♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.401 モーツァルト:「ピアノ協奏曲第20番」 リヒテル;ヴィスロッキ&ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団

すっかりモーツァルトピアノ協奏曲とは疎遠になっている昨今。
モーツァルトピアノ協奏曲では第20番の第2楽章が印象に残っています。
今回は第20番を。
モーツァルトピアノ協奏曲の手持ちのディスクから未聴だったリヒテル
取り出してみました。
リヒテルヴィスロッキの指揮、ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団
指揮のスタニスラフ・ヴィスロツキは初めて耳にします。


                モーツァルトピアノ協奏曲第20番
            リヒテル~デッカ、フィリップス、DG録音全集より


             (401)モーツァルト ピアノ協奏曲第20番 リヒテル スヴィヤトスラフ・リヒテル デッカ、フィリップス、DG録音全集(51CD
                        (収録曲)

            モーツァルトピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
                 (スタニスラフ・ヴィスロツキ&
                  ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団
                                   録音:1959年)
            ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
                 (クルト・ザンデルリング&ウィーン交響楽団 
                                   録音:1962年)

               第1楽章:Allegro ニ短調 4/4拍子
               第2楽章:Romanze 変ロ長調 2/2拍子
               第3楽章:Allegro assai ニ短調 2/2拍子


曲の完成はモーツァルトの「自作品目録」によると1785年2月10日だそうです。
ウィーン市立集会所、ツア・メールグル―べの予約演奏会のために作曲された
とのことです。

モーツァルトのピアノ協奏曲の内、2曲が短調だそうです。
この第20番が短調による最初の作品で他には第24番ハ短調とのこと。
第20番はモーツァルトのピアノ協奏曲の中でベートーベンが最も熱愛した作品で
ベートーヴェン自らカデンツァを作曲しているとのことです。
モーツァルト自身のカデンツァは残っていないそうです。

モーツァルトのピアノ協奏曲の中で短調で書かれた作品が極端に少ない理由として
当時の協奏曲は独奏者のテクニックを殊更に誇示するために華やかな性格の長調が
好まれ、暗い感じのする短調はあまり歓迎されなかったそうです。
これは当時の協奏曲としての絶対条件でもあったとのこと。

この作品が書かれた1785年に作曲された3曲のピアノ協奏曲。
第20番 K.466 そして 第21番K.467 、 第22 番K.482 は大作「フィガロの結婚」の
完成を控えたモーツァルトの創作力が絶頂に向かう時期だったそうです。

モーツァルトのピアノ協奏曲について音楽史家のアルフレート・アインシュタインは
次のように語っているそうです。
「ピアノ協奏曲においてモーツァルトは、いわばコンチェルト的なものとシンフォニー的なものとの融合の決定的な言葉を語った。
この融合は、より高い統一への融合であって、それを越えてゆく進歩は不可能だ。
完全なものは正に完全だからである」

初演は曲が完成した翌日、1785年2月11日にモーツァルト自身のピアノにより
ウィーン市立集会所、ツア・メールグル―べにおける予約演奏会にて行われた
そうです。
モーツァルトの父レーオポルドはこの初演が行われた日にウィーンに到着し
4月25日まで約1ヵ月間に渡りウィーンに滞在したそうです。
レーオポルドは息子の音楽活動のうちで最も輝かしいものとなった2月11日の
演奏会を目の当たりにすることができたとのこと。

この演奏会の翌日、モーツァルトの家でハイドンを主客とした弦楽四重奏の演奏が
行われモーツァルトがハイドンに献呈した6曲の弦楽四重奏曲「ハイドン四重奏曲」の
後半の3曲が演奏され、ハイドンはレーオポルドにモーツァルトを激賞した次の言葉は
有名とのこと。
 「私は誠実な人間として神かけて申しますが、あなたの息子さんは私が個人的に
あるいは名前の上だけで知っている作曲家の内で、もっとも偉大な方です。」


リヒテルヴィスロッキワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団で聴く
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番
 
弦楽器が低音域を弱く奏して始まる第1楽章。
この第1主題は暗澹として不安を感じさせるようです。
木管楽器が現れ力強さが加わり微かな明るさが射し込むよう。
シンフォニックに奏されるオーケストラの響きには雄々しい趣が感じられます。
低音で打たれるティンパニも力強く。
第1楽章冒頭からのリズムが印象的です。
やっと独奏ピアノが現れ呟くように奏され。加わるオーケストラ。
この楽章の印象的なリズムを背景にピアノは細やかに奏された後
力強く奏される第1主題。
第2主題が現れピアノは明るい趣で。
ピアノから第2主題を受け継ぐ木管楽器。
軽やかな独奏ピアノと木管の会話には愛らしさ、美しさが漂っているよう。
雄弁になるピアノの独奏がひと際目立つように感じます。
展開部に入り第1主題の冒頭を奏する独奏ピアノ。
合間にはピアノは独り言のように奏され。
後半になりピアノの力強さ、目まぐるしさ。
激しく進み再び第1主題の冒頭が緊張感を。
再現部を経てカデンツァに。
カデンツァの始めの対照的な右手と左手の音色が印象的。
左手のアルぺジョに乗って右手の美しい調べ。
コーダでオーケストラとピアノが力強く奏された後、音力を弱めて閉じられる第1楽章。

呟くようにピアノが奏され始まる第2楽章。
この主題の柔和な優しい歌。強くj印象に残る主題です。
オーケストラに受け継がれる主題。
ピアノに移り暫し歌われる調べ。
オーケストラの優しい響きも印象的です。
弦楽器の伴奏に乗って奏されるピアノ。
弦楽器の穏やかさとピアノの柔和な調べ。
トリオになり柔和な優しさから一転。
独奏ピアノは力強く。木管楽器たちも現れ活気、躍動を感じさせるトリオ。
第1部の再現になりホッとした気分に。
呟くように奏されるピアノにオーケストラは静かに寄り添い閉じられる第2楽章。

8分音符で素早く奏される独奏ピアノで始まる第3楽章。
ピアノの素早い打鍵が終わり現れるオーケストラ。
ここでもシンフォニックな力強さを湛えたオーケストラ。
再びピアノが現れ加わるオーケストラ。
奏される躍動感のある旋律。
第2主題では激しさを感じさせるようです。
新たな旋律が現れ明るい軽やかさで。
この楽章では展開部はなくそのまま再現部、とのこと。
カデンツァのピアノを経て木管が愛らしく奏され
オーケストラ、ピアノで雄々しく力強く閉じられる曲。


耳に馴染み深い第2楽章。
今回ほど繰り返し聴き続けるのは初めてのこと。
美しく、優しく・・・。

リヒテルのピアノから感じられる優しさ。
ヴィスロッキの指揮も穏やかに感じられるオーケストラ。
第1楽章のシンフォニックな力強い趣でさえもが
柔らかいベールで覆われているような優しさ。
第2楽章でのピアノとオーケストラの響きの優しさも印象的。心に残ります。

この曲に対して「デモーニッシュ」との言葉で表現されるようですが
「デモーニッシュ」さを感じないのですが・・・鈍感?なのかも。
至って、優しい美しさだけが曲を聴き終えて心に残ります。
などと綴ると、軟弱な演奏のようですが
フィンフォニックな部分で芯の強さを感じさせつつも
意気込み、力味を感じさず、ピアノとオーケストラの意気投合した一体感。
繊細であり且つ自然な流れの演奏のように感じられます。

モーツァルトの室内楽はお気に入りでしたが
ピアノ協奏曲もまた良いものですね。


いつもの蛇足。オバサンの井戸端会議。自分のメモとして。
今回聴いたモーツァルトのピアノ協奏曲第20番。
指揮者のスタニスラフ・ヴィスロツキ(Stanislaw Wisłocki)について知りたくなりました。
Wikipedia を参照しつつ。
ヴィスロッキ(1921年7月7日-1998年5月31日)はポーランドの指揮者とのこと。
パリのスコラ・カントルムで作曲と指揮、ルーマニアのティミショアラ音楽院でピアノを学んだそうです。
ジョルジュ・エネスクの薫陶も受けたとのこと。
1945年、ポーランド室内管弦楽団を組織
1947年-1958年、ポズナニ・ナショナル交響楽団の首席指揮者
1961年-1967年、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の常人指揮者を歴任
1978年-1984年、ポーランド放送交響楽団の首席指揮者を務める

1948年に指揮法の指導者としてボズナニ音楽院の講師に。
1955年、ワルシャワ音楽院の講師に転出。
1958年、ワルシャワ音楽院の指揮法の主任教授として後進の指導に当たる。
主な弟子にヤツェク・カスプシクなど。

今回聴いた作品が録音された1959年にリヒテルとの共演で録音をした一連の
演奏は良く知られ、特にラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は名高いとのこと。

1998年5月31日にワルシャワで死去。
                  (以上です)

                   
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Op.400 モーツァルト:「交響曲第41番『ジュピター』」 by ベーム&ベルリン・フィル

モーツァルト交響曲第41番
大昔、学校の音楽の時間に鑑賞曲として「聴いた」というよりも「聴かされた」想い出が
あります。
モーツァルトにも目覚めていない時代。
否応なく授業で出合ったモーツァルトの初めての作品。
授業の後、レコード店に足を運び初めてモーツァルトのLPを求めたものでした。

             モーツァルト交響曲第41番ジュピター
   ベームモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス 他交響曲全集より


            400モーツァルト:交響曲第41番ベーム&ベルリン・フィル
                       (収録曲)

                      モーツァルト
            交響曲第39番 変ホ長調 K.543
            交響曲第40番 ト短調 K.550
            交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター

                   カール・ベーム指揮
             ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
         (録音:1962年3月 ベルリン イエス・キリスト教会)

           第1楽章:Allegro vivace ハ長調 4/4拍子
           第2楽章:Andante Cantabile ヘ長調 3/4拍子
           第3楽章:Menuetto Allegretto ハ長調 3/4拍子
           第4楽章:Molto Allegroハ長調 2/2拍子


