2015.07/04(Sat)

Op291 ハイドン:「チェロ協奏曲第1番」 by デュ・プレ;バレンボイム&イギリス室内O.

前回、ハイドンチェロ協奏曲第2番を聴きとても気に入りました。
続いて第1番を聴いてみることにしました。

デュ・プレのチェロ、バレンボイム、イギリス室内O. の演奏です。


               The sound of Jacline du Pre より
                 ハイドンチェロ協奏曲第1番


                  291:ハイドン:チェロ協奏曲第1番デュ・プレ

                        (収録曲)

              ハイドンチェロ協奏曲第1番ハ長調
              ゲオルグ・マティアス・モン:チェロ協奏曲ト短調
              ボッケリーニ:チェロ協奏曲変ロ長調~第1楽章  他

                  ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)
                  ダニエル・バレンボイム指揮
                  イギリス室内管弦楽団

                 (録音:1967年4月17日 ロンドン
                     アビーロード・スタジオ)


               第1楽章:モデラート ハ長調 4/4拍子
               第2楽章:アダージョ ヘ長調 2/4拍子
               第3楽章:アレグロ・モルト ハ長調 4/4拍子


作曲されたのは1765年から67年だそうです。
この第1番は貴族の文庫で200年近く眠っていた作品とのことです。
陽の目を見たのは、1961年。
チェコの音楽学者O.プルケルトがプラハ国立博物館でハイドン時代の
筆写パート譜を発見したそうです。
ケルンのハイドン研究所が信憑性の高い筆写楽譜であると判定したとのこと。
また、冒頭主題をハイドン自身が「草案作品目録」に記載をしていることから
ハイドンの真作のチェロ協奏曲であると実証されたそうです。

作曲年については、「草案作品目録」によりハイドンの初期にあたる1760年代の
作品と推定されるそうです。
円熟期に作曲された第2番に比べ
この第1番はハイドンの初期の協奏曲を代表する作品とのこと。

曲は1761年から69年にかけてエステルハージ侯爵家のオーケストラで
活躍したチェロ奏者のヨーゼフ・フランツ・ヴァイグルのために作曲されたそうです。

出版は1962年に前述のチェコの音楽学者プルケルトの校訂により
プラハのSHV社より。

この第1番が脚光を浴びるようになったのは
1962年5月19日、「プラハの春音楽祭」において復活初演されたことが契機に
なったそうです。
チェロはミロシュ・サードロ、チャールズ・マッケラス指揮
チェコスロヴァキア放送交響楽団の演奏。



第1楽章は明快な旋律での始まり。
オーケストラでの全合奏で奏されるリズミカルで明るいこの第1主題。
第2主題での優美な歌のような旋律。
親しみを感じさせる第1主題と第2主題。
オーケストラが奏する第1主題、第2主題を経て独奏チェロの登場。
チェロが弾力を感じさせつつ奏する第1主題。
展開部での弦楽器とチェロの伸び伸びとした応答。
オーケストラの愛らしい調べが印象的。
カデンツァでは独奏チェロの独りごとに耳を傾けつつ
楽章は終わりに。

優美な旋律に始まる第2楽章。
この楽章は独奏チェロと弦楽のみによる演奏とのことです。
優雅に歌う弦楽の後に続く独奏チェロ。
チェロと弦楽器が歌う調べに漂う抒情性に惹かれるばかりです。
ゆったりと流れ行く調べ。
中間部での厳かな趣も魅力的です。
穏やかさが漂うカデンツァ。
そして静かに閉じられる楽章。
日常の喧騒を忘れさせてくれる魅力的な楽章のように感じます。
お気に入りの楽章になりました。

快活に始まる第3楽章。
生気が漲っているようです。
独奏チェロも躍動するような活き活きとした趣。
躍動感があり溌剌と進む旋律。
曲の終わりは快活に。


こちらのデュ・プレの4枚組は全曲収録されているものと
抜粋が混じっている廉価盤です。
デュ・プレの演奏を意識をして耳を傾けるのは初めてです。
お目当てはシューマンのチェロ協奏曲でしたが・・・。
ハイドンのチェロ協奏曲第1番は幸い全曲が収録されていました。

デュ・プレのチェロ、初めは少々、受け入れ難い感じがしてしまいました。
じっくりと耳を傾けているうちに次第に好感を抱き始めました。
このハイドンの曲では力強さを感じさせられるようで
また、伸び伸びとした演奏も快いものがあるように思います。

ハイドンの2曲のチェロ協奏曲を聴き、どちらも親しみ易く
お気に入りになりました。

                  にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ハイドン チェロ協奏曲 デュ・プレ バレンボイム イギリス室内管弦楽団

19:38  |  ハイドン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2015.06/27(Sat)

Op.290 ハイドン:「チェロ協奏曲第2番」 by フルニエ;クーべリック&フィルハーモニアO.

