FC2ブログ

2017.06/10(Sat)

Op.391 ブラームス:「ワルツ集」 by アルフォンス&アロイス・コンタルスキー

深夜にラジオから流れてきた音楽。
ブラームスワルツ集より第15番とのことでした。
作曲者名も曲名もすっかり忘却の彼方に。
旋律だけが鮮明に心に刻まれていた曲です。

遥か昔、弾くことができないピアノを弾くことができる振りをして
いつも弾いていた懐かしい曲です。
16曲の中での一番のお気に入りの第15番。
云十年経ってもこの曲への親しみは変わらず、大好きな曲。
ブラームスのワルツ全曲に耳を傾けるのは今回が初めてです。
コンタルスキー兄弟のピアノで聴いてみました。

                   ブラームスワルツ集
             ブラームス・コンプリート・エディションより


           391:ブラームス:ワルツ集~ブラームス・コンプリート・エディションより
                        (収録曲)
                  
                     4手用ピアノ連弾曲集
                 ワルツ集 Op.39(全16曲)
                 シューマンの主題による変奏曲 Op.23
                 ハイドンの主題による変奏曲 Op.56b
                 
                   アルフォンソ・コンタルスキー
                          &
                   アイロス・コンタルスキー(P)
               (録音:1980年 ベルリン、イエス・キリスト教会)


作曲されたのは1865年冬。
ブラームス32歳の時にウィーンで書かれそうです。
ピアノ4手用に書かれた16曲のワルツからなるワルツ集
この曲集には本来、4手用をフラベリー姉妹のために2手用に直したもの
また、簡易に編曲した2手用もあるとのことです。

原曲の4手用では第2ピアノ奏者は簡単な伴奏をするようになっているそうです。
各曲の多くは、8小節を繰り返し
同じように続く16小節も繰り返され、前の8小節の旋律が現れるとのことです。
速度、調や様式は決まっていないとのこと。
各曲とも簡潔にまとめられ親しみ易さを感じます。

作曲をしたワルツについてのブラームスの言。
 「シューベルト風な形の無邪気な小さいワルツ」
16曲の中の多くはワルツ以前のワルツとも言える古いレントラーの
名残りがあるとのことです。
このレントラー風のワルツは温もりがあり愛らしく
優しさに満ち溢れているように感じます。

ワルツ集作曲の前後を年表風にメモを。
この曲が書かれる前年、1864年。
2月6日:ワーグナーに会う
4月:ジングアカデミーの指揮者辞任
6月:両親の不和でハンブルクへ帰郷
夏:クララのいるバーデン・バーデンで過ごし
ヨハン・シュトラウス2世他と知り合う。
この年の作品「ピアノ五重奏曲」

曲が書かれた1865年。
2月2日にブラームスの母クリスティーネ死去。
夏:バーデン・バーデンで。
秋からドイツ、スイスを演奏旅行。
生涯の友となる医学者テオドール・ビルロートと知り合う。
この年に作曲された他の作品「弦楽六重奏曲第2番」「チェロ・ソナタ第1番」
「ホルン三重奏曲」。

翌、1866年。
父の再婚。
ドイツ、スイスの演奏旅行。
8月:亡き母への想いを込めた「ドイツ・レクィエム」の作曲。

「ドイツ・レクィエム」を挟み書かれた「ワルツ集」。
「ドイツ・レクィエム」の構想の契機となったシューマンの死。
そしてブラームスの母の死。
勝手な思い入れですが「ワルツ集」には悲痛な心に芽生える
優しさ、慈愛のようなものを感じてしまいます。

初演は1886年3月17日にウィーンのレドゥテンザールに於いて
フラベリー姉妹により行われたそうです。

曲は音楽批評家エドゥアルト・ハンスリックに捧げられたそうです。
ブラームスの良き理解者のハンスリックは
ピアノ4手曲の愛好家でもあったとのことです。
ブラームスからこの曲を捧げられたハンスリックは次のように言ったとのこと。

 「真面目で無口なブラームス、純粋のシューマンの弟子で、北ドイツ風で
  プロテスタントで、シューマンのように非世俗的な男がワルツを書いた」


コンタルスキー兄弟のピアノで聴くブラームスの「ワルツ集」

第1曲は弾むように明るい軽快さと愛らしさに親しみを感じます。

第2曲は柔らかなレントラー風とのこと。
優しい感じで軽快さの中にも心に沁みる旋律。
いかにもブラームスらしい調べのように感じます。

第3曲もレントラー風でシューベルトを想わせるところがあり
広く知られている曲だそうです。
寂寥感が漂う旋律。明るさよりも抒情的で落ち着いた雰囲気です。
お気に入りの一曲になりました。