作曲されたのは1788年。
モーツァルトの「自作品目録」へのモーツァルト自身の記入によると8月10日に完成
したそうです。
1788年に作曲された「三大交響曲」と呼ばれる第39番、40番、41番の3つの交響曲は2ケ月足らずのうちに作曲されたとのことです。
「三大交響曲」は18世紀の交響曲の最も高い峰を築いたとのこと。

「三大交響曲」は長い間、作曲の動機、目的、連作としての意図、演奏された可能性など謎に包まれていたそうです。
音楽学者のアインシュタインは
「注文もなく、直接の意図もない。あるのは永遠への訴えだけ」と語ったとのことです。

今日では当時に筆写譜が幾つか残されていることや
当時これらの交響曲が演奏されたらしいことが判明しているそうです。
何らかの予約演奏会が企画され、そのために作曲されたのであろうと
推測されているようです。

モーツァルトの死まで残すところ3年。
交響曲群ではこの第41番が最後の作品になったそうです。

英語の「ジュピター」は古代ローマ神話の神ユーピテルを語源としているそうで
この交響曲に「ジュピター」との呼称を与えたのはモーツァルトと同時代のヴァイオリニスト、作曲家でもあったヨハン・ペーター・ザロモンとのことです。

             400モーツァルト 交響曲第41番 ザロモン
                 Johann Peter Salomon
             (1745年2月20日-1815年11月25日)


ベームベルリン・フィルで聴くモーツァルト交響曲第41番ジュピター

力強いオーケストラで始まる第1楽章。
力強さから軽快で華麗な雰囲気に。
克明なリズムと華麗な旋律が交互に現れ進む第1主題。
付点音符で切れ味良く始まる第2主題。
第2主題も第1主題同様に切れ味の良い旋律と穏やかな旋律が
交互に現れての進行。
力強さと華麗さが融合し閉じられる楽章。
凛とした勇壮な佇まいの楽章でしょうか。

ゆったりとしたヴァイオリンの静かな美しい調べで始まる第2楽章。
ヴァイオリンに続いて管楽器が柔和な調べを。
内省的に物想うかのように進行する旋律。
悠として奏される弦楽器たちと管楽器たちの穏やかな佇まいの対話。
静かに閉じられる第2楽章。

滑らかな主題で始まる第3楽章。
このメヌエットも悠とした雰囲気を感じます。
現れる管楽器たちの調べが印象的です。
愛らしいトリオ。
次第に力を増し悠として奏されつつ閉じられる第3楽章。

音量を落としたヴァイオリンで静かに始まる第4楽章。
すぐに音量を上げ力強く。
再び現れる第1楽章の第1主題の雄々しい旋律。
活躍をするティンパニを背景に力強く奏され。
この楽章でも雄々しさと華麗さが。
展開部での管楽器たちが印象的。
華々しく力強く閉じられる曲。


云十年振りに聴いた第41番。
聴いているうちに旋律を想い出しておりました。

ベームが目的でディスクを求めたのは過日、お寄せいただいたコメントを拝読して
モーツァルトの管楽器のための協奏曲他が収録されていBox でした。
そのBoxを聴く日々。いつの間にかベームに惹かれるようになっていました。
またベームではモーツァルトの交響曲もお気に入りとのコメントを拝読して
今回のこちらのBoxに出合いました。
ベートーヴェン、ブラームス、モーツァルト、シューベルトの交響曲全集とのことで
お気に入りの作曲家ばかりの交響曲が収録されており
私にとっては嬉しい限りのBoxです。
Boxが届き、モーツァルトがお目当てながらも、真っ先に聴いてしまったのは
ベートーヴェンでしたが。
ベームで聴く初めてのベートーヴェンの交響曲でした。

さて、目的のモーツァルトの交響曲。
昔の想い出の第41番を先ず聴いてみました。
ベルリン・フィルの演奏が大人しく感じられるようです。
と言うか、ベームの指揮の控え目とも感じるような穏やかな印象を受けます。
自己主張を感じさせないベームの悠然として自然な流れ。
一歩一歩、地に足をしっかりと付け、堅固で着実に淡々と進み行く演奏でしょうか。
じっくりと耳を傾けてしまうベーム&ベルリン・フィルのモーツァルト。
長い間、疎遠のままになっていたモーツァルトの交響曲。
この第41番も然りです。
こうして耳を傾けていると「凄い曲」だった、と・・・遅まきながら感じています。
ベームは晩年にウィーン・フィルとの録音もあるようなので
機会がありましたら聴いてみたくもあります。

こちらのBoxはまだまだ聴き始めたばかりですが
ブラームス、シューベルトも楽しみです。

                 
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Op.399 モーツァルト:「フルート四重奏曲第1番」 by ニコレ&カントロフ、メンデルスゾーン、藤原( モーツァルト弦楽三重奏団)

モーツァルトの作品を聴くシリーズ」。
相も変わらず飽くことなく今回もモーツァルトです。
モーツァルトの作品で最初に記憶に刻まれたのはフルート四重奏曲第1番でした。
LP時代、昔々のことです。
LPで初めて聴いたのはJ.P.ランパル、I.スターン、A.シュナイダーそして
L.ローズの演奏でした。

CD時代になり他の演奏者のディスクを求め聴いてみました。
記憶の中にある演奏とはかなり隔たりがあり「こんな曲だった?」と
少々幻滅気味の気分になり改めて他のディスクを購入。
ニコレモーツァルト弦楽三重奏団によるディスクです。
記憶に刻まれている演奏とほぼ同様で「そうそう、この曲」。
ランパルと同様にニコレの演奏もお気に入りになっています。
今回はフルート四重奏曲から最もお気に入りの第1番を。


                モーツァルトフルート四重奏曲
               ニコレモーツァルト弦楽三重奏団

             
           399:モーツァルト:フルート四重奏響 ニコレ
                       (収録曲)

                      モーツァルト
            フルート四重奏曲第1番 ニ長調 K.285
            フルート四重奏曲第2番 ト長調 K.285a
            フルート四重奏曲第3番 ハ長調 K.Anh.171 (285b)
            フルート四重奏曲第4番 イ長調 K.298
            
                (モーツァルト弦楽三重奏団)
              オーレル・ニコレ(Fl)
              ジャン=ジャック・カントロフ(Fl)
              ウラディミール・メンデルスゾーン(Vla)
              藤原真理(Vc)
       (録音:1983年3月 武蔵野音楽大学ベートーヴェン・ホール)

              第1楽章:Alllegro ニ長調 4/4拍子
              第2楽章:Adagioro ロ短調 3/4拍子
              第3楽章:Rondeau ニ長調 2/4拍子


作曲されたのは1778年。
自筆楽譜への記入によると作品の完成は12月25日となっているそうです。
モーツァルトが父宛ての1777年12月18日付けの書簡に
「・・・この本当に人情暑い人のための四重奏曲は、もうそろそろ出来上がります」と
記されているとのことです。
4曲のフルート四重奏曲はフルーティストの貴重なレパートリーの一つとして
協奏曲とともに愛好されているそうです。

モーツァルトの室内楽のうちでもフルート四重奏曲は娯楽的な作品になるそうです。
手軽に演奏をして楽しく、聴いて楽しめる作品になっているとのこと。
明るい音色と繊細な感情表現能力を持つフルートは18世紀には特に
愛好された楽器だったそうですが改良される以前のモーツァルトの
時代には機能性に欠けるところがあり正しい音程を得ることが難しかったそうです。
そのためにモーツァルトはフルートをあまり好まなかったとのことです。
1778年2月14日付け父宛ての書簡でモーツァルトは次のように記しているそうです。
「ご存知の通り、耐え難い楽器(フルート)のために作曲をするときには、
僕はうんざりしてしまうんです」と。

そのようにモーツァルトを悩ませた(?)楽器、フルートであるにも関わらず
このマンハイム滞在中に一連のフルートのために書かれた作品は
2-3ヶ月の間にフルート協奏曲が2曲、フルート四重奏曲が3曲だったとのことです。

この作品は過日、聴いたフルート協奏曲第1番と同じ年に作曲されたとのことで
その際の記事と重複しますが。

1777年夏、ザルツブルクの宮廷音楽家としての職を辞した21歳のモーツァルトは
新たな職探しを始めたそうです。
母のアンナ・マリアが付き添いパリへの旅行に発ったとのことです。
10月には「音楽家の天国」と謳われたマンハイムにマンハイムに到着。
モーツァルトの就職は叶わなかったそうですが
マンハイムの宮廷楽団に所属する名フルーティスト、ヨハン・バプティスト・ヴェンドリングとの親交を得たそうです。
ヴェンドリングとの交友を得たモーツァルトは彼の名人的演奏に刺激を受け啓発され
フルート作品を書く筆を進めたようです。


               396:モーツァルト フルート協奏曲第1番 Johann Baptist Wendling
                 Johann Baptist Wendling
              (1723年6月17日-1797年11月27日)

ヴェンドリングは12月の始め頃、モーツァルトにオランダの裕福な商人で
音楽愛好家フェルディナント・ドゥジャンからの作曲依頼を仲介したとのことです。
ドゥジャンは自身もフルートを吹いたそうです。
彼はフルートのために、小さくて軽く短い協奏曲を3曲と四重奏曲を何曲か
作曲してくれるようにモーツァルトに依頼したとのこと。
旅先で手元不如意に陥っていたモーツァルトはこの気前の良い依頼を受け
早速、作曲に取り掛かったとのことです。
この依頼で作曲されたのがフルート協奏曲第1番と旧作のオーボエ協奏曲の
編曲であるフルート協奏曲第2番、そして3曲のフルート四重奏曲だったそうです。
         

