味だそうです。
この呼称は1861年に初版が刊行された際に出版社が最後の作品であると
誤認して付けられた名称とのことです。
1859年2月10日に曲は部分的にシューマンが刊行する「音楽新時報」に
第2楽章だけが楽譜で紹介されているそうです。

パウル・バドゥラ=スコダが補作した第3、4楽章について平野昭氏の解説を
参照させていただきました。

第3楽章。シューベルトはメヌエット主部の第80小節とトリオ部の第28小節までを
書きそのまま未完になっていたそうです。
中間部は完成しているとのこと。
パウル・バドゥラ=スコダの補作部はメヌエット主部第80小節から
終止の第94小節までの14小節になるそうです。

第4楽章。ソナタ形式だそうですが、シューベルトが作曲しているのは
主題部部と展開部のごく一部の第272小節までだそうです。
第271-272小節はソプラノ旋律だけが書かれているとのこと。
パウル・バドゥラ=スコダによる補作は展開部の第271-272小節の左手声部から
第556小節までの長大な量だそうです。
この部分は第347小節以降を含むロンド・ソナタ形式的構成の再現部に相当するとのことです。
この再現部はほぼ型通りになっているとのこと。
シューベルトの晩年の他のソナタ同様に長い展開部を補筆した後に
主題を省略することなく再現させているそうです。

パウル・バドゥラ=スコダによるこの補作完成版
ヘンレ社のピアノ・ソナタ全集(全3巻)の第3巻「初期及び未完のソナタ集」に
収録されているそうです。


パウル・バドゥラ=スコダ補作完成のヘンレ版で聴く
シューベルトのピアノ・ソナタ第15番

(改めて、第1、第2楽章は先日シフの演奏で聴いた時のコピーになります)

第1楽章は318小節からなる大規模なソナタ形式だそうです。
オクターヴ・ユニゾンで始まる第1楽章。
色彩感豊かな雰囲気が漂っているようです。
第1主題の前半と後半の対比が印象的。
簡潔な第1主題の前半に対し
後半では力強いピアノの響きの重厚さ、そして動的なリズム。
第2主題になり柔和な趣に。
右手のソプラノと左手のバスの伴奏で美しい郷愁のような趣。
心惹かれる第2主題です。
この主題の調べに耳を傾けていると、いかにもシューベルト特有な趣を感じます。
展開部を経て奏される調べは幻想的、夢想的な
ピアノの自由な独り言のよう。
終わりは力強く奏された後に弱音で閉じられる第1楽章。

第2楽章は121小節からなり、極めて自由な構成で既存の形式を当てはめることが
できないそうです。
平野昭氏によると強いて形式原理を考えると「展開部を省略し、第1主題により
コーダを作った緩徐ソナタ形式が下敷きになっていると思われる」とのことです。

優しげに静かに始まる第2楽章。
内省的な印象を受ける主題。
楽章内で幾度か顔を見せるこの主題、聴くうちに親しみを抱きます。
第1の主題が終わりオクターヴ・ユニゾンで音量を強めて始まる次の主題。 
左手のバスは力強い歩みを刻むかのように。
右手のソプラノは愛らしげな趣を。
この楽章も第1楽章同様にオクターヴ・ユニゾンが効果的な演出をしているように感じられます。
コーダでは冒頭主題が弱音、強音が鮮明に対比、演奏され閉じられる曲。


第1楽章と同じようにオクターブ・ユニゾンでの始まる第3楽章。
素朴な雰囲気が漂っているように感じられます。
呈示が終わると一転して軽快な旋律に。
次第に音量を上げ力強く。
荒々しさを感じさせるような力強さ。
この力強さは精彩に富むようで印象的。
トリオでも主題はユニゾンでの始まり。
覇気のある旋律、激しさが支配しているよう。
一息入れるかのように速度を落として閉じられる第3楽章。

活気を感じさせる3連音符が駆け足で音階を踏み上がるように始まる第4楽章。
軽快なロンド主題。
リズミカルで活発さに溢れているよう。
第2主題になり華やかな趣に。
左手の力強さ。右手の華麗さ。
主題後半の第155小節からは変奏展開になっているとのこと。
次々と姿を現す力強さと華麗な旋律。
再度現れる主題の軽快な旋律。
活き活きとして華麗さに彩られた活気のある楽章でしょうか。
コーダの激しく高揚するような趣で力強い打鍵で迎える曲の終わり。

ショップの記事によるとこちらの全集は1927年10月6日にウィーンで誕生した
パウル・バドゥラ=スコダの90歳を記念し、1970年にRCAから発売された
シューベルトのピアノ・ソナタ全集が初CD化されての発売になるそうです。
1967年5月から1971年5月にかけてウィーン及びローマでの録音とのこと。


バドゥラ=スコダにより完成された第3、第4楽章を聴き
この曲に抱いてた印象がガラリと変わりました。

第3、4楽章での生き生きとした活気が漲る旋律。
屈託を感じさせない明朗な旋律。
印象に残るのは第3楽章のメヌエット主題の素朴な趣です。

バドゥラ=スコダの演奏に、これほどじっくりと耳を傾けたのは初めてのように
思います。
第1楽章冒頭のスコダの優しいピアノタッチも印象的ながら
克明なタッチが生み出す精彩、力強さには気迫を感じてしまいます。
全楽章を通し左手の伴奏も右手同様に克明な打鍵で音を刻み
曲に生き生きとした息吹を感じさせるようなピアニズムのように感じます。

先日、聴いたシフの演奏とは一味も二味も違うような
バドゥラ=スコダの精彩さ、スケールの大きさ、剛健な趣の
ソナタ第15番に出合ったような気がしています。

                 
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Op.408 ドヴォルザーク:「交響曲第9番≪新世界より≫」 by カイルベルト&バンベルク交響楽団

いろいろな意味で記憶に残るドヴォルザーク交響曲第9番新世界より」。
お気に入りの交響曲です。
好きな割合には、お気に入りの演奏が想い付きません。
と言うか、どの演奏を聴いてもこの曲には惹かれるものがあります。
特に第4楽章。

初めて求めたCDが「新世界」。カプリングはシューベルトの「未完成」でした。
カラヤン&ベルリン・フィルの演奏です。
LPからCD時代に変わる頃から多々の事情にて音楽を聴く時間、心の余裕もなく
今想うと人生の暗黒時代(?)のようなドタバタ生活。
やっと1990年代初頭に初めてCDを購入するという音楽愛好家の一人としては
10年近く遅れて初めてのCD購入の幕開けになった「新世界より」でした。

最近、良く聴いているカイルベルトのBoxに「「新世界より」が収録されており
聴く前から演奏を想像して期待満々で耳を傾けてみました。
カイルベルトバンベルク交響楽団の演奏です。
期待以上の演奏でした。

              ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界」
                 カイルベルト・コレクションより

           392ブルックナー:交響曲第6番カイルベルト&ベルリン・フィル ヨーゼフ・カイルベルト・コレクション
                        (収録曲)

                     ドヴォルザーク
             交響曲第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より
             序曲「謝肉祭」 Op.92
                     レーガー
             バレエ組曲 Op.130

                 ヨーゼフ・カイルベルト指揮
                 バンベルク交響楽団
                     (録音:1961年)

            第1楽章:Adagio – Allegro molto ホ短調 4/8拍子
            第2楽章:Largo 変ニ長調 4/4拍子
            第3楽章:Scherzo. Molto vivace ホ短調 3/4拍子
            第4楽章:Allegro con fuoco ホ短調 4 /4拍子


作曲は1893年1月10日に着手し5月24日に完成したそうです。
副題の「新世界より」は、曲の初演を指揮したアントン・ザイドルの示唆により
ドヴォルザークが与えた、と言われているとのことです。
曲の中で使われている黒人霊歌やアメリカ・インディアンの民謡を想わせる旋律は
ドヴォルザークがそれらを自分流に充分に咀嚼して用いたとのこと。

ドボルザークは次のように語っているそうです。
「わたしがこの曲にアメリカ・インディアンや黒人霊歌の旋律を原曲のまま用いているというのはナンセンスである。
わたしはこうした旋律の精神を生かして、国民的なものを書こうとしただけである。」
曲の材料はアメリカから得たものの、曲の支柱となっているのはあくまでもボヘミアの精神。
ドヴォルザークはこの曲をアメリカから故郷のボヘミアに送る音楽による望郷の手紙のようなもの、として作曲されたそうです。

         (wikiドイツ)408ドヴォルザーク:交響曲第9番 Titelblatt der Partitur von Dvořáks 9. Sinfonie
         ドヴォルザーク 交響曲第9番 自筆譜のタイトルページ

アメリカ滞在中のドヴォルザークの大作が交響曲「新世界より」。
その後に弦楽四重奏曲作品96「アメリカ」、弦楽五重奏曲作品97
そしてチェロ協奏曲が続くそうです。
チェロ協奏曲はチェコに戻ってから完成したとのこと。