第4曲。微妙に感じられる情熱的(荒々しさ?)な趣と溌剌とした力強さ。

第5曲。柔らかなレントラー的なところがあるそうです。
第2曲に似て、優しく柔和な旋律。明るい希望、憧れのようなものも感じます。
お気に入りになりました。

第6曲。速く軽快に奏され、高音域からは茶目っ気が感じられるよう。
悪戯っぽい子供をイメージしていしまいます。

第7曲。憂愁の雰囲気が漂う優しい調べ。
途中で情熱的な高揚と穏やかな旋律が交互に現れ、ゆっくりと終わりに。
この曲も心に残ります。

第8曲もレントラー風とのこと。
軽快で無邪気に飛翔をする音符たち。軽やかな雰囲気。

第9曲は独特なリズムと朴訥な雰囲気が印象的です。

第10曲は軽快なワルツ。16曲の中では影の薄い感じもしてしまいます。

第11曲。ジプシー風なところがありこの曲もよく知られているとのことです。
弾む軽快さ。個人的には印象が薄い曲です。

第12曲。穏やかな速度で優雅にも感じられる旋律。
低音域が主になっていて落ち着いた雰囲気でしょうか。

第13曲。前曲の落ち着いた雰囲気から強音での始まり。
力強い躍動感のある旋律。生き生きとしたピアニズム。

第14曲。速くて軽快。溌剌として自由な雰囲気が漂っているようです。
軽快さとともに力強さも印象的。

第15曲。16曲中では最も知られているものだそうです。
歌詞を付けて歌われることもあるとのこと。
静かな優しさ。慈しみ感じさせる柔和さ。
純粋無垢な調べ。
自分の「心の歌」にしたいほど惹かれ、心に染み入る曲。
16曲中では一番、好きな曲。

第16曲。レントラー風で、二重対位法もありブラームスらしい技巧もあるとのことです。
味わいのある旋律。じっくりと耳を傾けたくなる曲です。

一曲一曲の感想を綴っていたら長くなってしまいました。


16曲、各曲とも1分前後の短い曲で、うっかりしていると次曲に。
「ワルツ集」とのことで華麗で軽快なものと想い聴き始めたのですが・・・。
聴いていると、どの曲にも魅力が散りばめられています。
優しく、温もりがあり愛らしくて・・・。
1曲の時間の短さに反比例をして曲の中に多くの「言葉」が
込められているようにも感じます。

このワルツ集は某音楽評論家の解説によると「通俗的」と評されていますが
ブラームスのワルツ集の一曲一曲が「通俗的」の文字を完全否定。

アルフォンス&アイロス・コンタルスキー兄弟の演奏。
明るく生き生きとした息吹で奏され
また、心が寛ぐような演奏を聴かせてくれるようです。
華麗さとは程遠いブラームスのワルツ。
素朴で可憐さが漂うワルツの数々。
演奏の「上手」「下手」などという評価とは一線を引いているように思います。
ブラームスのワルツは心を込めて無心になり演奏をすれば
それが一番素晴らしい演奏かも・・・と思います。
それが例え素人であったとしても。
このワルツ集の魅力はそのようなところにもあるようにも思います。

                  

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ブラームス ワルツ集 ピアノ2手用 アルフォンソ・コンタルスキー アロイス・コンタルスキー

20:40  |  ブラームス  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

2017.05/13(Sat)

Op.387 ブラームス;「交響曲第3番」 by クレンペラー&ニュー・フィルハーモニアO. ~クレンペラー ラスト・コンサート

クレンペラーのラスト・コンサートということで是非、聴いてみたかったディスクです。
このディスクは1972年に引退表明をしたクレンペラーの事実上
最後のコンサートになった1971年9月26日のライヴ録音だそうです。
2枚組の収録曲の中で一番聴いてみたく思っていたブラームス交響曲第3番を。

                  ブラームス交響曲第3番
               クレンペラー ラスト・コンサートより

            クレンペラー・ラスト・コンサート
                        (収録曲)


              ブラームス交響曲第3番 ヘ長調 Op.90

                オットー・クレンペラー指揮
                ニュー・フィルハーモ二ア管弦楽団
        (録音:1971年9月26日 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
                                  モノラル ライヴ)

             第1楽章:Allegro con brio ヘ長調 6/4拍子
             第2楽章:Andante ハ長調 4/4拍子
             第3楽章:Poco allegretto ハ短調. 3/8拍子
             第4楽章:Allegroヘ短調―ヘ長調 2/2拍子


作曲されたのは1883年、ブラームスが50歳の時、夏から秋にかけて
書かれたそうです。
交響曲第2番を完成してから6年振りに書かれた曲とのことです。
ウィーンで生活をしていたブラームスは1883年の5月にウィースバーデンに避暑をし
10月2日にウィーンに帰ったそうです。
ウィースバーデン滞在中の数ヶ月間にほとんど作曲がされていたそうで
ブラームスとしては珍しく速く書き上げられたとのこと。
尚、ウィースバーデンではアルト歌手を志すヘルミーネ・シュピースに惹かれ
恋愛にも似た感情を抱き朗らかで愉しい生活を送ることができたとのことです。

