2017.04/15(Sat)

Op.383 メンデルスゾーン:「交響曲第2番『讃歌』」 by マズア&ゲヴァントハウスO. ボ二ー、ウィーンズ&シュライアー

前回のメンデルスゾーン交響曲第1番に引き続いて第2番を聴いてみました。
第1番と同じく第2番も初めて聴く曲です。
カラヤン&ベルリンフィル、サヴァリッシュ&ニュー・フィルハーモニO. そして
マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO. 3種の演奏を聴いてみました。

キリスト教では4月9日の受難の主日からの聖週間、今日は復活徹夜祭。
そして明日4月16日は復活祭。
この時期に耳を傾けるメンデルスゾーン交響曲第2番「讃歌」は
心の中で復活祭と密接に結びついてしまいます。
カンタータの歌詞で旧約聖書からの詩篇他の一句一句が
メンデルスゾーンの音楽とともに心に染み入ります。

                メンデルスゾーン交響曲第1番
                クルト・マズア&ゲヴァントハウスO.
       メンデルスゾーン交響曲全集、弦楽のための交響曲全集より

             382:交響曲全集、弦楽のための交響曲全集 クルト・マズア&ゲヴァントハウス管弦楽団
                         (収録曲)
          メンデルスゾーン: 交響曲第2番変ロ長調 Op.52「讃歌

                 クルト・マズア指揮
                 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
                 ライプツィヒ放送合唱団

                 バーバラ・ボニー(S Ⅰ)
                 イーディス・ウィーンズ(S Ⅱ)
                 ペーター・シュライアー(T)
                 ミヒャエル・ショーンハイト(Org)
                     (録音:1988年4月)


作曲された時期について門馬直美氏によると
メンデルスゾーンの1839年1月1日付け書簡を根拠とし
その前年、1838年末には作曲に取り掛かっていたと推定されるようです。

メンデルスゾーンはこの曲に「讃歌ー聖書の言葉による交響カンタータ」
“Sinfonie-Cantate Lobgesang” とのタイトルを付けたそうです。
讃歌」というのはメンデルスゾーン自身が考察した題名で
「交響カンタータ」というのはイギリス在住のメンデルスゾーンの友人の
カール・クリンゲマンが考えついたものだそうです。

曲は1部と2部、10曲で構成されているそうです。
第1部はシンフォニアで3楽章構成。
第2部がカンタータになっているとのこととのことです。
カンタータの歌詞はルターによるドイツ語訳聖書から選び出したとのこと。

1840年6月に印刷術の発明者ヨハネス・グーテンベルク400年記念祭が
ライプツィヒで開催される祝祭のためにライプツィヒ市からの依頼で
メンデルスゾーンは2つの曲を書いたそうです。
一つは男声合唱と吹奏楽団のための「祝典歌(Festgesang)」
通称「グーテンベルク・カンタータ」。
そしてもう一つがこの曲、交響曲第2番「讃歌」とのことです。
メンデルスゾーンは本来このような形態の曲を書き上げるつもりはなく
器楽用の交響曲の構想とカンタータ風の構想とが一体になり出来上がったそうです。
「祝典歌」の方はメンデルスゾーンがを気に入らずに
生前には出版しなかったとのことです。

讃歌」の総譜にメンデルスゾーンは作品のモットーとして
マルティン・ルターの次の言葉を書き記したそうです。
 「私は芸術を与え、贈られた主への奉仕の中で、あらゆる芸術を
 特に音楽を見たいのだ」

ベートーヴェンの交響曲第9番に似た構成のものとなったこの曲。
メンデルスゾーン自身はベートーヴェンの第9交響曲の模倣と見なされることを案じ
合唱の部分を拡大し、第1から第3楽章までを完全に単なる祝典的な序奏のものに
なるようにしたそうです。

初演は1840年6月25日にグーテンベルク400年記念行事の
一つとしてメンデルスゾーン自身の指揮により
ライプツィヒの聖トーマス教会で行われたそうです。
この初演の後、同年に更に3回演奏されたとのこと。
そのうちの2回はザクセン王フリードリヒ・アウグスト2世の希望だったそうです。