作曲をする前年、1892年9月15日にドヴォルザークは故国チェコを旅立ち
9月26日にニューヨークに到着したそうです。
ニューヨークのジャネット・サーバー夫人から彼女が1885年以来経営してきた
ナショナル音楽院の院長になって欲しいと丁重な依頼状が1891年春にドヴォルザークの元に届いたそうです。
ドヴォルザークは当時プラハ音楽院の作曲家の教授として就任したばかりの折りであり郷里ボヘミアの自然を深く愛していたドヴォルザークは2年間半も祖国を離れて暮らすという気にはなれなかったそうです。
が、再三のサーバー夫人からの要請にて故国を暫くの間、後にする決心をしたとのことです。
ドヴォルザークは2年間の休暇を取り、愛妻と6人の子供ののうちの2人、長女のオティリエと長男のアントンを伴いアメリカへと旅立ったそうです。
因みに長女オティリエは後にドヴォルザークの弟子のスークと結婚をし、チェコのヴァイオリニスト、ヨーゼフ・スークはオティリエの孫になるとのこと。

初演は1893年12月158日にカーネギー・ホールに於いてアントン・ザイドル指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック協会演奏会に於いて行われたそうです。
この初演はドヴォルザークがこれまで経験したことのないほどの
また、カーネギー・ホールでも類例を見ないほどの大成功を収めたとのことです。
因みに指揮のザイドルはドイツでワーグナーの助手を務めていたことがあるとのこと。

出版は1894年にベルリンの出版商ジムロックから初めて出版。
楽譜の出版ではドヴォルザークがアメリカに滞在していたためブラームスが校正を
引き受けるという友情物語も生まれたそうです。

少々長い寄り道になりますが、第2楽章と第3楽章についてのメモを。
この2つの楽章の元になっているのはアメリカ合衆国の詩人
ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー(1807-1882年)が1855年に
発表した叙事詩「ハイアワサの歌」だそうです。
この叙事詩はインディアンの英雄を謳った英雄譚とのこと。

             408:ドヴォルザーク「新世界より」ハイアワサの歌
                  ハイワサとミネハハの彫刻
             (ミネソタ州 ミネアポリス ミネハハ滝近く)

ミネハハ(Minnehaha)は架空のネイティブアメリカンで、ロングフェローの「ハイアワサの歌」の中にも書かれているそうです。
ミネハハは主役のハイアワサ(Hiawatha)の恋人で悲惨な終末を迎えるとのことです。
彼女の姿は、絵画、彫刻、音楽などの芸術作品に影響を与えたそうです。
このミネハハの死のシーンをドヴォルザークは「新世界より」の第2楽章に。
第3楽章には「ハイアワサの歌」の結婚の祭典でインディアンたちが踊っているシーン
が元になっているそうです。


カイルベルト&バンベルク交響楽団で聴くドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」

静かに荘重な趣で奏されるチェロの序奏で始まる第1楽章。
木管楽器も加わり盛り上がる旋律。
低弦の重厚な響きに加わるティンパニの力強さ。
ホルンが吹奏し始まる第1主題
耳に馴染んだ力強いシンコペーション・リズムの躍動感のある印象的な主題。 
第2主題になり木管が奏する哀愁の調べ。
第1主題の活躍の影になるかのように楽章中に時々現れ印象的です。
力強い気迫が弱まることなく閉じられる第1楽章。

第2楽章、前述したことと重複しますが「ハイワサの歌」のミネハハの死の
シーンから受けた暗示により書かれたそうです。。
また主題にはドヴォルザークの弟子フィッシャーが“Goin'home” という
英語の歌詞を付け1922年に歌曲として発表したものが「家路」として日本にも伝播し
誰もが知る有名な旋律ですね。

管楽器が静かに吹奏される序奏で始まる第2楽章。
続いて馴染み深い有名な旋律を奏するイングリッシュ・ホルン。
イングリッシュ・ホルンの素朴な響き、調べにも魅了されます。
情感を込めて奏されるイングリッシュ・ホルンが歌うこの調べは
万人の心に染み入るような不思議な力を持つ旋律でしょうか。
木管たちが紡ぎ出す新しい旋律も郷愁の趣で。
弦の小刻みな伴奏に歌うオーボエ、木管たちに歌い紡がれ。
ゆったりと長閑に、郷愁の調べに心惹かれていると楽章は中間部に。
中間部で速度が少し上がり愛らしく、茶目っ気を感じさせるようなクラリネットの響きは
一抹の光明のようにも。
トゥッティになり盛り上がった後、再びイングリッシュ・ホルンが奏する冒頭の旋律。
オーケストラも一体となり静かに奏され、名残惜しむかのように閉じられる第2楽章。

第3楽章、「ハイアワサの歌」の結婚の祭典のシーンから受けたインスピレーションにより書かれたそうです。

華やかで活気のある短い序奏で始まる第3楽章。
主題を奏する重厚な響きに続き
舞曲を想わせるような雰囲気と躍動的感のある旋律。
木管が奏する哀愁を帯びた旋律も顔を見せ。
第1楽章の力強い旋律が現れ
中間部で活躍する木管たち。
コーダでは再び第1楽章の旋律が現れ、高揚し盛り上がりのうちに
閉じられる第3楽章。

蓄えられたエネルギーが徐々に発散されるような序奏で始まる第4楽章。
先行する序奏が終わり第1主題に。
トランペットが力強く壮大に奏される第1主題。
オーケストラも切れ味良く奏する旋律。
ティンパニも加わり力動的な雰囲気に。
第2主題になりクラリネットが奏する優美な歌。
再びオーケストラの力強い響き。
曲のこの部分に来ると、心を震撼させられます。
展開部では今まで登場した楽章の主題が総出に。
各楽章の主題が次々と現れ、楽想の豊かさに改めて気付かされます。
壮大にオーケストラが奏された後、管楽器が和音を尾を引くよう静かに奏して
迎える曲の終わり。


壮大で気迫を感じさせる演奏のなかにも情感が豊かに漂っているようです。
第4楽章はいつ聴いても感動、感動の渦になってしまいます。

バンベルク交響楽団は第2次大戦後、1949年(或いは50年)にチェコスロヴァキアを
脱出したドイツ・フィルハーモ二ーの団員を主体に結成された楽団とのことで
カイルベルトが首席指揮者として就任したそうです。
カイルベルト&バンベルク交響楽団は来日をしたこともあったそうですが。
今までバンベルク交響楽団はあまり聴くことがありませんでしたが
「新世界より」を聴きカイルベルトの良きパートナー的交響楽団のように感じられ
固唾を呑み演奏に聴き入ってしまいました。

折に触れ、時に触れ耳にしてきた「新世界より」ですが心に残る演奏になりました。
「新世界より」の愛聴盤は特になかったのですが
やっと愛聴盤と呼べるディスク、演奏に出合うことができたように想います。

                   
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Op.407 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第15番≪レリーク≫」 by アンドラーシュ・シフ

前回、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番のオーケストラ版を聴き
ふと、シューベルトピアノ・ソナタを聴いてみたくなりました。
ベートーヴェンにしてもシューベルトにしてもピアノ・ソナタは疎遠、苦手なジャンル。
聴いてみると・・・気が付けば耳をそばだてていました。
初めて「聴く」に等しい曲、シューベルトピアノ・ソナタ第15番。
3人の演奏を聴き代表になってもらったのはシフです。

           シューベルトピアノ・ソナタ第15番「レリーク
       シフシューベルトピアノ・ソナタ全集、即興曲集他より


             407:シューベルト;ピアノ・ソナタ第15番 ソナタ全集 シフ
                         (収録曲)
                       シューベルト

              ピアノ・ソナタ第15番ハ長調D.840「レリーク
              ピアノ・ソナタ第16番イ短調D.845
              ピアノ・ソナタ第8番嬰へ短調D.571
                (録音:1993年ウィーン・コンツェルトハウス)


                第1楽章:Moderato ハ長調 4/4拍子
                第2楽章;Andante ハ短調 6/8拍子

作曲されたのは1825年4月だそうです。
シューベルト28歳頃でしょうか。
1825年にシューベルトはピアノ・ソナタイ短調D.845の第16番を作曲しているそうです。
第16番の作曲に着手されたのは5月に入ってから、と推定されているようで
完成は5月31日以前だったとのこと。
第16番の直前の4月に、この第15番に着手していたそうです。
最初の2つの楽章は完成し、第3、第4楽章は未完のまま放置されたそうです。
第3楽章のトリオ部は完成しているそうですが、メヌエット部は僅かなところで
筆が断たれているとのことです。
第4楽章は272小節以降が空白とのこと。
軽快で愉しいエピソードに溢れた楽章だそうです。

作曲の途中で放棄された理由については解明されていないとのこと。
この第15番の直後に作曲された第16番の筆頭主題の楽想は
第15番と本質的に同じ発想から生まれているとのことです。
平野昭氏の推測では第15番が未完のまま放棄された理由として
「どちらか1曲を犠牲にするという芸術家としての衝動が働き第15番を犠牲として
第1、第2楽章の未完のまま放棄された」と。

