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2014.03/01(Sat)

Op.233 シューベルト:歌劇「アルフォンソとエストレッラ」(2) by スイトナー&シュターツカペレ・ベルリン;プライ、マティス、ディ-スカウ、シュライアー

前回に引き続きシューベルトのオペラ「アルフォンソとエストレッラ」です。


         シューベルト歌劇アルフォンソとエストレッラ」全曲

                『アルフォンソとエストレッラ』全曲 スイトナー&シュターツカペレ・ベルリン

                  Alfonso und Estrella D.732
 
                マウレガート:ヘルマン・プライ(Br)
                エストレッラ:エディト・マティス(S)
                レオン王の軍司令官:テオ・アダム(B.Br)
                フロイラ:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
                アルフォンソ:ペーター・シュライアー(T)
                乙女:マグダレーナ・ファレヴィッチ(S)
                若者:エーベルハルト・ビュヒナー(T) 他
               
                  オトマール・スイトナー(指揮)
                  シュターツカペレ・ベルリン
                  ベルリン放送合唱団
 
             (録音:1978年1月、2月 旧東ドイツ、キリスト教会)


シューベルトのオペラは完成されたものが9曲
他に未完成の作品や紛失したものが9曲あるそうです。
最初のオペラ作品はシューベルト14歳の「鏡の騎士」D.11 とのことですが
残されているのは断片だけだそうです。
以後もシューベルトは死の前年までオペラの創作は
機会ある毎に続けていたとのことです。

アルフォンソとエストレッラ」のオペラの舞台については
ショーバーのリブレットは紛失し、シューベルトも細かい指示をスコアに記入を
しなかったために場面設定など不明な点が多いとのことです。
内容から中世のレオン・アストゥリアス王国と考えられるそうです。
アストゥリアスはスペイン北西部のビスケー湾に面した平野の少ない
山岳地帯とのことです。

アストゥリアスには紀元前10-5世紀の間にケルト人が入植し
ローマ帝国の支配にも屈することなく独自の文化を築いていたそうで
416年から西ゴートの支配下、711年からはイスラムの支配下に入ったとのこと。
前回の記述と重複しますが
アルフォンソとエストレッラ」の台本を書いたショーバーは
レオン・アストゥリアス王国樹立の歴史的背景を基に
正義と愛の勝利のドラマを描こうしたのだそうです。

シューベルトは「アルフォンソとエストレッラ」の作曲中に
友人への手紙にシューベルト自身とショーバーは
「この歌劇に大きな期待を賭けている」と綴っているそうです。

ショーバーとシューベルトはこのオペラに
当時ウィーンで大きな人気があったイタリア・オペラの多くの要素を
取り入れているそうです。

「アルフォンソとエストレッラ」が完成はしたものの上演に至るまでには
紆余曲折があったようです。
シューベルトはこのオペラの創作に力を注ぎ期待をしていたにも関わらず
シューベルトの存命中に上演されることがなかったとのことです。

作品の完成後にシューベルトは友人で当時の有名なオペラ歌手フォーグル他
数人に上演を働きかけたそうですが実現はしなかったようです。

次にシューベルトはこの歌劇をドレスデンで上演するために
ウェーバーにスコアを送ったそうです。
ウェーバーからは上演への好意的な返事があったとのことです。
「オイリアンテ」を指揮するためにウィーンを訪れたウェーバーから
この歌劇の感想を聞かれた時にシューベルトは次のように答えたとのこと。
 
 「いくつか気に入った部分がありました。
  しかし、私には旋律的な個所が少ないように思われます。
  私は『魔弾の射手』の方がはるかに好きです」

シューベルトのこの答にウェーバーは気分を害してしまったとか。
以後「アルフォンソとエストレッラ」の話は経ち消えになってしまったそうです。
上演が実現したのが1854年。
シューベルトの死後  になって
リストが指揮して上演するまで陽の目を見ることがなかったそうです。




          シューベルト:アルフォンソとエストレッラ
            1854年 リスト指揮ワイマール宮廷劇場の広告


リストが「アルフォンソとエストレッラ」の美点と欠点についての記述の引用を。
1854年9月日付「新音楽雑誌」に掲載されたそうです。

「この歌劇の一連の歌曲は軽やかで美しく、幅広い旋律をもっている。
 これらすべにシューベルトの抒情性を読み取ることができる。
 また、彼が愛用した音程、終止法、フレーズの処理方法が多様されている。
 然し、至るところに情景描写や劇把握の点で欠点が目に付く。
 これらの欠点を補うために、交響楽の利点が生かされることはなく、
 音楽が効果的に使われる個所は何処にも見いだせない。
 管弦楽法は極めて控え目な役割を演じるだけで、
 実際はピアノ伴奏のオーケストラ用編曲にすぎない。(略)
 劇場はシューベルトの視野にはあまりに広すぎ
 突如として湧き上がる彼の霊感にとっては舞台が要求する織物は
 あまりに複雑すぎた」

さて「アルフォンソとエストレッラ」は全3幕で演奏時間は約3時間ですが
時間の長さを感じさせません。
特にドラマティックな展開ではないのですが
オペラの随所に散りばめられている美しさの虜になってしまいました。
シューベルトのオペラ(ジングシュピール)を聴いてきた中では
力強さやスケールの大きさが感じられます。
シューベルトのオペラはどの作品も聴き終えた後に爽やかさが心に残ります。
この作品も同様に爽やかさが心に中に余韻として残りました。
全幕を聴き通すことをせずに部分的に聴いても
物語や音楽が途切れることなく心の中で繋がり耳に届くようです。