尚、初演には友人のシューマンも出席していたそうです。
この初演を聴いたシューマンの次のような批評を書いたとのこと。
「全体の形式は、この目的のためにはこれ以上に効果的になるとは思えないほどのものであった。全曲には情熱が溢れていて、確かに作品は、特に合唱の楽章はメンデルスゾーンのもっとも新鮮でもっとも魅力ある創作に数え入れられるべきものとなっている。・・・われわれは細部については述べないが、それにしても合唱に中断される二重唱『私は主を待ち焦がれ』のあとでは、演奏会場の大きな拍手よりもずっと教会では価値があることなのだが、ざわめきが聴衆の間に広まっていたのだ。」

この初演の後にメンデルスゾーンは声楽部分の改訂をし
第6曲、第8曲、第10曲が追加され原典版とは異なっているそうです。
改訂版は同年11月に完成し、12月3日にライプツィヒのゲヴァントハウスで
初演されたとのことです。
曲の献呈はフリードリヒ・アウグスト2世に。


初めて聴くメンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」。

厳かなトロンボーンで奏される序奏で始まる第1楽章。
このトロンポーンが奏する旋律は曲全体の主題となる基本主題になっているそうです。
厳かな中にも祝祭的な喜びの雰囲気が漂っているよう。
簡潔で覚え易い主題を耳にして第1楽章から曲に親しみを感じます。
主部に入り第1主題の明るい躍動感。
第2主題での穏やかな雰囲気。
そして再び躍動的に。
活気を感じさせるリズムが進行役のように曲は進み
楽章の終わり頃に静かに吹奏されるクラリネット。
そのまま第2楽章に。

前楽章から一転してリズミカルに始まる第2楽章。
トリオでは流麗で美しい旋律が。
オーボエが奏する基本動機の変形に懐かしさのような心情に。
終始伴奏のように、あたかも通奏低音を連想させるかのように
奏されるピッツィカートはチェロでしょうか。
典雅な趣を湛えた楽章。
流麗な雰囲気を漂わせつつ楽章の終わり。

荘厳で重厚な響きで始まる第3楽章。
弦の重厚さとは対照的に明朗な木管たちが印象的です。
この楽章にも前楽章と似たような優雅な雰囲気が漂っているよう。
ゆったりと閉じられる第3楽章。


一番目に聴いたカラヤン&ベルリン・フィルの演奏に聴き応えを感じました。
が、声楽のソリストが個人的には・・・。
声楽のソリスト重視でマズア&ゲヴァントハウスO. がお気に入りになりました。
祝祭的な雰囲気よりも地味な趣の演奏のように感じられます。
オーケストラ部分をカラヤン盤から、声楽部分をマズア盤からピックアップを
した演奏が個人的な理想かも。

マズア盤でのシュライアーボ二ーは大のお気に入りです。
ソプラノのイーディス・ウィーンズは初めて耳にしました
ボ二ーとは対照的な声質、歌唱で・・・。
シュライアーは想像していたよりもオペラティックな歌唱でしょうか。
歌詞を、心で捉え、心で歌っているような感情の豊かさ。

第2部で印象に残り圧巻と感じられたのは
第5番から第8番。そして最後の第10番です。

第10番の力強く歌い始められる男声合唱の歌詞を
この曲から受けた感動を噛みしめつつ引用を。
「お前たちの種族よ、王よ、大地よ、天よ、主に栄光と権力を与えよ。
すべての者は主に感謝し、栄光を褒め称えよ」

                  

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20:47  |  メンデルスゾーン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2017.04/08(Sat)

Op.382 メンデルスゾーン:「交響曲第1番」 by マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

メンデルスゾーン交響曲第1番、聴くことがないまま年月が過ぎ去ってしまいました。
メンデルスゾーン交響曲全集を求めると交響曲第3番以降は聴くのですが
第1番、第2番は未聴のままです。

先日、ブログ仲間の御方がメンデルスゾーン交響曲第1番を
お取り挙げになられていらっしゃいました記事を拝読し
関心が湧いてきました。
早速、手持ちの全集からアバド&ベルリン・フィルで聴き好感を抱きました。
メンデルスゾーンとは縁の深いライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の全集も見つかりました。

お気に入りのマズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏で
「弦楽のための交響曲全集」が目的で求めてあったものです。
交響曲第1番をマズアゲヴァントハウス管弦楽団で。

                メンデルスゾーン:交響曲第1番
                クルト・マズア&ゲヴァントハウスO.
       メンデルスゾーン:交響曲全集、弦楽のための交響曲全集より

