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2019.08/03(Sat)

Op.473 ハイドン:「ヴァイオリン協奏曲第1番」 by メニューイン;バース・フェスティバル管弦楽団(弾き振り、メニューイン)

CD、Boxを購入しても、ほとんど聴くことのないBox や
折角購入したのだから、と意地(?)で聴いているBox 。
そしてまた、お気に入りのBox としていつでも手の届く場所に置いてあるもの。
はたまた、購入をしたことすら忘れてしまい、偶然目に付き思い出すBox。
私の場合にこの4つに分かれるようです。
今日は数年来のお気に入りになっているメニューインのBox から
ハイドンヴァイオリン協奏曲第1番を。

ハイドンヴァイオリン協奏曲は・・・多分、初めて聴くような気がします。
メニューインのディスクでお目当てのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲とともに収録されていました。
そのディスクの第1曲目に収録されているのがハイドン
初めて?耳にするハイドンヴァイオリン協奏曲にドキドキ感とワクワク感。
良いですね、ハイドンの音楽。
偶然に出合ったハイドンヴァイオリン協奏曲第1番。
メニューインの弾き振り、バース・フェスティヴァル管弦楽団です。

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第1番
メニューイン~グレートEMIレコーディングスより

473 ハイドン: ヴァイオリン協奏曲第1番 メニューイン グレートEMIレコーディングス
(収録曲)

ハイドン:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 HobVII:1
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 K.218
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 Op.64

(ハイドンのみ)
ユーディ・メニューイン(Vn&指揮)
バース・フェスティバル管弦楽団
(録音:1963年 アビー・ロード・スタジオ)

第1楽章:Allegro mderato ハ長調 2/4拍子
第2楽章:Adagio molt ヘ長調 4/4拍子
第3楽章:Prest ハ長調 3/8拍子


ハイドンを作曲者とするヴァイオリン協奏曲として伝承されている11曲のうち
ハイドンの真作は第1番、消息不明の第2番 及び 第3番とのことです。
第4番はハイドンの真作を否定する史料もなく、真作として通用しているようです。

自分のメモを兼ねて詳細を。
1969年に「新ハイドン全集」のヴァイオリン協奏曲篇の校訂をしたハインツ・ローマンとギュンター・トーマスにより、ハイドンを作曲者とする11曲のヴァイオリン協奏曲が伝承されているそうです。
大半は弟ミヒャエル・ハイドンを始めとする同時代の人たちの作品であり
ハイドン自身が作曲したヴァイオリン協奏曲は3曲或いは4曲に過ぎないようです。
自筆楽譜、或いは信憑性の高い筆写楽譜が保存されている作品は1曲もないとのこと。

ハイドンの初期作品の真偽決定に重要な役割を果たすものに、ハイドン自身も作成に加わった「草案目録」があるそうです。
この「草案目録」に
1761年から65年頃に第1番と紛失した第2番
1765年と1770年の間(1770-71年頃との説もあるようです)に第3番が記入されているとのこと。
第1番、第2番 そして第3番がハイドンの真作になるそうです。
第3番 イ長調 は1949年にオーストリアのメルク修道院で発見され「メルク協奏曲」とも呼ばれているようです。
第4番については「草案目録」にも、また1805年にヨハン・エルスラーに作製させた「ハイドン目録」にも記載がされていないとのこと。
ですが、第4番が他の作曲家の作品であるとの史料もなく、前述の「新ハイドン全集」の校訂者、ハインツ・ローマンとギュンター・トーマスの第4番をハイドンの真作とする見解が通用しているようです。

さて、今回聴いた第1番が作曲されたのは1761年から65年の時期は
ハイドンがエステルハージ侯爵家の副学長に就任した時期に当たるそうです。
曲はバロックの協奏曲から古典派の協奏曲へと推移する一過程を示す過渡的な様式をもっているとのこと。

第1番は「草案目録」には「ルイジのために作曲されたヴァイオリン協奏曲ハ長調」と記述されているそうです。
ルイジ・トマッシーニ(Luiji Tomasini 1741-1808)はイタリアのペサロ出身のヴァイオリニストとのこと。
トマッシーニは1757年にパウル・アントン・エステルハージ侯爵(1711-1762年)がイタリア旅行をした際の従者となり、アイゼンシュタットのエステルハージ侯爵家に長期間勤務をしたそうです。
1761年にハイドンが副学長としてエステルハージ侯爵家に赴任した時に、トマッシーニはすでに侯爵家のオーケストラの第1ヴァイオリン奏者となっていたとのこと。
後年、コンサート・マスターに昇進したそうです。
彼は2曲のヴァイオリン協奏曲や様々な室内楽作品を遺しているとのこと。
作曲に関しても心得があるトマッシーニはハイドンがヴァイオリン協奏曲を作曲した際に助言を与えた可能性も想定されるようです。
因みに、「草稿目録」に紛失、消息不明になっているヴァイオリン協奏曲第2番についても「ルイジのために作った」との記入もあるとのことです。


メニューインの弾き振り、バース・フェスティバル管弦楽団で聴く
ハイドンのヴァイオリン協奏曲第1番

第1楽章はリトルネロ形式の痕跡を持つ協奏風ソナタ形式とのことです、
主題的な展開よりもヴァイオリンの技巧の誇示を優先しているのが一つの特色になっているとのこと。

オーケストラで軽やかに、爽やかで親しみやすい調べが奏され始まる第1楽章。
楽器構成は 独奏ヴァイオリンと弦4部(チェンバロ) と記されています。
この演奏ではチェンバロも加わっているようです。
チェンバロの音色が印象的に耳に入ります。
オーケストラの呈示部を終え、現れる独奏ヴァイオリン。
暫しチェンバロが通奏低音のように独奏ヴァイオリンを支え、伸びやかに歌うヴァイオリン。
主導する独奏ヴァイオリンに追従をするようにオーケストラとチェンバロの演奏。
独奏ヴァイオリンが姿を消し、オーケストラとチェンバロが奏する調べ。
再び雄弁な独奏ヴァイオリンの登場。
再現部を経てカデンツァ。
このカデンツァはメニューイン作とのこと。
さぞかし技巧優先のカデンツァかと想像をしていたのですが
落ち着いた雰囲気が漂うカデンツァのように耳に伝わります。
カデンツァを経てコーダに。
コーダはオーケストラ呈示部を縮小したものだそうです。
爽やかな軽快さで閉じられる第1楽章。

第2楽章は短い序奏とエピローグを伴った単純なリート形式とのこと。
オーケストラの響きは独奏ヴァイオリンの「哀」に寄り添うかのように静穏な趣で。
弦のピッツィカートに乗り、奏される独奏ヴァイオリンの優美な調べ。
また独奏ヴァイオリンのトリルの美しさ。
しっとりと歌い込むヴァイオリンの歌に聴き惚れてしまいます。
印象的で心に残るヴァイオリンの歌。
オーケストラとともに静謐のうちに終わる第2楽章。

第3楽章は第1楽章に類似した協奏風ソナタ形式とのこと。
オーケストラ、チェンバロで軽快に奏され始まる第3楽章。
現れる独奏ヴァイオリン。
前楽章とは対照的に独奏ヴァイオリンの技巧、雄弁さは第1楽章を彷彿とさせるよう。
弾むような独奏ヴァイオリン。
オーケストラも躍動的に生き生きとしてシンフォニックな趣。
時折耳に伝わるチェンバロが印象的。
耳を傾けていて愉しくなるような楽章。
楽器たちが微笑みつつ、語りかけているような印象を受ける楽章でしょうか。
第1楽章同様にカデンツァはメニューイン作とのことですが
曲が終わり・・・「あれ?カデンツァは何処に?」になっておりますので
改めて聴き直してみなければ。


曲を聴き終え「本当に良い曲!」。
ハイドンの作品では主として弦楽四重奏曲を聴く機会はあるものの
協奏曲は聴く機会がありませんでした。
すっかりハイドンのヴァイオリン協奏曲の虜になってしまったようです。
ハイドン作曲の他のヴァイオリン協奏曲も聴きたいところ。
ですが、こちらの Box にはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全曲のオマケ(?)のように第1番しか収録されていません。
ハイドン真作のヴァイオリン協奏曲のディスクも少ないようで残念です。
こんなに良い曲、素敵な曲なのに・・・・と録音の少なさに残念な想いを抱きつつ
想起するのはメンデルスゾーン。

蛇足ながらメニューインの演奏によるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲も
お気に入りの演奏になりました。
お気に入りのヴァイオリニストの一人であるメニューイン。
一音、一音を大切に弾き込む真摯な演奏。
ハイドン 然り。モーツァルト 然り。
軽快な曲であってもメニューインのヴァイオリンからは
常に「語りかけ」を感じるようです。

酷暑の日々。
清涼剤のようなハイドンのヴァイオリン協奏曲でしょうか。

いつもの蛇足になります。
オバサンの井戸端会議、改め独り言のメモ。
第1楽章で「リトルネッロ形式」と書いたものの・・・・良く分かりません。
Wikipedia でお勉強を。

リトルネッロはイタリア語で「復帰」を意味する ritorno に指小辞の付いた形で「繰り返し」を意味。
バロック時代の協奏曲に多く見られる形式。
リトルネッロと呼ばれる主題を何度も挟みながら進行。
ロンド形式と類似しているが、ロンドの場合にはロンド主題が毎回、主調で奏されるが
リトルネッロ形式では楽曲の最初と最後は主調以外の調で奏される。
また協奏曲ではリトルネッロを全合奏で、リトルネッロに挟まれた部分を独奏楽器が奏する。