            
             233
              自筆ピアノ譜:アドルフォのアリア

印象的なアリア、重唱が多くあります。
全幕でフロイラのアリアが一番多いのでしょうか。
シューベルトはフロイラ役では当時有名だった友人のオペラ歌手のォーグルのために
書いたとのことです。

特に印象的だったアリア、重唱になります。

第1幕では、やはりフロイラのアリアです。
敵対するマウレガート王に追われて隠遁している元レオン王のフロイラが
現在の境遇への感謝と息子アルフォンソのことを歌うアリアです。
荘重なオーケストラの響きで始まり力強く盛り上がり・・・。
穏やかにじっくりと歌い上げるディースカウの歌唱に惹き込まれます。
オペラ・アリアというよりバラードのようです。
私の耳には歌曲のように響いてきます。
約8分の長いアリアですが時間を忘れさせる魅力的なアリアに思われます。

同じく第1幕、アルフォンソのアリア「すでに夜が明け始めた」
フロイラは人々が渓谷から出ることを禁ずる掟を定めているが
その掟に不満なアルフォンソがその気持ちを歌うアリア。
抒情的に始まるオーケストラの伴奏で歌うアルフォンソ役のシュライアー
清明でのびのびとした美しい声、時には囁きかけるような歌唱。
シュライアーがお気に入りの私にとっては聴き惚れてしまうアリアです。
とても美しいアリアのように感じます。
外界に対するアルフォンソの憧れが歌に満ちているようです。
お気に入りのアリアになりました。

続くエストレッラのアリア「黄金の広間は虚飾に満ちている」そして女性合唱。
エストレッラ役のマティスの楚々とした歌声と女声合唱の美しさ。
軽やかな旋律に乗りマティスの清々しい歌声と女声合唱に魅了されます。

第1幕ばかりが続きますが。
アドルフォのアリア「戦いの混乱の中で」。
戦いの混乱と恐怖の中で見たエストレッラの姿を歌うアリア。
初めて聴いた時には印象に残ることなく聴き過ごしてしまいました。
改めて聴くと聴き過ごしたことが訝られてしまうような魅力があります。
このオペラの中では特異なアリアでしょうか。
最も活気があり勇壮かつ軽快なアリアのように感じます。
アドルフォ役のテオ・アダムで歌われるこのアリア。
何かコミカルな趣も漂っているような気がするのですが。
親しみが感じられるアリアとして心に刻まれました。

やっと、第2幕に。
フロイラのアリア:「狩人がのんびりと休んでいた」
フロイラは息子アルフォンソに山中の乙女とそれを虚しく追う若者の話を
歌って聴かせるアリア。
このアリア中「彼は彼女の呼ぶ声を追いかけ~」の部分に
5年前に作曲された歌曲集「冬の旅」の第19番「幻」とまったく同じ旋律と伴奏が
用いられているそうです。
オーケストラとハープの伴奏が印象的に始まるアリア。
じっくり聴かせてくれるディースカウの歌唱です。
舞踏風な軽やかなリズムも現れたり。
折に触れて現れるハープの音色が印象的なアリアです。

第3幕では重唱が印象的でした。
最も印象に残るのは第3幕第2場でのフロイラとマウレガートの二重唱です。
謀反の兵から逃れ意気消沈しているマウレガート。
そこに現れたフロイラを亡霊と見誤り恐怖に捕らわれたマウレガートは
かつて強奪した冠をフロイラに返そうして差し出すと
フロイラは優しく「あなたを許すために来たのだ」と言って歌われる二重唱です。
穏やかに奏されるオーケストラの調べに乗り
ディースカウプライも穏やかに歌い語っているようです。
二人の二重唱には心を動かされるものがあります。
優しく柔和なディースカウの歌声。
互いに許し合い喜びあう部分からは明るさの漂う二重唱に。
感動的なニ重唱です。

続いてのフロイラ、マウレガート、エストレッラの三重唱「お父様、ご無事で!」
フロイラの歌声で始まり力強く応答するマウレガート。
加わるエストレッラの三者が互いの幸福を軽やかに喜び歌い
オーケストラも喜びの旋律を明るく響かせ
聴いていて楽しくなります。
素晴らしい三重唱として心に響いてきます。

最後は全員、そして合唱で迎える終幕。
凱旋したアルフォンソを称える兵士と狩人の力強い合唱とオーケストラ。
全員がフロイラを王と認め
エストレッラとの結婚を許され王の冠を受けるアルフォンソ。
独唱と合唱のもたらす感動。
素晴らしいオペラ、との印象を強く抱く終幕です。
音だけでもまるで映像を見ているかのように場面が想起されます。
歌手陣の一人一人の存在が大きく伝わります。
喜びを奏でるオーケストラ、歌手陣、合唱のうちに幕。

シューベルトのオペラでは最も感動を与えられた「アルフォンソとエストレッラ」。
期待をして聴いたオペラですが期待の何倍も素晴らしく感じました。
充実した歌手陣も素晴らしさに貢献しているかと思います。
聴き終えても感動収まらず、の心境でした。


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タグ : シューベルト 歌劇 アルフォンソとエストレッラ プライ ディースカウ マティス シュライアー アダム

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2014.02/22(Sat)