             382:交響曲全集、弦楽のための交響曲全集 クルト・マズア&ゲヴァントハウス管弦楽団
                         (収録曲)
             メンデルスゾーン:交響曲第1番ハ短調 Op.11
                         交響曲第5番ニ短調 Op.107「宗教改革」

                   クルト・マズア指揮
                   ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
                    (録音:1989年4月 ライプツィヒ)

            第1楽章:Allegro di molto ハ短調 4/4拍子
            第2楽章:Andante 変ホ長調 3/4拍子
            第3楽章:Menuetto:Allegro molto ハ短調 6/4拍
            第4楽章:Allegro con fuocoハ短調 4/4拍子


曲は1824年に入り間もなく着手され、同年前半には書き上げられたそうです。
メンデルスゾーンが15歳の誕生日を迎えた前後に書かれた作品とのこと。
この当時のメンデルスゾーンは後年とは違い
作風を積極的に変化させていたそうです。

「交響曲第1番」とされているこの曲、実際には13番目の曲に当たるそうです。
長くなりますが・・・・。
メンデルスゾーンの最初に出版された交響曲は
この曲、ハ短調作品11だったそうです。
その際には草稿に「交響曲第13番」と記されていたとのことです。
19世紀後半にメンデルスゾーン作品全集が刊行される際に
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社は
メンデルスゾーンが初期に作曲した12曲、現在「弦楽のための交響曲」と
呼ばれている12曲に対し草稿の紛失、習作、或いは試作的なものとの観点から
それら12曲は無視され作品11に「交響曲第1番」と記されたとのことです。

初演は1827年2月1日、ライプツィヒにおいて
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により行われたそうです。
指揮は1810年から1827年にかけて、このオーケストラの常任指揮者を務めた
ヨハン・フィリップ・クリスティアン・シュルツとのこと。
尚、この初演の後1829年5月25日にメンデルスゾーンは初めて訪英をし
ロンドンのフィルハーモニック協会の演奏会でこの曲を指揮し
大成功を収めたそうです。
この時の演奏では第3楽章のメヌエットの代わりに1825年作曲の
「八重奏曲」からのスケルツォを自身が管弦楽に編曲したものを
挿入したとのことです。
以来、このスケルツォ楽章を持つ形で演奏されることも多かったそうですが
やがて元来のメヌエットを置く演奏が普通になったとのことです。

曲はロンドンのフィルハーモニック会に献呈。
この事由もありメンデルスゾーンは1829年に協会の名誉会員に選出されたそうです。 
曲の草稿も協会の図書館に保存されているとのこと。


初めてマズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO. で聴く
メンデルスゾーンの交響曲第1番

颯爽とした雰囲気の第1主題で始まる第1楽章。
ティンパニも加わり覇気に溢れ活力を感じる主題。
第2主題ではヴァイオリンと木管の軽やかな美しい調べ。
この楽章を聴いていると希望に溢れた前途洋々な気持ちになります。
輝くばかりの明るさ、溌剌とした活発さ。
意気揚々と歩むような雰囲気で。
力強く覇気を感じさせつつ閉じられる第1楽章。

穏やかに厳かな趣で始まる第2楽章。
柔和で美しい旋律が印象深い第1主題。
木管が主体となり奏される田園の穏やかさを想わせる第2主題。
柔和で美しい調べ。
弦と木管が優しく応答をする楽章でしょうか。
木管で穏やかに閉じられる第2楽章。
お気に入りの楽章になりました。

第1楽章と似たような趣の主題で始まる第3楽章。
中間部で主奏をする木管、弦は伴奏のように。
厳かな雰囲気に包まれているよう。
中間部を経て弦と木管が克明に刻むリズムが溌剌とした感じ。
悠然とした趣で閉じられる第3楽章。

流動的な旋律の第1主題で始まる第4楽章。
ティンパニやトランペットが加わり勇壮な趣を醸し出しているよう。
突然、静かになり終える展開部。
弦のピッツィカート、奏する木管たちに加わるティンパニ。
炸裂するような明朗感でしょうか。
ティンパニの連打、吹奏されるトランペット。
華やかに活力を伴い閉じられる曲。


溌剌と、活き活きとして15歳のメンデルスゾーンの
意気込みを感じるような曲でしょうか。
この曲から受ける印象とは隔絶な状況を迎える後年のメンデルスゾーン。
メンデルスゾーンに降りかかる多々の出来事が脳裏に浮かんでしまいますが。
それはさて置き、清々しい気分で曲に耳を傾けていました。
この曲に出合うことができ足取りが軽くなるような気分。