ニコレ&モーツァルト弦楽三重奏団で聴くモーツァルトのフルート四重奏曲第1番

フルートが流麗に奏され始まる第1楽章。
第1主題での弦のリズミカルな伴奏に乗って軽やかに明朗に奏されるフルート。
云十年を経ても忘れられない記憶に刻み込まれている主題です。
第2主題も華麗に歌い続けるフルート。
新しい主題も顔を出しフルートの華麗な歌は続き。
楽章中、ほとんど休むことなく歌い続けるフルート。
フルートと弦楽器で華麗に閉じられる第1楽章。
清明な華麗さを湛えたお気に入りの楽章になっています。

音楽学者のアインシュタインは第2楽章を次のように評したそうです。
「グルックの『精霊の踊り』を除けば、かつてフルートのために書かれた最も
美しい伴奏付独奏曲」

弦楽器によりゆっくりと爪弾かれるピッツィカートを伴奏に
フルートもゆったりと物想うかのように奏され始まる第2楽章。
フルートの調べに漂う美しい哀愁。
伴奏の弦楽器はヴァイオリンでしょうか
常にフルートに寄り添い規則正しいピッツィカートは
まるで通奏低音にように響いているのが印象的です。
間を置いて現れるチェロのピッツィカートは
歌い続けるフルートにコクのある深い味付けをするかのよう。
フルートが歌い続けそのままアタッカで次の楽章に。

前楽章から一転して明るく軽快な調べで始まる第3楽章。
このロンド主題の明るさ。 
ヴァイオリンの主奏にフルートも加わり。
再び現れるロンド主題。
3つの弦楽器たちとフルートの雄弁で愉しげな応答。
フル―ト同様に活躍をする弦楽器たち。
3度目の出現をするロンド主題。
明るく生き生きとした弦楽器たちとフルート。
曲の終わりにまたロンド主題が現れ生き生きと華麗に迎える曲の終わり。


聴いていて心が寛ぐ楽しい曲。
第1楽章の第1主題の旋律にはふと口ずさんでしまう親しみを感じます。
楽しげな第1楽章と第3楽章の間に挟まれた第2楽章では
しみじみとフルートの歌に耳を傾けてしまいます。

ニコレのフルートから伝わる明るさ、華麗さ。
今回、演奏を聴くまで迂闊にもニコレは昨年、2016年1月29日に
他界をされていたことに気付きませんでした。

弦楽器たちのカントロフのヴァイオリン、メンデルスゾーンのヴィオラ
そして藤原真理のチェロ。
3人の存在感の大きさ。
ニコレとの一体感、息の合った演奏。
生気を感じさせる演奏。
楽しく清々しい気持ちで耳を傾けてしまう「フルート四重奏曲」。
今後も聴き続けてゆきたいお気にいりの演奏の一つになりました。

                  
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Op.398 モーツァルト:「オーボエ、クラリネット、ホルン、バス―ンと管弦楽のための協奏交響曲」 by ジュリーニ&ベルリン・フィル

毎回、続いているモーツァルトの作品。
当拙ブログが「モーツァルトを聴くシリーズ」化してきたようです。
今日は、「オーボエ、クラリネット、ホルン、バス―ンと管弦楽のための協奏交響曲」K.297b です。
この曲を書き上げてから着手されたのが前回聴いた「フルートとハープのための協奏曲」とのことです。

協奏交響曲」K.297b。
ジュリーニベルリン・フィルで聴いてみました。
独奏管楽器奏者たち4人はベルリン・フィルの首席奏者とのことです。
 
           モーツァルト:管楽器のための協奏交響曲K.297b
                   ジュリーニベルリン・フィル


            (398)モーツァルト 管楽器のための協奏交響曲K.297b ジュリーニ&BPO
                        (収録曲)

                       モーツァルト
            交響曲第39番 変ホ長調 K.543
            管楽器(オーボエ、クラリネット、ホルン、バス―ン)の
                  ための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b

                 ハンスイェルク・シュレンベルガー(Ob)
                 アロイス・ブラントホーファー(Cl)
                 ノルベルト・ハウプトマン(Hrn)
                 ダニエーレ・ダミアーノ(Bassoon)

                 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
                 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
             (録音:1991年2月 ベルリン イエス・キリスト教会)


          第1楽章:Alegro 変ホ長調 4/4拍子
          第2楽章:Adagio 変ホ長調 4/4拍子
          第3楽章:Andantino con variazioni 変ホ長調 2/4拍子


作曲されたのはモーツァルトの父宛ての書簡により1778年4月5日から4月20日の間
と推定されるようです。
過日に綴ったことと重複する点もありますが。
成人になり故郷のザルツブルクに飽き足りなくなったモーツァルトは
才能を存分に発揮できるより良い仕事の場を得るために
1777年9月から母アンナ・マリアに付き添われ初めて父レオポルドに伴われること
なくパリに旅立ったそうです。
この旅行では本来の目的を果たすことはできなかったとのこと。

寄り道になりますが。
この旅行中の7月にモーツァルトの旅に付き添っていた母マリア・アンナが病に倒れ
世を去ったそうです。
彼女はフランス語を話すことができず、パリで地位を得ようとして奔走する息子
モーツァルトを一人宿の中から見守り続け、息を引き取ったそうです。

話を元に。
パリに到着したモーツァルトは4人の名管楽器奏者たち
フルートのヨハン・バプティスト・ヴェンドリング、オーボエのフリードリヒ・ラム
バス―ンのリッター、ホルンのヨハン・シュティヒ(通称ブント)たちとの交友を
得たそうです。
4人のために1曲の協奏交響曲を作曲したのがこの作品とのことです。

曲を書き上げ1725年以来テュイルリー宮殿で行われる音楽会、コンセール・スピリチュエルで演奏するために総監督のジャン・ル・グロに自筆譜を売り渡したそうです。
演奏会用のパート譜作成の段階で自筆譜が紛失し作品は演奏されることがなかった
とのことです。

この作品はそのまま消失されたものとされていたそうです。
20世紀の始めに19世紀のモーツァルト研究家オットー・ヤーンの遺品の中から
1曲の協奏交響曲の筆写譜が発見されたとのこと。
その筆写譜ではフルートではなくクラリネットが用いられていたそうです。
ヤーンの「モーツァルト伝」(1905年、第4版)の校訂者ダイタースは
その中でこの筆写譜こそ消失したと思われていた協奏交響曲の編曲譜である
との説を提出したとのことです。
その説の根拠になっているのはモーツァルトの1778年10月3日付けの書簡にて
鮮明に記憶に残っているこの作品を帰郷後にもう一度書き下ろすつもりだ、と述べているそうです。
ダイタースのこの説は広く承認されたとのこと。
ケッヘル目録第2版では、おそらく真作として「Anh9」 の番号が付され
音楽学者アインシュタインが1937年に刊行したケッヘル目録第3版では
「K.297b」 の番号が与えられたとのことです。
この曲がモーツァルトの作品であるという客観的証拠がなく
真偽についての議論は絶えることがない、とか。
近年ではモーツァルトの作品ではないとの評価の方が多くなっているそうです。
1964年のケッヘル第6版では完全に偽作とされ番号も変えられ新全集からも
除外されたとのこと。
1990年代にはコンピュータを利用してこの曲をフルートを含む形に
編曲し直す復元の試みも為されたそうです。
尚、ヤーンの遺品から発見された筆写譜はベルリン国立図書館に所蔵。

CDのブックレットに吉成順氏の次のような記述がありました。
「曲そのもの、音楽の歓びに溢れた極めて魅力的な作品であることは間違いない。
その魅力があればこそ、多くの人々がモーツァルトの作品だと確信したのである」


ジュリーニベルリン・フィルで聴くモーツァルトの「オーボエ、クラリネット、ホルン
バス―ンと管弦楽のための協奏交響曲」

オーケストラが雄大に奏され始まる第1楽章。
雄大さ、重厚な響き。いかにも「交響曲」の開始のように感じられます。
弦楽器で奏される軽やかで生き生きとした第1主題。
オーボエと掛け合う第1ヴァイオリンと
オーケストラの重々しい響きが対照的な雰囲気。
管楽器たちの掛け合いにオーケストラは相の手を入れているかのよう。
第2主題の優美さも印象的。
ホルンとバス―ンが現れ始まる展開部。
4つの独奏管楽器たちの雄弁な会話。
オーボエの調べが印象的です。
生き生きとした雰囲気の中にも素朴さが漂っているように感じられます。
4つの独奏管楽器たちによるカデンツァでの楽しげな雰囲気を終え
オーケストラが雄々しく奏され閉じられる第1楽章。

弦のユニゾンで始まる第2楽章。
先ずバス―ンでゆったりと奏され始まる第1主題。
独奏楽器はバス―ンから次々と交替。
調べには美しさが漂う歌のよう。  
第2主題ではポーボエとクラリネットの対話。
この対話も穏やかな歌のよう。
展開部で歌い出すバス―ン。応えるオーボエ。
美しさと寂寥感が混じり合ったような趣を感じます。
ゆったりと歌う独奏管楽器たち。
じっくりと心ゆくまで語り合うような独奏管楽器たちの響きに惹かれます。
静かに淡々と支えるオーケストラ。
独奏楽器たちが静まりオーケストラが奏し始め静かに閉じられる楽章。

第3楽章は主題と10の変奏から成る楽章だそうです。
10の変奏は独奏者の技巧を引き出すためにさまざまな音型や楽器の組み合わせで
巧妙に書かれているとのこと。

前楽章から一転して愛嬌を感じさせる第3楽章の始まり。
明るく弾むような独奏管楽器たち。
弦やオーケストラも軽快な伴奏で。
この楽章からは独奏楽器たちが戯れているかのような印象を受けます。
戯れる楽器たちをしっかりと見守るように奏されるオーケストラ。
第10変奏で軽快な趣から速度を落とし、引き締めるように奏されるオーケストラ。
すぐに元のコミカルな軽妙さに。
生き生きと軽やかに迎える曲の終わり。


華麗な雰囲気より明朗で生き生きとした曲。
明朗さの中にも素朴な雰囲気が漂っているのも魅力に感じます。

今回、ジュリーニベルリン・フィルとベーム&ウィーン・フィルの演奏を
聴いてみました。
ベーム&ウィーン・フィルでは各独奏楽器の演奏に魅力を感じます。
他の曲と同様に味わい深い趣を感じる演奏。
好感を抱きつつ繰り返し聴いておりました。