リトルネッロ形式はヴィヴァルディの協奏曲に特徴的。
初期の「調和の霊感」でも多用されているが、ヴィヴァルディがリトルネッロ形式の発明者というわけではない。
ヴィヴァルディ以前にトレッリなどがリトルネッロ形式を使用している。
初期のリトルネッロは短いものだったが、最も発達したリトルネッロ形式は主調に2種類、関係調1種類、遠隔調1種類の4種類を使用するようになった。
バロック以降もベートーヴェンの時代まで協奏曲の第1楽章にリトルネッロ形式が使われ続けたとのこと。
以上です。
解ったような、解らないような・・・・。

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2019.06/29(Sat)

Op.472 ベートーヴェン:「チェロ・ソナタ第4番」 by マイナルディ&ゼッキ

エンリコ・マイナルディの演奏を初めて聴く機会がありました。
マイナルディのBoxは2種発売されているようですね。
2013年リリースの「DG&アルヒーフ録音集成Box」(14枚組)及び
2017年リリースの「マイナルディ~名演集」(DOCUMENTS;10枚組)の廉価盤。
入手をしたのは廉価盤大好き故に「マイナルディ~名演集」です。
収録曲はお気に入りの作品がほとんど。
中でも「無伴奏チェロ組曲」とベートーヴェンチェロ・ソナタ全集は是非、聴いてみたいものでした。
最初に「無伴奏チェロ組曲」を聴き、今まで耳にしていた演奏とはかなり異なり
ゆったりとした遅いテンポで魅了されるものがありました。
シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」も然り。
そしてベートーヴェン
ベートーヴェンチェロ・ソナタでこれほど心に染み入る演奏を聴いたのは初めてのような・・・。
どの作品も、遅いテンポ設定で語りかけるような演奏に惹かれる一枚一枚。
マイナルディ・・・もっと早く出会いたかった、と思うチェリストになりました。
マイナルディのチェロ、ピアノはカルロ・ゼッキでベートーヴェンチェロ・ソナタ第4番を。


ベートーヴェンチェロ・ソナタ第4番
エンリコ・マイナルディ~名演集より


472ベートーヴェン チェロ.ソナタ第4番:エンリコ・マイナルディ名演集10CD
(収録曲)

ベートーヴェン
  チェロ・ソナタ第4番
  チェロ・ソナタ第5番
 
シューベルト
  アルペジョーネ・ソナタ D.821
(録音:ベートーヴェン 1957年 DG原盤)

曲の構成についてのメモ
(ディスク他、2楽章の記載)
第1楽章・Andante – Allegro vivace
第2楽章・Adagio – Tempo d'Andante - Allegro vivace

(門馬直美氏による、5つの部分から構成されている単一楽章として)
第1部:Andante ハ長調 6/8拍子 
第2部:Allegro vivace 2/2拍子 
第3部:Adagio ハ長調 4/4拍子   
第4部:Andante 6/8拍子
第5部:Allegro vivace ハ長調 2/4拍子


472ベートーヴェン チェロソナタ第4番(wikiドイツ)Beethoven-Porträt von Louis Letronne aus dem Jahr 1814.
作曲をした頃のベートーヴェン 1814年

草稿によると作品102の2曲、Op.102-1 第4番、Op.102-2 第5番は
共に1815年に完成したそうです。
第4番の方が第5番よりも少し早く7月の終わり頃に書き上げられたとのことです。

この第4番の草稿には「ピアノとチェロのための自由なソナタ」と記されているとのことで
曲の構造もかなり自由なものだそうです。
全曲は5つの部分から構成されてはいるが5楽章の形を取ることはなく
最初から最後まで通奏される単一楽章の幻想曲風ソナタの観を呈している、とのこと。

また、門馬直美氏によると、
初めの2つの部分、Andante と Allegro vivace を休みなしに演奏した後に
1小節の休止符を挟み、続いて3つの部分、Adagio、Tempo d'Andante そして Allegro vivace が休みなく演奏されるので、曲は2楽章の形を取っていると思われる、とのことですが
冒頭のAndante の再帰から考えると、5つの部分から構成される単一楽章のソナタとした方が妥当、と氏は記述をされています。
CDジャケット他もこの曲を2楽章構成として扱っているようです。
無知な私は、云々、細かいことよりも・・・聴いて、曲が良ければそれでイイ・・・と、単純に。

作曲された1815年はウィーン会議が開催された年だったそうです。
会議は9ヶ月に及んだとのことです。
この会議による社会のお祭り騒ぎやベートーヴェン自身の体調不良などもあり
作曲の筆は進まなかったとのこと。

曲は第5番と同様にラズモフスキー家のシュパンツィヒ四重奏団のチェリスト、ヨーゼフ・リンケのために書かれたそうです。
リンケは優れたチェロ奏者であり作曲もしたそうです。

献呈はエルデーディ伯爵夫人に。
伯爵夫人はベートーヴェンの音楽の良き理解者であり、ベートーヴェンを助け
嬉しい時にはともに歓び、悲しい時には労わり、慰めたそうです。

出版は1817年にボン、及びケルンのジムロック社から。
1819年にはウィーンのアルタリア社からも出版されたとのこと。



マイナルディ&ゼッキで聴くベートーヴェンのチェロ・ソナタ第4番
門馬直美氏の 5つの部分から構成される単一楽章のソナタ を道標に聴いてみました。

第1部のAndante。序奏。
冒頭に表情指定として teneramente(優しく、愛情深く)及び dolce canntabile と記されているそうです。
チェロがゆっくりと語りかけるような優しい旋律で始まり
ピアノも和やかに加わりチェロとピアノの穏やかな語りかけを聴くよう。
穏やかさの中に静かな美しさも漂っているような幻想的な雰囲気の調べ。
3分弱の序奏ですが、印象深く心に残ります。
他の演奏で今までも聴いている筈なのですが、とても心に残るものがあります。
この曲では最もお気に入りのパート。

続く第2部の Allegro vivace では第1部から一転してリズミカルさ、躍動感そして力強さ。
マイナルディの切り込むような鋭い弓さばきからは
妥協を許さない凛とした印象を受けるようです。
力強い推進力に圧倒されるよう。

第3部のAdagio。
この第3部と次の第4部は第5部に対する序奏と見ることができる、とのことです。
チェロとピアノの対話のように始まる第3部。
深みのあるチェロの響き。
伸びやかに歌うチェロ。寄り添うピアノ。
第1部のAndante とともに幻想的で印象に残るようです。

第4部のAndante は冒頭、第1部のAndanteの主題を用いているとのこと。

迎える第5部、Allegro vivace。
曲のクライマックスを迎え、凛とした力強い高揚感。
チェロとピアノで気迫を伴い築き上げられているよう。


曲が終わり、第1部のアンダンテに想いが吸い寄せられるようです。
嘗てベートーヴェンのチェロ・ソナタ全般に対して抱いていたのは
明るいと言う印象。
今回、マイナルディの演奏を聴き、各曲に散りばめられている美しい旋律に耳を奪われ
嘗て感じたことのない、曲に対する共鳴、感銘を受けたように想います。
ベートーヴェンのチェロ・ソナタに対するイメージがかなり変わってきたようにも。
「チェロ・ソナタ全集」としての愛聴盤になったようです。

今頃になり知り得たチェリスト、エンリコ・マイナルディ。
この廉価盤Boxの10枚、私としては異例の短時間でほとんどを聴き終え
愛聴Box になりそうです。

マイナルディのメモを。
1897年5月19日 ミラノ生まれ。
1976年4月10日 ミュンヘンにて死去。
イタリアのチェロ奏者、作曲家、指揮者。
ゲオルク・クーレンカンプやエドヴィン・フィッシャーらとトリオを結成し、室内楽での名声を高めた、とのこと。

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2019.05/25(Sat)

Op.471 メンデルスゾーン:「ピアノ六重奏曲」 by アマティ弦楽合奏団

いつもお邪魔をさせていただいているブログでメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲の記事に出合ったのは、つい最近のことです。
記事を拝読し、メンデルスゾーンの作品に新たな関心が湧いてきました。
私にとっては心に響く作品に出合うことが少ないメンデルスゾーンの音楽。
久しく疎遠な作曲家の一人でした。
云々、言いつつもメンデルスゾーンはこの拙ブログに出番が多い方かも・・・。

メンデルスゾーンに関心を抱き始めたのは、この数年来の事のように思います。
当時、いつでも聴きたい時に聴くことができるように、との想いで入手をしておいたメンデルスゾーンのBox。
冬眠状態だったBoxです。
ブログを拝読させていただき、やっと聴き始めてから数週間が経ちました。
数週間を経ても40枚組Boxのほんの一部しか未だ聴いていない状況ですが
目下のお気に入りはピアノ六重奏曲

いつもお邪魔をしているブログの御方も昨日、偶然にこのピアノ六重奏曲をお取り挙げになられていらっしゃいました。
ピアノ六重奏曲はお気に入り中のお気に入りで、メンデルスゾーンの作品では最も好きな作品になってきました。
初めてこの曲との出合いから2週間来、この曲ばかりを聴いています。
繰り返し何回聴いても未だ飽くことがありません。
あまり心に響く曲が少ないメンデルスゾーンの音楽でしたが
この曲は数少ない例外の一曲になりました。
演奏はアマティ弦楽合奏団です。

メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲
メンデルスゾーン・ポートレイトより~アマティ弦楽合奏団


471メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲 アマティ弦楽合奏団 メンデルスゾーン.ポートレイト
(収録曲)
ピアノ六重奏曲 ニ長調 Op.110
弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20