              387ブラームス交響曲第3番 Hans Richter 188年
                     Hans Richter
               (1843年4月4日-1916年12月5日)

初演は1883年12月2日にウィーンの音楽協会ホールで
ウィーン・フィルハーモニーO. の第2回演奏会に於いて
ハンス・リヒターの指揮により行われたそうです。
結果は大成功だったとのこと。
因みに初演された際、聴衆の中にドヴォルザークもいたそうです。

初演を指揮したリヒターはベートーヴェンの交響曲第3番になぞらえ
この曲をブラームスの『英雄』と呼んだそうです。

自分のメモとして寄り道を。Wikipediaを参照しつつ。
ハンス・リヒターは19世紀から20世紀初頭を代表する指揮者。
ウィーン音楽院に学び当初はホルン奏者として活躍した後指揮者に転向。
ハンス・フォン・ビューローに代わりワーグナーの助手を務める。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」初演の合唱指揮者として参加。
1876年、第1回バイロイト音楽祭において「ニュルンべルグの指輪」全曲を初演。
ブラームスの交響曲第2番、3番を初演しブラームスの作品にも造詣が深かった。
ブラームス自身はイン・テンポ気味で音楽を運んでいくリヒターの解釈を
かなり味気なく感じていたとも言われる。
視覚障害により1911年引退。


本題に戻り、この交響曲第3番はブラームスの4つの交響曲の中では
最も男性的で逞しく最も壮大で最も重々しく、英雄的なもの、とのこと。
演奏時間は4曲中、最も短く約36-7分。
この曲で初めてブラームスは交響曲作者として世界的な名声を確保したそうです。



管楽器が上昇する和音を奏し始まる第1楽章。
すぐ続いて悠然と奏されるオーケストラの雄々しい旋律。
これは全曲の基本動機になっているとのこと。基本動機は第1楽章224章節のなかで60回現れるそうです。大きく上昇しているので迫力があり英雄的に感じられることにより、この基本動機は英雄動機と言われているとのことです。

冒頭の基本動機に続いて力強い第1主題が現れ伴奏のトロンボーンが印象的。
ヴァイオリンが奏する穏やかな調べを経て現れる第2主題。
主題を奏するクラリネットの愛らしさ。
展開部に入り開始のトゥッティは楽章中でも印象的に感じます。
コーダでは基本動機と第1主題が姿を見せ悠然と閉じられる第1楽章。
勇壮、雄大 且つ 生き生きとした明るさ
基本動機の多様な変化、変容を興味深く感じる楽章です。

クラリネットとバス―ンが奏する穏やかな第1主題で始まる第2楽章。
平和な穏やかさが満ち溢れているような旋律。
次にヴィオラが奏する基本動機も静かで穏やか。
主題の変奏パートになり音力が上がり穏やかさから雄大さに転じるような趣に。
現れる第2主題は冒頭の第1主題と同様にクラリネットとバス―ンで。
この主題に漂う暗い寂寥感。
寂しげな旋律を奏するヴァイオリンに呼応する木管楽器。
印象的な主題です。
曲想が変わり活気を帯びた旋律に。そして現れる基本動機。
コーダでは束の間の高揚感も。
穏やかに静かに閉じられる第2楽章。
美しい抒情性をも感じる楽章です。

チェロが主奏する美しい調べで始まる第3楽章。
第1部での耳に馴染み深い有名な旋律。甘美な調べ。
第2部では明るさを見せる調べ。
第3部で再び戻る美しい調べ。歌うホルン、繰り返すオーボエ、バス―ン。
弦は豊かな響きを伴いピッツィカートでの伴奏。
美しい調べで終わる第3楽章。

弦楽器とバス―ンが奏する第1主題で始ま第1楽章。
弱音で奏し始められ不安、緊張が漂うような主題。
現れるトロンボーンはあたかも悲劇の始まりの序曲でもあるかのよう。
トゥッティになり闘争的な雰囲気に。
第2主題が現れ闘争的な雰囲気は消え去り明るい旋律に。
闊歩をするような喜ばしい趣に満ち溢れているように感じます。
トランペットも現れ喜びを告げるかのよう。
トゥッティになり激しい曲想に。
重々しさを伴いゆっくりと静か迎える曲の終わり。


じっくりと繰り返し聴くうちに益々お気に入りになった曲。
ショップ・サイトに、ディスクは音源的にあまり良いものではなく・・・ご了承のうえ、お求めくださるようお願いいたします。
との記載がありました。
クレンペラー・ファン(?になってしまったような)の自分にとっては
音質は二の次、とにかく最後に指揮をされた作品を聴くことができると
感慨深い想いを抱きつつ耳を傾けてみました。
音質は・・・音の分離が悪く感じられ確かに音質は良いとは言えず残念に想われます。
ですが、音質を超越し収録当時86歳のクレンペラーが
指揮棒に託したこの曲への想いは伝わってくるように感じます。
演奏が終わった時、聴衆の「ブラボー」という声と拍手。
ディスクが終了し私自身も心の中で「ブラボー」と拍手を。