前回はドヴォルザークのチェロ協奏曲
前々回がシューマンのチェロ協奏曲と続いてきました。
チェロ協奏曲を聴くシリーズのスタート?

過日、ドヴォルザークのチェロ協奏曲にお寄せいただきましたコメントを拝読し
ハイドンチェロ協奏曲を聴いてみたくなりました。
演奏はドヴォルザークのチェロ協奏曲と同様で
フルニエのチェロ、クーべリックフィルハーモニアO. です。

こちらのフルニエの7枚組のBOXに収録されている曲には
初めて聴き、お気に入りになった作品もあります。
古い録音ばかりなのですが、まったく不満を感じることなく
最近出合って以来、愛聴しているBOXの一つになっています。
今まで、フルニエの演奏を耳にしてはいたのですが
最近はその演奏に何故か心を打たれるようになってきました。


              ピエール・フルニエ・EMIレコーディングスより
                   ハイドン:チェロ協奏曲第2番


                 (289)ドヴォルザーク:ピエール・フルニエEMIレコーディングス

                         (収録曲)

              ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.Vllb2
              シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
              シューマン:幻想小曲集 Op.73
              プーランク:チェロ・ソナタ

                  (録音:1951年5月26-7日
                      ロンドン アビーロード・スタジオ)


               第1楽章:モデラート ハ長調 4/4拍子
               第2楽章:アダージョ ヘ長調 2/4拍子
               第3楽章:アレグロ・モルト ハ長調 4/4拍子


作曲されたのはハイドンがエステルハージ候に仕えていた時で
自筆楽譜によると1783年、51歳の時だそうです。
ハイドン全集のチェロ協奏曲篇を校訂したソーニア・ゲルラッハによると
ハイドンが作曲したチェロ協奏曲は2曲とのことです。

ハイドンのこのチェロ協奏曲第2番は
シューマンやドヴォルザークのチェロ協奏曲と共に
「三大チェロ協奏曲」と呼ばれているそうです。

曲はエステルハージ侯爵家のオーケストラで1778年から90年にかけて
活躍をしていたボへミヤのチェロの名手、またハイドンを作曲の師としていた
アントン・クラフト(1752-1820年)のために作曲されたそうです。

出版はパート譜として1803年にパリのヴェルナイ社から。
1890年に改編版がライプツィヒのブライトコップ・ウント・ヘルテル社から出版
されたそうです。

                 290ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ジュヴェール
                 François-Auguste Gevaert
              (1828年7月30日-1908年12月24日)

この改編版はベルギーの作曲家兼音楽学者のF.A.ジュヴァールが
オーケストラにフルート、クラリネット、バス―ン各2本を加えて編曲したそうです。
この改編版は今日でも用いられることがあるそうですが
近年ではオリジナル版で演奏される傾向が強くなってきたとのこと。

因みにフルニエのディスクのブックレットには
ジュヴェール編曲、との記載がありました。

             
弦楽器の優雅で親しみを感じさせる旋律で始まる第1楽章。
この第1主題の美しく親しみ易い旋律。
曲の始まりから惹かれてしまいます。
第2主題もまた美しい歌のような旋律。
主人公の独奏チェロが軽やかに美しく奏でる調べ。
音程を低くした独奏チェロとオーボエとの語り合いも印象に残ります。
雄弁に大活躍をする独奏チェロ。
カデンツァになりしっとりとチェロが歌うパートでは
束の間、自分の心の世界に浸ってしまったり。
カデンツァが終わり軽やかなオーケストラの調べで閉じる楽章。
爽やかな歌の楽章でしょうか。