アマティ弦楽合奏団(ピアノ六重奏曲の奏者たち)
ダリア・ウズィエル(P);ギル・シャロン(vn)
ロン・エプハート;リーサ・タミネン(Vla)
アレックス・ファルショフ(Vc)、ヤン・サッセン(Cb)
(録音:1996-97年)


第1楽章:Allegro vivace ニ長調 4/4拍子
第2楽章:Adagio 嬰へ長調 3/4拍子
第3楽章:Menuetto agitato ニ短調 6/8拍子
第4楽章:Allegro vivace ニ長調 4/4拍子


作曲はメンデルスゾーン15歳の年、1824年の4月から5月にかけ、1ヶ月足らずの間に書かれたそうです。
メンデルスゾーンの自筆楽譜によると第1楽章の終わりに「1824年4月13日」と記され
最後の第4楽章の終わりには「1824年5月10日」と書き込まれているとのことです。

作品番号が110となっていて、後期に作曲されたものと思ったのですが
1824年、15歳の時、極めて初期に作曲されたそうです。
同年に作曲されたのは、「ピアノ四重奏曲ロ短調」作品3、「交響曲第1番」作品11、「2台のピアノのための協奏曲」変イ長調などがあるとのことです。
またこの年、1824年前後より公開での演奏活動もかなり多くなってきたそうです。
以前までの家庭での小編成のアンサンブルを主体とした演奏会から
演奏活動が多くなってきたことにより広い会場での演奏会に目を向け始め
本格的な演奏会向きの作品を書く傾向になったとのことです。
ピアノ六重奏曲はそのような過渡期に属する作品になるそうです。
尚、余談ながら祖母からバッハの「マタイ受難曲」のスコアをプレゼントされたのがこの年、1824年だったようです。

メンデルスゾーンはピアノを用いた室内楽曲を始めとする作品でピアノをピアノ協奏曲風に動かし、ピアノを主体とする傾向があったそうです。
然し、公開の演奏会を前提として書かれたこのピアノ六重奏曲ではピアノは華やかに効果的に活躍させつつ、弦楽器との対立やバランスを緻密に考慮するようになってきているとのこと。
然しこの曲は成功をした作品になることはなかったようですが。

初演の正確な日時や場所は不明とのことです。
この作品をメンデルスゾーンは生前に公開で演奏をすることがなく、自身であまり気に入ることがなく出版もしなかったそうです。
メンデルスゾーン家では毎週土曜日の午前中に自宅で家庭演奏会が催されていたとのことで、その家庭演奏会で初めて紹介されたのではないか、と言われているそうです。

曲の出版はメンデルスゾーンの死後1868年にライプツィヒのキストナー社、及びロンドンのノヴェロ社から初めて出版されたそうです。
出版された際にはまだ作品110の番号を与えられず、メンデルスゾーンの遺品を新たに整理した番号に従い「39」という番号だったとのこと。
後にメンデルスゾーンの全集に収められた時に作品110とされたそうです。
尚、後に出たメンデルスゾーンの新しい作品目録によると「MWV Q16」との新たな作品番号が付けられたとのこと。

この曲の楽器編成(ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ2、チェロ、コントラバス)について。
門馬直美氏によると、このピアノ六重奏曲とまったく同じ編成の曲は
アルトマン「室内楽文献」に一曲も掲載されていないとのことで、メンデルスゾーン自身がこの編成を考えだしたと推定されるようです。
ピアノがかなり派手に動くことへの対比として弦の中声部以下を充実させるという考慮もされていたようです。


アマティ弦楽合奏団で聴くメンデルスゾーンのピアノ六重奏曲

弦が奏する穏やかで滑らかな第1主題で始まる第1楽章。
この主題の穏やかさには夢見るような趣も漂っているようにも。
ピアノが現れピアノからも穏やかな雰囲気が。
ピアノと弦の滑らかな会話を経てこの曲では初めて感じられる活気ある調べに。
優美な調べを経てピアノだけが奏する第2主題に。
清明で屈託のない愛くるしさが漂うような主題。
初めて耳にする旋律でありながら「いつか、どこかで」聴いたような親和感を抱く主題。
ピアノに代わり弦が繰り返し奏するこの主題を経て
華麗な動きをするピアノの登場。
展開部もピアノの軽快な華やかさ。
再現部を経て迎えるコーダ。
明朗に弾むように奏されるピアノと弦楽器たち。
明るく力強く閉じられる第1楽章。

ヴァイオリンとヴィオラで静かで和やかな旋律が奏でられ始まる第2楽章。
柔和で穏やかなこの第1主題。 
現れるピアノは物思わしげに呟くような趣。
瞑想的な雰囲気も漂う第2主題。
ピアノと弦が静かに奏され閉じられる第2楽章。
お気に入りの楽章になりました。

切迫をした雰囲気を感じさせ始まる第3楽章。
ドイツ語では、小さなステップの踊り、を意味するメヌエット。
本来のメヌエットの舞曲を想像してこの楽章を聴き始めたものの・・・。
耳を傾けていると弦楽器たちが何やら深刻な会話をしているかのような雰囲気。
トリオになり主役的に奏される弦楽器。
感傷的な雰囲気すら感じてしまいます。
ピアノは動的に奏され活気を感じさせるよう。
楽章の終わりは切り上げるかのようにサッパリと。
前楽章同様にこの楽章も惹かれるものがありお気に入りの楽章に。

左手で刻むリズムの中を右手が奏する軽やかで明朗な調べで始まる第4楽章。
この第1主題の活気のあるピアノ。
弦だけで奏される第2主題。
新しいリズムになり明朗な躍動感に溢れ
ピアノ、弦楽器たちともどもが生き生きとしているよう。
熱情的な趣、高揚感に満ち聴いていて息を呑む想い。
この曲では最も躍動的な楽想に溢れた楽章でしょうか。
ピアノ、弦楽器たちが醸し出す華麗な雰囲気にも耳を奪われます。
楽章の終わり頃、ドラマティックに奏される第1主題には耳を奪われるばかり。
闊達に力強く突き進み迎える曲の終わり。


曲が終了し、素晴らしい曲、の一言。
第1楽章ではほとんど休むことなく奏し続けられる華麗なピアノに対し弦楽器たちからは素朴な雰囲気すら感じられるようです。
第2楽章。この楽章を聴き、メンデルスゾーンに対し抱いていた認識が新たにされたようです。
味わいのある楽章。
メンデルスゾーンの音楽の一面として深く印象に残る楽章になりました。 
第3楽章は通常耳にするメヌエットとは異質さを感じますがこの楽章も前楽章とともに印象的。
第4楽章に漂う熱気、活気には震撼させるような魅力を感じます。
弦楽合奏団ながら織り成す音楽のスケールの大きさ。


演奏者のピアノのダリア・ウズィエル
及びアマティ弦楽合奏団について私にはまったく初耳でした。
ウズィエルのピアノは滑らかで流麗、且つ力強さも併せ持った表情豊かなピアニズムを聴かせてくれるようです。
アマティ弦楽合奏団は誇張のない至って自然な流れを重視しているのでしょうか。
楽想を真摯に捉えた音楽を創造しているように感じられます。

演奏される機会も少なく、有名曲の陰に隠れてしまっているような曲ですが
もっと陽が当たることを祈りたくなります。
メンデルスゾーンの有名曲と比肩をしても勝るとも劣らない作品のように思われます。

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2019.05/04(Sat)

Op.470 シベリウス:「ヴァイオリン協奏曲」(オリジナル版と現行版) by カヴァコス;ヴァンスカ&ラハティ交響楽団

ふとしたキッカケで或る作品が自分の心の中で燦然と輝く存在に。
このシベリウスの曲はお気に入りではあってもあまり聴く機会のない作品でした。

「この曲って、こんなに良かった?」と感じることが時々あります。
年月を経て、改めて耳にしては「この曲って、こんなに良かった?」と
同じ想いを抱き感銘を新たにするのがシベリウスヴァイオリン協奏曲
多々あるヴァイオリン協奏曲の中でもお気に入りの1曲です。

過日、この曲を必要に迫られシェリング、ロジェストヴェンスキー&ロンドン交響楽団の演奏で聴くハメになってしまいました。
例えお気に入りの曲であっても・・・致し方なく耳を傾け始めた筈なのですが
今までに抱いたことのない新鮮な感銘を受けました。
余談ですが、カプリングがプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番でした。
プロコフィエフ・・・苦手な作曲家の筈でしたが・・・プロコフィエフに対しての認識が一転しました。

ふとした事からシベリウスヴァイオリン協奏曲に改めて嵌り込んでしまった次第です。
手持ちのディスクを探し出し色々と聴いておりました。
こちらのカヴァコスヴァンスカラハティ交響楽団初稿版と現行版の2種が収められたディスクがショップで目に付きました。
今頃になり是が非でも聴きたくなり早速入手をして聴いてみました。
それにしても、この曲は演奏者により受ける印象にかなりの違いがあるように感じてしまうのですが。

シェリング;ロジェストヴェンスキー&ロンドン交響楽団に端を発したシベリウスヴァイオリン協奏曲への再燃。
カヴァコスヴァンスカラハティ交響楽団の演奏で。
初稿版に興味津々の心持ちを抱きつつ。

シベリウスヴァイオリン協奏曲ニ短調
by
カヴァコスヴァンスカ&ラハティ交響楽楽団

470シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op. 47 (原典版/改訂版)(カヴァコス/ラハティ響/ヴァンスカ)
(収録曲)

シベリウス
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04年オリジナル版)
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1905年 現行版)

レオニダス・カヴァコス( Vn)
オスモ・ヴァンスカ指揮
ラハティ交響楽団
(録音 オリジナル版:1991年1月 現行版:1990年11月
     ラハティ聖十字架教会)