手元にある他のディスクでクレンペラーがフィラデルフィアO. に客演した際の
クレンペラー&フィラデルフィアO.
1962年10月28日、ステレオ ライヴ録音 も並行して聴いてみました。
「ラスト・コンサート」の方は音の分離の悪さ他が幸いとなり?曲の美しさが
主として印象に残ります。
フィラデルフィアとの演奏では曲想がしっかりと伝わり、生き生きとした明るさや
叙情的な美しさ、寂寥感などが雄弁とした語りの『英雄』として伝わってくるようです。
どちらの演奏も私にとってはかけがえのないクレンペラーの演奏です。


いつもの蛇足。オバサンの井戸端会議。自分のメモとして。

ディスにの収録された1971年9月26日のクレンペラーのコンサート。
当時、86歳の高齢でもクレンペラーの活動は充実し、新しいものに挑戦する姿勢は
若々しい、と形容したいほどだったとのこと。
この1971年はクレンペラーにとって多忙な年だったそうです。
2月にはエルサレムへの客演に備え、ヘブライ語の学習を始める。
5月、恩師マーラーの没後60年記念公演としてロンドンで演奏時間約99分の
マーラーの交響曲第2番「復活」を指揮。
この公演後にエルサレムに向かいコンサート。
9月にロンドンに戻り、9月18日、19日。20日と21日にはレコーディング。
このディスクに収録された9月26日に迎えたコンサート。
このコンサート後には指揮をしていないので、事実上のラスト・コンサート。
この時の演奏曲目。
ベートーヴェン:「シュテファン王」序曲、ピアノ協奏曲第4番
ブラームス:交響曲第3番  とのこと。

多くのレコーディング計画、コンサートもスケジュールが入っていたとのこと。
1972年1月、ロンドンでのブルックナーの交響曲第7番をキャンセルした後に
演奏活動からの引退表明。
同年末にはレコーディング活動からも引退する。
翌1973年にスイス・チューリッヒの自宅で死去。
以上。

                    

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ブラームス 交響曲 クレンペラー ニュー・フィルハーモニアO. ハンス・リヒター

21:05  |  ブラームス  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2017.05/06(Sat)

Op.386 ブラームス:「ヴァイオリン協奏曲」 by ジネット・ヌヴ―;ドヴロウェン&フィルハーモニアO.

この数年来、相も変わらずにブラームスヴァイオリン協奏曲に嵌り込んでいます。
嵌り込む契機になったのは約4年程前に聴いた
オイストラフ;クレンペラー&フランス国立放送O. の演奏でした。
クレンペラーの指揮に目覚め惹かれるようになったのもこの演奏を聴いた時からです。
この演奏を聴く以前の私にとってヴァイオリン協奏曲で一番のお気に入りは
ベートーヴェン。次がブラームスでした。

昔々から大好きだった第3楽章。
今は第2楽章冒頭に惹かれ、以来すっかりこの曲に嵌り込んでしまいました。
と同時に大好きだったベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に入れ替わり
座を占めるようになったブラームス
以来、多々の演奏で聴いてみたくディスクを求め続けています。

いつもお邪魔をさせていただいているブログでジネット・ヌヴ―の演奏による
ブラームスヴァイオリン協奏曲の記事を拝読しました。
ジネット・ヌヴ―は私にとっては未知のヴァイオリ二スト。
ヌヴ―の7枚組 Box にはラームスのヴァイオリン協奏曲が4種収録されて
いるとのことで嬉々として入手をしてみました。
4種のブラームスヴァイオリン協奏曲を聴くことができると想うだけで
聴く前から喜びとドキドキの有様。
Box が届き落ち着いて収録曲を見るとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が
2種収録されていました。
心がときめく出合いの Box です。

                 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
                 ジネット・ヌヴ―・コレクションより

             386:ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ジネット・ヌヴー・コレクション
                        (収録曲)

             ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
             シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.47

                     ジネット・ヌヴ―(Vn)
       (ブラームス)イザイ・ドヴロウェン&フィルハーモニア管弦楽団
       (シベリウス) ワルター・ジュスキント&フィルハーモニア管弦楽団
                (録音:ブラーム 1946年8月16-18日)
                     シベリウス 1945年11月21日)