Op.232 シューベルト:歌劇「アルフォンソとエストレッラ」(1) by スイトナー&シュターツカペレ・ベルリン;プライ、マティス、ディ-スカウ、シュライアー

聴くことが念願であったシューベルトのオペラ「アルフォンソとエストレッラ」。
この演奏で聴いてみたいというディスクに出合うことなく年月が過ぎてしまいました。
やっと出合えたディスク。
Brilliant Classics の廉価盤です。
指揮がスイトナー、歌手陣はプライディースカウシュライアー
エディット・マティス、テオ・アダム 他です。
願ってもない歌手陣。
これらのメンバーで「アルフォンソとエストレッラ」を聴くことができるのは
夢のようです。
作品と演奏に大きな期待をして耳を傾け
このディスクに出合うことができたことに嬉しい思いです。

今迄、聴いてきたシューベルトの幾つかのオペラ。
どの作品も美しい旋律や爽やかな印象でお気に入りになっています。
そして、この作品もまた美しい旋律が随所に散りばめられているようです。

今日は あらすじ を主に。
あらすじ だけでもかなり長くなってしまいそうですので。
続きは次回の予定です。


           シューベルト歌劇アルフォンソとエストレッラ」全曲

                『アルフォンソとエストレッラ』全曲 スイトナー&シュターツカペレ・ベルリン

                  Alfonso und Estrella D.732
 
                マウレガート:ヘルマン・プライ(Br)
                エストレッラ:エディト・マティス(S)
                レオン王の軍司令官:テオ・アダム(B.Br)
                フロイラ:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
                アルフォンソ:ペーター・シュライアー(T)
                乙女:マグダレーナ・ファレヴィッチ(S)
                若者:エーベルハルト・ビュヒナー(T) 他
               
                  オトマール・スイトナー(指揮)
                  シュターツカペレ・ベルリン
                  ベルリン放送合唱団
 
             (録音:1978年1月、2月 旧東ドイツ、キリスト教会)

作曲されたのは1821年9月から1882年2月とのことです。
シューベルトショーバーとともに彼の母方の親戚があるザンクト・ベルテンに
出かけたそうです。
その田舎の隠遁地にしばらく滞在している時に
共同でこのオペラに取り組んだとのことです。
ショーバーが1幕を書き上げるとシューベルトがそれに作曲し
ショーバーは次の幕を書き始めるという共同作業だったそうです。
その後、ウイーンでもシューベルトショーバーの家に寄寓し共同作業を続けたとのこと。

自筆譜には次のように書き込まれているそうです。
  冒頭に:1821年9月20日
  第1幕の終わりに:1821年10月16日
  第2幕の初めに:1821年10月18日
  第3幕の終わりに:1822年2月17日


               232シューベルト「アルフォンソとエストレッラ」
               Franz Adolf Friedrich von Schober
               (1796年5月17日-1882年9月13日)

台本はオーストリアの詩人、台本作家のフランツ・フォン・ショーバー
ショーバーはスペイン北西部の中世レオン・アストゥリアス王国樹立の歴史的背景を
もとにして正義と愛の勝利のドラマとして「アルフォンソとエストレッラ」を
描いているそうです。

シューベルトとショーバーが知り合ったのは1815年の秋。
シューベルトの歌曲に関心を寄せていたショーバーがシューベルトに連絡を取り
2人の親交は急速に深まり数年間生活をもとにするほどの間柄だったそうです。
シューベルトが苦境にある時には物心両面から支えたショーバーは
シューベルトの終生の忠実な友人であったとのことです。


以下、初演等についてのメモとして。

【初演】
    序曲:1823年12月20日ウィーン、アンデア・ウィーン劇場にて
       「ロザムンデ」の序曲として演奏されたそうです。
    全曲演奏は演奏会形式短縮版で1854年6月24日に 
    リスト指揮、ワイマールに於いて。
    舞台上演:1977年2月、イギリスのセミプロ団体レディング大学オペラ部
         英語による上演とのこと。
    原語上演:1991年、グラーツ。
         指揮マリオ・ヴェンツァーゴ;監督:マルティン・シューラー

【時と場所】スペイン北西部、中世のレオン・アストゥリアス王国
【登場人物】
   マウレガート(Br):レオン王
   エストレッラ(S):その娘
   アドルフォ(B):レオン王の軍司令官
   フロイラ(Br):追放された元レオン王
   アルフォンソ(T):その息子
   警備隊隊長(T):乙女(S):若者(T) 他

【あらすじ】
      第1幕

 (第1場):フロイラとその家来が隠れ住む森の渓谷

村人たちが祝いの準備をし、元レオン王フロイラの徳を称え感謝の気持ちを歌う。
フロイラが登場。
彼はレオンの王だったが敵対する王マウレガートのために位を追われ
この渓谷に20年間、隠遁し豊かな自然と村人たちの愛に囲まれて幸せに暮らしている。
村人たちの望みに押されてフロイラは勇敢な息子アルフォンソに村の支配権を委ねるが
アルフォンソは渓谷の外の空気が吸いたい。
フロイラは人々がこの渓谷から出ることを禁ずる掟を定めているので
渓谷を出ることのできないアルフォンソは外界への憧れを歌う。
フロイラは機が熟せば王位を奪った隣国の専制者を倒す日が間もなく来ることを告げ
その約束の印としてアルフォンソに「オイリヒの鎖」を与える。