緩やかで優しい調べで始まる第2楽章。
子守歌を連想してしまうような主要主題。
独奏チェロが歌う抒情的な歌。
心に染み入る調べ。
静かに奏され優しく、柔和な旋律。
心が落ち着きます。和みます。
懐かしさを感じてしまう調べです。
静かに終わる第2楽章。

愛らしく軽快な独奏チェロが奏するロンド主題で始まる第3楽章。
爽やかさを感じる主題です。
生き生きと語るチェロ。
重音奏法の部分では力強さや緊張感も。
オーケストラが休み、独奏チェロだけが奏されるパートでは
身が引き締まるようです。
独奏チェロとオーケストラが盛り上がりつつ生き生きと迎える曲の終わり。


ハイドンのチェロ協奏曲第2番。
初めて聴く作品かと思います。
が、耳にしたような曲でもあり・・・。
親しみ易い旋律なのでそのように感じるのでしょうか。
すっかりお気に入りの曲になりました。
久しくハイドンの作品を聴くことがなかったのですが
こうして耳を傾けていると・・「やはり、ハイドンは良いなぁ」と。
改めて新鮮な気持ちになり聴いています。

この曲に耳を傾け久し振りに和む音楽に出合うことができたように感じました。
第2楽章はとてもとても気に入りました。
この曲を聴いていると
季節は梅雨でも、心は晴天になるようです。

曲想が優雅で美しく抒情的であるとともに
フルニエのチェロ、オーケストラからも
穏やかで優しい温もりのようなものが伝わってくるようです。
独奏チェロには技巧、ヴィルトゥオーソ的要素が求めらるとのことですが
フルニエの弓から生み出される調べに耳を傾けていると
技巧、ヴィオルトゥオーゾという言葉は脳裏から消え去ってしまいます。
とても自然体。
曲と演奏の魅力の虜になっています。

収録曲で次曲のシューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」が鳴りだした時には
ハッとするものがありました。
好きな作品の一つですが、心に染み入る演奏に
初めて出合うことができたように感じています。

ハイドンのチェロ協奏曲第2番がとても気に入り
第1番も聴いてみたくなりました。

                  にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ハイドン チェロ協奏曲 フルニエ クーべリック フィルハーモニアO.

19:40  |  ハイドン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2013.04/27(Sat)

Op.190 ハイドン:協奏交響曲 by トスカニーニ&NBC交響楽団

トスカニーニのコンプリートRCAコレクションの中で
入手以来、一番耳を傾けているのがCD13枚目です。
収録曲はハイドンの交響曲第101番、99番、協奏交響曲の3曲。

第101番の「時計」はトスカニーニで聴いてからお気に入りになりました。
同じディスクに収録されている オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、チェロと
管弦楽のための協奏交響曲 は初めて聴く作品です。
今日はこの作品を。





         トスカニーニ・コンプリートRCAコレクションより
        ハイドン協奏交響曲 変ロ長調 Hob.Ⅰ-105

               
               トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション

                   ミッシャ・ミシャコフ(Vn)
                   フランク・ミラー(Vc)
                   パオロ・レンツィ(Ob)
                   レナード・シャロウ(Fg)

                 アルトゥール・トスカニーニ指揮
                 NBC交響楽団

                   (録音:1948年3月6日)



作曲は1792年
初演は1792年3月9日、第4回ザロモン演奏会
この作品の初演は大成功を収めロンドンの新聞は称賛をしたとのことです。
再演は同年1792年3月16日と5月3日の演奏会および
ハイドンが第2回目のロンドン滞在中の1794年2月24日と6月2日にも
再演はされたそうでロンドンでの人気を物語るとのこと。
初演時のヴァイオリン独奏は主催者のザロモンだったそうです。
オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、チェロの4つの独奏楽器の中で
ヴァイオリン奏者であったザロモンを想定した独奏バイオリン・パートが
華やかで技巧的に作曲をされているとのこと。



             Johann Peter Salomon
                   Johann Peter Salomon
              (1745年2月20日受洗-1815年11月28日)

ボンに生まれたヴァイオリニストであり
作曲家、指揮者、音楽興行師でもあったザロモンは1780年初めに
ロンドンに移住したとのこと。
ハイドンを1791年-92年、そして1794年-95年の2回に渡りロンドンに招いたのが
このザロモンだったとのことです。
余談ながらフェリックス・メンデルスゾーンの母レア・ザーロモンは親戚であった由。