ソナタ第15番の「レリーク」は「聖遺物」と言う意味で
この呼称は1861年に初版が刊行された際、出版社が最後の作品と誤認し
付けられた名称だそうです。
曲は部分的には1859年2月10日にシューマンが1834年にライプツィヒで創刊した
「音楽新時報」で第2楽章だけが楽譜で紹介されているとのことです。

今日、この第15番はヘンレ社のピアノ・ソナタ全集(全3巻)の第3巻「初期及び未完のソナタ集」にパウル・パトゥラ・スコダが補作完成した形で収録されているそうです。


シフのピアノで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第15番

第1楽章は318小節からなる大規模なソナタ形式だそうです。

オクターヴ・ユニゾンで始まる第1楽章。
色彩感豊かな雰囲気が漂っているようです。
第1主題の前半と後半の対比が印象的。
簡潔な第1主題の前半に対し
後半では力強いピアノの響きの重厚さ、そして動的なリズム。
第2主題になり柔和な趣に。
右手のソプラノと左手のバスの伴奏で美しい郷愁のような趣。
心惹かれる第2主題です。
この主題の調べに耳を傾けていると、いかにもシューベルトらしい特有な(言葉として表現ができないのですが)趣を感じます。
展開部を経て奏される調べは幻想的、夢想的な
ピアノの自由な独り言のよう。
終わりは力強く奏された後に弱音で閉じられる第1楽章。

第2楽章は121小節からなり、極めて自由な構成で既存の形式を当てはめることが
できないそうです。
平野昭氏によると強いて形式原理を考えると「展開部を省略し、第1主題により
コーダを作った緩徐ソナタ形式が下敷きになっていると思われる」とのことです。

優しげに静かに始まる第2楽章。
内省的な印象を受ける主題。
楽章内で幾度か顔を見せるこの主題、聴くうちに親しみを抱きます。
第1の主題が終わりオクターヴ・ユニゾンで音量を強めて始まる次の主題。 
左手のバスは力強い歩みを刻むかのように。
右手のソプラノは愛らしげな趣を。
この楽章も第1楽章同様にオクターヴ・ユニゾンが効果的な演出をしているように感じられます。
コーダでは冒頭主題が弱音、強音が鮮明に対比、演奏され閉じられる曲。


このソナタ第15番をじっくりと聴くのは初めてであり
初めて聴く、と言った方が適切かもしれません。
今回聴いたシフの全集も眠っていることが多いまま年月が過ぎてしまいました。
嘗て聴いた時には心に残るものがなく素通りをしてしまった曲。
今回、じっくりと聴いてみると其処彼処にシューベルト特有の魅力が
散りばめられているのを感じます。

多用されているオクターヴ・ユニゾンがこの曲に
精彩で愉しげな雰囲気を醸し出しているように感じたりしています。

今回、第15番を手持ちのディスクで3種だけ聴いてみました。
一番先に聴いたのが「巨匠」と呼ばれる一人の某ピアニストの演奏。
良さも悪さも感じることができず・・・・この曲に好印象を抱くことができませんでした。
次に聴いたゼルキンとシフの演奏。
ゼルキンは自ら愉しんで弾いているかのような印象を受け
「微笑むソナタ第15番」のように感じられたり・・・安堵感を抱くホッとする演奏でしょうか。
そしてシフからは生真面目に曲に取り組み、少々、堅苦しさを感じてしまう
「端正なソナタ第15番」との印象を受けました。
後者の2人のピアニスト、それぞれ惹かれるものを感じています。

手持ちのディスクは未完の第2楽章までの演奏ですので
機会があれば補筆完成された演奏も聴いてみたいものです。

                   
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Op.406 ベーヴェン:「ピアノ・ソナタ第29番≪ハンマークラヴィーア≫」(オーケストラ編曲版) by ワインガルトナー&ロイヤル・フィルハーモニーO.

先日、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の編曲版の演奏に惹かれ聴いていた日々。
その折りに、ベートーヴェンピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」の
オーケストラ編曲版の演奏があるとのコメントをお寄せいただきました。
初めて知ったピアノ・ソナタ第29番のオーケストラ版です。
第29番はベートーヴェンピアノ・ソナタの中でも苦手な類の曲でしたが
オーケストラ編曲版を聴き苦手意識が払拭されたようにも思っています。

ピアノ・ソナタ第29番、ワインガルトナー編曲、指揮&ロイヤル・フィルハーモニーO. の演奏です。

        ベートーヴェンピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア
                                (オーケストラ編曲版)
         ワインガルトナー&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団


            406:ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番(管弦楽版) ワインガルトナー&ロイヤル・フィル
                        (収録曲)
                      ベートーヴェン
     
         ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア
                           (ワインガルトナー編曲 オーケストラ版
         交響曲第8番 ヘ長調 Op.93

             フェリックス・ワインガルトナー指揮
             ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(ソナタ第29番)
             ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(交響曲第8番)
                   (録音:1930年 モノラル)

      第1楽章:Allegro 変ロ長調 2/2拍子
      第2楽章:Scherzo Assai vivace 変ロ長調 3/4拍子
      第3楽章:Adagio sostenuto 嬰へ短調 6/8拍子
      第4楽章:Largo (序奏) 4/4拍子 - Allegro risoluto 3/4拍子 変ロ長調


この曲が書かれたのは1817年から18年にかけてだそうです。
ベートーヴェン47歳頃から48歳頃にかけてでしょうか。
ベートーヴェンのスケッチ・ブックによると1817年11月に作曲に着手
翌1818年初めには第2楽章までが完成。
第3,4楽章は夏にメードリングの「ハフナ―ハウス」に滞在をしていた間に
ほぼ完成したようです。
1819年の3月には作曲も浄書もすべて終わっていたとのことです。

この曲の「ハンマークラヴィーア」という呼称の由来は
ベートーヴェンがシュタイナー社宛ての手紙に“Große Sonate für das Hammerklavier” とドイツ語で記すように指定したことによるそうです。

自筆譜楽譜は紛失したとのことです。

このソナタが書かれた時期のベートーヴェンについて
シンドラーは次のように表現しているそうです。
「われわれの作曲家は前のようにたくさん音符を書く代わりに、この2,3年は手紙をおびただしく書いた。
或るものは家事について、或るものは訴訟について、或るものは甥の教育についてである。
しかもその大部分は心の中の激しい感情のあまり好ましくない、悲しむべき表現であり、そしてそれらの事柄にたいするベートーヴェンの熱心さを表すもの」と。
訴訟は甥のカールをカールの母親と奪い合った事件のことだそうです。

尚、曲を書き終える頃の1818年から聴覚の衰えが激しくなり
また、甥カールの件では神経を擦り減らす煩雑な人間関係に引き摺り回され
会話もまったく不自由になり筆談帳を使用するようになった時期だったそうです。
こベートーヴェンのような苦渋に満ちた時期。
「底の方に秘められた芸術の泉は枯れるどころか
最後の光彩を発揮するための充分な養分を蓄えていた」そうです。

曲の献呈はルドルフ大公に。


ワインガルトナーロイヤル・フィルハーモニーO. で聴く
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番、オーケストラ編曲版

力強く大らかな雰囲気でオーケストラが奏する第1主題で始まる第1楽章。
壮大な趣の第1主題。
主題の前半と後半(各4小節とのこと)の対照的な趣。
前半は力強さに溢れ、後半は穏やかに。
楽章は冒頭動機が中心素材になって構成されているとのことです。
この冒頭動機がとにかく印象に残ります。
原曲のピアノで聴いても強い印象を与えられる動機ですが
オーケストラ編曲版で聴くと一層の印象深さを感じるようです。
力強く、明るい旋律でありながら、一抹の寂寥感を秘めているように感じられます。
第2主題には優しい雰囲気が。
展開部になり応答するような弦楽器と管楽器たち。
聴いているうちに交響曲を聴いているかのような気分に。
力強さの中にも美しい調べが感じられるようです。  
壮大に閉じられる第1楽章。

第2楽章は3部形式とのことです。
ベートーヴェンがピアノ・ソナタにスケルツォを入れたのは第18番以来のことで
ピアノ・ソナタではこれが最後になるそうです。
舞踏を連想するような旋律で始まる第1部。
スケルツォでは途中でプレストになったり目まぐるしく忙しげな印象。
コーダでもトリオ部分のプレストが入り忙しげに奏されつつ
突如として切れるように閉じられる第2楽章。

第3楽章は187小節の長大なアダージョだそうです。
未曽有の規模を持ち、また表している世界の深い事さで特異な音楽とのこと。
ベートーヴェンがロンドン在住のリース宛て、1819年4月19日付けの書簡には
現在第3楽章に置かれているこのアダージョを第2楽章として、スケルツォが第3楽章になることを容認し、さらに「このソナタは苦しい事情の下で書かれた。パンのために
書くのはまったく辛いことだ」と記しているそうです。