  (第2場):オビエドにあるマウレガート王の城内の大広間

侍女たちの狩り喜びの合唱とは裏腹に、王女エストレッラは意気消沈し孤独な不安を歌う。
その理由は勝利をマウレガートにもたらした軍司令官アドルフォが
その武勲に対しどのような望みも叶えようというマウレガートの言葉に
エストレッラとの結婚を要求しているのである。
結婚を迫るアドルフォにエストレッラは愛は力づくでは得られないと拒絶する。
拒絶されたアドルフォはマウレガート王に願い出て戦勝の報奨として
エストレッラを要求する。
王は希望するものを取らせると誓った以上、後へは引けない。
エストレッラの拒絶の気持ちを知った王はアドルフォに
王冠とすべての財宝を譲ると言うがアドルフォはエストレッラ以外は
何もいらないという。
マウレガート王とエストレッラは窮地に追い込まれる。
王は古の王家から伝わるオイリヒの鎖を取り戻した者だけがエストレッラと結婚できる
という言い伝えを思い出しエストレッラとアドルフォに告げる。
エストレッラは希望に胸躍らせるが、アドルフォは怒り復讐に燃える。

      
      第2幕:フロイラたちの住む森の峡谷
 
 (第1場)フロイラとその家来が隠れ住む渓谷付近

フロイラは息子アルフォンソに山中の乙女とそれを虚しく追う若者の話を
歌って聞かせる。
感動したアルフォンソは屋敷に帰らず山中を逍遥する。
この時、狩りの途中で道に迷ったエストレッラに出会う。
彼女を一目見て魅了されたアルフォンソはその喜びを歌う。
二人は互いの素性も知らぬまま愛情を感じエストレッラは策略と暴力の蔓延る城に
帰らなければならない悲しみを歌う。
アルフォンソはこの楽しいひと時の思いでにと
父から預かっているオイリヒの鎖を彼女に与える。
 
 (第2場)マウレガートの城付近

謀反人たちとアドルフォが「復讐」を合言葉に城門に集合する。
アドルフォはオイリヒの鎖を必死で探しまわるが
鎖を探すよりマウレガートを倒す方が手っとり早いと考え
他の隊長たちと共に夜中に廃墟に集まって陰謀を計画する。
舞台は緊迫した雰囲気になる。

 (第3場)マウレガートの城

一方、マウレガートはエストレッラが帰ってこないのでとても心配している。
欺瞞と裏切りに取り囲まれた王座についている自分にとっては
娘のエストレッラだけが慰めだと歌う。
ようやく帰って来たエストレッラの胸に輝くオイリヒの鎖を見たマウレガートは
誰からその鎖をもらったのか、と尋ねる。
エストレッラは知らない若者からもらったと答え
名も知らぬアルフォンソの姿を懐かしんで歌う。
マウレガートはそれが聖オイリヒの「金の鎖」であることにすぐ気付く。
この時、アドルフォ謀反の知らせが伝えられマウレガートとエストレッラは動揺する。
マウレガートはもはやこれまでと皆に逃亡を促すが
エストレッラは勇敢にも戦おうと主張する。
謀反人たちの「復讐だ!」という合唱が聞こえてくる中
皆で勇気と愛によって勝利を目指す。


      第3幕

 (第1場)フロイラたちの住む森の峡谷

激しい戦闘で幕が開く。
アドルフォはエストレッラを捕え彼女に父マウレガート王の屈服を告げ
自分と結婚するか死かの選択を迫る。
エストレッラの悲鳴を聞いてアルフォが狩人たちと現れエストレッラを救出し
アドルフォを捕える。
エストレッラがレチタティーヴォで父を思い出すと
アルフォンソは彼女の父がレオンの王であることを知る。
彼は彼女の父を救うことを約束する。
アルフォンソは兵を集めるために、あたりを逃げまどう兵士たちに呼びかける。
兵士や狩人たちはアルフォンソに士気を鼓舞され、やがて彼のもとに集まる。
フロイラは敵方の娘と知るが、もはや復讐心はなく
息子アルフォンソの行為を認めエストレッラを隠れ家に匿う役を引き受ける。

  (第2場)フロイラの隠れ家付近

かろうじて謀反の兵から逃れたマウレガートは落ち武者となり山中をさ迷い
意気消沈し栄枯盛衰の儚さを歌う。
そしてフロイラに出会うが幽霊だと思いかつて強奪した王冠を返すと差し出す。
フロイラは良心の呵責に苦しむマウレガートにもう充分に復讐は果たされたとし
許し盟約の証としてエストレッラを返す。
エストレッラが隠れ家から現れて父娘は再会を喜ぶ。
そこにアルフォンソが凱旋してくる。
英雄アルフォンソを讃える兵士と狩人の合唱の後
アルフォンソが勝利の剣をマウレガートに返す。
マウレガートは王はこの方だとフロイラを指差す。
全員がフロイラを王と認める。
フロイラがまだ生きていたことを喜ぶレオンの農民と戦士たち。
エストレッラはアルフォンソをオイリヒの鎖をくださったのはこの方だ、と父に紹介する。
マウレガートは言い伝えの実現と勝利の報奨としてアルフォンソと娘の結婚を許し
フロイラはレオン国の王座を息子アルフォンソに譲る。
アルフォンソとエストレッラを合唱が祝福し幕。

(あらすじ は主として井形ちづる著「シューベルトのオペラ」を参照、引用を
させていただきました)

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2013.07/13(Sat)

Op.200 フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」 by ワルベルク&ケルン・ギュルツェニヒOr.;プライ他

子供の頃に親しんで読んでいたアンデルセンやグリムの童話。
グリム童話からフンパーディンク作曲のオペラ「ヘンゼルとグレーテル」は兼ねてから
聴いてみたかった作品です。
ヘンゼルとグレーテルの父親役がプライということで
こちらのディスクを聴いてみました。
登場場面は少ないのですが存在感があります。



             フンパーディンク歌劇ヘンゼルとグレーテル」全曲
                            by
               ワルベルク&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団

