2014.04/19(Sat)

Op.238 マルチェッロ:「オーボエ協奏曲」 by ハインツ・ホリガー&イ・ムジチ合奏団

時々、とても聴きたくなるバロック音楽。
アルビノーニマルチェッロの有名な第2楽章アダージョ楽章を収録したディスクは
嘗ての愛聴盤でした。
ですが、作品の全曲を聴くこともなく
また、本来のオーボエの演奏で聴くこともなく
年月が過ぎ去りました。

アルビノーニマルチェッロそしてヴィヴァルディの作品が収録された
オーボエ協奏曲集を聴いてみました。
演奏はハインツ・ホリガーのオーボエ そして イ・ムジチ合奏団
懐かしい名前です。



                  マルチェッロオーボエ協奏曲

                オーボエ協奏曲集:ホリガー&い・ムジチ

                         (収録曲)


          アルビノーニオーボエ協奏曲ニ短調Op.9-2
                  2つのオーボエのための協奏曲ヘ長調Op.9-3
          マルチェッロオーボエ協奏曲ニ短調
          アルビノーニオーボエ協奏曲ト短調Op.9-8
                  2つのオーボエのための協奏曲ハ長調Op.9-9
          ヴィヴァルディ:オーボエ協奏曲ハ長調RV.446

                    ハインツ:ホリガー(Ob)
                    イ・ムジチ合奏団

                   (録音:1967-86年)

 
        第1楽章 アンダンテ・エ・スピッカート 二短調 4分の拍子
        第2楽章 アダージョ 二短調 4分の3拍子
        第3楽章 プレスト 二短調 8分の3拍子



ヴェネツィア生まれのアルビノーニマルチェッロヴィヴァルディ
アルビノーニの華麗で軽快な曲で始まるこのディスク。
どの作品も耳に快い旋律で爽やかさを感じさせてくれるようです。

3人の作曲家のオーボエ協奏曲を聴き
アルビノーニのような華麗さやリズミカルさとは対照的な趣を感じさせる
アレッサンドロ・マルチェッロの作品がお気に入りになりました。


              238:オーボエ協奏曲集 Alessandro Ignazio Marcello
                 Alessandro Ignazio Marcello
                (1673年2月1日-1747年6月19日)


このディスクの収録曲からマルチェッロを中心に。
原作者のアレッサンドロ・マルチェッロはヴェネツィア貴族の出身だそうです。
弟のべネデットと共に父であるアゴスティーノから
ヴァイオリンの教育を受けたとのことです。
彼は幼い頃から学問や芸術に才能を現したそうです。
いろいろな楽器を弾き、歌も上手であり、詩を書き、絵を描き、哲学や数学にも
造詣が深かったそうです
彼はヴェネツィアの自分の家で毎週、自作品の演奏会を催したとも
言われているとのこと。
その一部はエテリオ・スティンフォリーコという名前で出版されたそうですが
今日まで伝わる作品は実際に作曲された作品のごく一部にすぎないもの
と推測されるようです。

今更、改めて綴ることでもないのですが
このオーボエ協奏曲の第2楽章が映画「ヴェニスの愛」の主題曲として使われてから
広く知られるようになったとのこと。
映画を観たことはないのですが
この旋律は馴染み深く、久しくお気に入りになっています。

マルチェロの作品に最初に目を留めた一人がJ.S.バッハだったそうです。
この曲をバッハは調性を二短調に保ちチェンバロ独奏用に編曲したのが
BWV974 とのことです。
第2楽章に装飾音を豊かに加えたものだそうです。

この作品は演奏に際してハ短調 及び 二短調による両方があるそうです。
また作曲者名がアレッサンドロの弟のべネデット・マルチェロとされることも
あったようです。
この2つの事柄は作品が現代に甦るまで辿った複雑な経緯によるとのことです。
気に入った作品の誕生物語に興味を抱き、以下備忘録的に。