静かな導入で始まる第1楽章。
続く第1主題は管楽器で奏される哀愁や暗い感じに覆われた暗澹とした旋律。
暫く続く第1主題から中間楽節では弦が奏する柔和な明るさを感じさせる調べが。
静かで美しい哀愁を帯びた「悲歌」の調べに心を洗われるような。
この曲の中で私にとっては最も心に染み入る旋律です。
低弦でゆったりと奏されはじまる第2主題。
展開部では細やかに歌う弦楽器たち。
大らかに静かな調べが奏され消え入るように閉じられる第3楽章。
深く心に残る楽章です。

管楽器が活躍する荘重な雰囲気の序奏で始まる第4楽章。
フーガ主題の開始の部分に「幾分自由な3声のフーガ」と書き込まれているそうです。
序奏の後、380小節の巨大なフーガとのこと。
力強く壮大な趣で奏され進行をするフーガ。
穏やかな雰囲気が漂うカノン風の間奏の部分では
フーガの緊張感からホッとする気分に。
延々と続くフーガには焼き尽くすような雰囲気や緊張感が漂っているよう。
解説を読むと、3声のフーガやら二重フーガ等々、混乱状態になってしまいますが
聴いているうちに次第に惹き込まれてしまうフーガ。
この楽章に現れる幾つかのフーガの中に時には燃え滾るような音楽として
言葉にはできない感情の激しさ、葛藤が込められているのかと
多々勝手に想像しつつ耳を傾けてしまいます。
曲の終わりには進行するフーガが高揚するかのように奏され
凛とした趣で力強く迎える曲の終わり。


ワインガルトナーがピアノ・ソナタ第29番をオーケストラ用に編曲をしたのは
1926年のことだそうです。
1930年の録音とのことですがまったく支障を感じることなく鑑賞をしています。

第1楽章の冒頭の力強くシンフォニックな壮大さ。
力強さ、壮大さの中にも哀愁が美しさを伴って漂っているのを感じます。
ピアノで聴く以上に記憶に刻まれる冒頭の動機です。

原曲のピアノ演奏とオーケストラ編曲版を聴いてみると・・・。
ピアノ演奏の方が曲に力強さ、激しさを感じます。
オーケストラ編曲版は力強さは感じるものの突出した強さではなく
あくまで全体がバランスよく調和がとれた「強さ」であり
「優しさ」が加味されているような好印象を受けます。
特に第3楽章。「悲歌」。静かに奏される深い哀愁。
心を捉えて離すことがなく惹かれてしまいます。
駆使される管楽器も印象的です。
繊細で豊かな表情を見せてくれるオーケストラ版でしょうか。
ピアノ演奏では1回聴くのが精一杯ですが
オーケストラ版は繰り返し聴いてしまう魅力を感じています。

ワインガルトナーはベートーヴェンの交響曲全曲録音をした最初の
指揮者ということで演奏を是非聴きたく交響曲全集を求めたのは近年のことでした。
肝心な演奏は特に印象に残っていなかったのですが・・・。
このディスクのカプリングになっている交響曲第8番を聴き
改めて聴き直してみたくなり交響曲全集を取り出してみました。

ピアノ・ソナタ第29番の素晴らしいオーケストラ版に出合うことができ
心の中で ありがとう を連発しています。

                   
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Op.405 ベートーヴェン:「ヴァイオリン・ソナタ第4番」 by オイストラフ&オボーリン

最近、またベートーヴェンに戻ってきているような・・・。
ベートーヴェン(そしてシューベルトも)の作品を聴いていると古巣に帰って来たようで
ホッとした気分になります。
何となく聴いてみたくなったのがベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ
今回はベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ第4番を。
オイストラフオボーリンの演奏で聴いてみました。

             ベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ第4番
    オイストラフオボーリンベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集より


          405ベートーヴェン:ヴァイオリン.ソナタ第4番 オイストラフ&オボーリン ヴァイオリン・ソナタ全集
                        (収録曲)
                      ベートーヴェン
              ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ハ短調 Op.23
              ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」
              ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 Op.30-1

                  ダヴィッド・オイストラフ(Vn)
                  レフ・オボーリン(P)
                    (録音:1962年 パリ)


       第1楽章:Presto イ短調 6/8拍子
       第2楽章:Andante scherzoso più allegretto イ長調 2/4拍子
       第3楽章・Allegro molto イ短調 2/2拍子


作曲に着手されたのはヴァイオリン・ソナタ第5番とほぼ同じ頃の1800年。
完成は翌1801年だそうです。
曲のスケッチは1800年にピアノ・ソナタ第11番 作品22 と並行して
行われたとのことです。
このソナタ第4番と第5番は当初、2曲とも 作品23 の番号が付けられていたそうです。
1802年に第4番は作品23、第5番は作品24 の異なる番号が与えられたとのことです。
出版は1801年10月に第4番、第5番は連作としてウィーンのモロ社から刊行。


             405 ベートーヴェン Beethoven-Porträt von Carl Traugott Riedel aus dem Jahr 1801.
          ソナタ第4、5番が作曲された頃のベートーヴェン 
            (1801年 カール・トラゴット・リーデル作)

ヴァイオリン・ソナタ作品12の3曲、第1番から第3番が作曲されたのは
1798年と推定されるそうです。
それ以降、このヴァイオリン・ソナタ第4番に着手する約2年程の間に
ベートーヴェンは数多くの経験を経てきたとのこと。
ヴァイオリン・ソナタ第4番に着手する前の1799年には
ピアノ・ソナタ「悲愴」作品13が書かれ
1800年には初期の総決算としての意気込みを抱いて書いた弦楽四重奏曲作品18の
6曲が作曲されたそうです。

作曲が順調に為される一方、ベートーヴェン自身の耳疾患は悪化していった時期
とのことです。
ベートーヴェンは練れたものを作曲できるようになってきた歓びと
耳疾患への不安とで精神的にはかなり波の多い日々を送っていた時期でもあった
そうです。
また、貴族の力が弱まり、ナポレオンは勢力を拡大しつつあった当時の社会情勢の
変化もベートーヴェンに少なからずの影響を与えたようです。


             405:ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番Graf Moritz von Fries
                モーリツ・フォン・フリース夫妻

曲の献呈は第4番、第5番ともにモーリツ・フォン・フリース伯爵に。
伯爵はウィーンの銀行経営者であり有名な音楽愛好家でもあったそうです。
伯爵のサロンは音楽中心の社交で賑わっていたとのこと。
ベートーヴェンはこのヴァイオリン・ソナタ第4番と第5番や交響曲第7番などを
伯爵に捧げ、他の作曲家も作品を献呈したそうです。
ハイドンは最後の弦楽四重奏曲を。
シューベルトは歌曲「糸を紡ぐグレートヒェン」を。


オイストラフオボーリンで聴くベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第4番

ヴァイオリンのスフォルツァンドが緊張感を煽るように奏される第1主題で始まる
第1楽章。
すぐ続くピアノも緊張を帯びているように。
この主題のスフォルツァンドは恰も一定のリズムのようにも感じられます。
この第1主題は耳に馴染み深く印象に残る旋律。
第2主題では一転してレガートで奏される旋律に。
ヴァイオリンとピアノが紡ぎ出す調べには穏やかさが漂っているようです。
静かに語り合うヴァイオリンとピアノの調べに耳を傾けていると
姿を現す第1主題に夢心地から覚めるようです。
展開部では冒頭の第1主題が激しさ増すような。
間もなく呟くように奏されるヴァイオリンとピアノ。
再び第1主題のスフォルツァンドが緊張を感じさせつつ閉じられる第1楽章。

ピアノが奏され始まる第2楽章。
加わるヴァイオリンが繰り返す第1主題。
臆するように奏される雰囲気の中にも
明るく茶目っ気を感じさせる主題。
たどたどしく語りかけるように奏される2つの楽器が印象的。
奏される2つの楽器から想い描いてしまうのは
新入生、新入社員が新しい環境の中で、はにかんでいるような面持ち。
ピアノの低音で始まる第2主題。フーガも愉しく耳に響くようです。 
口ずさみたくなるような親しみを感じる調べが静かに奏され閉じられる第2楽章。
臆するような朴訥とした語り合いが印象に残る楽章でしょうか。
嘗ては変哲のない楽章に感じていましたが
じっくり耳を傾けていると味味わい深い趣の2つの楽器の語り合いには
耳をそばだててしまいます。

ピアノが奏する流麗な調べのロンド主題で始まる第3楽章。
第2主題に入りヴァイオリンとピアノの音域が相反するような様相に。
ピアノは低音域へ、ヴァイオリンは高音域へと。 
再び現れるロンド主題を経て、現れる第3主題。
ヴァイオリンが奏する静かで澄んだ調べ
ヴァイオリンに静かに寄り添うピアノ。
幻想的な雰囲気が漂っているような主題です。
静かに第3主題が終わり再びロンド主題に。
ピアノが主題を奏しつつヴァイオリンも活発に奏された後
静かに迎える曲の終わり。