マズア&ゲヴァントハウスO. の演奏を聴きつつ
旋律に垣間見る美しさ。
メンデルスゾーン特有の(「具体的にどのような?」と尋ねられると返答ができないのですが)美しさに惹かれます。
予想をしていた以上に気に入った第1番。
未聴の第2番も楽しみになってきました。

                 

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20:20  |  メンデルスゾーン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2015.09/26(Sat)

Op.303 メンデルスゾーン:「ピアノ協奏曲第2番」 by デレク・ハン;ガンゼンハウザー&イスラエル室内O.

先週の土曜日にブログを更新するべくいつもと同じ手順で。
ですが不具合が生じてしまい驚きました。更新ができない!?
ブログ運営サイトに問い合わせをし「障害が発生した」とのことでした。
今日は大丈夫そうですが、ちょっぴりハラハラしています。大丈夫かな?

時々、無性に聴きたく作曲家の一人がメンデルスゾーンです。
メンデルスゾーンピアノ協奏曲第1番を聴いたのは今年の4月。
第1番を聴き、耳に入ってきた第2番も気に入った作品でしたが
ブログに登場していませんでした。
今日はメンデルスゾーンピアノ協奏曲第2番を徹底的?に聴いてみました。
第1番と同じ演奏者で
ピアノはデレク・ハン、ガンゼンハウザー&イスラエル室内管弦楽団です。

              メンデルスゾーンピアノ協奏曲第2番
               メンデルスゾーン・ポートレートより


                 281:メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲

                         (収録曲)

                 ピアノ協奏曲第1番 ト短調 Op.25
                 ピアノ協奏曲第2番 ニ短調 Op.40
                 華麗なカプリッチョ Op.22

                 デレク・ハン(P)
                 スティーヴン・ガンゼンハウザー指揮
                 イスラエル室内管弦楽団


          第1楽章:アレグロ・アッパシオナート ニ短調 4/4拍子
          第2楽章:アダージョ・モルト・ソステヌート 変ロ長調 2/4拍子
          第3楽章:プレスト・スケルツァンド ニ長調 3/4拍子


作曲はピアノ協奏曲第1番が書き上げれてから6年後の1837年だそうです。
第1番と同様に3楽章構成、楽章間は切れ目なく演奏されるとのことです。
この曲が書かれたのは愛する女性セシル・シャルロット・ゾフィ・ジャンルノーと
結婚をした直後の幸福な時期だったそうです。

                  303メンデルスゾーンCécile Charlotte Sophie Jeanrenaud
             Cécile Charlotte Sophie Jeanrenaud 
             (1817年10月10日 - 1853年3月28日)

彼女はフランスのプロテスタンの聖職者の娘で
1837年3月28日にメンデルスゾーンと結婚をしたとのこと。

この曲に対して門馬直美氏の次のような記述がありました。
 「この幸福な時期に作曲された作品でありながら
  孤独な暗さや物思いに沈んだような雰囲気がある」
曲を聴いていて特に第2楽章に氏が指摘される雰囲気が顕著に感じらる
ようでした。

さて、作曲をすることになった経緯ですが
1837年のバーミンガム音楽祭で
この年の8月終わり頃に完成(前年に完成との説も)したオラトリオ「聖パウロ」
が取り上げられることになったそうです。
その際にピアノ協奏曲の依頼を受けこの夏に作曲されたのが
ピアノ協奏曲第2番だったとのことです。

蛇足ですが自分のメモとして。
バーミンガム音楽祭について。
イギリス、バーミンガムに於いて1784年に創始された音楽祭で
市民病院の資金集めを目的とし3年ごとに開催されていた。
最後の開催は1912年。
その後1914年に第1次世界大戦が始まり戦後も音楽祭が再開することは
なかった。

初演は1837年9月21日にバーミンガム音楽祭において
メンデルスゾーン自身のピアノによって行われたそうです。
メンデルスゾーンはバーミンガム音楽祭で指揮するため5回目の訪英。
音楽祭は9月19日から22日までだったそうです。
音楽祭の2日目に「聖パウロ」を指揮
3日目に自作のピアノ協奏曲第2番が演奏されたそうです。
どの演奏会も拍手喝采で熱狂的な称賛だったとのこと。
この当時のメンデルスゾーンは超多忙人間だったとか。