こちらのヌヴ―・コレクションには1939-49年に録音されたものだそうです。
収録されている4種のブラームスのヴァイオリン協奏曲をメモとして。
ディスク1:上記のもの。
ディスク2:ロジェ・デゾルミエール&フランス国立放送管弦楽団(1948年) 
ディスク3:ハンス・シュミット=イッセルシュテット&北西ドイツ放送交響楽団(1948年)
ディスク4:アンタル・ドラティ&ハーグ・レジデンティ管弦楽団(1949年)


この曲の復習を兼ね以前の記事と重複しますがメモとして。
作曲に着手したのは1878年7月頃だったそうです。
この年の前後はブラームスの創作力が充実していた時期で
大きなスケールの作品が次々と書き上げられていたそうです。
翌1877年には交響曲第2番。
その翌年、1877年にこのヴァイオリン協奏曲が完成したとのこと。

初演は1879年1月1日、ライプツィヒのゲヴァントハウスに於いて
ヴァイオリンがヨーゼフ・ヨアヒム、ブラームスの指揮で行われたそうです。

献呈はヨアヒムに。
ブラームスは終生続いたヨアヒムの友情に報いるために
立派なヴァイオリン協奏曲を作曲して贈りたい、という考えを
抱いていたそうです。

この曲が発表された時にハンスリックが評した有名な言葉。
 「ブラームスとヨアヒムの友情の樹になった良く熟した果実」

この曲を聴いていて思い出すのはサラ=サーテ。
ヴァイオリン独奏部に華やかさを持たせることがなく
苦労をして弾く割りには面白みがない曲、との評価もあるそうです。
曲が発表された当時からだいぶ後になるまで敬遠をされていたとのこと。
サラ=サーテに関するエピソード。
「サラサーテは第2楽章で独奏ヴァイオリンが美しい主題を奏する前に
 オーボエが前もってたっぷりとこの旋律を奏することにクレームを付け
 そんなに長々と待たされるのは我慢できないと言って この曲を弾きたがらなかった」  
とのことです。


さて、今回ヌーヴで4種の演奏、特に第2楽章を主として聴いてみました。
印象に残っているのは4種の中では一番古い1946年録音
イザイ・ドヴロウェン&フィルハーモニア管弦楽団 との演奏です。
気迫や勢い、強靭さ、スケールの大きさが最も強く感じられるようです。
録音年代順にディスク1から4までに収録されているようです。
年代が新しくなるほどにヌヴ―のヴァイオリンに柔らかさや大らかさが
感じられるように思いました。

第2楽章では長い冒頭のオーボエの調べが続いた後に
奏し出される独奏ヴァイオリン。
ソット・ヴォーチェそのもののように、弱く小さく静かに歌い始めるヴァイオリン。
ヌヴォ―は哀感のある美しい調べを客観的な感覚で捉えているように感じられます。
ヌヴ―のヴァイオリンはブラームスの心情(自分で勝手に想像)に迫るかのように
静かに美しく歌い上げているように耳に、心に響きます。

ブラームスでハッとしたもの束の間。
次曲のシベリウスでもまた、ヌヴ―のヴァイオリンにハッとするものがありました。
「シベリウスのヴァイオリン協奏曲って、こんなに良かった?」と自問を。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲は特に好きと言える作品の仲間には
入らなかったのですが・・・・。
この曲に初めて好感を抱き他のいろいいろな演奏を聴いてみたい
との想いを抱くキッカケを与えてくれたヌヴ―です。

ブラームスからシベリウスへ、ヴァイオリン協奏曲からソナタへと話が逸れますが。
ディスク2 に収録されているブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番。
ブラームスのヴァイオリン・ソナタでは一番のお気に入りの曲。
ピアノのジャン=ポール・ヌヴーはジネットの兄上だそうです。
ヌヴ―で聴く第3番の所為でしょうか
それともお気に入りの曲だからでしょうか
心に染み入るソナタ第3番に久しぶりに出合うことができたように想います。

先日、ブラームスのヴァイオリン協奏曲がお目当てで求めた
フランチェスカッティの超廉価盤Box。
楽しみにしていたフランチェスカッティ&ユージン・オーマンディ&フィラデルフィアO.
のブラームス。
安堵感を抱いて耳を傾けていられるフランチェスカッティ。
冒険心(?)を感じさせるようなヌヴ―。
対照的なヴァイオリニストのようにも感じます。

ヌヴ―の Box を駆け足のように聴いてきましたので
これからゆっくりと耳を傾けたく思います。


蛇足。いつものオバサンの井戸端会議。メモとして。
未知のヌヴ―でしたがショップ・サイトの記事他を参照しつつ。
ジネット・ヌヴ― 1919年8月11日-1949年10月28日 
大西洋アゾレス諸島で飛行機事故により逝去。29歳。