1791年に初めてロンドンを訪れたハイドンは同年3月から6月にかけて
開かれたザロモン演奏会で大成功を収めたそうです。
当時のロンドンではヨハン・ペーター・ザロモンが主催するザロモン演奏会と
プロフェッショナル・コンサートの各演奏会シリーズが人気を競っていたとのこと。

ザロモン演奏会で成功を収めたハイドン
プロフェッショナル・コンサートでは対抗馬として
かつてハイドンの弟子であったオーストリア生まれのフランスの作曲家
イグナツ・プレイエルを招聘したそうです。
ハイドンとプレイエルの師弟対決として多くの新聞が囃したてたとのことです。


              Ignace Joseph Pleyel
                    Ignace Joseph Pleyel
                (1757年6月18日-1831年11月14日)


プレイエルを迎えてのプロフェッショナル・コンサートは
1792年2月13日に始まったそうです。
2月27日の第3回演奏会で初演されたプレイエルの
6つの独奏楽器のための協奏交響曲 は好評を博したとのこと。
このプレイエルに対抗してハイドンは 4つの独奏楽器の 協奏交響曲 を作曲したそうです。



第1楽章:アレグロ 変ロ長調 4/4拍子
印象的で親しみやすい明るい旋律が印象に残ります。
オーケストラのキビキビとした演奏と
各独奏楽器が一体となり明朗な活気を感じさせる楽章かと思います。 

第2楽章:アンダンテ ヘ長調 6/8拍子
4つの独奏楽器が奏でる穏やかさとオーケストラの調和に聴き惚れます。
特に独奏ヴァイオリンの調べの美しさに魅了されるものがあります。
牧歌的な風情を感じさせるお気に入りの楽章になりました。

第3楽章:アレグロ・コン・スピリート 2/4拍子
勇ましく始まるオーケストラに加え各独奏楽器も活気に満ちた明朗さ。
独奏楽器とオーケストラの掛け合いは耳を楽しませてくれます。
聴いていて気持ちが弾んでくるようです。


各楽章が豊かな趣を秘めているようで飽きることなく聴かせてくれます。
独奏楽器ではオーボエとヴァイオリンが印象的でした。
音質は年代を感じさせるようですが
それが至って温もりのある演奏として伝わってくるようです。

ハイドンの作品はジャンルを問わずホッとさせてくれるものがあり
年月を経るに従い惹かれることが多くなってきました。
この協奏交響曲もハイドンの数ある作品の中でも
お気に入りの一曲になりました。



                   にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ハイドン 協奏交響曲 トスカニーニ NBC交響楽団 ザロモン

20:33  |  ハイドン  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

2013.02/02(Sat)

Op.179 ハイドン:ピアノ三重奏曲全集より by ファン・スヴィーテン・トリオ

先ず、お詫び、お断りの一言からになります。
ハイドンのピアノ三重奏曲につきまして
Hob.ⅩⅤの番号と、曲名番号の違いのコメントをいただきました。
早速、調べましたところ幸いWikipediaに詳細の記載がありました。
                  ↓
       ハイドン:ピアノ三重奏曲全曲の番号

投稿時の記事中、作品75の3曲(Hob.ⅩⅤ-27~29)他につき
曲名番号はランドン版を考慮していないものでしたので削除いたしました。
ご指摘のコメントを誠にありがとうございました。


久しく気になっていたハイドンの ピアノ三重奏曲全集をやっと入手することができました。
ショップでは在庫切れの時が多くこの全集の入手を諦めていましたが
いつも気になり在庫チェックをしておりました。
ファン・スヴィーテン・トリオの演奏です。
BRILLIANTの超廉価盤の10枚組です。
愛すべき作品ばかり。
初めて聴くファン・スヴィーテン・トリオ。
このメンバーの中ではチェロのヤープ・テル・リンデンの演奏しか知りませんでしたが
他のメンバーの御方々の演奏も爽やかでお気に入りになりました。

ハイドンのピアノ三重奏曲では以前に作品73の3曲の中から
第25番(ト長調Hob.ⅩⅤ-25)だけは カザルス・トリオで聴いておりました。
当時の記事になります→ハイドン:ピアノ三重奏曲第25番 by カザルス・トリオ