悲劇的で厳格な趣を感じさせる序奏で始まる第1楽章。
序奏を経てオーケストラが奏する情熱的な第1主題。
主題はピアノに移り華麗さも漂うようです。
駆け巡るようなピアノ。
一転してピアノに哀愁を秘めたような暗鬱さを感じさせる調べ。
第2主題が現れると仄かな明るさや穏やかさも感じられるようです。
曲が進みオーケストラとピアノの力強い応答。
音量を落とした弦楽器が奏されるとピアノの登場。
最後にカデンツァで幻想的な趣を漂わせつつ第2楽章に。

第2楽章に入り清楚で優しい旋律を奏するオーケストラ。
この調べに耳を傾けているとクリスマス・キャロルや聖歌を連想してしまいます。
胸に染み入るしっとりとした旋律です。
静かに回想をするように呟くピアノ。
暫し続くピアノの独り言。
幻想的な雰囲気を漂わせるオーケストラの調べ。
ピアノとオーケストラの旋律に耳を傾けていると
懐かしさのような感情が湧き上がってくるようです。
淡々と呟き続けるピアノは物思いに浸っているかのように。
心に残り、また惹かれる楽章です。
静かにゆったりと第3楽章に。

オーケストラの勇壮で覇気を感じさせる演奏で始まる第3楽章。
生き生きと軽やかな主題を歌うピアノ。
オーケストラからは躍動感、ピアノからは生き生きとした趣。
第1楽章の序奏に漂っていた暗さや
第2楽章の回想するような幻想的な趣を打ち消すかのように感じられます。
この楽章になり物思いに耽っていた気分が一転して晴れやかな気分が
取り戻されるようにも感じます。
力強く迎える曲の終わり。


聴き始めたら途中で止めることができなってしまいました。
惹きつける魅力を感じます。
過日聴いたピアノ協奏曲第1番そして今回の第2番。
どちらの協奏曲も活気があり、生き生きとして
交響曲のようなスケールの大きさを感じます。

ピアノのデレク・ハンは1957年生まれで中国系アメリカ人だそうです。
今回、ピアノ協奏曲第2番を聴きつつ・・・「粒立ちの良さ」とは反対の
「粒立ちの悪さ」?とでも表現すればよいのでしょうか。
ピアノの一音一音が薄いベールで覆われているような
靄でもかかっているように感じる部分がありました。
ともあれ、響きを抑え切れ味の良い演奏で好感を抱きました。
第1番より第2番のハンのピアニズムは気に入りました。
ガンゼンハウザー&イスラエル室内O.は美しさを前面に出すのを
控え第1番と同様にダイナミックなエネルギーを感じます。
爽快な聴き応えのある演奏であり曲のように思います。

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タグ : メンデルスゾーン ピアノ協奏曲 デレク・ハン イスラエル室内管弦楽団

19:58  |  メンデルスゾーン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2015.04/25(Sat)

Op281 メンデルスゾーン:「ピアノ協奏曲第1番」 by デレク・ハン;ガンゼンハウザー&イスラエル室内O.

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲全曲を聴きたく思いディスクを探していた際に
出合ったのがメンデルスゾーン・ポートレートBOXセットです。
弦楽四重奏曲全曲はゲヴァントハウス四重奏団の演奏で収録されていました。
他の収録曲を見ているうちに聴いてみたい曲が多々目に付き始め・・・。
ですが・・・演奏者名は知らない名前が多く・・・。
収録曲に惹かれて求めてみました。

お目当てのゲヴァントハウス四重奏団が後回しになってしまいました。
ピアノ協奏曲の第1番から聴いています。
ピアニストのデレク・ハンは初めて目にする名前です。
指揮者のスティーヴン・ガンゼンハウザーの名前も初めてです。
演奏者が有名が無名とか、名前で演奏を聴く訳ではないのですが・・・。
聴く前に演奏者名を見て期待と少なからずの不安を感じてしまいました。

ピアノ協奏曲第1番では手元にあるディスクで
ゼルキンオーマンディフィラデルフィアO. の演奏も聴いてみました。

                メンデルスゾーン・ポートレートより
                     ピアノ協奏曲第1番


                 281:メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲

                         (収録曲)

                 ピアノ協奏曲第1番ト短調作品25
                    同    第2番ニ短調作品40
                 華麗なカプリッチョOp.22