第1楽章:Allegro moderato ニ短調 2/2拍子
第2楽章:Adagio di molto 変ロ長調 4/4拍子
第3楽章:Allegro ma non tanto ニ長調 3/4拍子
    オリジナル版表記は Allegro (ma non tanto)



いつものように以前、綴ったことと重複しますが。
作曲されたのは1903年、シベリウス38歳の時だそうです。
1903年に初稿での初演の後1905年にブラームスのヴァイオリン協奏曲が発端となりシベリウスはこの曲の改訂をしたとのこと。
推敲を重ね、初稿の完成から2年後の1905年に改訂され、今日演奏されている型になったそうです。

因みにシベリウスは若い頃にヴァイオリニストを志したそうで、14歳でヴァイオリンを学んでいたとのことです。
1892年から1901年には母校ヘルシンキ音楽院の作曲、及びヴァイオリンの教師をしていたそうです。
この曲でもヴァイオリンの能力を充分に駆使した華やかな演奏効果にも欠けるものはない、とのこと。

シベリウスは1899年作曲の交響詩「フィンランディア」などにより
既に独自の地位を築いていた頃にこの曲は書かれたとのことです。
ヘルシンキ、ライプツィヒそしてパリで音楽を学んだ指揮者のロベルト・カヤヌスと
ヘルシンキ管弦楽団とともにヨーロッパ各地を演奏旅行しシベリウスの名声は国際的に認められるようになったそうです。

オリジナル稿の初演は1904年2月8日。
ヴァイオリン独奏はヴィクトル・ノヴァチェク。
曲の完成が初演間際であったためノヴァチェクは練習時間を十分に得られず初演は悲惨なものだったとのこと。
改訂された現行版の初演は1905年10月19日。
リヒャルト・シュトラウスの指揮、ベルリン王立宮廷楽団
ヴァイオリン独奏(兼コンサートマスター)カレル・ハリーシュにより執り行われ
大成功を収めたとのことです。


カヴァコスヴァンスカラハティ交響楽団で聴くシベリウスのヴァイオリン協奏曲
オリジナル版と現行版の簡単なメモとして。

ショップの記述によると
オリジナル版はシベリウスの遺志を汲み、初演以来公開をされていなかったとのこと。
こうしてオリジナル版を聴くことができるることに感謝。

先ずオリジナル版と現行版の演奏時間。
●オリジナル版 39分14秒
  19分28秒/9分58秒/9分34秒
●現行版 34分44秒
  16分47秒/10分02秒/7分40秒


オリジナル版を聴くのは初めてです。
現行版ですら聴き込んでいるとは言えないながらも
オリジナル版と現行版を聴き自分なりの印象を。
ショップのレビューを読むと現行版の方が良い、との声が多いようです。
私自身はオリジナル版の方に興味を引かれ、強いて言えばオリジナル版の方がお気に入りに。
特に第1楽章での独奏ヴァイオリンの重音奏法などの技巧に耳を奪われます。

尚、レビューで音量調節が煩わしいとのお声に同感。
レンジが広いのでしょうか。
通常、スピーカーから聴く時には小音量に設定しています。
このディスクは音量調節に四苦八苦。ヴォリュームを上げたり下げたり。
本来ダイナミックレンジの広さは大歓迎なのですが・・・。
心ゆくまで聴くにはやはり愛用のヘッドフォンになってしまいます。

初稿と現行版を聴き殊に印象に残っているのは第1楽章。
初稿では再現部の第3主題の前にもカデンツァが置かれていたそうですが
改訂により削除されたとのこと。
この削除された部分・・・だと思うのですが前述しましたが重音奏法のフレーズがかなり長く続き、カヴァコスの技巧に聴き入ってしまいます。
聴いている方は良いのですが、ヴァイオリニスト泣かせ?かも、と余計なお世話の心配も。

第1楽章ばかりに集中してしまいますが。
第1楽章はオリジナル版の方が現行版より5分程長いようですが
聴いていて冗長さを感じることはありません。
第2楽章はオリジナル版の方が現行版より2分程長いようです。
短縮され完成度の高い現行版よりもオリジナル版の方に
シベリウスの溢れ出る豊かな楽想が生き躍動をしているように感じられます。
現行版、オリジナル版ともに魅力を湛えた曲。

カヴァコスの雄弁な独奏ヴァイオリンと
ヴァンスカ&ラハティ交響楽団が織りなすシベリウス。
目下の愛聴盤の一つになっております。
        
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タグ : シベリウス ヴァイオリン協奏曲 カヴァコス ヴァンスカ ラハティ交響楽団 初稿

21:47  |  シベリウス  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2019.04/13(Sat)

Op.469 ベートーヴェン:「弦楽四重奏曲第16番」 by パスカル弦楽四重奏団

ブログの更新が2ヶ月以上停滞をしてしまったようで、自分なりに書くコツ(?)を
忘れかけてしまっています。
とにかく纏まらない。文章が脳内で散乱。
まぁ、これは以前からいつものことですが。

生活パターンがだいぶ変わってきた昨今です。
PCに向かう時間の激減。
音楽に集中をして耳を傾けられる時間も激減。
聴く音楽のジャンルも変化。

クラシック音楽で聴きたくなるのは必ずベートーヴェン弦楽四重奏曲です。
四重奏曲では第15番と第16番を聴くことが多くなりました。
今年1月から自分への宿題になっていたパスカル弦楽四重奏団を主として
第15番、第16番を手持ちのディスクを取り出し多々の四重奏団で聴いています。
こちらのパスカル弦楽四重奏団のBoxはいつもお邪魔をさせていただいているブログを拝読し聴いてみたくなり求めたのが今年の初頭。
聴いてみたい作品が多く収録されているのですが4ヶ月を経ても未だBoxを聴き終えていない有様です。
さて、今日はパスカル弦楽四重奏団の演奏で第16番を。


ベートーヴェン弦楽四重奏曲第16番
パスカル弦楽四重奏団の芸術より

469:ベートーヴェン弦楽四重奏曲第16番 パスカル四重奏団
(収録曲)
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第15番イ短調 Op.132
弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 Op.135
パスカル弦楽四重奏団
(録音:1952年 モノラル)

パスカル弦楽四重奏団のメンバー
ジャック・デュモン(1st.Vn)
モーリス・クリュー(2nd.Vn)
レオン・パスカル(Vla)
ロベール・サル(Vc)

 第1楽章:Allegretto ヘ長調 2/4拍子
 第2楽章:Vivace ヘ長調 3/4拍子
 第3楽章:Lento assai, cantante e tranquillo 変ニ長調 6/8拍子
 第4楽章:(標題)Der schwer gefasste Entschluss
      (序奏)Grave, ma non troppo tratto ヘ短調 3/2拍子
      (主部)Allegro ヘ長調 2/2拍子(主部)


第16番は一昨年、ハンガリー四重奏団の演奏で綴っていたようです。
いつものように復習を兼ねて当時の記事より引用をしつつ。

作曲されたのは1826年10月、ベートーヴェンの死の5ヶ月前に弟ヨハンの家に於いて完成。
この年の秋にベートーヴェンは深い心痛と蝕まれた肉体を抱え
自殺未遂事件を起こした甥のカールを連れグナイセンドルフの弟ヨハンの家に赴いたそうです。
纏まった作品としてはベートーヴェンの最後の作品になるとのこと。
この作品を完成した後に弦楽四重奏曲第13番の終楽章が完成され
それがベートーヴェンの絶筆になったとのことです。

第16番が作曲された時のベートーヴェンの状況、状態は次のようだったそうです。
カールはベートーヴェンの愛情を受け、治癒をしてからは軍人になりたいと
言い出したそうです。
カールの希望を叶えるためにベートーヴェンが奔走をしたお陰で
カールは希望通りに軍隊勤務に就くことになったとのこと。
ベートーヴェンとカールは12月末に弟ヨハンの家からウィーンに帰ったそうですが
帰途の寒さも影響しベートーヴェンの健康は悪化したとのことです。
カールが軍籍に入るために出発した翌日にベートーヴェンが 弁護士バッハ宛てに
綴った1月3日付けの書簡には死を覚悟した、と受け取られる文字が 連ねられていたそうです。
こような状態、状況の中でこの弦楽四重奏曲第16番は作曲されたとのことです。

初演はベートーヴェンの死後1年目の1828年3月。
ウィーンで シュパンツィヒ弦楽四重奏団により行われたそうです。
献呈は友人のJ.K.ヴォルフマイアーに。


パスカル弦楽四重奏団で聴くベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番

第1楽章の明るさ。ユーモラスな趣さえ感じられます。
伸び伸びとした心境で、ベートーヴェン自身が愉しみつつ書かれたような印象を受ける楽章。

第2楽章では前楽章の趣が更に発展をし明るく弾むような雰囲気。
チェロの雄大さを感じさせる波打つ強さが印象的。

主題と4つの自由な変奏で構成されている第3楽章。
前の2つの楽章の明るさを恰も否定するかのように
静かで幻想的な雰囲気。
「抒情的で穏やか」と表される楽章のようですが・・・。
パスカル弦楽四重奏団の演奏で聴いていると
まるで呻きでもあるかのように感じてしまうことも。
「悲歌」のような印象を受けてしまいます。
心に残る楽章。

第4楽章には「Der schwer gefasste Entschluss(ようやく付いた決心)」との標題が付いているそうです。
前楽章の延長のような重々しく緊張を帯びた序奏での始まり。
主部に入り再び第1、第2楽章に漂う明るさが戻ってくるかのようです。
明朗なコーダ。
力強く迎える曲の終わり。