ジュリーニ&ベルリン・フィルのモーツァルトも気になっていたので聴いてみました。
こちらのディスクは廃盤になっているようです。
録音当時、ジュリーニは80歳を目前にしていた頃でしょうか。
独奏楽器の4人の奏者たちはジュリーニから見れば子供や孫のような世代とか。
ジュリーニは独奏楽器奏者たちを引き立て、時にオーケストラは
一歩引き下がるような控え目さを示しつつも
オーケストラから重厚な響きを引き出し
軽やかさ、生き生きとした雰囲気も見事に醸し出しているように感じられます。
独奏楽器奏者たちとオーケストラとの息もピッタリ。
若き日のモーツァルトの作品。
演奏からも若々しさが溢れている協奏交響曲のように思います。
聴き始めた時よりも繰り返し聴いているうちにベーム盤と同様に
お気に入りの演奏になってきました。

                 
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Op.397 モーツァルト:「フルートとハープのための協奏曲」 by ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&アカデミー室内管弦楽団

モーツァルトのクラリネット協奏曲から始まり、モーツァルトの管楽器による協奏曲
聴く日々が続いています。
今回もまたモーツァルト。「フルートとハープのための協奏曲」です。
この作品も昔々のLP時代に出合いお気に入りの曲です。

モーツァルトの管楽器による協奏曲作品のディスクを求めているうちに
フルートとハープのための協奏曲」も手元に3種。
ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&ASMF のマリナー
ゴールウェイ、ヘルミス;カラヤンベルリン・フィルカラヤン
シュルツ、サバレタ;ベーム&ウィーン・フィルのベーム
この3種の中でマリナー盤を軸にして。


           モーツァルトフルートとハープのための協奏曲
             ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&ASMF


           (397)モーツァルト フルートとハープのための協奏曲 ゴールウェイ.マリナー&アカデミー室内管弦楽団
                       (収録曲)
             フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
             フルート協奏曲第2番 ニ長調 K.314
             フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299

                 ジェイムズ・ゴールウェイ(Fl)
                 マリサ・ロブレス(Hrp)
                 サー・ネヴィル・マリナー指揮
                 アカデミー室内管弦楽団
                     (録音:1995年)


              第1楽章: Allegro ハ長調 4/4拍子
              第2楽章:Andantino ヘ長調 3/4拍子
              第3楽章:Rondeau – Allegro ハ長調 2/2拍子


作曲されたのは1778年4月と推測されているようです。
モーツァルトの管楽器のための協奏曲でフルート、オーボエ、ホルン、バスーンの
各協奏曲に引き続き着手されたとのことです。

モーツァルトは母アンナ・マリアに付き添われ1778年に3度目のパリ訪問をしたそうです。
母アンナはパリ到着して約2週間後の1778年4月5日、レオポルド宛の手紙に
次のような記述があるとのことです。

「ヴォルフガングは仕事をいっぱい抱えています・・・・ある公爵のために協奏曲を
2つ書かなければなりません。フルートのためのとハープのための、とです」

書簡の「2つの協奏曲」というのはアンナの思い違いで、モーツァルトが受けたのは
2つの楽器、フルートとハープのための協奏曲1曲の注文だったとのこと。
書簡中の依頼主の「公爵」というのは、ベルリン、次いでロンドン在住フランス大使を
務めた外交官アドリアン・ルイ・ボニエール・ド・スアストル・ド・ギーヌ伯爵(1735-1806)のことだそうです。

モーツァルトがド・ギーヌ侯爵と知己を得たのは、前2回のパリ滞在時
パトロンだったグリム男爵の引き合わせによるそうです
ド・ギーヌ侯爵について1778年5月4日にモーツァルトは父レオポルドに
次のような報告の手紙を記しているそうです。
「ド・ギーヌ侯爵はなかなか大したフルートの名手です。その令嬢に僕は
作曲を教えていますが、彼女もハープをとても上手に弾きます」

フルートとハープという珍しい組み合わせのこの作品は上流階級の
素人芸術家ド・ギーヌ伯爵とその令嬢をソリストに想定して書かれたそうです。

3楽章全体に置かれたカデンツァは本職の演奏家ではない独奏者のために
モーツァルトがあらかじめ全部の音符を書き出しているそうですが
モーツァルト自身によるカデンツァは消失してしまっているとのことです。
カール・ライネッケが書いたカデンツァがしばしば演奏されてきたそうです。
古楽器演奏では新たに演奏家がカデンツァを書くこともあるとのこと。

ここで少々、私自身苦手な音楽史を。メモとして。
このモーツァルトの作品のように複数の楽器を持つ協奏曲はバロック時代の
コンチェルト・グロッソに端を発しているそうです。
古典派の時代になるとソナタ形式の交響的楽章に協奏曲の技法を融合させた
サンフォニー・コンチェルタントに姿を変えモーツァルト滞在当時のパリでは
ことのほか持てはやされていたそうです。
尚、協奏交響曲と訳されているサンフォニー・コンチェルタントは
フランス語「サンフォニー」は「交響曲」というよりも「大規模な管弦楽曲」や
「合奏曲」との意味合いになるそうです。
このフルートとハープのための協奏曲は交響曲風な要素はほとんどなく
控え目なオーケストラを背景に2つの独奏楽器が主役として競い合う
あくまで純粋な協奏曲の部類に属しているとのことです。


ゴールウェイ、ロブレス;マリナー&ASMFで聴くモーツァルトの
フルートとハープのための協奏曲

独奏楽器のフルートとハープそしてとオーケストラが奏し始まる第1楽章。
この冒頭の第1主題の華麗さと清明な雰囲気。
曲の開始から心が洗われるような爽やかさになります。
第2主題ではホルンやオーボエの響きも。
第1主題同様にやはり華麗な趣。
主旋律が独奏フルートとハープのアルペッジョで。
華麗なハープの伴奏に独奏フルートからは愛らしさも。
マリナー&ASMF、オーケストラの控え目な響きが心地よく耳に響きます。
ハープの伴奏で歌うフルートを弦楽器たちのピッツィカートが支え
生き生きとした調べとして感じられるようです。
展開部に入り独奏フルートが奏する調べに漂う憂愁の面影。
ハープとフルートが一時交互に弾むように現れ
再びハープの伴奏で歌うフルート。
2つの独奏楽器が休みオーケストラだけが奏された後に
ハープで始まるカデンツァ。
フルートは高音域を主として奏し優雅に伴奏をするハープ。
優雅さから呟くように趣が変わるフルートとハープも印象的です。
カデンツァが終わりオーケストラの主導で閉じられる第1楽章。

第2楽章ではオーボエとホルンを除き弦楽器だけの伴奏になっているそうです。
弦楽器たちが奏する低音域でゆったりと始まる第2楽章。
悠々と流れるような調べを奏する弦楽器たち。
独奏楽器が現れフル―トとハープが奏する主題。
優美な歌を歌うフルート。
弦楽器たちと2つの独奏楽器が交互に現れては
束の間の会話を楽しんでいるかのよう。
フルートとハープが交互に主奏しての対話を経て加わる弦楽器。
カデンツァになり物想うような趣で奏し始めるハープ。
しばし沈黙をするフルート。
フルートが奏し始め伴奏に徹するハープ。
高音域で清明な調べを歌うフルート。
フルートのトリルでカデンツァを終えて弦楽器たちとの合奏に。
2つの独奏楽器と弦楽器たちで静かに閉じられる第2楽章。

弦楽器たちで奏され始まる第3楽章。
このロンド主題の踊るような軽やかさ。
管楽器が現れロンド主題を反復。
弦と管楽器のリズミカルな応答。
やっと登場する2つの独奏楽器。
ハープとフルートの典雅な雰囲気で奏される独奏楽器同志の対話。
ハープは新たに管楽器との対話に。
再び独奏楽器が奏するロンド主題に。
フルートのトリルから始まるカデンツァ。
ハープは主題を一音一音爪弾きつつ奏し、恰もピッツィカートのように聴こえます。
高音で主奏をするフルート。
カデンツァを終え独奏楽器とオーケストラで力強く華やかに迎える曲の終わり。


優雅、優美、典雅・・・何と雅やかな曲。
マリナー盤、カラヤン盤、ベーム盤の3種の演奏を聴き
少々気になったことから。
第1楽章冒頭の第1主題がマリナー盤とカラヤン盤、ベーム盤では異なって
いるように聴こえるのです。

モーツァルトFlute And Harp Concerto K.299 1stmov
この譜面では曲の開始から独奏楽器もオーケストラと同時に。
マリナー盤ではこの譜面通りに演奏されています。
ですがカラヤン盤とベーム盤では独奏楽器のフルートとハープが登場するまでに
序奏でもあるかのようにオーケストラのみの演奏があります。
カラヤン盤で1分30秒位、ベーム盤で1分33秒くらいでしょうか。
オーケストラの演奏が終わってから独奏楽器が現れるのですが。
マリナー盤、カラヤン盤とベーム盤のこの演奏の違いに「???」になっています。
私の聴き違いなのかと思い聴き直してみても・・・やはり、違うのですが・・・。

早々に脱線をしました。
3種の演奏を聴き個人的な好みでマリナー盤を中心にしてみました。
華麗さと素朴さの中庸の演奏のように感じます。
オーケストラのこじんまりとした佇まいの演奏は聴いていて落ち着きます。
ゴールウェイのフルートはやはり大らかな伸びやかさ、輝きがあり魅力的。
ハープのマリサ・ロブレスは初めて耳にする演奏でしたが流麗でフルートとともに
耳を奪うような演奏で聴き入ってしまいました。
ゴールウェイはこの作品の演奏は5回目の録音になるそうです。