ヌヴ―は母親がヴァイオリン教師、父親もヴァイオリンを嗜む音楽一家に生まれたそうです。
1930年(11歳)。パリ音楽院卒業
1931年、ウィーンのコンクールに参加。ヴァイオリニストのカール・フレッシュ教授に才能を見いだされ、4年間、フレッシュの指導を受ける。
1935年(15歳)。ワルシャワでのヴィエニヤフスキー国際ヴァイオリン・コンクールに出場。
第1位入賞。因みにこの時のコンクールでダヴィッド・オイストラフ(当時26歳)は2位入賞とのこと。
1936年にニューヨーク、1938年にベルリンでデビュー。一躍スターに。
ヴァイオリニストとしてのキャリアの最初に演奏をしたのがハンブルクに於いてのブラームスのヴァイオリン協奏曲だったそうです。
その後、第二次世界大戦の勃発。 大戦中は演奏活動を中断。
フランスに平和が戻り1歳年上の兄ジャン=ポール・ヌヴ―のピアノ伴奏にて演奏活動を開始。
1949年10月20日、パリでのリサイタルがヌヴーの最後の演奏会に。
1949年10月27日、兄のジャンと共に3度目のアメリカ演奏旅行に向けて旅立つ。
搭乗していた飛行機が大西洋アゾレス諸島の主島サンミゲル島の山中に墜落。
乗員と48名の乗客全員死亡。
ヌヴーの遺体は、発見された時に愛器ストラディヴァリウスを両腕に抱え込むようにしていたと伝えられる、そうです。


                  

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ヌヴ― フィルハーモニーO.

20:25  |  ブラームス  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

2017.03/11(Sat)

Op.378 ブラームス:「ピアノ三重奏曲第3番」 by ボザール・トリオ

ベートーヴェンのピアノ三重奏曲に惹かれている昨今。
ふと、ブラームスのピアノ三重奏曲を聴いてみたくなりました。
初めて聴く第3番。
演奏はボザール・トリオです。


               ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番
             ボザール・トリオ フィリプス録音全集より

               
          378;ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番 ボザール・トリオ
                       (収録曲)
            ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 Op.8
                    ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調 Op.101

                      ボザール・トリオ
                   メヘナム・プレスラー(P)
                   イシドア・コーエン(Vn)
                   バーナード・グリーンハウス(Vc)
                      (録音:1986年)


           第1楽章:Allegro energico ハ短調 3/4拍子
           第2楽章:Presto non assai ハ短調 2/2拍子
           第3楽章:Andante grazioso ハ長調 3/4、2/4拍子の混合
           第4楽章:Allegro molto ハ短調 6/8拍子


この曲はブラームスが1886年5月から秋までスイスのトゥーン湖畔に
滞在していた際に作曲されたそうです。
この年、ブラームス53歳頃でしょうか。
因みに11月には弟のフリッツが逝去とのこと。

当時のブラームスの備忘録によるとこの滞在中に歌曲、合唱曲や
「チェロ・ソナタ第2番」、「ヴァイオリン・ソナタ第2番」とともに
ピアノ三重奏曲が完成されたそうです。

ブラームスは1886年からの3年間、毎夏をスイスの雄大な風景に囲まれた
トゥーン湖の畔のホーフシュテッテンで避暑をしたそうです。
トゥーンの滞在中には多くの室内楽作品が作曲されたとのことです。
トゥーン滞在中にブラームスは週末ごとにベルンの親友ヴィットマン宅に行き
室内楽のアンサンブルを楽しむことが常だったそうです。
ブラームスは室内楽にかなり魅力を感じていたとのこと。
トゥーンでの最初の避暑を過ごした1886年に作曲されたピアノ三重奏曲第3番。
この年はブラームスにとっては悲しみも悩みもない愉しい幸福な時期だったそうです。
生涯のうちで最も精力的に創作活動を続けることができた年でもあったとのことです。

私的初演は曲の完成後、間もなく親友のヴィットマン宅で行われたそうです。
公開初演は1886年12月30日にブダペストにおいて
イェーネ・フバイのヴァイオリン、ダーヴィト・ポッパーのチェロ
そしてブラームス自身のピアノで行われたそうです。


ボザール・トリオで聴くブラームス、ピアノ三重奏曲第3番

激しく力強い第1主題で始まる第1楽章。
ピアノは渾身の力を感じさせるような打鍵。
弦の力強さ。
そのうちにピアノと弦楽器で刻まれる切れの良いリズム。
闊歩するような趣のリズムが印象に残ります。
第2主題になり弦が奏する穏やかな歌のような調べ。
寄り添うように伴奏をするピアノ。
調べには流麗さも。
静かに奏された後に力強い和音で閉じられる楽章。

第2楽章はスケルツォに相当するとのことです。
ピアノと弦楽器とが急いたように奏され始まる第1部。
リズミカルな感じの中にも仄暗さを感じさせるピアノ。
第2部でピアノに郷愁を感じさせるかのような趣も。
中間で弦が奏する茶目っ気を感じさせるユーモア。
あたかも照れ隠しのような意外性を感じるユーモアです。
静かに閉じられる第2楽章。