                 フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』全曲

                父親ペーター:ヘルマン・プライ(Br)
                母親ゲルトルート:イルゼ・グラマツキ(Ms)
                ヘンゼル:オイゲン・ユーク(Bs)
                グレーテル:ブリギッテ・リントナー(S)
                魔女:エッダ・モーザー(S)
                眠りの精:ウルズラ・ロレフ(S)
                露の妖精:トーマス・フローン(Bs)
   
                  ハインツ・ワルベルク(指揮)
                  ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
                  ケルン児童合唱団
           
                    (録音:1973年 ケルン)



ヘンゼルとグレーテル」のように童話を題材としたメルヘン・オペラは
19世紀の終わりごろに隆盛したそうです。
ドイツ語圏のオペラハウスではクリスマスの定番演目とされるとのことです。


                      フンパーディンク
                 Humperdinck
                   Engelbert Humperdinck
                (1854年9月1日 - 1921年9月27日)


ドイツの作曲家のフンパーディンクは1854年9月1日(1921年9月27日没)に
ラインラントのジークブルクに誕生したそうです。
1879年にメンデルスゾーン基金を得てイタリアに行ったフンパーディンク
ナポリでリヒャルト・ワーグナーの信頼を得たとのことです。
そしてワーグナーに招かれてバイロイトに行き
1880年から1881年の間「パルジファル」の上演を輔佐したそうです。


ヘンゼルとグレーテル」の作曲は1890年から93年。
フンパーディンクは1890年に実妹のアーデルハイド・ヴェッテ夫人(1851.9.4-1916.9)
から夫の誕生日の家庭劇のために
彼女自身が脚色した「ヘンゼルとグレーテル」に歌を4曲作曲するように
頼まれたそうです。
この作品の作曲後に当時、オペラの作曲を計画していたフンパーディンクは
台本を書き直しを依頼して 同年末までにジングシュピールとして完成し
婚約者へのクリスマス・プレゼントにしたとのこと。

翌年に1年をかけて全曲に手を加えて全3幕からなる楽劇に仕上げたそうです。
オーケストレーションは自身の耳の病気や結婚などの諸事情により1893年9月17日に
序曲は11月22日に完成したとのことです。

初演は1893年12月23日にR.シュトラウスの指揮でワイマール宮廷劇場に於いて
行われたとのこと。
この初演では歌手が新人に変更されたり、序曲の楽譜が到着しなかったりと
ハプニングがあったそうですが結果は大成功だったそうです。
ミュンヘンやその他でも成果を上げて全世界に広まったとのこと。
日本では大正2年、帝国劇場に於いて「夜の森」と改題されて
一部だけが上演されたとのことです。


「ヘンゼルとグレーテル」の名前についてWikipediaに興味深い解説がありました。
以下に引用をさせていただきます。

 「Hänsel」は「男の子」で洗礼名ヨハネス(Johannes)の呼び名ハンス(Hans)を
  さらに縮小語尾-elをつけて「ハンスちゃん」風にした地方色のある子供向けの呼び名。
 「グレーテル(Gretel)」は「女の子」で洗礼名マルガレーテ(Margarete)の
  呼び名グレーテ(Grete)に縮小語尾-(e)lをつけて「グレーテちゃん」風にした
  同じく地方色のある子供向けの呼び名である。
  大人になればハンス(Hans)やグレーテ(Grete)と呼ばれる。

                                       (以上)

              (wikiドイツ)♪200ユッタリースでヘンゼルとグレーテルとエンゲルベルト·フンパーディンク
           フンパーディンクとヘンゼル&グレーテル(ユッタ―リース)

                        

【原作】グリム童話
【台本】アーデルハイド・ヴェッテ夫人
【構成】全3幕
【登場人物】
    ヘンゼル:箒職人の息子
    グレーテル:ヘンゼルの妹
    父親ペーター
    母親ゲルトルート
    お菓子の魔女
    眠りの精
    露の精
    お菓子の子供たち
    14の人の天使たち(パントマイム)
【時と場所】昔、或るところ。
      実際は中世北ドイツで魔女が住むと伝えられるブロッケン山のある
      ハルツ山脈の近くを想定。

【あらすじ】
  
   第1幕:ペーターの家の中

箒を作って生計を立てているペーターのみすぼらしい家の中では彼の二人の子供
ヘンゼルとグレーテルがせっせと働いている。
お腹が空いたのに貧乏のため食物は何もない。
そこで二人は「一緒に踊ろう」と踊りによって空腹を紛らわせようとする。
そこに母親のゲルトルートが帰って来る。
彼女は仕事をさぼり遊んでいる二人を懲らしめようとする。
そして、追いかけているうちに大切なミルクの壷を壊してしまった。
怒りが爆発したゲルトルートは二人の子供を森に苺を摘みにやらせることにした。
子供たちが渋々出ていくと、間もなくペーターが帰宅。
箒が高く売れたと上機嫌だったが子供が森に言ったことを聞いて大慌てをする。
森には魔女がいるからだ。
両親は慌てて子供を探しに出て行く。

  
   第2幕

森の中を歩きながら
ヘンゼルとグレーテルは「小人が森に立っている」という民謡を歌っている。
歩き疲れた二人はその場で一休み。
摘んだ苺もそこで食べてしまった。
あたりはもう真っ暗。
二人が恐がっていると、そこに袋を背負った小人が登場する。
彼は眠りの精で、袋から砂をを出して振り撒くと二人は眠くなってくる。
兄妹は夕べの祈りを捧げてから、眠りに落ちていった。
やがて光が射してきて、無言劇の場面になる。
そこでは、14人の天使が光り輝く衣装をまとって降りてくる。
そして、二人の眠りを静かに見守る。