                デレク・ハン(P)
                スティーヴン・ガンゼンハウザー指揮
                イスラエル室内管弦楽団


        第1楽章:モルト・アレグロ・コン・フォーコ ト短調 4分の4拍子
        第2楽章:アンダンテ ホ長調 4分の3拍子 
        第3楽章:プレスト 
              モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ ト長調 4分の4拍子


作曲の完成は1831年10月6日だそうです。
メンデルスゾーンは22歳頃でしょうか。
曲の構想は1830年に交響曲「宗教改革」を書いた後にイタリア旅行をし
その際に最初は自身の演奏会のためにと、曲の計画を立てたそうです。

メンデルスゾーンが作曲したピアノ協奏曲は少なくとも4曲はあると
いわれているとのこと。
ピアノ協奏曲第1番の前に作曲されたのは次の作品だそうです。
1822年に「ピアノと弦楽のための協奏曲」
1823年、「2台のピアノのための協奏曲 ホ長調」
1824年、「2台のピアノのための協奏曲 変イ長調」

ピアノ協奏曲第1番はメンデルスゾーンが印刷をさせた最初の協奏曲とのことです。
メンデルスゾーンの自信作であり、意欲作でもあったそうです。

門馬直美氏によると
この曲には構成的に伝統から離れた進歩的な点があるとのことです。
1つは、第1楽章で独奏呈示部と総奏呈示部の区別を置かず
序奏の後にすぐピアノを加えていること。
2つ目は、3つの楽章構成だが各楽章は休みなく接続をしていること。
楽章間の連絡に2回とも、ファンファーレ風の句を置いている。
3つ目、第3楽章で第1楽章の第2主題が姿を見せ全体の凝縮化が図られている。
またこの曲の特徴として、独奏のカデンツァがない。
以上の点が挙げられるそうです。

初演は1831年10月17日にメンデルスゾーン自身のピアノで
ミュンヘンで行われたとのこと。
曲はイタリア旅行前にメンデルスゾーンからピアノを学んでいた女流ピアニストの
デルフィーネ・フォン・シャウロートに捧げられたそうです。


颯爽として勇壮なオーケストラの力強い序奏で始まる第1楽章。
序奏が終わりピアノが奏する第1主題。
覇気のある華麗な主題。
漲る活力を感じるようです。
軽快で口ずさみたくなる親しみを感じる旋律。
そしてスケールの大きさも印象的です。
第2主題では、ピアノが内省的な雰囲気を湛えつつ
柔和で優しい調べを歌っているようです。
第1楽章の終わりの合図のようにファンファーレ風の旋律が現れ
暫しピアノの静かな調べに耳を傾けているとアタッカで第2楽章に。

第2楽章の序奏はオーケストラが奏でる静かで穏やかな旋律。
心に残る調べです。
懐古的な美しさ、抒情性を感じさせる主要主題。
この主題もまた心に刻み込まれるようです。
中間部ではピアノのみが奏され沈黙をするオーケストラ。
ピアノ・ソナタの趣も。
ピアノが紡ぎ出す調べは懐古するかのように感じられます。
穏やかに悠とした流れのように曲が進み。
ピアノの力が強まり、主題を歌うピアノ。
ピアノとオーケストラに交互に歌われる主題。
静かに閉じられる楽章。
とても気に入った心惹かれる楽章です。

トランペットが奏するファンファーレ風な趣に始まる第3楽章。
力強い勇壮さ。
加わるピアノもまた力強く、そして軽快さも。
躍動感と生命力を感じさせられるようです。
第1楽章の第2主題が顔を出しホッとするのも束の間で
活気と華々しさに彩られて曲の終わりに。


今までじっくりと耳を傾けることがなかった曲です。
魅力あるピアノ協奏曲との思いが強くなってきました。
特に緩徐楽章の調べには琴線に強く触れるものがあります。

2種の演奏で耳を傾けたこの曲。
ゼルキンオーマンディフィラデルフィアO.
私にとっては未知のデレク・ハン;スティーヴン・ガンゼンハウザー&イスラエル室内O.