ヴァイオリン・ソナタ第5番の明朗な雰囲気に比べ
この第4番では翳りを感じるようです。
第5番もお気に入りのソナタですが味わい深さでは第4番に軍配が上がるようにも・・・。
殊に印象に残るのは第1楽章の第1主題と第2楽章です。
今まで幾回ともなく聴いていた第2楽章ですが
今回、じっくりと耳を傾け新鮮なものを感じるようでした。

手持ちのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の中で
最も聴く機会が多いのがこのオイストラフオボーリンの演奏です。
LP時代に初めて聴いたベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタが
オイストラフ&オボーリンの演奏でした。
分売になっていましたので一枚一枚求めた懐かしさを
この2人の演奏を聴く度に想い出してしまいます。

やはり聴いていてホッとします。
今回、、この曲を聴きオイストラフのヴァイオリンの柔らかさ、特に第2楽章での
優しさのような響き。
オボーリンの表立つことなくヴァイオリンと対等、控え目なほどの演奏にも
好感を抱きます。
自然で端正な演奏。
オイストラフとオボーリンが紡ぎ出す音楽はベートーヴェンのソナタの
どの曲であってもすぐに作品の素晴らしさを伝え
その世界に誘ってくれるようです。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでは常に立ち帰る演奏になっています。

                  
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Op.404 ベートーヴェン:「大フーガ」(弦楽合奏版)クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団

先日、ベートーヴェン弦楽四重奏曲第16、14番をバーンスタイン&ウィーン・フィル
弦セクションの弦楽合奏版を聴き感銘を受けました。
その際、お寄せいただいたコメントにクレンペラーの「大フーガ」の文字。
クレンペラーの演奏なら是が非でも聴いてみたくなります。
幸い手持ちのディスクにクレンペラーフィルハーモニアO.弦楽合奏の演奏が
収録されていましたので早速聴いてみました。

          ベートーヴェン:「大フーガ」(弦楽合奏版)
        クレンペラーベートーヴェン 交響曲全集、序曲集より

           403ベートーヴェン「大フーガ」~ベートーヴェン交響曲全集、序曲集 クレンペラー
                       (収録曲)
         
                     ベートーヴェン
              交響曲第3番 変ホ長調 op.55 「英雄」
              大フーガ Op.133(弦楽合奏版)

                  オットー・クレンペラー指揮
                  フィルハーモニア管弦楽団
              (録音:「大フーガ」1956年3月 ステレオ)


弦楽四重奏曲第13番を聴いた際にこの作品は一昨年ブログに登場していたようで
重複する内容になりますがいつものように自分の復習を兼ねて。

この作品は本来、弦楽四重奏曲第13番の終曲として書かれたものを
ベートーヴェンが死の直前に改作。
新たな作品番号である 133 を付けて単独で世に出る運命になったそうです。

弦楽四重奏曲第13番が完成した際に終曲の第6楽章に置かれたフーガは
巨大なものだったそうです。
第13番が1826年に初演された際には概ね好評だったとのことですが
長大なフーガは一部に不評だったとのこと。
ベートーヴェンは周囲の忠告や楽譜の売れ行きを懸念した出版社アルタリアの
意向などによってフーガに代わる新しい終曲を書くことになったのがこの作品。
新たに作曲された終曲は1826年9月から11月にかけて書かれたとのことです。
弦楽四重奏曲第16番とともにベートーヴェンの最後の作品だそうです。

終曲の装いを新たにして完成した第13番はベートーヴェンの死の直後に
初演、出版されたそうです。
1826年3月21日、シュパンツィヒ弦楽四重奏団により弦楽四重奏曲第13番の
終曲として演奏されたのが初演に当たるそうです。
曲は独立した作品133として出版されたとのこと。

献呈はルドルフ大公に。

           133大フーガManuskriptseite der Großen Fuge.
                     大フーガの原稿ページ

「大フーガ」は性格の異なった3つの要素を重要な主題として
序奏部に始まり、以下、第1のフーガ、第2のフーガ、第3のフーガ
第2フーガの再現、第3のフーガの再現 そして コーダ の7つの部分から構成され
2種のテンポ、Allegro molto e con brio と Meno mosso e moderato が
交互に現れるそうです。
741小節の巨大なフーガとのことです。


クレンペラー&フィルハーモニアO.の弦楽オーケストラ版で聴く
ベートーヴェンの「大フーガ」

荘重な趣で始まる序奏部が響き出した瞬間から耳を奪われてしまいます。
3つの旋律の明快さ、躍動的な活発さ、荘重な雰囲気。
これらが多様に変容する姿に聴き入ってしまいます。
低弦が加わる部分ではスケール感が増し曲に精彩を与えているように感じます。
明快さを感じさせつつ力強く閉じられるクレンペラーの「大フーガ」。

教科書的な演奏、との表現には語弊があるかも知れませんが
楽器が克明に音を刻む旋律の明瞭さ。
見通しの良い演奏。
大フーガでの耳に馴染みのある、あの明快な旋律は精彩さを伴いつつ奏され
曲の中でも際立っているように感じます。
7つの部分から構成されているとのことですが、序奏部以降は聴いていても
聴き分ける力量もない自分。
全体としての「音楽」に耳をそばだててしまいます。

クレンペラーには大きな関心を抱きお気に入りの指揮者ですので
演奏を聴く前から興味津々でした。
バーンスタイン&ウィーン・フィルの弦セクションによる弦楽合奏
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14、16番を聴き弦楽合奏版に惹かれ
続いて聴いたクレンペラーの「大フーガ」。
またまた弦楽合奏による四重奏曲に対しての好感度が増大してきたようです。

弦楽四重奏団の演奏では四重奏団の性格、持ち味が良きにつけ、悪しきにつけ
前面に出てしまうように感じるこの頃。
多々の四重奏団の演奏でベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いているうちに
嘗てはお気に入りだった四重奏団が・・・今では「う~ん、ちょっと・・・」に。
評価も高い或る四重奏団・・・4人のソリストが凌ぎを削り合うような演奏。
力量の誇示のようにも感じてしまうようになりました。
そのような演奏とは対照的な演奏を聴かせてくれる四重奏団に惹かれるこの頃。

弦楽合奏で聴くベートーヴェンの弦楽四重奏曲には個人的に四重奏団に求める
理想(?)の演奏が感じられるように思います。
本来の曲想を失うことなく角が取れたようなまろやかさ、大らかさ・・・とでも?

2年程前に聴いたワインガルトナー編、A.ブッシュ指揮&ブッシュ・チェンバー・プレイヤーズの演奏。
暫く聴くことがなく月日が過ぎ去ってしまいました。
これから改めて聴き直してみることにします。
当時、聴いた時とは違う印象を受けるような気がしています。

                  
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Op.403 ベートーヴェン;「弦楽四重奏曲第16&第14番」(弦楽合奏版) by バーンスタイン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番と第14番の弦楽合奏版があることを
ショップ・サイトで今頃になり偶然に見かけ喜び勇んで入手をしてみました。
演奏はバーンスタイン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の弦セクション。
収録曲順に第16番から聴き始めてみました。

        ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番&14番(弦楽合奏版)
          バーンスタイン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


              (tower)403ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14.16番(弦楽合奏版)バーンスタイン&ウィーン.フィル
                         (収録曲)
                       ベートーヴェン

            弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 Op.135(弦楽合奏版)
            弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op.131(弦楽合奏版)
                   レナード・バーンスタイン指揮
             ウィーン・フィルハーモ二ー管弦楽団弦セクション
     (録音:第16番 1989年9月13-18日 ウィーン 楽友協会大ホール ライヴ
          第14番 1977年9月8-10日 ウィーン コンツェルトハウス ライヴ)


第16番からです。

第1楽章:Allegretto ヘ長調 2/4拍子
第2楽章:Vivace ヘ長調 3/4拍子
第3楽章:Lento assai, cantante e tranquillo 変ニ長調 6/8拍子
第4楽章:(標題)Der schwer gefasste Entschluss
      (序奏)Grave, ma non troppo tratto(Muss es sein?)ヘ短調3/2拍子
      (主部)Allegro(Es muss sein!)ヘ長調 2/2拍子(主部)

第16番は以前、ブログに登場しましたが改めて自分の復習を兼ねメモとして。
作曲されたのは1826年10月。
ベートーヴェンの死の5ヶ月前に弟ヨハンの家で完成。
まとまった作品としてはベートーヴェンの最後の作品になるそうです。
この作品を書き上げた後にベートーヴェンの絶筆となった弦楽四重奏曲第13番の
終楽章が完成したとのことです。
初演はベートーヴェンの死の翌年、1828年3月にウィーンに於いて
シュパンツィヒ弦楽四重奏団により行われたそうです。
曲は友人のJ.K.ヴォウルマイアーに献呈。