以下に簡単ですがカラヤン盤とベーム盤を。

            モーツァルト:木管楽器のための協奏曲集より
                    カラヤン&ベルリン・フィル

            397:モーツァルト 木管楽器のための協奏曲集 カラヤン&ベルリン・フィル
                         (収録曲)

                フルートとハープのための協奏曲 K.299
                フルート協奏曲第1番 ト長調 K.313
                オーボエ協奏曲 K.314
               
                   ジェイムズ・ゴールウェイ(Fl)
                   フリッツ・ヘルミス(Hrp)
                   ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
                   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
                    (録音:1971年 サンモリッツ)

過日、ゴールウェイのフルートではカラヤン&ベルリン・フィルの録音があるとの
コメントをお寄せいただき求めたディスクです。
カラヤン盤では独奏楽器とともにオーケストラも大活躍でしょうか。
テンポもサクサクと進み明朗で華麗な演奏。
オーケストラの響きの豊かさに負けないゴールウェイのフルート。
スケールの大きな「フルートとハープのための協奏曲」に出合うことができたように思います。 


         管楽器のための協奏曲&セレナードとディヴェルティメント集より
                     ベーム&ウィーン・フィル


           397モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ゴールウェイ:ベーム
                        (収録曲)
             フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
             オーボエ協奏曲 ハ長調 K.271

                  ヴォルフガング・シュルツ(Fl)
                  ニカノール・サバレタ(Hp)
                  カール・ベーム指揮             
                  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
         (録音:1975年5月 ウィーン、ムジークフェライン 大ホール)

演奏の好みとは順不同で最後になってしまいましたが、ベーム盤。
3種の中では最も地味な演奏に感じました。
シュルツのフルートの落ち着きのある音色。
ニカノール・サバレタのハープの堅実なサポート。
ベームの遅めのテンポで進む演奏からは風格すら漂い
味わいも感じられるようです。

三者三様の「フルートとハープのための協奏曲」に耳を傾け
真夏日の毎日との闘いにホッとした潤いのひと時を過ごすことができました。

                  
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Op.396 モーツァルト:「フルート協奏曲第1番」 by トリップ;べーム&ウィーン・フィル

先日、モーツァルトのクラリネット協奏曲をライスター;カラヤン&ベルリン・フィルで
聴いて以来モーツァルト管楽器による協奏曲に嵌り込んでいる日々に
なっています。
先日お寄せいただいたコメントを拝読させていただき
ベーム&ウィーンフィル そしてオーマンディ&フィラデルフィアO. も
首席奏者たちの演奏でモーツァルト管楽器による協奏曲
録音していることを知りました。

先ずはベームウィーン・フィルの7枚組を求め
1枚目のディスクから聴き始めています。
今日はフルート協奏曲第1番を。
ヴェルナー・トリップのフルート独奏です。

                 モーツァルトフルート協奏曲第1番
     ベーム~管楽器のための協奏曲&セレナードとディヴェルティメント集より


            396:モーツァルト フルート協奏曲第1番 管楽器のための協奏曲&セレナードとディヴェルティメント集 ベーム、
                        (収録曲)

                       モーツァルト
                 クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
                 フルート協奏曲 ト長調 K.313
                 バス―ン協奏曲 変ロ長調 K.191

                   ヴェルナー・トリップ(Fl)
                   カール・ベーム指揮
                   ウィーン・フィルハーモ二ー管弦楽団
           (録音:1973年5月 ウィーン ムジークフェライン大ホール)

          第1楽章:Allegro maestoso ト長調 4/4拍子
          第2楽章:Adagio ma non troppo ニ長調 4/4拍子
          第3楽章:Rondo: Tempo di Menuetto ト長調 3/4拍子


作曲されたのは1778年1月或いは2月と推定されるそうです。
モーツァルト、22歳頃でしょうか。
1777年9月23日にモーツァルトは母とともにザルツブルクを出発して
マンハイムに旅立ったそうです。
宮廷音楽家として求職のための旅だったとのことですが職は得られずに
幾人かの優れた演奏家たちとの交友を得ることができたそうです。

交友を得た演奏家の中に当時ヨーロッパに名を馳せていた名フルート奏者
ヨハン・バプティスト・ヴェンドリングやオーボエ奏者のフリードリヒ・ラムなどが
いたとのことです。

                396:モーツァルト フルート協奏曲第1番 Johann Baptist Wendling
                  Johann Baptist Wendling
               (1723年6月17日-1797年11月27日)

このマンハイム滞在中に一連のフルートのための作品が書かれているそうです。
2曲のフルート協奏曲と3曲のフルート四重奏曲が2-3ヶ月のうちに作曲されとのこと。
ヴェンドリングの名人的演奏に啓発されることが多かったようです。

1777年12月10日付けの父宛ての手紙でモーツァルトは次のように書いているそうです。
「僕はいつものようにヴェンドリングのところに食事に行きました。その時、彼は僕に言うのです。私たちのインド人(これは財産があって自適していて、学問という学問を愛好し、しかも僕の大の仲良しで、僕の<崇拝者>のオランダ人です)のためにちょっとした軽く短い協奏曲を3曲と四重奏曲を2,3曲、フルート用に作ってくれれば、彼はあなたに200フロリーン差し上げます。」

ヴェンドリングの仲介によりモーツァルトはオランダ人フェルディナント・ジャンの
ために、3曲のフルート四重奏曲、フルート協奏曲第1番、第2番を書いたそうです。
後者のフルート協奏曲第2番はオーボエ奏者ジョゼッぺ・フェルナンディスのために
書いたオーボエ協奏曲を時間的余裕がなくフルート用に編曲し直したものとのこと。

初演 及び 自筆譜に関しては不明とのことです。


トリップベームウィーン・フィルで聴くモーツァルトのフルート協奏曲第1番

オーケストラで始まる第1楽章。
堂々とし且つ流麗な第1主題。次いで奏される第2主題。
独奏フルートが現れ奏する第1主題。
耳に馴染んでいる旋律です。
前回のクラリネット協奏曲同様にモーツァルトの曲を聴いていると
思わず口ずさみたくなる親しみを感じる旋律。
第2主題も伸び伸びと奏する独奏フルート。
屈託のない伸びやかな旋律。
オーケストラの後に奏されるカデンツァ。
カデンツァで伸びやかな調べから速いバッセージを奏する独奏フルート。
カデンツァを終えオーケストラで力強く閉じられる第1楽章。

オーケストラが低音域を重々しく奏しすぐに現れるホルンで始まる第2楽章。
ゆったりと歌うホルン。
第1主題が現れフルートとヴァイオリンが奏する美しく優しさを感じさせる調べ。
独奏フルートも第1主題を歌い続いて第2主題に。
淡々と歌い続ける独奏フルート。
悠とした趣で寄り添うオーケストラ。
再現部の後に現れるカデンツァは静かな趣で。
独奏フルートが第1主題を歌いつつ
静かに奏されるオーケストラで閉じられる第2楽章。

軽やかな明るさを感じさせる独奏フルートで始まる第3楽章。
ロンド主題の明るさ。
第1副主題での第1ヴァイオリンと独奏フルートの軽やかな掛合い。
第2副主題も弦楽器の伴奏で独奏フルートとの楽しげな会話をしているかのよう。
独奏フルートの伴奏をする弦のトレモロが美しく耳に伝わります。
爽やかで軽やかさに満ちた楽章。
オーケストラが語りかけるような雰囲気で迎える曲の終わり。


新しいディスクを手にすると先ずクラリネット協奏曲から聴き始めてから
次の曲を聴くというパターンになってきました。
今回もこのパターンでクラリネット協奏曲を堪能してからフルート協奏曲を。

このフルート協奏曲も懐かしいLP時代を彷彿と思い出します。
このディスクに収録されている3曲に耳を傾けつつ
先日聴いたカラヤン&ベルリン・フィルの演奏を想い出していました。

カラヤン&ベルリン・フィルとのキリッとした演奏も魅力ながら
ベーム&ウィーン・フィルの演奏に漂う穏やかさ、柔和な雰囲気に惹かれます。
オーケストラの温かく落ち着いた響きが各曲をじっくりと聴かせてくれるようです。

個人的にはクラリネット、バス―ンに比べフルートに対しての魅力は
減じるものを感じていました。
ですが、この曲でヴェルナー・トリップが奏するフルートの音色には
味わい深い温もりを感じられるようで好感を抱きます。
特に第2楽章での音色、響きには惹かれます。

このディスクに収録されている3曲に耳を傾けつつ
新たな魅力に触れることができたように感じています。
そして兼ねてからのお気に入りだったバス―ン協奏曲に耳を傾け
「この曲、こんなに良い曲だった?」と改めて感じ入ったりしています。
こちらのベームの7枚組セットに出合うことができ
各曲から新たな魅力を感じつつ・・・聴き比べに耳を奪われています。
オーマンディ&フィラデルフィアO.による演奏も聴きたい、と夢を見つつ。

                
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Op.395 モーツァルト:「クラリネット協奏曲」 by ライスター;カラヤン&ベルリン・フィル

先日、ふとモーツァルトクラリネット協奏曲の第2楽章が耳に入ってきました。
昔、LPでよく聴いていた・・・懐かしいなぁ・・・と、またいつもの懐かしさに。
今日も「懐かしの曲シリーズ」でモーツァルトクラリネット協奏曲を。
初めて入手をしたモーツァルトクラリネット協奏曲のCD。
ライスターカラヤンベルリン・フィルです。
曲とともに演奏者も懐かしいメンバー。

                モーツァルトクラリネット協奏曲
                ライスターカラヤンベルリン・フィル


            395:モーツァルト:クラリネット協奏曲 ライスター、カラヤン&ベルリン・フィル
                       (収録曲)
                      モーツァルト
                クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
                オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
                バス―ン協奏曲 変ロ長調 K.191

                    カール・ライスター(Cl)
                ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
                ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
          (録音:1971年8月 スイス サン・モリッツ フランス教会)