ゼルキンの方は生気がありキビキビとした演奏として耳に届きます。
デレク・ハンの運指には重さのようなものを感じてしまいました。
生気を感じさせるゼルキンの演奏とは対照的に
良く言えば落ち着いた雰囲気のハンでしょうか。
また、ガンゼンハウザー指揮のイスラエル室内管弦楽団は
ティンパ二が前面に出ていてエネルギッシュな趣を強く感じさせられました。

魅力を感じ気に入った作品になりましたので
また他の演奏でも聴きたいと思うようになりました。

こちらの曲と同程度に、もしかしたらそれ以上に気に入ったのが
3曲目に収録されている「華麗なカプリッチョ」です。
楽しみなBOXになってきました。

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タグ : メンデルスゾーン ピアノ協奏曲 デレク・ハン ゼルキン オーマンディ フィラデルフィアO.

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2015.03/14(Sat)

Op.277 メンデルスゾーン:「弦楽四重奏曲第1番」 by ブダペスト弦楽四重奏団

たまに聴きたくなるメンデルスゾーン
数年前に求めてCDラックの中で眠り続けていたディスクを取り出しました。
超廉価盤の10枚組です。
弦楽四重奏曲第1番をプダペスト弦楽四重奏団の演奏で聴いてみました。

               メンデルスゾーン弦楽四重奏曲第1番

                277メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番

                        (収録曲)

                      メンデルスゾーン
   
                協奏的変奏曲 作品17
                ピアノ三重奏曲第2番 作品66
                弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 作品12
            
                   ブタペスト弦楽四重奏団
                  ヨーゼフ・ロイスミン(1st.Vn)
                  アレキサンダー・シュナイダー(2nd.Vn)
                  イシュトパン・イポリ(Vla)
                  ミッシャ・シュナイダー(Vc)

                       (録音:1935年)


作曲開始j時期については不明だそうです。
門馬直美氏によるとメンデルスゾーンは1829年4月に
ロンドンのフィルハーモニー協会の招聘で初めてロンドンを訪れたそうです。
その滞在中の9日14日にこの作品が書き上げられたとのことです。

尚、自分の備忘録として。
この年1829年3月11日にメンデルスゾーンはバッハの「マタイ受難曲」を
復活上演し成功を収めた年であったそうです。
また、メンデルスゾーンは20歳から23歳の、1829年から32年にかけて
当時、裕福な家庭の子弟の間で一般的だった大教養旅行と呼ばれる
グランド・ツアーに一人で出かけたとのことです。
訪れた国はイギリス、オーストリア、フランス、イタリアなどだったとのこと。


初めて聴くメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲です。

重々しい趣で始まる第1楽章の序奏。
続く第1主題もゆったりとした調べ。
物思いに耽っているかのような旋律です。
耳を傾けていると郷愁を感じさせるような。
心に残る第1楽章です。

第2楽章は「カンツォネッタ」として親しまれているとのこと。
独立して演奏されることも多いそうです。
明るく愛らしい調べで始まる第2楽章。
中間部での小刻みで目まぐるしく奏されるヴィオラとチェロに乗り
歌う2つのヴァイオリン。
交替して次にはヴァイオリンの目まぐるしい動きに
ヴィオラとチェロが歌い。
変化と緊張を感じる楽章のように思われます。

穏やかな旋律で始まる第3楽章。
ゆったりと歌う第1ヴァイオリン。
時には情熱を秘めたような趣も。
ヴァイオリンの美しく優しい歌の調べに
心が浮遊を始めるようです。
幾多の想いが心を過ぎってゆきます。
お気に入りの楽章になりました。

第4楽章の始まりは力強さを感じさせられます。
2つのヴァイオリンの活気のある語らいを聴くようです。
曲が進み第1楽章の旋律が顔を出し懐かしい気分に。
緊張感を伴う高揚感も。
再び現れる第1楽章の長く続く調べに心を奪われているうちに
静かにしんみりと迎える曲の終了。


1回、2回と・・・聴く毎に味が深まるような曲のように感じます。
繰り返し聴いているうちにお気に入りの曲になりました。
第1楽章の心に刻まれる旋律は琴線に触れ
曲が終わっても心の中で鳴り続けています。

この録音は80年前になるようです。
本当に1935年の録音なのかしら、と思ってしまいます。
音質に不満はほとんどありません。

ブダペスト四重奏団の演奏は感情が控え目に感じられるようです。
華麗さ、流麗さをほとんど感じさせることはないようにも。
曲想がダイレクトに響いてくるようです。

いつものパターンで・・・・
メンデルスゾーンの他の弦楽四重奏曲全曲を聴いてみたい
と思い始めました。


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