この作品が作曲されたベートーヴェンの当時の状況、背景を知るにつれ
曲に漂う明るさ、現れては消えてしまうような希望の光を想わせるような調べが
印象的に心に残ります。

嘗てはあまり惹かれることがなかった後期の弦楽四重奏曲。
今では、最も惹かれる作品たちが後期の弦楽四重奏曲。
第15番と第16番を繰り返し聴いているうちに
この2作品が「姉妹曲」のように感じられるようになってきました。
両曲に漂っている見え隠れする希望の光。
調べの中に垣間見る希望が核となっているような楽想。
聴くほどに惹き込まれてゆく2曲になってきました。

パスカル弦楽四重奏団の演奏に耳を傾けていると
こじんまりとした演奏、恰も感情表現が縮小されたかのようです。
と言うと語弊がありそうですが、誇張のない演奏でしょうか。
客観的に作品と対峙し真摯に演奏されているように感じられるようです。

パスカル弦楽四重奏団が演奏するベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集についての
ショップの解説を読んでみると、「メリハリが効いた」「攻撃的」「表情豊か」などの
文字が目に付きます。
自分が抱いている印象とはかけ離れすぎで、自分の耳、感性に疑いの念を抱いてしまう程。

嘗てベートーヴェンの弦楽四重奏曲を全集として聴き始めた頃に求め
最も好みの演奏で、すぐに取り出せる一等地(?)の場所に数年来置いてありました。
久し振りに聴いてみたところ・・・。
「う~ん?この演奏のどこが良かったのかな?」と・・・。
当時とは正反対の印象を受け、我ながらビックリしています。
このようなことは、よくあることですが。

さて、Boxにはベートーヴェンが15歳の時に作曲をしたピアノ四重奏曲第1番-3番、WoO.36の3曲も収録されているとのことで、楽しみにしつつも未聴のまま4ヶ月が経ってしまいました。
ベートーヴェンの作品ではお気に入りの一曲である七重奏曲も収録されているそうですので、そちらも楽しみです。
今度こそは聴いてみたいものです。


音楽以外の家族の話。
コザクラインコの2羽のキョウダイ、チャロとピーチェのデュオ・チャッピーズは今月で生後半年を迎えました。
先住鳥のピッコ(通称ピコリン)は今月、6歳の誕生日を迎えます。
チャッピーズは元気でワンパク。驚くほどの大食漢。
チャロ(通称チャロッピー)はお兄ちゃんのようで、ピーチェの方はまだ不明。
チビの頃はピーチェはチャロの後を付いて行っては一緒に悪戯をしていましたが
今では、チャロを追い出しては餌もオモチャも何でも独り占めをしています。
同じオモチャを一緒に齧っていてもピーチェの方がチャロを足で押し出したり。
ピーチェが近付いて来ただけで、その場から離れてしまうチャロ。
「チャロッピー、逃げてばかりいないでガツンと怒ってごらん」と言う、とんでもないお世話係です。
2羽一緒のケージではチャロのストレスになるかと案じることもあり、別々に引き離すと2羽で呼び鳴きをする騒ぎに。
同じケージに戻すと安心をするような2羽。
先住鳥のピッコはチャッピーズが気になりケージの中でパーチから身を乗り出し過ぎ、落下寸前になることもしばしばです。
ピッコは大人しく手に乗っているのでヤンチャなチャッピーズの教育係担当。
ピッコを頼りにしているお世話係です。
3羽のコザクラインコと一人の日々は漫画になりかけているようです。

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2019.02/02(Sat)

Op.468 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第29番 <ハンマークラヴィーア> 」 (弦楽四重奏版) by ライプツィヒ弦楽四重奏団

週一回の更新が、月一回の更新になりつつあるような昨今です。
ゆっくり、のんびりペースで・・・。
さて、年が明けて初買いのディスクは2種。
ライプツィヒ弦楽四重奏団とパスカル四重奏団でした。

今日は先ずライプツィヒ弦楽四重奏団のディスクからです。
ベートーヴェンピアノ・ソナタ第29番弦楽四重奏版
こちらのディスクはブログ仲間の御方が昨年、印象に残ったディスクとして
お取り挙げになられているブログ記事を拝読し是非、聴きたくなりました。
ブログを拝読するまで弦楽四重奏版の存在すら知らなかった自分。
オーケストラ版は嘗てワインガルトナーのオーケストラ編曲版で聴き
気に入りブログに登場していました。

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第29番ハンマークラヴィーア弦楽四重奏版
by
ライプツィヒ弦楽四重奏団

468 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』(弦楽四重奏版) ライプツィヒ弦楽四重奏団
(収録曲)
ベートーヴェン

ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」(弦楽四重奏版
「レオノーレ」序曲第3番 Op.72b(弦楽四重奏版
「フィデリオ」序曲 Op.72c(弦楽四重奏版)

ライプツィヒ弦楽四重奏団 のメンバー
  コンラッド・マック、ティルマン・ビューニング(Vn)
  イーヴォ・バウアー(Vla)
  マティアス・モースドルフ(Vc)
(録音:2017年)

  第1楽章:Allegro 変ロ長調 2/2拍子
  第2楽章:Scherzo Assai vivace 変ロ長調 3/4拍子
  第3楽章:Adagio sostenuto 嬰へ短調 6/8拍子
  第4楽章:Largo 4/4拍子 - Allegro risoluto 3/4拍子 変ロ長調


弦楽四重奏への編曲者はデイヴィッド・プライラーとのことです。

ピアノ・ソナタ第29番について、いつものように自分の復習を兼ねて過去の記事からコピーなどを以下に。

ベートーヴェンのスケッチ・ブックによると1817年11月に作曲に着手。
翌1818年初めには第2楽章までが完成。
第3,4楽章は夏にメードリングの「ハフナ―ハウス」に滞在をしていた間に
ほぼ完成したようです。
ベートーヴェン47歳頃から48歳頃でしょうか。
1819年の3月には作曲も浄書もすべて終わっていたとのことです。

この曲の「ハンマークラヴィーア」という呼称の由来は
ベートーヴェンがシュタイナー社宛ての手紙に “Große Sonate für das Hammerklavier” とドイツ語で記すように指定したことによるそうです。

ベートーヴェンは1818年の夏、ロンドンのピアノ製造者ブロードウッドから優秀なピアノを贈られたそうです。
当時、英国製のピアノは性能では他を圧し優れた機構と音質を持っていたとのこと。
このソナタの第1、第2楽章はピアノを贈与される以前に作曲されており
第3,4楽章だけがブロードウッドのピアノで作曲されたようです。
因みに、ベートーヴェンは1787年にヴァルトシュタイン伯からシュタイン製のピアノフォルテを贈与されて以来、1825年に最後のものとなるC.グラーフ製のピアノを手にするまでに10種類以上のピアノを使用したとのこと。

第3楽章の導入の1小節は、すでにロンドンで印刷にかかっている頃にベートーヴェンが付加したものだそうです。
ベートーヴェンがロンドンに住むリース宛ての1819年4月16日付けの手紙に、各楽章のテンポをメトロノームで指示した折に、第3楽章の導入の1小節を挿入するように依頼をしたとのこと。
また、同じくリース宛ての4月19日付けの手紙には、ベートーヴェンは次のようにも記しているそうです。
「このソナタは苦しい事情のもとで書かれた。パンのために書くのはまったく辛いことだ」

出版は1819年9月、ウィーンのアルタリアから。
曲の献呈はルドルフ大公。
自筆譜は紛失したとのことです。


ライプツィヒ弦楽四重奏団で聴くベートーヴェン、ピアノ・ソナタ第29番弦楽四重奏版

通常はスピーカで聴ているのですが極力集中をして鑑賞をする時はヘッドフォンを使用。
と言うか、ヘッドフォンで聴くことが大好き。
スピーカとヘッドフォンではかなり違った印象を受けてしまうのですが。
このディスクも さに非ず で、今回初めてヘッドフォンで聴いてみて魅力が倍増したようです。

第1楽章の第1主題は印象に残りますのでこの主題を聴くと第29番だと分かるのですが
他のベートーヴェンのピアノ・ソナタ作品になると相変わらず今でも「???第何番なのか?」になってしまいます。
第1楽章からこの弦楽四重奏版及び四重奏団に惹き込まれてしまいます。
ライプツィヒ弦楽四重奏団の演奏は初めて聴くものです。
4者一体化した緻密なアンサンブル。
理屈っぽくない演奏・・・と言う表現は変かも知れませんが
じっくりと音楽に向き合わせてくれ、情感が豊かに伝わってくるような演奏でしょうか。
往年の演奏家ばかりに惹かれることが多いのですが
このディスクを聴き、現在の演奏家の素晴らしさを認識させる魅力ある四重奏団のように感じます。

第1楽章の流麗な美しさ。
第1楽章がこのよう美しさを湛えていることを初めて感じたように思います。
息を呑みつつ耳を傾けてしまいます。
今まで、この曲に楽しさに似た想いを抱いて聴いたことがあった?と自問をしつつ。
情感、表情豊かな演奏。
素晴らしい弦楽四重奏版。

第2楽章のスケルツォでは楽章中終始奏される同一のリズム。
弦楽四重奏版ではそのリズムが一層、簡潔な趣、歯切れの良さとして感じられるようです。
またこの編曲で聴くと見通しが良く、曲が分かり易く感じられるようです。
原曲のピアノ演奏よりも多様な変化を楽しみつつ耳を傾けてしまいます。