服部幸三氏の解説によると
この作品が協奏曲として世に甦る発端となったのは
1923年にボンのR.フォルベルク社から出版されたV.R.ラウシュマン校訂の
エディションであった、とのことです。
ラウシュマンは原作そのものを校訂出版したのではなく
バッハのチェンバロ独奏用のアレンジから辿り
それをオーボエ協奏曲に復元する試みを行ったそうです。
ラウシュマンの校訂版はオーボエ、弦4部およびチェンバロの構成に
なっているとのこと。
調性に関してラウシュマンは二短調からハ短調に移し
原作者をべネディット・マルチェロとして発表した、とのことです。
この校訂の結果、原作の調性と作曲者名についての混乱が発生したそうです。
1730年頃 及び 1717年頃の出版を通してこの混乱が鎮静し
原作の調性が二短調であり、作曲者がアレッサンドロ・マルチェッロであることが
疑いのない事実になった、とのことです。
因みに
調性をハ短調に移すことにより
弦の音色はやや暗くなるが、オーボエの表情は豊になる、とのことです。

ラウシュマンの校訂版は音楽の世界に喜んで迎えられ
ステージを賑わすことになったそうです。


第1楽章から落ち着いた調べで始まり
ホリガーのオーボエも渋味を帯びた音色で素朴に歌っているようです。
そして有名な第2楽章。
何年経っても、何回聴いても印象に残る有名な楽章。
抒情性を湛えた哀愁の旋律は一度聴いたら忘れられず
心に刻み込まれる魅力がありますね。
第3楽章では躍動感をもって歌い出すオーボエ。
終始軽快に奏され曲の盛り上がりを感じさせる楽章でしょうか。


アルビノーニ、ヴィヴァルディの作品も魅力的。
かの指揮者、ベルンハルト・パウムガルトナーは
アルビノーニの研究でも知られているそうです。
パウムガルトナーは優れたオーボエ協奏曲が書かれたことについて
当時、ヴェネツィアに優れたオーボエの名手がいたためだろう、と
推測をしているとのことです。
アルビノーニ、ヴィヴァルディやべネデット・マルチェッロに限らず
この時期のヴェネツィアの作曲家たちはオーボエのために優れた作品を
多く残しているそうです。


3人のヴェネツィアの作曲家の作品を聴き
思い浮かべるのはいつも通る公園の一コマです。
この時期、美しく咲いている色とりどりの花々の傍で
幼い子供が砂場で戯れる姿が目に入ります。
各作品はその一コマに似つかわしい作品たちでしょうか。
特にアルビノーニはピッタリの雰囲気のように感じられます。

室内にこれらのオーボエ協奏曲が流れていると
音符たちが楽しげに踊っているようで
気分も軽やかになるようです。

ホリガーが紡ぎ出すオーボエの音色は表情豊かに耳に届いてきます。
オーボエを見事に引き立てているイ・ムジチ合奏団
聴いていて清々しい演奏。
日常、流れ行く時間に彩りを添えてくれる作品たちであり
演奏のように感じられます。 


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2010.01/28(Thu)

Op.24 イタリア・バロック・ヴァイオリン協奏曲集 by カルミニョーラ

              イタリア・バロック・バイオリン協奏曲集 カルミニョーラ

           イタリア・バロック・ヴァイオリン協奏曲集

          ドメニコ・ダッローリョ:ヴァイオリン協奏曲ハ長調
          ミケーレ・ストラティコ:ヴァイオリン協奏曲ト短調
          ピエトロ・ナルディーニ:ヴァイオリン協奏曲ト長調
          アントニオ・ロッリ:ヴァイオリン協奏曲ハ長調 op.2a-2
           
              ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
              アンドレア・マルコン
              ヴェニス・バロック・オーケストラ
               (2009.3.13 セッション録音)

 

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一昨日、ミュージック・バード「ニュー・ディスク・ナビ」で紹介された新譜ディスクのOA。
発売より一足早く聴くことができました。
先月のレコード芸術誌でも紹介されていたディスクです。
レコ芸誌「新譜月評」を読みまして、「聴いてみたい」と思うディスクは毎月2-3枚程度です。
数少ないのですが、そのうちの一枚です。