   第3幕:夜明け

次第に明るくなってくるがヘンゼルとグレーテルはまだ眠っている。
そこに露の精が現れ二人にその雫を振りかける。
露の精が去ると、先ずグレーテルが目を覚ます。
兄を起こし夢に見た14人の天使たちのことを語り合う。
朝露が消えると近くにお菓子でできた家があるのを見つける。
お腹の空いた二人は喜んで、そのお菓子の家の隅を壊して食べ始めた。
すると、中から声がして魔女が現れた。
最初は甘い言葉をかける魔女だが二人が逃げようとするとヘンゼルに魔法をかけ
檻に入れた。
太らせてから食べようという魂胆だ。
それとともにグレーテルを家の中で働かせようとしている。
暫くしてどの位太ったかとヘンゼルに指を出して見せるように言うが
彼は細い棒を使って巧みに騙した。
グレーテルは必死に魔女の魔法を覚えようと努め
やがて覚えたての術を使ってヘンゼルの魔法を解く。
そして二人は魔女が竈の蓋を開けた時に後ろから押してその中に押し込んでしまった。
扉を閉め、大喜びして踊る二人。
そのうち魔女がいる竈は爆発し、その中から魔法を解かれた多くの子供たちが出てくる。
皆が踊っている時、二人を探すペーターとゲルトルートが到着。
お菓子になった魔女を囲んで、一同は感謝の合唱を歌う。
                          (幕)


さて、
子供のためのオペラ・・・とのことですが
どうして、どうして、序曲が鳴り始めた途端に 子供のためのオペラ とは
思えません。
牧歌的な趣で始まる序曲から虜になります。

印象に残ったのはヘンゼルとグレーテルが歌う幾つかのドイツ民謡です。
ヘンゼル役のオイゲン・ユークのボーイ・ソプラノと
グレーテル役のブリギッテ・リントナーのソプラノで歌われる二重唱には
聴き惚れてしまいます。
瑞々しさ、初々しさを感じさせる二人です。

また第3幕の「お菓子の家」の前奏曲で冒頭の「お菓子の家の動機」も
民謡からだそうです。
このようにドイツ民謡が多く取り入れられているようで親しみを感じられます。
オーケストレーションも聴き始めると途中で止められない魅力があります。
全3幕、約1時間半の演奏時間がとても短く感じられました。

特に印象深く心に残ったのは第3幕の終わりの部分、第5場です。
魔女に依ってお菓子にされた子供たちがヘンゼルの魔法の呪文で
自由になるところからは 聴いていてとても楽しく感じられます。
子供たちが歌う『喜びの合唱』の歌声を聴いていると愛らしい合唱に心が和らぐようです。

また、ヘンゼルとグレーテルを探しに来た両親の登場になり
父親のペーターが
「こんな不思議なことはない。すべて神様がお助けくださったのだ」
と歌うプライの歌唱からは力強さが伝わってくるようです。
そして全員で感謝の祈りを。
踊りまわる子供たちの場面がとても楽しい音楽として伝わってきました。


楽しさに満ち溢れた雰囲気で終わります。
聴き終えて清々しく気分も一新されるようです。
日常生活で忘れていたメルヘンの世界に心が和むオペラでした。



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2013.03/23(Sat)

Op.186 R.シュトラウス:「アラべラ」全曲 by ショルティ&ウィーン・フィル

R.シュトラウスのオペラは聴いてみたいとの思いを抱きつつも
今迄一度も聴いたことがありませんでした。
「サロメ」や「エレクトラ」の内容にたじろいでしまい
長年、怖いオペラの作曲家のイメージを抱いていました。
ですが、R.シュトラウスのオペラはとても気になる存在として今日に至りました。

ブログを拝読させていただき興味を抱いた「アラべラ」。
ブログ記事を拝読し オペラの内容も「怖い」ものではなく至って面白そうでした。
初めて聴くR.シュトラウスのオペラは「アラべラ」になりました。

第1幕早々で脱落です。
どうも掴みどころがなく・・・。
諦めきれずに日数を置いて再び挑戦を・・・鑑賞が闘い(?)の様相を呈してきたようです。



                  R.シュトラウス:「アラべラ」
                       by
                ショルティ&ウィーン・フィル


               (HMV)『アラベラ』全曲 ショルティ&ウィーン・フィル、デラ・カーザ


               R.シュトラウス:歌劇「アラベラ」Op.79 全曲

                アラべラ:リーザ・デラ・カーザ(S)
                ズデンカ:ヒルデ・ギューデン(S)
                 マンドリカ:ジョージ・ロンドン(Br)
                ヴァルトナー伯爵:オットー・エーデルマン(B)
                アデライーデ:イーラ・マラニウク(A)
                マッテオ:アントン・デルモータ(T)  他


                   サー・ゲオルク・ショルティ指揮
                   ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                  ウィーン国立歌劇場合唱団
 
                  (録音:1957年5、6月  
                      ウィーン、ゾフィエンザール
                      ステレオ、セッション)



この作品の副題は「抒情的喜劇」とのことです。
オペラでは声楽陣に耳を奪われることが多いのですが
会話が主体となっているとのことでアリアは少なく
関心が向くのは寧ろオーケストラの方です。


「アラべラ」はシュトラウスとコンビであったホーフマンスタールとの
最後の作品になったそうです。

                  19歳のホーフマンスタール
              (ドイツWiki)Hugo von Hofmannsthal
                   Hugo von Hofmannsthal
                 (1874年2月1日-1929年7月15日)