                 第1楽章:Allegro イ長調 6/8拍子
                 第2楽章:Adagio ニ長調 3/4拍子
                 第3楽章:Allegro イ長調 6/8拍子


この曲が作曲された日付けについては自筆譜もなく正確にはわからないそうですが
モーツァルトが記していた「自作作品目録」の書き込みによると
1791年9月28日から11月15日の間に書かれたと推定されるようです。

この曲の第1楽章は最初からクラリネットのために書かれたものでは
なかったそうです。
「バセットホルンのための協奏曲」K.621b を手直しした編曲で
原曲の草稿と編曲版でほとんど内容は変わらないとのことです。

このクラリネット協奏曲は協奏曲のジャンルの中でモーツァルトが遺した最後の
作品になるそうです。
またクラリネットのための唯一の協奏曲とのこと。

             396モールァルト クラリネット協奏曲 アントン.シュタードラー
                   Anton Paul Stadler
              (1753年6月28日-1812年6月15日)

この曲はモーツァルトの親しい友人で同じフリーメイソン結社の一員であった
アントン・スタドラーのために作曲されたそうです。
スタドラーはクラリネットとバセット・ホルン奏者でウィーン宮廷楽団に仕え
当時並ぶ者がないクラリネットの名手だったとのことです。
「クラリネット協奏曲」K.622 と「クラリネット五重奏曲」K.581 は
ともにスタドラ―の優れた演奏技法に触発されて作曲されたそうです。

モーツァルトの最晩年に作曲されたクラリネット協奏曲。
またいつもの寄り道を。
この作品が作曲された1791年、35歳のモーツァルトの足跡をメモとして。

3月:演奏会でピアノ協奏曲変ロ長調K.595 を演奏。
   これがモーツァルトが演奏家として舞台に立つ最後になる。
5月:「魔笛」の作曲開始。
   聖シュテファン教会の副楽長に任命される。
6月:前年に病気になったコンスタンツェが療養しているバーデンにたびたび
   見舞う。
   モテット「アヴェ・ヴェルム・コルぷス」の作曲。
7月:「レクィエム」の作曲を依頼される。
8月:弟子のジュスマイアーを連れプラハに旅立つ
9月:5日「皇帝ティートの慈悲」完成。翌日、プラハ国立劇場で初演。
   中頃にウィーンに戻る。
   28日「魔笛」完成。翌々日、ヴィーデン劇場で初演。
10月:「クラリネット協奏曲」完成。
11月:モーツァルト病床に臥す。
12月5日、モーツァルト生涯を閉じる。


ライスターカラヤンベルリン・フィルで聴くモーツァルトのクラリネット協奏曲

弦楽器の流麗な旋律で始まる第1楽章。
管楽器に移り奏されるこの第1主題。
この主題を耳にして久し振りに聴くモーツァルトの曲にホッとする気分です。
主役のクラリネットが登場し奏する第1主題。
そして悠とした雰囲気で第2主題を歌うクラリネット。
オーケストラに支えられクラリネットは伸び伸びと吹奏されているよう。
流麗でありながらも素朴さを湛えた楽章。
第1楽章を聴き終え、またもや・・・久し振りのモーツァルトに感銘を。

クラリネットが静かに素朴な雰囲気で奏され始まる第2楽章。
ゆったりと歌うクラリネット。
静かに寄り添うように奏される弦楽器。
この主題の素朴さを湛えた長閑さ。
暫くして加わるオーケストラ。
オーケストラの響きに郷愁のようなものを感じ、またもや懐かしさに浸っていると
耳に響くクラリネットの静かな調べ。
ゆったりと奏するオーケストラが奏し。
静かに響くクラリネットの調べ。
素朴で限りないくらいの美しさ。
感慨深さが一段と増してきます。 
淡々と歌うクラリネットが印象的。 
静かにクラリネットが歌いつつ閉じられる第2楽章。

前楽章から一転して快活な旋律で始まる第3楽章。
ロンド主題の快活さ。軽快さ。
クラリネットはオーケストラに話しかけるかのように。
応えるオーケストラ。
2者の対話の楽章でしょうか。
時にはオーケストラはスケールの大きさで応え
時にはリズミカルに応え。
クラリネットに生彩を与えているようなオーケストラ。
ロンド主題が奏されて軽やかに迎える曲の終わり。



モーツァルトの作品に接する機会はいろいろありましたが
この曲、特に第2楽章の心に染み入る調べは強く印象に残ります。
第1楽章の口ずさむことができる親しみのある旋律。
聴いていてホッとする調べ。
この曲を通して改めてクラリネットの音色、素朴さなど多々の魅力を感じます。

モーツァルトの人生の最後に書かれた曲かと思うと
感慨もひとしおのものがあります。

この曲に耳を傾けつつ
ライスターのクラリネット、カラヤンベルリン・フィルの演奏に
素直に、良い演奏だと感じています。
彼らの長年培われた「絆」の強さが感じられる演奏でしょうか。

このディスクには他に、オーボエ協奏曲、バス―ン協奏曲が
収録されているのも魅力です。
今更ながらですが、曲、演奏ともに感銘深いものを抱いています。

                  
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Op.394 ブルックナー:「交響曲第7番」 by ザンデルリング&シュトゥットガルト放送交響楽団

いつもお邪魔をさせていただいているブログでブルックナー交響曲第7番を
お取り挙げになられていらっしゃいました。
シュトゥットガルト放送交響楽団の2枚組です。
第7番がザンデルリングの指揮
第9番がジュリーニでした。
第9番をジュリーニの演奏で聴きたいと思っていた矢先に
こちらのディスクを知り早速、購入をしてみました。

ブルックナー交響曲入門一年生の私にとっては
第7番もじっくりと聴くのは初めてです。

                    ブルックナー交響曲第7番
                             by
            ザンデルリングシュトゥットガルト放送交響楽団


              393:ブルックナー交響曲第7番ザンデルリング&シュトゥットガルト放送響 
                           (収録曲)

                 ●ブルックナー交響曲第7番ホ長調
                      クルト・ザンデルリング指揮
                      シュトゥットガルト放送交響楽団
                 ●ブルックナー交響曲第9番ニ短調
                      カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
                      シュトゥットガルト放送交響楽団
         (録音:第7番 1999年 シュトゥットガルト リーダー・ハレ ライヴ)
            

           第1楽章:Allegro moderato 「適度な快活さで 」
           第2楽章:Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam 
                  「非常に荘厳にかつ緩徐に」と指定
           第3楽章:Scherzo: Sehr schnell 「非常に速く」
           第4楽章:Finale: Bewegt, doch nicht schnell
                  「快活にあまり速くなく」

交響曲第7番は第6番が完成してから20日後の1881年9月23日に着手し
1883年9月5日に完成したそうです。
ブルックナーは1883年8月にバイロイトにワーグナーの墓参をして向かった
ザンクト・フローリアンでこの作品を書き上げたとのことです。
この作品で交響曲作曲家のブルックナーの名声を国際的に高めたそうです。

第2楽章の作曲中にブルックナーが最も敬愛するワーグナーが危篤状態だったそうです。
第2楽章のアダージョについてブルックナーは指揮者のフェリックス・モットル宛ての
書簡に次のように記しているそうです。

 「ある日、家に戻る途中、大変悲しい気持ちに襲われた。ワーグナーは
 もう長くは生きていられないのではないか、と私は考えていた。
 その時、嬰ハ短調のアダージョの楽想が浮かんできたのだ」

作曲中の1883年2月13日にワーグナー死去。
第3楽章はワーグナーの死去の約3週間前、1月22日に着手をしていたそうです。

初演は曲が完成した翌年、1884年12月30日にライプツィヒ市立劇場に於いて
アルトゥール・ニキシュの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により
行われたそうです。
このライプツィヒの新劇場での初演はブルックナーの芸術家としての生涯にとって
記念すべきものとなったとのこと。
この初演の大成功でブルックナーの名声は上がり、やがて作品はミュンヘン他でも
取り上げられることになったそうです。
ミュンヘンでは1885年3月10日にヘルマン・レーヴィが指揮し、大成功を収めたとのこと。
指揮者レーヴィはこの第7番に対し「ベートーヴェンの死後の最も重要な交響曲」と
評したそうです。
余談になりますが、レーヴィはブルックナーのため、その作品のために多大な
尽力をしたそうです。
レーヴィはこの第7番の楽譜を出版するべく奔走し、ウィーンの出版社から1885年に
出版されることになったとのこと。
この出版を契機とし、この交響曲は急速に多くの都市で取り上げられ、それに伴い
ブルックナーは文字通り国際的な有名人となったそうです。
またこの作品をバイエルン国王ルートヴィヒ2世に献呈することに一役買ったり
バイエルンの貴族たちをブルックナーに紹介もしたとのことです。
ブルックナーは自分より年下にも拘らずレーヴィのことを自分の「芸術の親」と
常に呼ぶようになったそうです。

曲の献呈はバイエルン国王ルートヴィヒ2世に。


ザンデルリングシュトゥットガルト放送交響楽団で聴くブルックナーの第7番

ヴァイオリンの弱音で微かなトレモロを伴奏に奏され始まる第1楽章。
ヴァイオリンのトレモロを伴奏にチェロが壮大で悠とした調べの主題。
第2主題も壮大な調べを奏する管楽器たち。
第3主題では明るさも。
続くオーケストラの響きは重厚に。
音力を上げ力強く高揚を。
金管楽器が登場したり、急にリズミカルな雰囲気を経て入る展開部。
展開部で印象に残るのは第1主題の麗しい旋律と木管の響き。
後半では荘重に奏されるオーケストラの静かな調べも印象的です。
コーダで弱音でティンパニが加わり、低弦の響きが静かに続き
そして壮大にティンパニの連打の中、吹奏されるトランペット。
この楽章ではコーダが最も心に残ります。
コーダは輝きを放っているように感じます。