第16番の第3楽章はトスカニーニの演奏の録音があるとのことですが
全曲録音としてはバーンスタイン&ウィーン・フィルが最初になるそうです。
ディスクのブックレットによると、バーンスタインは先例のないやり方で
リハーサルを行ったとのこと。
通常のリハーサルの前に弦セクションを12の五重奏団に分け、この第16番を
室内楽として練習をさせた後に、60人の弦セクションに戻しリハーサルを行った
そうです。
結果は大成功だったとのこと。
4つのパートの人数が増え、必要のあるところではチェロにコントラバスを重ねることで
量感と表現力を拡大しているとのことです。

この録音についてショップ・サイトには1989年、カラヤンの追悼コンサートとして
バーンスタインが指揮したもの、との記述がありました。
この翌年にバーンスタイン死去。


次に第14番を。
第1楽章 Adagio ma non troppo e molto espressivo 嬰ハ短調 2/2拍子
第2楽章 Allegro molto vivace ニ長調 6/8拍子
第3楽章 Allegro moderato - Adagio ロ短調 4/4拍子
第4楽章 Andante ma non troppo e molto cantabile - Più mosso -
      Andante moderato e lusinghiero - Adagio - Allegretto -
      Adagio, ma non troppo e semplice - Allegretto イ長調 2/4拍子
第5楽章 Presto ホ長調 2/2拍子
第6楽章:Adagio quasi un poco andante 嬰ト短調 3/4拍子
第7楽章 Allegro 嬰ハ短調 2/2拍子

弦楽四重奏曲第14番は1825年暮れに着手し、翌26年の夏に完成したそうです。
7楽章構成。
実際には第15番イ長調作品132よりも後に作曲されたものでベートーヴェンの
15番目の弦楽四重奏曲になるとのことです。
初演はベートーヴェンの死後に行われたそうです。

こちらもディスクのブックレットを参照して。
第14番は1977年9月にウィーン・フィルの弦セクションで録音されたそうです。
バーンスタインの亡き妻フェリシア・モンテアレグレの想い出に捧げられた演奏の
一つとのことです。
バーンスタイン自身が「それまでに行った最も優れた録音」と語っているそうです。


バーンスタイン&ウィーン・フィルの演奏で聴くベートーヴェンの
弦楽四重奏曲第14番、第16番の弦楽合奏版

両曲とも一括しての感想(手抜き?)になります。
第16番、第14番ともに演奏からは同じ印象を受けます。
一言で・・・大らかで温もりが伝わってくる演奏。
曲が鳴り始めた瞬間に弦の美しい響きに耳を奪われます。
それも序の口の魅力。
演奏から伝わる温もり、優しさ、柔和さ。
原曲の弦楽四重奏曲を緻密に描写された油絵に例えると
この弦楽合奏版は全体のバランス、統一感に裏打ちされた
柔和なタッチの水彩画でしょうか。

自分にとってはとても素晴らしい演奏に感じられます。
素人が考えるほど四重奏曲を弦楽合奏として演奏するには簡単なものでは
ないと思いつつも可能であるならベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲を
バーンスタインで聴きたかったものと熱望してしまいます。
気に入り飽きもせずに繰り返し聴いています。


蛇足。いつものオバサンの井戸端会議。
ブックレットの筆者、高橋昭氏の記述を参照しつつ。
前述しましたが、トスカニーニ&NBC交響楽団が演奏をしたベートーヴェンの
弦楽四重奏曲第14番のスケルツォをバーンスタインはレコードか放送で知っていたと
思われる、と記述されています。
それ以前に弦楽合奏で演奏されたベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いた可能性は
あるとのことです。
高橋氏によるとバーンスタインはベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番の
弦楽合奏版の演奏を1937年1月にボストン交響楽団に客演をしたミトロプーロスの
演奏を聴いた可能性があると推測をしているようです。
当時、大学生であたバーンスタインはミトロプーロスに会い指揮者になる決意を
語ったことは明白とのこと。
ミトロプーロスはエア・チェックをしたこの曲のアセテート盤をバーンスタインに贈り
バーンスタインは擦り切れるまで演奏を聴いたと言われているそうです。
指揮者として歩み始めたバーンスタイン。
1946年にニューヨーク・シティ交響楽団の指揮者の時に第14番の弦楽合奏版を
取り上げたそうです。
その際にミトロプーロスはバーンスタインに自分のスコアを貸し、チェロにコントラバス
を重ねる場所を正確に教え、バーンスタインはミニチュア・スコアに書き込んでいた
とのことです。

ブックレットの解説を読みつつ第14番の弦楽合奏版でミトロプーロスが
バーンスタインに教示したことが第16番の弦楽合奏にも生かされ成功に
導かれ新たな息吹を吹き込まれた素晴らしい作品として誕生したように思います。

                  
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Op.402 モーツァルト:「ピアノ協奏曲第23番」 by カーゾン;ケルテス&ロンドン交響楽団

8月も最後の土曜日。
今年の夏、8月7日の立秋を過ぎてもモーツァルト一色の当拙ブログでした。
モーツァルトの作品を聴くシリーズ」も今日で一先ず、お休みを。

一区切りの今日はモーツァルトピアノ協奏曲の中でも想い出深い第23番。
モーツァルトピアノ協奏曲は未だに曲番と旋律がなかなか一致しません。
前回、第20番を聴きその際にお寄せいただいたコメントを拝読して
数年振りに第23番を聴いてみました。
第2楽章を聴き想い出しました。有名ですねこの第2楽章。
モーツァルトピアノ協奏曲で最初に惹かれ好きになった第2楽章。
懐かしく、そして今でもお気に入りの楽章です。
お気に入りでありながら曲番を失念している有様ですが。

カーゾンのデッカ録音全集に第23番は4種が収録されていました。
こちらのBoxも既に廃盤になっているようです。
カーゾンの第23番はセルとの共演が名盤だそうですが。
ケルテスロンドン交響楽団との共演盤を繰り返し聴いています。

                 モーツァルトピアノ協奏曲第23番
                   カーゾン~デッカ録音全集より


             402モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 カーゾン.ボックス
                         (収録曲)
                         モーツァルト

                 ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
                 ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491

                    イシュトヴァン・ケルテス指揮
                    ロンドン交響楽団
           (録音:1967年10月 ロンドン キングズウェイ・ホール)


                   第1楽章:Allegro イ長調4 /4拍子
                   第2楽章:Adagio 嬰へ短調 6/8拍子
                   第3楽章:Allegro assai イ長調 2/2拍子


作曲されたのはモーツァルトの自作品目録によると1786年3月2日だそうです。
モーツァルト、30歳頃でしょうか。
この年の2月には「劇場支配人」がシェーンブルク宮殿で初演され
5月にはブルク劇場で「フィガロの結婚」が初演。
大成功を収めたとのことです。

このピアノ協奏曲第23番が書かれた1786年には以下の3つの協奏曲が
作曲されたそうです。
第23番K.488 第24番K.491 第25番K.503。
年を遡り、1784年に作曲された6曲
1785年に作曲された3曲のピアノ協奏曲。
これらのピアノ協奏曲は古典派の最高峰に位置する作品とのこと。
形式、楽器の使用法、旋律、和声の点でハイドンの技法を継承しているとのことです。

また第23番に戻ります。
1786年には、3月から4月にかけ3回の予約演奏会が開かれたそうです。
この年の四旬節の演奏会のために作曲されたのがピアノ協奏曲第23番と
第24番とのことです。
尚、第25番番は冬期演奏会のために作曲されたそうです。

モーツァルトはピアノ協奏曲を作曲するときに大抵はピアノ・パートを先ずスケッチ。
その後に初めてピアノ・パートを入念に仕上げているそうです。
ですが、この第23番ではピアノ・パート全体を最初から完全な形で書き記し
細部に至るまで入念に仕上げられてい入るとのことです。
ほとんどのピアノ協奏曲では自筆総譜にはカデンツァは本来の場所に
書き込まれていないそうですが、この曲では第1楽章のカデンツァも完全に
書き込まれているそうです。
第2楽章、第3楽章にはカデンツァはあらかじめ置かれることなく
絶え間なく華麗なパッセージが現れているためカデンツァを差し挟む余地が
与えられていないとのこと。
以上のことから、この作品は極度に力が集中され創られていることを示しているそうです。

初演は1786年の四旬節の演奏期間中、3月に初演されたと考えられているそうですが
詳細は不明とのことです。


カーゾン;ケルテスロンドン交響楽団で聴くモーツァルト、ピアノ協奏曲第23番

この曲の楽器構成はトランペットとティンパニを除き、オーボエの代わりに
柔らかな響きのクラリネットを加えているとのことです。
解説:構成はトランペットとティンパニを欠き、オーボエの代わりに一層柔らな響きのクラリネットを加えている。