第3楽章はピアノで聴いていた時にはあまり印象に残らない楽章でした。
この編曲版で聴き、とても惹き込まれ大のお気に入りになった楽章。
愁いを帯びた調べで始まる第3楽章。
まるで悲歌のような調べの第1主題。
ピアノで聴く以上に哀愁、哀感が伝わり胸を締め付けられるようです。
深い悲哀感。
救いようのない悲哀でありながら、相反するような穏やかさ。
複雑に絡み合う心情が美しい悲歌として歌われているように感じられ聴き入ってしまいます。
悲哀は大らかにゆったりとした「美」として浄化、昇華された「悲歌」でしょうか。
窮極の「美」の姿でとも言うべきでしょうか。
この楽章は聴く折々の心を反映するように感じつつ耳を傾けています。
多々の想いを心にしつつ聴く時にはそっと寄り添い慰めてくれるような楽章。
ホッと安堵をした気分で聴く時には、限りない優しさで包み込んでくれるような楽章。
そして今日、数日振りに聴くこの楽章は
太陽が顔を出し外気は寒くても、暖かな温もりで包んでくれるような。
耳を傾ける毎に七変化をするかのような不思議さを感じる楽章。
ライプツィヒ弦楽四重奏団のメンバー、一人一人の楽器から生み出される調べは
恰も子守歌のように心に伝わる時もあります。

第4楽章の序奏を聴き、ピアノ・ソナタの弦楽四重奏版ということを忘れてしまうようです。
主部に入り活き活きと伝わる躍動感。
フーガも分かり易い形で耳に伝わって来るようです。


ディスクが到着してから約3週間程が経ちましたが
繰り返し聴く毎に好感度が増してゆくようです。
毎日、聴いていても飽くことがありません。
特に第3楽章。
聴く度に新たに気付くことや発見、感動があります。
興味深い編曲であり演奏。
原曲のピアノで聴くよりもじっくり耳を傾け曲に対峙できるようにも感じます。
弦楽四重奏という編成が好みの所為もあるかも知れませんが
原曲のピアノ演奏よりも気に入っています。

耳を傾けていると「ハンマークラヴィーア」の弦楽四重奏版ということを忘れ
ベートーヴェン作曲のもう一つの新たな「弦楽四重奏曲」に出合ったような。
第1楽章から終楽章に聴き進み、素晴らしい編曲、編曲者そして演奏者。
感嘆の想いばかり。

収録されている2つの序曲、「レオノーレ」第3番、「フィデリオ」序曲も素晴らしいもの。
できれば「コリオラン」序曲もこの編曲者、この弦楽四重奏団で聴きたいと切望を。

このディスクを聴きライプツィヒ弦楽四重奏団でベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を聴きたいとの想いが募ってきました。
う~ん。私には価格が少々・・・ですが、是非、聴いてみたい全集。
今年の抱負、その一。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集をライプツィヒ弦楽四重奏団で聴くこと。

素晴らしいディスクとの出合いに感謝です。
久々振りに感銘を受けた愛聴盤になりました。

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20:59  |  ベートーヴェン  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

2019.01/05(Sat)

Op.467 ヴェルディ:歌劇「椿姫」~≪乾杯の歌≫ by C.クライバー、バイエルン国立管弦楽団、コトルバス、ドミンゴ他

昨年中はありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

例年、年頭はシューベルトの歌曲でスタートをしていたのですが
今年は趣向を変えて・・・・?
既に正月三が日も過ぎてしまいました。
お正月と言っても通常の日々と何ら変わりはないのですが
せめて気分だけでも、お正月気分で。
新年恒例の某テレビ番組「ニューイヤー・オペラ・コンサート」に倣い
今年はヴェルディ歌劇椿姫」より例の有名な<乾杯の歌>でのスタート。

年末の某テレビで放映される恒例の「第九」を観ることもなく
年始の「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート」や
「ニューイヤー・オペラ・コンサート」を観ることもなくなった昨今です。
「ニューイヤー・オペラ・コンサート」では<乾杯の歌>が歌われるようで
年の初めの定番曲でしょうか。
椿姫」は悲劇のオペラなのに、<乾杯の歌>を?と
「ニューイヤー・オペラ・コンサート」を観ていて思ったこともありましたが。

この歌を聴くと気落ちしている気分も明るくなるようです。
落胆、絶望をしている時には聴く気分にもなれない
単なる喧しいだけの「歌」のようにも感じます。
今まで歌詞をじっくり読むことをしないで聴いていましたので
今回は歌詞を噛みしめつつ聴くことに。

初めてC.クライバーの指揮する演奏のディスクを求めたのは
この「椿姫」でした。
今でもお気に入りのクライバー盤を今回、取り出してみました。
懐かしいディスクです。
このディスクは当拙ブログに2010年10月17日に登場をしていたようです。
以来、9年が経ちました。早いものです。
当時はオペラが好きでよく聴いていました。
今でも好きですので聴きたいのですが・・・オペラから遠去かってしまっている近年です。

またまた前置き、お喋りが長くなり過ぎました。

ヴェルディ歌劇椿姫」より<乾杯の歌
by
C.クライバーバイエルン国立管弦楽団コトルバスドミンゴ

467ヴェルディ:歌劇「椿姫」(全曲) クライバー盤
ヴィオレッタ・ヴァレリー:イレアーナ・コトルバス(S)
アルフレード・ジェルモン:プラシド・ドミンゴ(T)
ジョルジュ・ジェルモン:シェリル・ミルンズ(B)
フローラ・ベルヴィア:ステファニア・マラグー(Ms)

カルロス・クライバー指揮
バイエルン国立管弦楽団
ヴォルフガング・バウムガルト合唱指揮
バイエルン国立歌劇場合唱団
(録音:1976年5月;1977年5-6月 ステレオ)


椿姫」についての当時の記事よりコピーを。
【作曲】1853年
【初演】1853年3月6日、ヴェネツィア、フィニーチェ劇場
【原作】アレクサンドル・デュマ・フィスの小説「椿姫」(「椿を持つ女」)に依る同名の戯曲
【台本】フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ
【時と場所】1850年代、初演当時のパリ、及びその近郊
【構成】全3幕
【主な登場人物】
   ヴィオレッタ・ヴァレリー:主人公の高級娼婦
   アルフレード・ジェルモン:南フランス出身の青年、ヴィオレッタの恋人
   ジョルジュ・ジェルモン:アルフレードの父親
   フローラ・べルヴォア:ヴィオレッタの友人でライバル
   ドゥフォール男爵:ヴィオレッタのパトロンの一人
   アン二ーナ:ヴィオレッタの忠実な女中
                          (以上)


「椿姫」はヴェルディの中期の三部作「リゴレット」「トロヴァトーレ」の一つだそうです。
作曲されたのは1853年、当時としては珍しい現代劇であり
高級娼婦をヒロインとした画期的な作品で話題になったとのことです。

このオペラが誕生する基になったのは
1848年に出版されたアレクサンドル・デュマ・フィスの小説「La Dame aux camélias 」(椿の花をつけた淑女)が原作だそうです。
原作者のアレクサンドル・デュマ・フィスは文豪アレクサンドル・デュマ・ベールの私生児とのことで、小デュマとも呼ばれていたとのことです。
原作はデュマ・フェスが20歳のころに数ヶ月同棲をしていたパリの高級娼婦、アルフォンシーヌ・プレシことマリー・デュプレシとの恋愛経験をもとにして書かれ当時ベスト・セラーとなった小説だそうです。
小説が出版された後、数日で著者により戯曲にも改作され戯曲の方も大成功を収めたとのこと。
小説中にマルグリット・ゴーティエの名前で登場するマリー・デュプレシは黒髪に黒い瞳の華奢で優雅な女性だったそうです。
劇場に行く時など大好きな椿の花を一輪、胸に挿すことを習慣としていたとのこと。
彼女はフランツ・リストと親しかったことでも有名だそうです。
23歳にて肺結核のため死去。
パリ、モンマルトル墓地の彼女の墓には、大好きだった白い椿の花が時折手向けられているとのこと。

ヴェルディはパリでデュマ・フェスの戯曲を見て感激しオペラを書くことにしたそうです。
登場人物の名前が変更されている他は原作に忠実になっているとのこと。

前述しましたが「椿姫」のお気に入りはC.クライバー盤です。
超有名な<乾杯の歌>は多々の歌唱で聴く機会もありますが
コトルバスドミンゴが一番のお気に入り。
この曲を歌うコトルバスに魅了されてしまいました。
深い陰影を感じさせる声質、歌唱はまさにヴィオレッタ役に適しているような気がします。
ドミンゴは万能のテノールという感じで、どのような役でも見事な印象を受けます。
クライバー指揮のバイエルン国立O.の演奏の
浮き出つようなリズム感、生き生きと溌剌とした演奏には
グイグイと惹き込む魔力のようなものすら感じます。


ライン、クローバー

乾杯の歌
台本、歌詞:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ

(アルフレード)
酒を汲もう、美しい人が
花を添える歓びの杯に
はかないこの時が
快楽に酔いしれるように。
酒を汲もう、愛の誘う
甘いときめきの中に、
あの全能の眼差しが
この心を打つから。
酒を汲もう、愛は杯とともに
ひとしお熱い口づけを受けよう。
(一同)
ああ!酒を汲もう、愛は杯とともに
ひとしお熱い口づけを受けよう。

(ヴィオレッタ)
皆さんと嬉しいこの時を
分かち合うことができるのよ、
この世界で歓びでないものは
みんな愚かしいもの。
楽しみましょう、愛の歓びは
はかなくて束の間のもの、
咲いて萎れる花なのよ、
もう、二度と楽しむことはできないの。
楽しみましょう!
心をそそる
熱い言葉がわたしたちを招いているわ。
(一同)
ああ!楽しもう!
杯と歌と
笑いが夜を彩り、
この楽園に
新しい日が 我らを迎えよ。

(ヴィオレッタ)
生き甲斐は陽気な集いにありますわ。
(アルフレード)
まだ愛を知らない時なら・・・
(ヴィオレッタ)
愛を知らない者へおっしゃらないで。
(アルフレード)
そうなることがわたしの運命。
                   (以上、ブックレットより引用)

(イタリア語歌詞)
Brindisi:Libiamo ne’ lieti calici
(Alfredo, Violetta, Flora, Gastone, Barone, Marchese, Dottore, Chor)

(Alfredo)
Libiamo, libiamo ne'lieti calici, che la bellezza infiora;
e la fuggevol, fuggevol ora s'inebrii a voluttà.
Libiam ne' dolci fremiti che suscita l'amore,
poiché quell' occhio al core onnipotente va
Libiamo, amore, amor frai calici più caldi baciavrà.
(Chor)
Ah! libiam, amor fra' calici più caldi baci avrà.