カルミニョーラを初めて聴きましたのは
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲にハマり込みCD収集をしていた3年位前でしょうか。
ヴァイオリン協奏曲全集でカルミニョーラ、1997年第1回目録音のパジェット・プライス盤を見つけ、早速購入しました。
勿論、彼のヴァイオリン演奏がどのようなものであるかも知らずに。
いかにも私らしい理由で購入・・・価格が財布に優しいこと!。

いざ、聴きまして・・・初めてモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3・5番(スーク&プラハ室内O.)を聴きましたのが、云十年前に購入したLPでした。
その時に抱きましたヴァイオリン協奏曲を完全に打ち消してしまう演奏でした。
驚くと同時に、それがまた魅力ともなりました。
これをキッカケにカルミニョーラは注目するヴァイオリニストに。
演奏テクニックとか難しいことは全く解りませんが・・・あくまでも、自分の感性だけでのお気に入りです。

その後、カルミニョーラの第2回目録音(アバド&モーツァルト管弦楽団)のモーツァルトヴァイオリン協奏曲全集に不運(?)にも出会ってしまい、またまた全集を購入する羽目に。
第1回目録音よりも、また更に・・・愛聴盤になってしまいました。

切れ味が鋭く、感情移入のなく モーツァルトらしさを感じさせない(?)演奏が気に入りました。
バロック・ヴァイオリンに目覚めさせられた張本人がカルミニョーラだったように思います。

そして、今回リリースされましたこちらのイタリア・バロック・ヴァイオリン協奏曲集。
北イタリア出身のヴァイオリニスト、作曲家の後期バロック作品。
ダッローリョ、ストラティコそして ナルディーニの3曲は世界初録音ということが、このCDの目玉商品?でしょうか。

歌崎和彦氏はレコ芸誌上で 
「ナルディーニ以外はよほどのバロック音楽ファンでもその名を知らない人たちだろう」
とお書きになられていらっしゃいますが、
バロック音楽ファンでもなく、ましてやナルディーニですら私は知らない有様です。

4人の作曲家につきまして、ミュージック・バード、番組担当の山崎浩太郎氏の説明(発売元のユニバーサルの説明そのままで)によりますと

ドメニコ・ダッローリョ は、パドヴァ生まれ。
ヴィヴァルディやタルティーニに師事し、
パドヴァの聖アントニオ大聖堂のヴァイオリニスト。

ミケーレ・ストラティコ は、タルティーニの弟子であり友人であったヴェネツィアの貴族。

ピエトロ・ナルディーニ は、タルティーニに学び、シュトゥットガルト宮廷楽長を歴任
名手として名高いヴァイオリニスト。

アントニオ・ロッリ は、シュトゥットガルトの宮廷楽団のヴァイオリニスト。
とのことでした。

第1曲目、ダッローリョから第4曲目のロッリまで、
当然のことながら、バロックの薫り高く・・・いつ聴いてもカルミニョーラは活き活き、躍動的で。
時として、バロック音楽には退屈をしてしまうのですが・・・それは、杞憂に終わりました。

やっぱり、イタリアは良い!本当に良い!!ですね~行ったことはないのですが。

こちらのディスクに対する岩井宏之氏の評価は、
「北イタリアのヴァイオリン音楽のかつての栄光を、
 一般の音楽愛好の士にも広く再評価してもらおうとするマルコンと
 カルミニョーラの強い意志、ほとんど執念ともいうべきものが、
 首尾一貫して流れている。」
というものでした。

イタリア、大 大 大好き人間には、たまらないディスクになりました。
レコード芸術誌で紹介をされていても、滅多に購入意欲は湧かないのですが、
こちらのディスクは例外のようです。
 


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タグ : レコード芸術 ミュージック・バード カルミニョーラ イタリア・バロック ヴァイオリン協奏曲

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