第2楽章はこの交響曲中で最も有名な楽章だそうです。
主要主題には「テ・デウム」の一部が使用されているとのことです。

重々しく荘重な調べで始まる第2楽章。
ブルックナーがモットル宛てに綴った書簡を想い出しつつ耳を傾けてしまいます。
「テ・デウム・」での慰めのような雰囲気。それに反して顔を出す悲痛な調べ。
悲痛な調べは暗い奈落のような暗澹たる趣。
第2主題では伸びやかに。
曲が進み「葬送音楽」と呼ばれる調べに。
弦で美しいく奏される調べ。
静かに奏されるヴァイオリンとテューバ。
再び奏される主要主題。
トランペットも加わり漂う厳粛で荘重な雰囲気。
静かに消え入るように閉じられる第2楽章。
   
弦楽器で力強く奏し始められる第3楽章。
すぐに現れるトランペット。
この主要主題は駆動するような動き。
奏されるトランペット、ティンパニからは豪壮な雰囲気が。
トリオになり一転して嵐の後の静けさでしょうか。
穏やかに奏される調べ。漂う田園的な雰囲気。
主要主題が反復され力動感をもって閉じられる第3楽章。

弦のトレモロを背景にヴァイオリンが奏され始まる第4楽章。
リズミカルな雰囲気を感じる第1主題です。
静かな流れのように歌われる第2主題。
展開でのヴァイオリンとクラリネットが愛らしく感じられるのが印象的です。
続いて管楽器が静かに奏され平和な雰囲気を感じます。
コーダでは主要動機が静かに奏され、
曲の終わりはトゥッティで華やかにそして豪壮に。


ブルックナーの交響曲シリーズ(?)が開始したようなこの頃になりました。
第9番を筆頭に、先日は第6番、そして今日は第7番に耳を傾けてみました。
ザンデルリングの他に次の2種の演奏を聴いてみました。
クレンペラー&フィルハーモニアO.(1960年録音)
クレンペラー&バイエルン放送交響楽団(1956年、ライヴ)
ともに 1885年、ノヴァーク版 と記載されています。

ブルックナーの交響曲を聴き初め第○稿、○版というものが
悩みの種でした。
こうして聴いているうちに次第に第○稿、○版は以前のように気にならなくなって
きましたが、それでも演奏を聴きつつ「?」になったりしています。

ザンデルリングの演奏を聴きつつ、7番の美しさ、荘重さに感じ入っています。
ザンデルリングは健康が衰えたクレンペラーの補佐を要請されたこともあったそうで。
私のお気に入りの指揮者クレンペラーとは無縁の指揮者ではなかったことを知りました。

こうしてブルックナーの交響曲を聴いていて感じるのは
「響きの音楽」のように思われてきました。

さて、カプリングの第9番。
ブルックナーの交響曲ではお気に入りの第9番を
クレンペラーとともにお気に入りの指揮者ジュリーニの演奏で
これから楽しみに聴いてみます。

                
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Op.393 ベートーヴェン:「弦楽四重奏曲第7番『ラズモフスキー第1番』」 by エマーソン弦楽四重奏団

最近、私にとっての作曲家3Bはベートーヴェン、ブラームスそしてブルックナーに
なってきているようです。
今日はベートーヴェンです。
弦楽四重奏曲から
久し振りに昔々から好きだった「ラズモフスキー」を聴いてみました。
今日は「ラズモフスキー第1番」を。
聴いてみたいと願っていたエマーソン弦楽四重奏団です。


        ベートーヴェン弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」
      エマーソン弦楽四重奏団ベートーヴェンン、弦楽四重奏曲全集より


            392:ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番 全集エマーソンSQ
                         (収録曲)

         弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op.59-1「ラズモフスキー第1番」
         弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op.59-2「ラズモフスキー第2番」

                    エマーソン弦楽四重奏団
                  (録音:1994-95年 ニューヨーク)
    
      第1楽章:Allegro ヘ長調 4/4拍子
      第2楽章:Allegretto vivace e sempre scherzando 変ロ長調 3/8拍子
      第3楽章:Adagio molto e mesto ヘ短調 2/4拍子
      第4楽章:Theme Russe, Allegro ヘ長調 2/4拍子



1年半ほど前に登場したベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番
ラズモフスキー第3番」。当時と重複をしますが覚書として。

ベートーヴェンの作品59の3曲の「ラズモフスキー」はベートーヴェンが
35-6歳の時、1805年から翌1806年にかけて作曲されたそうです。
着手については「ラズモフスキー第1番」の草稿に「1806年5月26日着手」と
記されているとのことです。

この作品59-1、「ラズモフスキー第1番は」3曲の「ラズモフスキー」の中で
特に雄大な作品で手法も各所に革新的なものが見られ
当時の評判は悪かったそうです。
弟子のチェルニーは曲の初演の際に
居並ぶ人々がベートーヴェンが戯れにこのような作品を書いたのだ、と
笑っていたと伝えているとのことです。

曲が書かれた1805-6年のベートーヴェンの足跡他をメモとして。

1805年:前年の1804年初頭からベートーヴェンの関心はオペラ創作に集中。
     1805年も初夏から郊外のヘッツェンドルフに引きこもり「レオノーレ」
     (後の改題「フィデリオ」))の作曲に没頭。
     11月、フランス軍のウィーン占領。
     11月15日、「レオノーレ」初演の5日前、ナポレオンがシェーンブルク宮殿を
     占領し軍司令部に。
     11月20日にオペラ「レオノーレ」(第1稿)初演。大失敗。
     12月、関係者がベートーヴェンに「レオノーレ」の短縮改訂版を承諾させる。
1806年:3月25日「レオノーレ」(第2稿)に第3番序曲を付けて上演されるが失敗。
     12月23日クレメント主催の音楽会でヴァイオリン協奏曲の初演。
     この年、1806年から始まるベートーヴェンの傑作の森。


              319ラズモフスキー伯爵
               Andrei Kirillowitsch Rasumowski
               (1752年11月2日-1836年9月23日)

作品59の3曲はウィーン駐在のロシア大使ラズモフスキー伯爵の私設弦楽四重奏団
のために伯爵の依頼により作曲されたそうです。
少し寄り道を。改めて備忘録として。
伯爵の私設四重奏団はオーストリアのヴァイオリニストでベートーヴェンの
師であり友人でもあったイグナーツ・シュパンツィヒが率いる四重奏団で
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の多くを初演しているそうです。
シュパンツィヒが1808年暮れに創設したラズモフスキー四重奏団は
プロとしては初めての四重奏団と考えられているとのこと。
このラズモフスキー四重奏団が誕生するまで、四重奏曲はアマチュアや
プロの音楽家が必要に応じ集まり演奏されるのが主だったそうです。

曲の献呈はラズモフスキー伯爵に。


エマーソン弦楽四重奏団で聴くベートーヴェン「ラズモフスキー第1番」

第1楽章は400章節で展開部だけでも163小節の長大な楽章だそうです。
ヴィオラの小刻みな伴奏に乗り第2ヴァイオリンが緊張感を伴いつつ
奏する第1主題で始まる第1楽章。
すぐに現れるチェロ。繰り返す第1ヴァイオリン。
冒頭から小刻みな伴奏を続けるヴィオラは緊張感を煽り立てるようにも感じられます。
力強く奏される第1ヴァイオリン。
第2主題になり第1ヴァイオリンが奏する柔和な優しい歌。
展開部での第1主題をモティーフのようにして
4つの楽器たちの語り合いは多様に変容をする変奏のようにも。
第1主題が各楽器で生き生きと奏され力強く閉じられる第1楽章。
各楽器の生き生きとした対話。
克明なリズムから感じられる躍動感。
活き活きとした溌剌さに満ちている楽章。

第2楽章はソナタ形式で書かれているそうですが、実質的にはスケルツォとのこと。
前述と重複しますが、この楽章の構造は変わったものであり、また複雑さや
新奇さのゆえに当時の人々には評判が悪かったそうです。

チェロが奏する独特な趣のリズムと第2ヴァイオリンで奏され始まる第2楽章。
印象に残る第1主題です。
この主題のチェロの開始動機は曲の全曲の至るところに現れるとのこと。
チェロのこの動機がこの第1番を印象的な曲としているように感ます。
ヴィオラと第1ヴァイオリンで繰り返される主題。
曲の中間を過ぎ展開部以降のエマーソン弦楽四重奏団の演奏からは
奔放さのような、荒々しさも感じられるようです。
コーダでは冒頭部分が力強く奏され終わる第2楽章。

前楽章から一転して静かにゆっくりと奏される第1ヴァイオリンで始まる第3楽章。
この第1主題を繰り返すチェロ。
美しさの中に悲哀感、悲嘆が漂うような第1主題。
心に残る調べの主題です。
チェロが歌う第2主題に。
静かに詠嘆の調べが続くこの楽章。
再現部で奏し続けられるチェロのピッツィカートを伴奏に
第1ヴァイオリンの調べが印象的。
コーダでは第1ヴァイオリンが奏する素早い動きのカデンツァを経てトリルに。
途切れることなくアタッカで第4楽章に。

前楽章の第1ヴァイオリンのトリルからこの楽章に移るパートを聴いていると
心が踊るようです。
チェロが奏するロシア民謡を主題とした旋律で始まる第4楽章。
この第1主題の明朗なリズミカルさ。躍動感が溢れる趣。
この曲で一番の盛り上がりを感じさせるようです。
第2主題になり第2ヴァイオリンが奏する柔和な歌。
第2主題の調べに寛いで耳を傾けていると、再び戻る躍動感。
展開部に入り一層の躍動と力強い生命力を感じるようです。
一気呵成に進む喜ばしげな力強さ。
コーダで静かに楽器たちが奏するのも束の間
すぐに音力を強め雄々しく力強く迎える曲の終わり。


曲が終わると、つい出てしまう溜め息。
溜め息にも2種。
美しさに感動した時に出る溜め息。
一気呵成に息もつかせない演奏を聴き終えた時の溜め息。
この演奏は後者。

久し振りに聴いた「ラズモフスキー」の第1番。
昔々、初めて聴いた時の感動が鮮明に甦るエマーソン弦楽四重奏団の演奏。
昨今、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲をいろいろな演奏で聴くことが
趣味の中でも一番の趣味になってきたようです。