(Violetta)
Tra voi, tra voi saprò dividere il tempo mio giocondo;
tutto è follia, follia nel mondo ciò che non è piacer.
Godiam, fugace e rapido è il gaudio dell' amore;
è un fior che nasce e muore, nè più si può goder
Godiam, c'invita, c'invita un fervido accento lusinghier.
(Chor)
Ah! godiamo, la tazza, la tazza e il cantico le nonti abbella e il riso,
in questo, in questo paradiso ne scopra il nuovodì.

(Violetta)
La vita è nel tripudio...
(Alfredo)
Quando non s'ami ancora...
(Violetta)
Non dite a chi l'ignore.
(Alfredo)
È il mio destin così
                      (以上、歌詞引用)


年始から悲劇のオペラ?
人生、山あり谷あり。
人生、悲劇であり喜劇。
悲劇、喜劇も事象の見方、捉え方でどちらの要素も持ち合わせている人生。
2019年、「喜」の日々でありますように。

                
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2018.12/29(Sat)

Op.466 2018年 出合ったCDたち と 新しい家族にありがとう!

見事にお休みが続いています。
不定期ではあっても更新はできるものと思っていましたが
既に1ヶ月半ほどが過ぎてしまいました。
未だ生活のリズムが元に戻らずの状況で内心、焦りも感じ始めています。
が、お迎えをした新しい家族、コザクラインコのキョウダイのチャッピーズ2羽が共に
元気であるのが一番、と想い最優先をしてしまう日々です。

今年も終わりに近付き、今日は滑り込みでの更新。
肝心の音楽の事が後回しになってしまいますが。
育児中の2羽のコザクラインコのキョウダイは挿し餌の雛時代を卒業。
まだまだ幼鳥でわんぱく、いたずら盛り。
小さな可愛いギャンクと化してきたこの頃です。
放鳥時間には室内をビュンビュン飛び回っては、顔面へのニアミス飛行にはドキリ。
齧る、壊す、物は落下・・・ひと騒動です。
友人が「孫の相手は疲れる」と言っていたことを想い出します。
「孫」の相手は本当に疲れるとの実感を抱きつつも
チャッピーズが与えてくれるこのような日々が私にとっては大切な「幸せ」の一つの形です。

お迎えをしたコザクラインコが初めて迎えるクリスマスには
代々、お迎えをしたその子専用のクリスマス・ツリーを求めるのが常になっています。
いつも100円ショップのツリーなのですが。
メインのツリーはチャッピーズが行くことのない隣室に壊されないように隠しています。
チャッピーズにも先日のクリスマスには100円ショップでツリーを。

2018.12.22チャピーズのクリスマス・ツリー
チャッピーズの初めてのクリスマス

見るもの、口にするもの、すべてがチャッピーズにとっては初めてのものばかり。
興味津々で齧ることに専念をしています。
チャッピーズ用のクリスマス・ツリーも目新しい遊びの対象のオモチャ。
良く遊び、良く食べ、元気印の2羽です。


最近は音楽ブログからペット、小鳥ブログになってしまう傾向に。
早いもので今年も一年の締め括りの時期を迎えました。 
今年もいろいろな音楽との出合いがありました。
この一年を振り返り心に残った音楽、CDたちです。

アラウ~フィリップス録音全集
(HMV)445シューベルト ピアノソナタ第19番 アラウ フィリップス録音全集

今年の音楽鑑賞生活で最も心に残るのは
昨年から始めた「ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」でした。
それ以前にもベートーヴェンピアノ・ソナタは時折、登場していましたが。
シリーズとして全曲を聴くことにより苦手意識を抱いていたピアノ・ソナタ
とても身近に親しみを感じられるようになりました。
全32曲を聴いておきながら、未だ旋律を聴いて曲番が分かる作品は僅かな有様ですが。
現在のお気に入りは第30番と第26番。
この2曲はこの先もずっとお気に入りの曲として共に歩んでくれる曲になりそうです。
シリーズのお陰で私にとっては初めて耳を傾けるピアニストとの出会いもありました。
いつものようにお寄せいただくコメントや、お邪魔をさせていただくブログ記事を拝読しては
聴きたくなり求めたディスクたちも多くあります。
多々の演奏を聴き、じっくりと耳を傾けられるアラウが一番のお気に入りになっています。
いつもお邪魔をさせていただいているブログが契機となり
スタートをした「ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」でした。
今年の一番の想い出であるとともにブログを始めて以来
充実をした時間であり心に残る「シリーズ」になりました。
ブログの存在に改めて感謝をしています。

ベートーヴェンピアノ・ソナタを聴くシリーズ」に続いて
ベートーヴェン変奏曲を聴くシリーズ」もまた心に残るものでした。
ベートーヴェン変奏曲をまとめて聴いたのは初めて。
変奏曲ではアラウとカツァリスで聴いた「エロイカ変奏曲」が印象深く残っています。
シリーズとして聴きたく思った変奏曲もありましたが
ショップでディスク探しをしても見当たらずに心残りの作品もあります。


エンデリオン弦楽四重奏団~ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
弦楽四重奏曲全集、弦楽五重奏曲集、フラグメンツ エンデリオン弦楽四重奏団(10CD)

今年出合ったベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の中で
一番先に頭に浮かぶのはエンデリオン弦楽四重奏団です。
ディスクを入手して以来、この四重奏団の演奏ばかりを聴くようになりました。
こちらは過日、記事にて云々、綴らせていただきましたが。
「歌」そのものの演奏のように感じられます。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を歌心に溢れた演奏で聴かせてくれるようです。
作品によっては 歌心=優しさ=物足りなさ にもなりかねないような気もしますが
杞憂に過ぎないように感じています。


シモン・ゴールドベルクの芸術
(HMV)465 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番 シモン・ゴールドベルクの芸術(24CD)

育児休暇中(現在進行形?)に出合ったシモン・ゴールドベルクのボックスも
心に残るものになりました。
まだ収録曲のすべてを聴いていないのですが
しばしば耳を傾けていたのはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲
モーツァルトの作品の中では一番気に入っているヴァイオリン協奏曲
どの曲も朝陽が降り注ぐ五月晴れを想わせる雰囲気で和みます。
チャッピーズの挿し餌中にもしばしば室内に流れていたのは特に第3番と5番。
先住鳥のピッコの挿し餌中にはバッハのフランス組曲の第5番でした。
それらの曲を耳にすると当時の日々、情景が想い出され懐かしくなります。
またもや話がインコに逸れてしまいました。

このゴールドベルクのBox の 収録曲中では
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲に期待をしていました。
ゴールドベルクのヴァイオリンには大満足なのですが
ピア二ストの方は名前を確認してしまいました。
ピアノはどうも自分の好みではなく・・・残念にも期待が半減。
まだ繰り返し聴いていませんので年越しの宿題として
改めて聴き直してみたい演奏です。


今年を振り返り、ベートーヴェン三昧の一年だったように思います。
ベートーヴェンの「トリプル・コンツェルト」を聴きクラシック音楽に目覚めた昔々。
今でも大好きな作品です。


番外編として。

ブラームスヴァイオリン協奏曲 
466(HMV)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 A.ブッシュ
(収録曲)
ブラームス
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ 短調 Op.102
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.77

アドルフ・ブッシュ(Vn)
ハンス・ミュンヒ指揮
バーゼル管弦楽団
(録音:1951年)

CD探しをしていて一昨日、目に留まったディスクです。
今でもブラームスのヴァイオリン協奏曲ともなると
聴かずにはいられない心境になります。
こちらのディスクは3年半程前に求めたようなのですが
そもそも購入をしたことすら忘れていた始末。
改めて聴いてみました。
この曲に関しては第2楽章から聴き始めるのが常になっています。
遅いテンポのように感じましたが・・・。
この曲の一番のお気に入りであるメニューイン;ケンぺ&ベルリン・フィルの
演奏時間と比較をしてみましたが各楽章とも逆に早いようです。

ゆったりとした趣で奏し始められる第2楽章。
冒頭部分を聴き、お気に入りに。
A.ブッシュのヴァイオリンから伝わる地味且つ滋味な趣。
第3楽章になり急に録音場所が変わったように感じられる音の変化には少々「?」に。
この第3楽章では大方の演奏が明朗で高揚するようなな雰囲気を感じさせるのに対し
あくまでも地味且つ滋味の演奏のように感じられます。