第1ヴァイオリンたちが奏する優雅な旋律で始まる第1楽章。
第1主題の始まりの第1ヴァイオリンたちが奏し終わり
反復をする木管楽器。
木管の響きが素朴な色彩を感じさせるよう。
オーケストラの出番。この曲でもシンフォニックなオーケストラ。
やっと独奏ピアノが現れ陽光が射すような。   
第2主題を奏し始めるピアノ。
その旋律を反復をするオーケストラ。
ヴァイオリンたちとピアノの活発な趣の掛け合いの中でも
カーゾンのピアノはあくまでも落ち着いた風情が感じられます。
展開部になり新しい主題の出現。
ピアノと木管の掛合いが印象的。  
再現部ではピアノの装飾に気を奪われます。
迎えるカデンツァ。
カデンツァは30章節、書き示されているとのことです。
木管楽器が活躍しつつ閉じられる第1楽章。
この楽章では木管楽器たちの活躍が印象に残ります。

静かに呟くようなピアノの調べで始まる第2楽章。
この冒頭の独奏ピアノの調べには強い印象を受けます。
記憶に刻み込まれる印象的な主題。
ピアノが奏するこの主題の静けさの中に漂う悲哀とも感じられる調べは
琴線に触れ心に染み入ります。
静かに、ゆっくりと、消え入るように呟くピアノ。
ピアノの呟きが終わり、オーケストラに。
またすぐに現れるピアノ。美しい調べ、の一言。
中間部に入りフルートとクラリネットの音色が耳に。
たゆまず奏し続けられるピアノ。
木管とピアノの掛合の後、ピアノが奏する冒頭の主題。
この旋律を聴くうちに回想が心を占めてくるようです。
多々の想い出が走馬灯のように脳裏に浮かんできてしまいます。
静かに閉じられる第2楽章。

前楽章から一転してピアノが奏する明朗なロンド主題で始まる第3楽章。
軽快で明るい主題。反復をするオーケストラ。
オーケストラからは怒涛のような雰囲気が感じられるようです。
現れる第1副主題も軽快に。反復するクラリネット。
新たな副主題の登場。
軽やかに奏される木管と第1ヴァイオリン。
活発な動きのピアノは活発。
副主題や新たな主題が現れ目まぐるしく進む楽章。
溌剌とした生命力に溢れた躍動する旋律の連続。
華々しく軽快にロンド主題が現れ
オーケストラとピアノが華麗に奏され力強く迎える曲の終わり。


こちらのBoxに収録されている第23番の4種は以下になっています。
ボイド・二ール&ナショナル響響楽団(1952年 モノラル)
クリップス&ロンドン交響楽団【1953年 モノラル)
セル&ウィーン・フィル(1964年)
ケルテル&ロンドン交響楽団(1967年)

録音は1967年とのことでカーゾンは60歳頃でしょうか。
一方、ケルテスは38歳頃。親子とも言えるような共演。
ケルテスの指揮に触れる機会はほとんどありませんでしたが
この演奏を聴き43歳で逝去されたことに・・・無念さを感じます。

カーゾンのピアノからは煌びやかな響きは感じられませんが
重心の低いどっしりとしたタッチに好感を抱きます。
いぶし銀を感じさせるような、落ち着いた打鍵。
一音一音、力強さを感じさせるタッチ。
第1楽章再現部にあらわれる装飾的に奏されるパートであっても
一つの音を丁寧に弾き込んでいるように感じられます。
曲を聴き終えた後に滋味を感じさせるピアニズムとして心に残ります。
ケルテス&ロンドン響もがっしりとしたオーケストレーションで
時には怒涛のような雰囲気を醸し出し雄々しさを感じます。


                  
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Op.401 モーツァルト:「ピアノ協奏曲第20番」 リヒテル;ヴィスロッキ&ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団

すっかりモーツァルトピアノ協奏曲とは疎遠になっている昨今。
モーツァルトピアノ協奏曲では第20番の第2楽章が印象に残っています。
今回は第20番を。
モーツァルトピアノ協奏曲の手持ちのディスクから未聴だったリヒテル
取り出してみました。
リヒテルヴィスロッキの指揮、ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団
指揮のスタニスラフ・ヴィスロツキは初めて耳にします。


                モーツァルトピアノ協奏曲第20番
            リヒテル~デッカ、フィリップス、DG録音全集より


             (401)モーツァルト ピアノ協奏曲第20番 リヒテル スヴィヤトスラフ・リヒテル デッカ、フィリップス、DG録音全集(51CD
                        (収録曲)

            モーツァルトピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
                 (スタニスラフ・ヴィスロツキ&
                  ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団
                                   録音:1959年)
            ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
                 (クルト・ザンデルリング&ウィーン交響楽団 
                                   録音:1962年)

               第1楽章:Allegro ニ短調 4/4拍子
               第2楽章:Romanze 変ロ長調 2/2拍子
               第3楽章:Allegro assai ニ短調 2/2拍子


曲の完成はモーツァルトの「自作品目録」によると1785年2月10日だそうです。
ウィーン市立集会所、ツア・メールグル―べの予約演奏会のために作曲された
とのことです。

モーツァルトのピアノ協奏曲の内、2曲が短調だそうです。
この第20番が短調による最初の作品で他には第24番ハ短調とのこと。
第20番はモーツァルトのピアノ協奏曲の中でベートーベンが最も熱愛した作品で
ベートーヴェン自らカデンツァを作曲しているとのことです。
モーツァルト自身のカデンツァは残っていないそうです。

モーツァルトのピアノ協奏曲の中で短調で書かれた作品が極端に少ない理由として
当時の協奏曲は独奏者のテクニックを殊更に誇示するために華やかな性格の長調が
好まれ、暗い感じのする短調はあまり歓迎されなかったそうです。
これは当時の協奏曲としての絶対条件でもあったとのこと。

この作品が書かれた1785年に作曲された3曲のピアノ協奏曲。
第20番 K.466 そして 第21番K.467 、 第22 番K.482 は大作「フィガロの結婚」の
完成を控えたモーツァルトの創作力が絶頂に向かう時期だったそうです。

モーツァルトのピアノ協奏曲について音楽史家のアルフレート・アインシュタインは
次のように語っているそうです。
「ピアノ協奏曲においてモーツァルトは、いわばコンチェルト的なものとシンフォニー的なものとの融合の決定的な言葉を語った。
この融合は、より高い統一への融合であって、それを越えてゆく進歩は不可能だ。
完全なものは正に完全だからである」

初演は曲が完成した翌日、1785年2月11日にモーツァルト自身のピアノにより
ウィーン市立集会所、ツア・メールグル―べにおける予約演奏会にて行われた
そうです。
モーツァルトの父レーオポルドはこの初演が行われた日にウィーンに到着し
4月25日まで約1ヵ月間に渡りウィーンに滞在したそうです。
レーオポルドは息子の音楽活動のうちで最も輝かしいものとなった2月11日の
演奏会を目の当たりにすることができたとのこと。

この演奏会の翌日、モーツァルトの家でハイドンを主客とした弦楽四重奏の演奏が
行われモーツァルトがハイドンに献呈した6曲の弦楽四重奏曲「ハイドン四重奏曲」の
後半の3曲が演奏され、ハイドンはレーオポルドにモーツァルトを激賞した次の言葉は
有名とのこと。
 「私は誠実な人間として神かけて申しますが、あなたの息子さんは私が個人的に
あるいは名前の上だけで知っている作曲家の内で、もっとも偉大な方です。」


リヒテルヴィスロッキワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団で聴く
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番
 
弦楽器が低音域を弱く奏して始まる第1楽章。
この第1主題は暗澹として不安を感じさせるようです。
木管楽器が現れ力強さが加わり微かな明るさが射し込むよう。
シンフォニックに奏されるオーケストラの響きには雄々しい趣が感じられます。
低音で打たれるティンパニも力強く。
第1楽章冒頭からのリズムが印象的です。
やっと独奏ピアノが現れ呟くように奏され。加わるオーケストラ。
この楽章の印象的なリズムを背景にピアノは細やかに奏された後
力強く奏される第1主題。
第2主題が現れピアノは明るい趣で。
ピアノから第2主題を受け継ぐ木管楽器。
軽やかな独奏ピアノと木管の会話には愛らしさ、美しさが漂っているよう。
雄弁になるピアノの独奏がひと際目立つように感じます。
展開部に入り第1主題の冒頭を奏する独奏ピアノ。
合間にはピアノは独り言のように奏され。
後半になりピアノの力強さ、目まぐるしさ。
激しく進み再び第1主題の冒頭が緊張感を。
再現部を経てカデンツァに。
カデンツァの始めの対照的な右手と左手の音色が印象的。
左手のアルぺジョに乗って右手の美しい調べ。
コーダでオーケストラとピアノが力強く奏された後、音力を弱めて閉じられる第1楽章。

呟くようにピアノが奏され始まる第2楽章。
この主題の柔和な優しい歌。強くj印象に残る主題です。
オーケストラに受け継がれる主題。
ピアノに移り暫し歌われる調べ。
オーケストラの優しい響きも印象的です。
弦楽器の伴奏に乗って奏されるピアノ。
弦楽器の穏やかさとピアノの柔和な調べ。
トリオになり柔和な優しさから一転。
独奏ピアノは力強く。木管楽器たちも現れ活気、躍動を感じさせるトリオ。
第1部の再現になりホッとした気分に。
呟くように奏されるピアノにオーケストラは静かに寄り添い閉じられる第2楽章。