兼ねてからベートーヴェンの弦楽四重奏曲では一番のお気に入りだった
「ラズモフスキー」の3曲。特に第2番。
ですが、作品59への熱が下火になり・・・・。
エマーソン弦楽四重奏団で「ラズモフスキー第1番」を聴き
「ラズモフスキー」から久し振りに受けた感動と歓び。
私にとっては目が覚めるような演奏です。
印象に残るのは第2楽章での精緻な演奏に加味された奔放な趣。
第4楽章のリズムの刻みの鋭角的な趣。
快速、快演、精緻。
4つの楽器が繰り広げる四重奏の域を脱したようね大きなスケール感。
大のお気に入りの「ラズモフスキー第2番」がますます楽しみになってきました。
エマーソン弦楽四重奏団の演奏を聴き
ラズモフスキー熱が再燃してきたようです。


                   
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Op.392 ブルックナー:「交響曲第6番」 by カイルベルト&ベルリン・フィル

ブルックナー交響曲を聴きつつ次第に多々の関心が芽生えてきている昨今です。
先日、第9番を聴き、何気なく次に6番を聴いてみました。
ブルックナー交響曲の中ではあまり話題に上がることが少ない曲でしょうか。

本来、ブルックナーの作品を目当てにディスクを求めることが少なかった長い年月。
第6番の手持ちのディスクを探しても3種しか見つかりませんでした。
今はブルックナーという人物への関心が強く、楽しさも感じている最中です。
肝心の音楽鑑賞は二の次になってしまいそうですが。

さて、第6番は改訂をされることもなかったそうで
ブルックナー交響曲に対する最大の悩みの種である第○稿、○版に
悩まされることもなさそうで・・・ホッとしています。

第6番をカイルベルトベルリン・フィルの演奏で聴いてみました。

                  ブルックナー交響曲第6番
               ヨーゼフ・カイルベルト・コレクションより

           392ブルックナー:交響曲第6番カイルベルト&ベルリン・フィル ヨーゼフ・カイルベルト・コレクション
                        (収録曲)

                ブルックナー:交響曲第6番イ長調
                R.シュトラウ:交響詩「ドン・ファン」Op.20

                 ヨーゼフ・カイルベルト指揮
                 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
                       (録音:1963年)

         第1楽章 Maestoso イ長調 2/2拍子
         第2楽章 Adagio (Sehr feierlich) ヘ長調 4/4拍子
         第3楽章 Scherzo (Nicht schnell) イ短調 3/4拍子
         第4楽章 Bewegt,doch nicht zu schnell イ短調 2/2拍子


1879年に作曲された前作の弦楽五重奏曲の作曲を終える頃には
交響曲第6番の構想を練っていたそうです。
この曲には1879年9月24日に着手し1881年9月3日に聖フローリアンで
完成したとのことです。
第1楽章は1879年9月24日に書き始められ1880年9月27日に完了。
第2楽章、1880年11月22日に完了。
第3楽章、1880年12月27日から翌1881年1月17日までに書き上げられ
第4楽章は1881年6月28日にスケッチが完了
1881年9月3日に総譜に仕上げられたそうです。

第6番を書き上げるまでに2ヵ年の年月をかけて慎重に筆を進め
また弦楽五重奏曲で体得した弦楽器の扱い形を生かすことができたこの作品は
ブルックナーとしては自信作となったそうで
細部の手直しをしただけで、改訂稿を残していないとのことです。
この曲に年月を費やした他の理由には
交響曲第4番の改訂で中断、スイス他への旅行、ウィーンの宮廷礼拝堂の仕事で
多忙な生活が2年程続いていたとのことです。

第6番は内容的には第4番以前の短調的世界の悲痛な面や諦観、内省的な
思考を追及したものから
第4番の人生の明るい面や自然のロマン的な情感に向けられた作品の延長線上に
位置する曲だそうです。
第5番で交響曲の一つの頂点を形成し
更に第6番では一層の明快さや簡明な構成を志向している、とのことです。
1870年代後半より行われた一連の作品の改訂活動から交響曲第7番以降の
後期の交響曲へと進む転換期に位置する作品だそうです。

初演は1883年2月11日にウィーン・フィルハーモニー演奏会に於いて
中間の2つの楽章のみがマーラーの先任者ヴィルヘルム・ヤーンの指揮により
行われたそうです。
この2楽章のみの演奏は全曲が長大なことと、聴衆に理解されやすいところだけ
という身勝手な配慮だったとのこと。
聴衆からは温かく迎えられたそうですが、ハンスリックを中心とするウィーンの
批評家からは冷遇をされたとのこと。

全曲の初演はマーラーに委ねられることになったそうですが
マーラーはなかなか実行しなかったとのことです。
ようやく実現に至ったのはブルックナーが死去し2年程経った
1899年2月26日のウィーン・フィルハーモニーの演奏会だったそうです。
指揮をした当時、気鋭の39歳のマーラーは完全な全曲ではなく
聴衆の支持を獲得するべく作品をかなりカット、短縮し
管弦楽法も変更をして演奏したとのことです。
ブルックナーは交響曲第6番の全曲のまともな演奏を聴くことなく
世を去ってしまったそうです。

カットも変更もない全曲の初演は1901年3月14日
ヴィルヘルム・ポーリッヒ指揮、シュトゥットガルト宮廷楽団により
行われたとのことです。

曲はブルックナーの面倒をよく見た「親切な家主」と常にブルックナーから
感謝をされていたアントン・フォン・エルツェルト=ネーヴィン夫妻に
献呈されたそうです。


カイルベルト&ベルリン・フィルで聴くブルックナーの交響曲第6番

ヴァイオリンが高音で小刻みにリズムを奏して始まる第1楽章。
第1主題を奏する低弦。重低音の奥深い響き。
重低音の響きを耳に驚愕に近い想いを感じてしまいます。
第2主題は柔らかな印象。
第3主題では一転して音量が上がり力強く奏する管楽器たちの
雄大、勇壮な趣。
速度を落とし静かな雰囲気に。
展開部では柔和な雰囲気。流れるような旋律。
瞑想的な趣も感じられるようです。
耳を傾けていると心に解放感のようなものが・・・。
コーダで力強さが戻り管楽器たちが奏し
加わる力強いティンパニの響きがもたらす高揚感。
長く続く第1主題のヴァイオリンの小刻みなリズムが印象的。
喜ばしさを歌いあげつつ閉じられる第1楽章。
明るさや優しさ、平和、喜ばしさが漂っているような楽章でしょうか。

弦の低音域で重々しく荘重に奏されて始まる第2楽章。
第1主題を奏するヴァイオリン、そして加わるオーボエ。
美しさを感じる主題です。
第2主題になり奏するヴァイオリンとチェロ。
ヴァイオリンが奏する清楚で美しい旋律。幻想的な趣も。
速度が落ち弦の重低音で奏されゆったりとした雰囲気に。
静かに奏される旋律に現れる第3主題。
第1ヴァイオリンが静かに奏する葬送を想わせる旋律は
ゆったりと歩を進めるかのよう。
展開部でのオーボエとクラリネットが奏する静かな調べも印象的。
前楽章同様に美しさを感じる旋律。
この楽章の美しさは悲歌を想わせるような趣が感じられるようです。
コーダもゆったりと美しく。
静かに奏される弦の調べで閉じられる楽章。

弦が低音で刻むリズム。
すぐに加わるヴァイオリンと木管楽器が奏する主題で始まる第3楽章。
間もなく力量を強め高揚するように。
躍動を感じさせる第1部。
休止のあとに続くトリオは
躍動感のある勇壮なリズムで生き生きとした趣。
速度が落ち各楽器たちに受け継がれる主題。
第3部は第1部のそのままの再現とのこと。
トランペットが尾を引くように奏され勇壮に終わる第3楽章。

低音弦のピッツィカーに乗り滑らかに奏されるヴァイオリンで始まる第4楽章。
第1主題では金管楽器たちが力強い華々しさを伴い吹奏され
覇気が漂っているようです。
第2主題では柔和で優しげな旋律に。
明るく喜ばしげな雰囲気。和やかさも漂っているような。
喜ばしい雰囲気の調べから次第に音力を強めて現れる第3主題。
雄大さと軽快さが入り混じっているような主題。
展開部の終わりの方に聴かれるリズムは印象的。
穏やかな木管で始まるコーダ。
暫し続く和みの美しい旋律に魅了をされていると
金管楽器たちの登場で高揚し熱情的な趣に。
力強く喜ばしい雰囲気で迎える曲の終わり。


ブルックナーがこのような交響曲を?と思ってしまうような
喜ばしく平和な楽想にブルックナーの交響曲に抱いていたイメージに
少し変化が。
第1楽章の喜ばしさを歌いあげつつ閉じられる旋律
また第4楽章の力強い喜ばしさの内に曲が閉じられ
聴いていて感動すら覚えます。

カイルベルト&ベルリン・フィルの金管楽器に耳触りな響きが感じられず
温かさを感じさせる演奏で好感を抱きます。
抑揚を抑え気味の地味(?)な演奏でしょうか。
穏やかな温もりのようなものが感じられる演奏のように思います。
手元にある3種のディスクの演奏を聴き印象に残ったのが
カイルベルト&ベルリン・フィルのこの一枚。
第6番の素晴らしさを伝えてくれた演奏。
もっと陽の目を見ても良い曲・・・と感じ入っています。

ブルックナーの第6番の次にR.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」が
収録されていました。
あまり耳を傾けることをしないR.シュトラウス。
第6番が終了し、自然に耳に入ってきた初めて聴く「ドン・ファン」。
想像をしていたよりも魅力が・・・改めて聴いてみることにしました。

今まで、ラックで眠っていることが多かったカイルベルトの Box でした。
Box から一枚一枚を取り出して聴き始めています。

                  
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