今回は10枚目のディスクに収録されている作品75の3曲(Hob.ⅩⅤ-27~29)より
ホ長調 作品75(Hob.ⅩⅤ-28)を中心に聴いてみました。
第25番以外は初めて聴く作品ばかりです。

どの作品も親しみ易く明朗な趣が漂い
旋律の中に心は安住の地を見出したかのようです。
ただひたすらに調べに耳を
心を委ねつつピアノ三重奏曲の一曲一曲に和む気持ちです。
ピアノ三重奏曲はどの作品も変化に富み魅力ある旋律に
飽かずに聴き続けられます。



                ハイドン:ピアノ三重奏曲全集
                       by
               ファン・スヴィーテン・トリオ

     
                ホ長調 作品75(Hob.ⅩⅤ-28)

               ハイドン:ピアノ三重奏曲全集


                  バルト・ファン・オールト(Fp)
                  レミ・ボーデ(Vn)
                  ヤープ・テル・リンデン(Vc)

                  (録音:2004年6月2-3日)


             第1楽章:アレグロ・モデラート ホ長調 4/4拍子
             第2楽章:アレグレット ホ短調 3/4拍子
             第3楽章:アレグロ ホ長調 3/4拍子


作曲されたのは1794年2月4日から翌年95年8月15日の第2回ロンドン滞在中で
自筆譜は不明だそうです。
初版楽譜の表題は
「ヴァイオリンとチェロの伴奏をともなったピアノフォルテのソナタ」。
後期クラヴィーア三重奏曲の中核をなすのは1794年から97年に
作曲された4つの曲集(Hob.ⅩⅤ18-29の12曲)とのことで
1797年にロンドンで出版されたそうです。
作品75の3曲(Hob.ⅩⅤ-27~29)ハイドンの最後のピアノ三重奏曲とのこと。

ハイドンが契約を結んだ複数の出版社から
当時人気のあったクラヴィーア三重奏曲の創作依頼を受けたそうです。
作品75の3曲はクレメンティに師事したピアニストの
テレーゼ・ジャンセン=バルトロッツィ夫人(1770年頃-1843年)に献呈されたそうです。
ハイドンは彼女の演奏を高く評価していたようです。
ハイドンはロンドン滞在中に彼女と親交を結び
他にもクラヴィーアソナタ2曲を献呈しているとのことです。


CD10に収録されているハイドンの最後のピアノ三重奏曲である
作品75の3曲(ⅩⅤ-27,28,29)から聴いてみました。

作品73の3曲に共通する軽快な明朗さに比べ
作品75の3曲では曲想が豊かになっているように思われます。
また素朴な調べで全体的に落ち着きや穏やかさが感じられるようです。

ⅩⅤ-28 の第1楽章で開始されるピアノと弦楽器のピツィカートが印象的です。
曲の中に繰り返し現れ、親しみ易く口ずさみたくなる旋律です。
第2楽章も惹かれる調べです。
第3楽章では壮麗さも感じられるようです。

前後しますがⅩⅤ-27 ではフォルテピアノはリズミカルに弾けるような躍動的な明るさ。
第3楽章のプレストでは息を呑む思いです。
躍動的で且つ華麗な作品との印象を受けました。

ⅩⅤ-29 では特に第2楽章が素朴に歌われるような旋律でお気に入りです。
第3楽章は舞曲風とのことで聴いていても心から楽しめる楽章です。


ショップのディスク紹介記事に
  フォルテピアノは1785~1800年アントン・ヴァルター製のコピーを
  3種類使い分けている。

との記載がありました。
聴いていて私には区別が付かないのですが
時としてハープの音色のように聞こえることも。
ヴァイオリンはとても透明な響きで清々しく感じられ好感を抱きます。



尚、CD6に収録されている Hob.10 ⅩⅤ-16~18 に関して
ショップの紹介記事にヴァイオリン・パートをフルートで演奏をしているとのことで
関心を抱きつつ聴いてみました。

       バルト・ファン・オールト(Fp)
       マリオン・モーネン(Fl)
       ヤープ・テル・リンデン(Vc)
       (録音:2004年10月3-4日)