第3楽章の拍子は3/4拍子と2/4拍子が混合したものになっているとのことです。
ヴァイオリンがチェロを伴奏に穏やかに奏されて始まる第3楽章。
柔和な調べ。
調べは弦楽器たちからピアノへと移り繰り返され。
再び現れる旋律はヴァイオリンを主奏にチェロの伴奏で穏やかに。
繰り返すピアノはトリルで装飾的に花を添えているよう。
柔和に語り合うピアノと弦楽器たち。
雰囲気に少し明るさが現れ語り合うピアノと弦楽器たち。
再現部は回想にように感じられるものがあります。
静かに奏され曲の終わりかと思っていると
強音で和音が出され凛とした趣で第3楽章の終わりに。
第1楽章と同じような楽章の終わり方に決意のような意志力を感じます。

ヴァイオリンは軽快に、ピアノは活発に奏されて始まる第4楽章。
力強さ、激情が混沌とした雰囲気のようにも感じられるこの第1主題。
ピアノのアルペッジョに乗り奏される弦楽器。
第2主題ではピアノは柔和に。
スタッカートで始まる展開部では活気が感じられます。
ピアノと弦楽器が奏する情熱的な世界を経て
明るく始まるコーダ。
弦楽器たちは歌を歌うかのように伸び伸び。
冒頭、第1主題の激しさがピアノと弦楽器で奏され
渾身の力強さを感じさせつつ締めくくられる曲。


力強く雄大な趣を感じる曲。
3つの楽器だけにも拘らず大きなスケールを感じてしまいます。
旋律に支配をされグイグイと引き込まれ
旋律の進行に捕らわれているうちに曲が終わってしまいました。
ブラームスの曲を聴いているとつい季節に例えたくなってしまいます。
この曲は真夏、灼熱の夏を連想してしまいます。
しみじみ・・・とは無縁の世界がこの曲に拡がっているように感じられます。

ボザール・トリオの演奏を耳にすると常にプレスラーのピアノに
耳を奪われてしまいます。
ピアノが主人公なのですからピアノの存在が大きいのは
当然と言えば当然なのですが。
この曲でもプレスラーのピアノに自然に惹き込まれてしまいます。
此処で聴かせてくれる活き活きとしたピアニズム。
強音での力強さには渾身の力を感じます。
エネルギッシュな打鍵。
アルペッジョが活躍する第4楽章でのプレスラーのピアノもまた印象的。
ボザール・トリオの演奏は情熱的な雰囲気に満ち華麗さをも感じさせるようです。

プレスラーは1955年に結成されたボザール・トリオの結成者で
プレスラーただ一人が交替することなくトリオを支えてきたそうです。
今のところメンバーではヴァイオリンのコーエン、チェロのグリーンハウスとの
トリオの演奏が気に入っています。

                  

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

20:12  |  ブラームス  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2016.12/03(Sat)

Op.364 ブラームス:「弦楽五重奏曲第2番」 by ジュリアード弦楽四重奏団

ジュリアード弦楽四重奏団の演奏が気に入り
ブラームスの弦楽四重奏曲に続いて弦楽五重奏曲を聴いてみました。
第1番は嘗て聴き春の雰囲気を感じさせるお気に入りの曲。
第2番は初めて聴く曲です。

              ブラームス弦楽五重奏曲第2番
                ジュリアード弦楽四重奏団
          ブラームス:弦楽四重奏曲、五重奏曲全集 他より

        
      363:ブラームス:弦楽四重奏曲第3番 ジュリアードSQ
                       (収録曲)

             ブラームス弦楽五重奏曲第1番 ヘ長調Op.88
                    弦楽五重奏曲第2番 ト長調Op.111        

                  ジュリアード弦楽四重奏団
                   ロバート・マン(Vn)
                   ジョエル・スミルノフ(Vn)
                   サミュエル・ローズ(Vla)
                   ウォルター・トランプラー(2nd Vla)
                   ジョエル・クロスニック(Vc)
                      (録音:1995年5月)

     
       第1楽章:Allegro non troppo, ma con brioト長調 9/ 8拍子
       第2楽章:Adagio ニ短調 2/4拍子
       第3楽章:Un poco Allegretto ト短調 3/4拍子
       第4楽章:Vivace ma non troppo presto ト長調 2/4拍子


ブラームスは1889年、56歳の春に好きなイタリアに8回目の旅行をし
帰ってからはお気に入りの地、バート・イシュルに落ち着いたそうです。
イシュルにおいてこの弦楽五重奏曲第2番の作曲に着手。
曲は1890年9月末までには完成されていたとのことです。
ブラームスはヴィオラを愛好していたとのことで
第1番同様にこの第2番でもヴィオラ2艇の構成になっているそうです。