8分音符で素早く奏される独奏ピアノで始まる第3楽章。
ピアノの素早い打鍵が終わり現れるオーケストラ。
ここでもシンフォニックな力強さを湛えたオーケストラ。
再びピアノが現れ加わるオーケストラ。
奏される躍動感のある旋律。
第2主題では激しさを感じさせるようです。
新たな旋律が現れ明るい軽やかさで。
この楽章では展開部はなくそのまま再現部、とのこと。
カデンツァのピアノを経て木管が愛らしく奏され
オーケストラ、ピアノで雄々しく力強く閉じられる曲。


耳に馴染み深い第2楽章。
今回ほど繰り返し聴き続けるのは初めてのこと。
美しく、優しく・・・。

リヒテルのピアノから感じられる優しさ。
ヴィスロッキの指揮も穏やかに感じられるオーケストラ。
第1楽章のシンフォニックな力強い趣でさえもが
柔らかいベールで覆われているような優しさ。
第2楽章でのピアノとオーケストラの響きの優しさも印象的。心に残ります。

この曲に対して「デモーニッシュ」との言葉で表現されるようですが
「デモーニッシュ」さを感じないのですが・・・鈍感?なのかも。
至って、優しい美しさだけが曲を聴き終えて心に残ります。
などと綴ると、軟弱な演奏のようですが
フィンフォニックな部分で芯の強さを感じさせつつも
意気込み、力味を感じさず、ピアノとオーケストラの意気投合した一体感。
繊細であり且つ自然な流れの演奏のように感じられます。

モーツァルトの室内楽はお気に入りでしたが
ピアノ協奏曲もまた良いものですね。


いつもの蛇足。オバサンの井戸端会議。自分のメモとして。
今回聴いたモーツァルトのピアノ協奏曲第20番。
指揮者のスタニスラフ・ヴィスロツキ(Stanislaw Wisłocki)について知りたくなりました。
Wikipedia を参照しつつ。
ヴィスロッキ(1921年7月7日-1998年5月31日)はポーランドの指揮者とのこと。
パリのスコラ・カントルムで作曲と指揮、ルーマニアのティミショアラ音楽院でピアノを学んだそうです。
ジョルジュ・エネスクの薫陶も受けたとのこと。
1945年、ポーランド室内管弦楽団を組織
1947年-1958年、ポズナニ・ナショナル交響楽団の首席指揮者
1961年-1967年、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の常人指揮者を歴任
1978年-1984年、ポーランド放送交響楽団の首席指揮者を務める

1948年に指揮法の指導者としてボズナニ音楽院の講師に。
1955年、ワルシャワ音楽院の講師に転出。
1958年、ワルシャワ音楽院の指揮法の主任教授として後進の指導に当たる。
主な弟子にヤツェク・カスプシクなど。

今回聴いた作品が録音された1959年にリヒテルとの共演で録音をした一連の
演奏は良く知られ、特にラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は名高いとのこと。

1998年5月31日にワルシャワで死去。
                  (以上です)

                   
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Op.400 モーツァルト:「交響曲第41番『ジュピター』」 by ベーム&ベルリン・フィル

モーツァルト交響曲第41番
大昔、学校の音楽の時間に鑑賞曲として「聴いた」というよりも「聴かされた」想い出が
あります。
モーツァルトにも目覚めていない時代。
否応なく授業で出合ったモーツァルトの初めての作品。
授業の後、レコード店に足を運び初めてモーツァルトのLPを求めたものでした。

             モーツァルト交響曲第41番ジュピター
   ベームモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス 他交響曲全集より


            400モーツァルト:交響曲第41番ベーム&ベルリン・フィル
                       (収録曲)

                      モーツァルト
            交響曲第39番 変ホ長調 K.543
            交響曲第40番 ト短調 K.550
            交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター

                   カール・ベーム指揮
             ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
         (録音:1962年3月 ベルリン イエス・キリスト教会)

           第1楽章:Allegro vivace ハ長調 4/4拍子
           第2楽章:Andante Cantabile ヘ長調 3/4拍子
           第3楽章:Menuetto Allegretto ハ長調 3/4拍子
           第4楽章:Molto Allegroハ長調 2/2拍子


作曲されたのは1788年。
モーツァルトの「自作品目録」へのモーツァルト自身の記入によると8月10日に完成
したそうです。
1788年に作曲された「三大交響曲」と呼ばれる第39番、40番、41番の3つの交響曲は2ケ月足らずのうちに作曲されたとのことです。
「三大交響曲」は18世紀の交響曲の最も高い峰を築いたとのこと。

「三大交響曲」は長い間、作曲の動機、目的、連作としての意図、演奏された可能性など謎に包まれていたそうです。
音楽学者のアインシュタインは
「注文もなく、直接の意図もない。あるのは永遠への訴えだけ」と語ったとのことです。

今日では当時に筆写譜が幾つか残されていることや
当時これらの交響曲が演奏されたらしいことが判明しているそうです。
何らかの予約演奏会が企画され、そのために作曲されたのであろうと
推測されているようです。

モーツァルトの死まで残すところ3年。
交響曲群ではこの第41番が最後の作品になったそうです。

英語の「ジュピター」は古代ローマ神話の神ユーピテルを語源としているそうで
この交響曲に「ジュピター」との呼称を与えたのはモーツァルトと同時代のヴァイオリニスト、作曲家でもあったヨハン・ペーター・ザロモンとのことです。

             400モーツァルト 交響曲第41番 ザロモン
                 Johann Peter Salomon
             (1745年2月20日-1815年11月25日)


ベームベルリン・フィルで聴くモーツァルト交響曲第41番ジュピター

力強いオーケストラで始まる第1楽章。
力強さから軽快で華麗な雰囲気に。
克明なリズムと華麗な旋律が交互に現れ進む第1主題。
付点音符で切れ味良く始まる第2主題。
第2主題も第1主題同様に切れ味の良い旋律と穏やかな旋律が
交互に現れての進行。
力強さと華麗さが融合し閉じられる楽章。
凛とした勇壮な佇まいの楽章でしょうか。

ゆったりとしたヴァイオリンの静かな美しい調べで始まる第2楽章。
ヴァイオリンに続いて管楽器が柔和な調べを。
内省的に物想うかのように進行する旋律。
悠として奏される弦楽器たちと管楽器たちの穏やかな佇まいの対話。
静かに閉じられる第2楽章。

滑らかな主題で始まる第3楽章。
このメヌエットも悠とした雰囲気を感じます。
現れる管楽器たちの調べが印象的です。
愛らしいトリオ。
次第に力を増し悠として奏されつつ閉じられる第3楽章。

音量を落としたヴァイオリンで静かに始まる第4楽章。
すぐに音量を上げ力強く。
再び現れる第1楽章の第1主題の雄々しい旋律。
活躍をするティンパニを背景に力強く奏され。
この楽章でも雄々しさと華麗さが。
展開部での管楽器たちが印象的。
華々しく力強く閉じられる曲。


云十年振りに聴いた第41番。
聴いているうちに旋律を想い出しておりました。

ベームが目的でディスクを求めたのは過日、お寄せいただいたコメントを拝読して
モーツァルトの管楽器のための協奏曲他が収録されていBox でした。
そのBoxを聴く日々。いつの間にかベームに惹かれるようになっていました。
またベームではモーツァルトの交響曲もお気に入りとのコメントを拝読して
今回のこちらのBoxに出合いました。
ベートーヴェン、ブラームス、モーツァルト、シューベルトの交響曲全集とのことで
お気に入りの作曲家ばかりの交響曲が収録されており
私にとっては嬉しい限りのBoxです。
Boxが届き、モーツァルトがお目当てながらも、真っ先に聴いてしまったのは
ベートーヴェンでしたが。
ベームで聴く初めてのベートーヴェンの交響曲でした。

さて、目的のモーツァルトの交響曲。
昔の想い出の第41番を先ず聴いてみました。
ベルリン・フィルの演奏が大人しく感じられるようです。
と言うか、ベームの指揮の控え目とも感じるような穏やかな印象を受けます。
自己主張を感じさせないベームの悠然として自然な流れ。
一歩一歩、地に足をしっかりと付け、堅固で着実に淡々と進み行く演奏でしょうか。
じっくりと耳を傾けてしまうベーム&ベルリン・フィルのモーツァルト。
長い間、疎遠のままになっていたモーツァルトの交響曲。
この第41番も然りです。
こうして耳を傾けていると「凄い曲」だった、と・・・遅まきながら感じています。
ベームは晩年にウィーン・フィルとの録音もあるようなので
機会がありましたら聴いてみたくもあります。

こちらのBoxはまだまだ聴き始めたばかりですが
ブラームス、シューベルトも楽しみです。

                 
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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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