シュトラウスは1927年に手掛けていた「エジプトのヘレナ」が9月下旬に完成するので
軽い一幕もので音楽付きで語りが主体となる作品を書きたい旨の書簡を
ホーフマンスタールに宛てたそうです。
ホーフマンスタールは2年前の草稿「伯爵と御者」及び
1910年出版の「ルーシドル」を基にして「アラべラ」を書くことにしたとのことです。
「ルシードル」の中心人物は男装の娘だったそうですが
「アラべラ」では男装の娘に当たるツデンカは脇役になり
姉のアラべラが前面にでているとのこと。
台本はシュトラウスの要求を容れつつ1928年クリスマスに出来上がり
修正を加え翌年7月10日に完成をしたそうです。
ホーフマンスタールはその数日後に世を去ったとのこと。


この作品の舞台の一つとなっている謝肉祭の舞踏会、フィアカー・カーニバルですが
ウィーンでは謝肉祭恒例の舞踏会とのことです。
第2幕のフィアカー・カーニバルはフィアカ―(馬車)の持ち主とその家族によって
催されていたそうで1788年に始まり1880年頃は最高潮だったそうです。
第2幕に登場するフィアカ―・ミリは実在の女性で本名は
エミリー・トレチェク(1846年-1889年)とか。
彼女はフィアカ―舞踏会の庇護者で、中心的な存在でもあったとのことです。

この作品で唯一度、第2幕に登場するフィアカー・ミリ。
フィアカ―・ミリ役は Mimi Coertse との記載があります。
マンドリカこそが自分にとっての真の人であることを確信したアラべラと
マンドリカが永遠の愛を誓った後に登場するフィアカー・ミリは
アラべラに花束を捧げ場を盛り上げ
「ウィーンの殿方を心得ていらっしゃる」と歌う場面は合唱も加わり
陽気で華やか・・・過剰な位に。
Mimi Coertse のソプラノが素晴らしいというよりも
その陽気さが妙に印象に残ってしまいました。


【作曲】1929-32年
    第1幕、1932年3月6日、第2幕6月6日、第3幕10月12日に完成。
【初演】1933年7月1日 ドレスデン・ザクセン国立歌劇場
    クレメンス・クラウスの指揮
【台本】フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
【構成】3幕 
【時と場所】1860年、謝肉祭の夜のウィーンのホテルと舞踏会場
【主な登場人物】
  ヴァルトナー伯爵:退役騎兵大尉
  アラべラ:没落貴族令嬢
  ズデンカ:その妹
  マンドリカ:クロアチアの若者、資産家の甥
  マッテオ:狙撃士官

【あらすじ】(山田治生他編:「オペラガイド」より引用)

破産寸前の没落貴族ヴァルトナー伯爵だが見栄を張ってウィーンでホテル暮らし。
二人の令嬢アラべラとズデンカのうち妹のズデンカは男の子として育てられている。
伯爵の望みはアラべラが資産家と結婚すること。
士官マッテオはアラべラを愛するが、彼女にその気はない。
逆にズデンカはマッテオを愛している。
アラべラのもとに資産家の甥マンドリカが現れた。
舞踏会(謝肉祭恒例のフィアカー・カーニバル)で二人は正式に紹介される。
娘時代の最後にと皆でワルツを踊るアラべラ。
絶望するマッテオ。
姉想いのズデンカは
マッテオに姉の部屋の鍵と偽って自分の部屋の鍵を渡す。
立ち聞きしたマンドリカはアラべラの不貞と勘違いする。
愛を交したマッテオが部屋を出てくると、そこには彼を冷たくあしらうアラべラ。
彼は状況が理解できない。
マンドリカはアラべラを激しくなじる。
ズデンカはすべて自分がやった、と真実を告白。
マンドリカは自分を恥じ、姉は妹の愛の力を讃える。
誤解は解けた。
アラべラは泉の水を婚約者に捧げるマンドリカの故郷の風習に従ってグラスを差し出す。
水を飲み干したマンドリカはグラスを床に叩き付け、二人は永遠の愛を誓う。

                                  (幕)



登場人物で関心を引かれたのはズデンカです。
ズデンカ役のヒルデ・ギューデンの愛らしく優しさを感じさせられる声質には
和まされます。

このオペラ中で最も重要な音楽に一つはアラべラの有名な独白で
エレマー伯爵への想い
第1幕でアラべラがエレマー伯爵への想いを歌う≪私のエレマー≫とのことです。

アラべラの気高く真摯な人格が表現されているとのことです。
アラべラ役のデラ・カーザの声質は適役でしょうか。
唯一このオペラで耳を奪われた歌はアラべラの≪私のエレマー≫でした。


寄り道になります。
デラ・カーザは最近逝去されたと記憶していました。
昨年12月10日、93歳でお亡くなりになられたようですね。
プロフィールを読むとR.シュトラウスやモーツァルトを得意としていたとのこと。
1946年に「アラべラ」のズデンカ役が成功への架け橋となったようです。
1974年ウィーン国立歌劇場でアラべラ役を歌った年に引退を発表し
34年間の活動に終止符。
「アラべラ」に始まり、「アラべラ」で歌手活動に幕を閉じたデラ・カーザにとっては
「アラべラ」は因縁の深い作品だったようですね。


さて、初めて聴いたR.シュトラウスのオペラ。
ショルティ指揮、ウィーン・フィルのお陰で
聴き終えることができたような気もしています。


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2013.02/16(Sat)