A.ブッシュのヴァイオリンを聴いているとブラームスの心(と言っても私などに分かるはずもないのですが)に触れるような気がしてしまいます。
滋味を以って切々と語りかけてくるような演奏でしょうか。
録音の古さは否めないものの、これほどまでにブラームスを感じさせる演奏は
あまり記憶にないような・・・。
収録曲、1曲目の「二重協奏曲」からも同様の印象を受けます。
ショップ・サイトの記載によると「二重協奏曲」(1949年録音)の方は
チェロが弟ヘルマン・ブッシュとの協演。
「ヴァイオリン協奏曲」の指揮者、ハンス・ミュンヒはシャルル・ミュンシュの従兄弟
とのことです。

探していたCDは見つかりませんでしたが、このディスクが目に付き
改めて演奏を聴く機会になったことを幸いに感じています。
ブラームスの大のお気に入りのヴァイオリン協奏曲を
感銘深く聴くことができ嬉しく、充実感を抱いています。


今年も一年、ありがとうございました。
新しく迎える2019年。
どうぞ良いお年をおお迎えくださいますように。

              
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タグ : ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 変奏曲 ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ブッシュ アラウ

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2018.11/18(Sun)

Op465 育児休暇中?ブログもお休み中です

週一回の更新を心がけているのですが
この度は2回更新をお休みをしてしまいました。
ご訪問をしてくださる御方には申し訳ありません。

更新を休んでいる間、「無断欠席」をしている心境でした。
遅くなってしまいましたが「休暇届け」(?)のご連絡になります。

音楽とはまったく関係のないことなのですが新しい家族を迎えました。
2羽のコザクラインコの雛ッピのキョウダイです。
先住のコザクラインコを含めて3羽になりました。
私にとってはこのような「大所帯」は初めてのこと。
それに加え、完全な挿餌中の雛ッピをお迎えするのも初めて。
お迎え前から不安と心配、緊張で嬉しい気持ちは何処へやらでした。

465 育児休暇中?ブログもお休み中です(20183.115)
(ピンボケの写真ですが。夜、休む前の2羽。目がショボショボしています。
右奥が年上の「チャロ」。左手前が年下の「ピーチェ」です。
2羽でデュオ、「チャッピーズ」)

11月10日、土曜日に静岡在住のブリーダーの元親さんが
私宅に2羽を連れて来てくれました。
2羽の世話をしていて元親さんが手塩に掛け大切にて育てられたのが伝わってきます。
とても可愛い!です・・・とは今だから言えること。
お迎えまでの不安と緊張がこの頃やっと消えつつの日々になりました。
とにかく今の処元気に育ち、少しはホッとしてきたところです。
が、今度は雛飼育用のプラケースから出たがりギャーギャー。
年長の「チャロ」の下敷きにされた「ピーチェ」はキーキーとの悲鳴も度々。
「チャロ」はケーズの中で、ひっくり返るのも遊びの一つのようで
ひっくり返っている姿に最初はビックリ。
一人で大笑いをしています。
すっかり忘れていた、大笑いを想い出させてくれた「チャッピーズ」。
ありがとう。
大切な大切な家族になりました。

まだ挿し餌をしていますが、その間も音楽は室内に流れている日々です。
「チャッピーズ」にとって音楽が空気の一部にもなってきたようでホッとしています。
挿し餌やお世話をする時にはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を聴くことが多くなってきました。
夜、2羽が休むとベートーヴェンの弦楽四重奏曲。
相変わらずエンデリオンSQの演奏でベートーヴェンの弦楽四重奏曲を飽くことなく聴いています。
最近はシモン・ゴールドベルクのヴァイオリンに惹かれ始め
しばしば耳を傾ける日々にもなってきました。
ゴールドベルクのヴァイオリンから伝わる優しさに心が潤うようです。

暫くの間は今までのように定期的な更新はできそうもありません。
不定期の更新になるかと思いますが
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

              

テーマ : 音楽のある生活 - ジャンル : 音楽

タグ : コザクラインコ ゴールドベルク ベートーヴェン

20:35  |  コザクラインコ  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

2018.11/03(Sat)

Op.464 ベートーヴェン:「弦楽四重奏曲全集」 by エンデリオン弦楽四重奏団

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集でこの約2ヶ月来、大のお気に入り且つ
虜になっているのはエンデリオン弦楽四重奏団の演奏です。
今夏、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集、弦楽五重奏曲集他が収録されている
エンデリオン弦楽四重奏団の Box が目に留まり入手をしてみました。
当時、ハンガリー四重奏団で弦楽四重奏曲第15番を聴きつつ
他の演奏で聴きたいとの気持ちがエスカレート。
たまたま目に付いたのがエンデリオン弦楽四重奏団でした。
軽い気持ちで、取り敢えず聴いてみる・・・・の筈で聴き始めたのが8月下旬。
お気に入りの作品から聴き始め1週間ほどで全曲を聴き終えたのは
鑑賞の遅い私としては新記録かも知れません。
また、エンデリオンSQ の演奏ばかりを中心に聴いていたので
他のディスクの購入が月当たり、ゼロ、という近年では珍しい新記録も達成。

8月下旬以降、来る日も来る日もエンデリオンSQ の演奏の虜になっておりました。
今現在もベートーヴェン弦楽四重奏曲を聴きたくなるとエンデリオンSQ です。
ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集ではハンガリー四重奏団と
エンデリオン弦楽四重奏団が私の世界でトップ争いをしているようです。
強いて言えばエンデリオン弦楽四重奏団に軍配が上がりそうです。
(前置きの長さで記事が終わりそう)

ベートーヴェン弦楽四重奏曲全集、
エンデリオン弦楽四重奏団ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集、弦楽五重奏集他より

弦楽四重奏曲全集、弦楽五重奏曲集、フラグメンツ エンデリオン弦楽四重奏団(10CD)

エンデリオン弦楽四重奏団
Andrew Watkinson(1st.Vn)
Ralph De Souza (2nd.Vn)
Garfield Jackson(Vla)
David Waterman(Vc)
(録音:2004年よりのデジタル録音のようです)


今回は通常のパターンを変え一曲に絞り込まずに全集としての簡単な感想になります。
エンデリオンSQ の演奏に出合い感銘を受け記事にしたかったのですが
どのように纏めれば良いのかも分からず(今も、ですが)、とうとう今日に至ってしまいました。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲をいろいろな演奏で聴き続けてきた昨今。
お気に入りの演奏にも変化が起きています。
多分に私自身のその時々の心情が鑑賞をする上で大きな要素になっているようです。
少なくとも、今現在はエンデリオSQ の演奏が私の心にスンナリと入り込んで来てくれます。

ショップ・サイトのこの演奏の紹介記事の一部を引用。

「イギリスの名門エンデリオン弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集。同時にこのアルバムは彼らがレジデンス・クァルテットを勤めるケンブリッジ大学の創立800年をも記念しています。
この録音は、現在ベ-レンライターから順次出版中のジョナサン・デル・マーによる校訂譜による初の全集となり、その校訂作業にはエンデリオン弦楽四重奏団も参加して共同でおこなっています。特に後期の作品には今までの版で見られなかった音の違いなども含まれているとのことです」

ジョナサン・デル・マーの校訂譜によるベーレンライター版、初の全集、とのことですが
今まで聴いてきた数ある演奏との違いを的確に把握、指摘をする力量の無い私です。

エンデリオンSQ の演奏では15番から聴き始め
次に「ラズモフスキー」の3曲、そして初期の作品の第5番。
いずれもお気に入りの作品ばかりから順に聴いてきました。

上記のお気に入りの作品だけに留まらず、全16曲から新たな印象を受ける演奏です。
全曲を聴き終えた時には、すべての曲が愛聴盤に。

エンデリオンSQ の演奏は整然と区画整備をされような造形美のように感じられます。
彼らの弦から生み出される調べ。
殊に美しい旋律の中には胸を打つ悲哀感が漂っているかのように感じられます。

抑制のある表現の中に見事に花開く楽想の豊かさも感じます。
音色は軽やか。響きの美しさ。
透明感のある美しさを湛えた音楽として甦るベートーヴェンの弦楽四重奏曲の一つ一つ。

この全集で最初めに聴いた第15番。
お気に入りの曲ながら、改めて「この曲はこんなに良かった?」と
いつものパターンで妙に惹き付けられる演奏。
この曲に関連をして、特別に記す事でもないかと思いますが
他の四重奏団の演奏では聴き取れるアンプのヴォリュームに設定をして聴き始めました。
ですが演奏の開始すら分からなく、録音レベルが低いのか、と思ったほどでした。
この曲に限らずフォルテとピアノの差異を強調しない演奏のように感じられます。
総体的に柔和で気品のある演奏を聴かせてくれる全集でしょうか。
何回も同じ事を書いてしまうようですが、作品によっては他の演奏者からは感じることができない美しい悲哀感に目の覚めるような想いを抱いてしまいます。

例えば、ラズモフスキー第1番の全楽章やラズモフスキー第2番の第2楽章。
今まで聴いてきた演奏から受ける印象が大いに違うように感じます。
ラズモフスキー第1番の第1楽章を聴きつつ、「これほどまでに美しい楽章だった?」と自問を。
第2楽章も力強さを控え気味に柔らかい印象。
第3楽章冒頭では、これ程しんみりした心情になる演奏には出合った記憶がないようにも。
軽快に転じる第4楽章では気品すら感じます。

一つ一つの作品から新たな目覚めを感じる全集です。
透明感があり、爽やかさが漂う、美しい気品に満ちた全集のように思います。
あくまでも今現在の独断ですが。

この Box で興味深いのが最後の10枚目のディスクに収録されている
ピアノ・ソナタ第9番作品14-1の編曲。
未だに飽くことなく弦楽四重奏曲を聴く日々で他の収録曲まで辿り着かずの状態です。
ピアノ・ソナタ第9番の編曲もこのBox の楽しみになっています。

                
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タグ : ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 エンデリオン弦楽四重奏団

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