因みに1885年にブラームスは交響曲第4番を完成した後に
交響曲第5番の構想を練っていたそうですが実現せずに
その代わりにこの弦楽五重奏曲が書き上げられたとのこと。

この作品は晩年のブラームスが老齢の精力を使い果たして
書き上げたものだそうです。
書き上げてからはブラームスは自分の創作力が尽き果てたと考え
大曲を作曲しないと、決心をしたとのこと。
そしてこれまで書いた作品で未完成のものを完成させたり
完成しているものを改訂したりして創作的努力を必要としない仕事を
したそうです。
また、死の予感をし遺言状までも書いたとのことです。

初演は1890年11月11日にウィーンにおいてローゼ弦楽四重奏団を中心に
行われたそうです。

寄り道をしてブラームスの年表を。メモとして。
この曲の作曲の1889年から。
1889年(56歳):ブラームスはハンブルクの名誉市民になる。
          4月に第7回目のイタリア旅行。夏をバート・イシュルで過ごす。
          弦楽五重奏曲第2番の作曲。
1890年(57歳):春に第8回目のイタリア旅行。夏をバート・イシュルで過ごす。
          弦楽五重奏曲第2番の完成
          秋に遺言書を作成。
1891年(58歳):夏、バート・イシュルに滞在。
          新たに遺言書作成。
          「クラリネット三重奏曲」作品114
          「クラリネット五重奏曲」作品115を作曲
1893年(60歳):ウィーンでの60歳の誕生日を祝う式典を避け最後のイタリア旅行。
          夏、最後のバード・イシュル滞在。 
1896年(63歳)5月20日:クララ・シューマン死去。
          ブラームス、バート・イシュルに戻り肝臓癌発病。
          「4つの厳粛な歌」作品121を完成。
          「オルガンのための11のコラール前奏曲」
1897年(64歳)4月3日朝:ブラームス死去。4月6日にウィーンの中央墓地に埋葬。


ジュリアード弦楽四重奏団で聴く弦楽五重奏曲第2番。

チェロが奏する第1主題で始まる第1楽章。
活発で明朗な趣を感じさせる第1主題
他の楽器たちは音符を短く奏しつつチェロの伴奏を。
主題はチェロからヴァイオリンに。
2つのヴィオラが奏する第2主題の登場。
第1主題の明るい雰囲気はゆったりとした優雅な趣に。
愛らししい旋律を歌うヴァイオリン。
楽章の終わりは活発に奏されつつ。
穏やかな抒情的な旋律が全体に漂いつつも
活き活きとした雰囲気の楽章。

ヴィオラが奏する調べで始まる第2楽章。
沈鬱な雰囲気が漂っているようです。
ヴィオラからヴァイオリンに移り変奏のように。
相変わらず漂う不安気で沈鬱な趣。
調べは次第に弱く静かに。
楽器たちは疲弊したような歩みを奏するかのよう。
そして消え入るような弱音に。
一転して再び元に戻り束の間の高揚感。
沈鬱な旋律を奏するヴァイオリン。
暗く重く奏される主題。
沈鬱に静かに閉じられる第2楽章。

第1ヴァイオリンが奏する旋律で始まる第3楽章。
明るさと悲哀感が混在しているような調べ。
ヴァイオリンとヴィオラの対話が耳を惹きます。
現れる流麗な旋律。
楽章の終わりに近付き現れる冒頭に旋律。
ゆっくりと静かに溜め息をつくかのように閉じられる第3楽章。

駆け巡るような忙しげな主題で始まる第4楽章。
活発な躍動感。明るい旋律。
音を切り込むような鋭角的な旋律が奏され楽章の盛り上がりに。
多々に変容する主題。
テンポを速めて目まぐるしく闊達に迎える曲の終わり。


弦楽五重奏曲第1番に漂う春のような雰囲気。
第2番では春の明るさに情熱的な雰囲気も感じられます。
第2楽章に漂う沈鬱さは曲の中では異種のようにも伝わります。
諦観のような趣でしょうか。
第1番はブラームスが第3回目のイタリア旅行の後の1882年、49歳の時に書かれ
第2番もまたイタリア旅行の後に書かれた曲。
第1番の方が親しみを感じますが、第2番も数回聴いているうちに親しみを感じる曲。
ブラームス最晩年のこの曲にも春の明るい雰囲気を感じます。

ジュリアード弦楽四重奏団でブラームスの室内楽を聴いている日々。
弦楽四重奏響と同様に五重奏曲にも
曲、また演奏に好感を抱いています。
第1楽章での第1ヴァイオリンの抒情的な調べは歌のようで
この曲の中では印象に残ります。
明確、明瞭に語られる 「言葉」のようなものを感じる演奏のように思われます。

                 

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ブラームス 弦楽五重奏曲 ジュリアード弦楽四重奏団

19:40  |  ブラームス  |  TB(0)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |  NEXT