Op.181 フロトウ:歌劇「マルタ」 by ヘーガー&バイエルン国立歌劇場OR. ; ローテンベルガー、プライ、ゲッダ他

オペラ作品中のアリアがお気に入りになると
そのオペラ全曲を聴きたくなるのはいつものことです。
全曲を聴き、そのオペラがますますお気に入りになることも多々あります。

フロトウの「マルタ」もそのような経緯でお気に入りになった作品です。
第3幕のライオネルのアリア≪夢のように≫は3本の指に入る大好きなアリア。
以前、「マルタ」の全曲をワルベルク&ミュンヘン放送管弦楽団で聴き
お気に入りのオペラになりました。

嘗てのフロトウ「マルタ」の記事になります。
       ↓
フロトウ:「マルタ」ワルベルク&ミュンヘン放送管弦楽団、ポップ、イェルザレム


お気に入りのオペラですので再登場になります。
以前聴いたのはワルベルク指揮、ミュンヘン放送管弦楽団
歌手陣はポップ、イェルザレム、・リッダーブッシュ他でした。
今回はロベルト・ヘーガー指揮、 バイエルン国立歌劇場管弦楽団です。
ライオネルがニコライ・ゲッダ
プランケットがヘルマン・プライ
とのことで是非、ライオネルのアリア≪夢のように≫をゲッダで聴きたく
また、プライのプランケットも聴きたくこちらのディスクを求めてみました。

                フロトウ:歌劇「マルタ」全曲

           フロトウ:「マルタ」全曲 ヘーガー;バイエルン


          レディ・ハリエット・ダラム:アンネリーゼ・ローテンベルガー(S)
          ナンシー:ブリギッテ・ファスベンダー(Ms)
          ライオネル:ニコライ・ゲッダ(T)
          プランケット:ヘルマン・プライ(Br) 他
    
              ロベルト・ヘーガー(指揮)
              バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団

              (録音時期:1968年3月 ミュンヘン)
 
             

フロトウの名が知られるようになったのは
1844年12月30日にハンブルクで初演された「ストラデッラ」の成功だったそうです。
台本は「マルタ」と同じヴィルヘルム・フリードリヒ。
「ストラデッラ」の成功でウィーンの宮廷劇場の支配人から
劇場のための新作の依頼を受け作曲されたのが「マルタ」だったとのことです。

ドイツ生まれのフロトウは20年間をパリで過ごしたそうで
台本作家のフリードリヒとは1836年頃にパリで交友が始まったとのことです。

「マルタ」の台本ですが
サン・ジョルジュ作のバレエ「レディ・ハリエット」または「グリニッチの女官」を
ヴィルヘルム・フリードリヒが改作。
彼はフランス、イタリア、イギリスの100以上の作品をドイツの舞台に紹介し
多作で有名な台本作家だったそうです。


                  フリードリヒ・フォン・フロトウ
              Friedrich von Flotow
              Friedrich (Adolf Ferdinand) von Flotow
                (1812年4月27日-1883年1月24日)
 

解説書によると
ドイツ・ジング・シュピールの伝統を受け継いだドイツ・コミック・オペラは
作曲家、台本作家、俳優、歌手また指揮者でもあった
グスタフ・アルベルト・ロルツィングによってフランス的なものを織り交ぜ
飛躍を遂げたそうです。

                グスタフ・アルベルト・ロルツィング
              Albert Lortzing um 1830
                   Gustav Albert Lortzing
                 (1801年10月23日-1851年1月21日)


ドイツ・コミック・オペラの発展で決定的なものとなったのが
ロルツィングの後継者とされるフロトウ(「マルタ」)と
ニコライ(「ウィンザーの陽気な女房たち」)だったそうです。
この二人の作曲家の功績はドイツ・コミック・オペラを芸術的に高い位置に引き上げたとのこと。

「マルタ」の初演は 1847年11月25日にウィーン宮廷歌劇場に於いて
大成功を納めたそうです。
尚、フランツ・リストはワイマールでこのオペラを振り
オペラ指揮者としての活動を開始したとのこと。
またドレスデンに於いてはワーグナーが指揮していたそうです。

「マルタ」は愛好されていた作品のようで
1882年、フロトウが70歳の年にウィーン公演500回記念が行われたそうです。
広く世界に浸透していったオペラ・レパートリーとなっているようです。


いつ聴いても「マルタ」はホッとした気持ちにさせてくれるオペラ。
旋律の美しさ、親しみ易い調べ、聴いていて楽しさも満杯でしょうか。
作品全体を流れているような民謡風な趣にも和むものがあります。

ワルベルク盤と今回ヘーガー盤で聴いた「マルタ」ですが
どちらの演奏もお気に入りになりました。
ワルベルク盤ではコミック・オペラとの印象はあまり感じられませんでしたが
ヘーガー盤では正真正銘(?)のコミック・オペラと感じました。
歌手陣はヘーガー盤が充実しているようですが
どちらかと言えば個人的にはワルベルク盤の方に魅了されるものがあります。

さて、今回聴いたヘーガー盤の「マルタ」。
溌剌とした印象を強く受けました。
オーケストラも歌手陣、合唱からも活き活きとした息吹や
コミカルな感じも伝わってきます。

レディ・ハリエット役のソプラノ、ローテンベルガーには聴き惚れてしまいました。
お目当てのライオネルのアリア≪夢のように≫。
ゲッダが感情を込めて歌い上げるこのアリアに魅了されること、この上なしです。
プランケット役のヘルマン・プライは本来がお気に入りの歌手です。
プライにばかり気を取られて耳を傾けていた感も拭えませんが。

心から楽しんで聴くことができる「マルタ」が
今回、また一つ新しく加わりました。

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