ⅩⅤ-16、17 は1790年にロンドンで
出版された作品59(ⅩⅤ-15~17)の3曲中の2曲だそうです。
ⅩⅤ-18 は1794年ロンドンで
作品70の3曲集(ⅩⅤ-18~20)として出版された中の1曲だそうです。
マリア・テレーズ・エステルハージ侯爵夫人に献呈されたとのこと。

収録されている3曲とも
明朗でハイドンらしい(?)親しみ易い旋律です。
初めて聴く曲なのですがヴァイオリン・パートをフルートでの演奏に
違和感はなく耳を傾けつつ楽しい気分になります。
ですが、やはり本来のヴァイオリンでの演奏も聴く機会があると良いのですが。


10枚組のうちどの一枚を取り上げ聴いても魅力溢れる曲。
変化に富む曲が目白押しで楽しく聴いております。
寛ぎのひと時を与えてくれるハイドンのピアノ三重奏曲の数々。
これからは、いつでも手が届くところに置き
折に触れて聴いてみたくなるお気に入りの全集になりました。


                    にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

19:28  |  ハイドン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2012.10/06(Sat)

Op.163 ハイドン:弦楽四重奏曲第77番 Op.76-3「皇帝」 by エオリアン四重奏団

ハイドンの弦楽四重奏曲全曲を聴いてみたいとの思いを抱いてから
かなり久しい年月が経ちました。
弦楽四重奏曲全集はどの演奏団体にするか迷いましたが
いつものことながら価格が手頃なもので 且つ プラスアルファで。
エオリアン四重奏団にしてみました。
やっと念願が叶い手にすることができた全集です。
エオリアン四重奏団の演奏を耳にするのは初めてです。



                ハイドン:弦楽四重奏曲全集より
             弦楽四重奏曲第77番 Op.76-3『皇帝』
                        by
                   エオリアン弦楽四重奏団
               ハイドン:弦楽四重奏曲全集~エオリアン四重奏団

                  Emanuel Hurwitz(Vn)
                  Raymond Keenlyside(Vn)
                  Margaret Major(Vla)
                  Derek Simpson(Vc)

                 (録音;1972-76年 ロンドン)


           第1楽章 アレグロ ハ長調 4/4拍子
           第2楽章 ポーコ・アダージョ・カンタービレ ト長調 2/2拍子
           第3楽章 メヌエット、アレグロ ハ長調 3/4拍子
           第4楽章 フィナーレ、プレスト ハ短調 2/2拍子


ハイドンのエルデーディ四重奏曲 作品76の6曲のうちで
大昔に初めて耳にしたのが第77番の「皇帝」です。
まだまだ、この作品がお気に入りと言えるほどには
弦楽四重奏曲を聴き込んでいないので
今も昔も変わることなく一番のお気に入りの作品が「皇帝」です。

弦楽四重奏曲で初めて求めたのが
作品76の6曲のエルデーディ四重奏曲からの作品でした。
作品76-2「5度」、76-3「皇帝」、76-4「日の出」。
イタリア弦楽四重奏団の演奏のLPで昔々のことです。
当時のお気に入りのディスクの一枚で、よく聴いておりました。


さて、第77番の「皇帝」ですが
作曲は1797年の6月14日までに完成していた可能性があるそうです。
第2楽章の主題については今更、書くことでもありませんが
オーストリアの依頼でハイドンが作曲した国家とのこと。
1797年、神聖ローマ皇帝フランツ2世に
「神よ、皇帝フランツを守り給え」を捧げた歌曲だそうです。
その旋律がこの弦楽四重奏曲の第2楽章の主題に用いられることに。


作詞はアウグスト・ハインリヒ・ホフマン・フォン・ファラースレーベンだそうです。
1841年にアウグスト・ハインリヒ・ホフマンがヘルゴラント島で詠った詩とのこと。


                 アウグスト・ハインリヒ・ホフマン
              August Heinrich Hoffmann von Fallersleben
            August Heinrich Hoffmann von Fallersleben
                (1798年4月2日-1874年1月19日)


初演は1797年9月28日にアイゼンシュタットのエステルハージ侯爵邸において
「皇帝」を含み3曲が演奏されたそうです。

出版は3曲づつ2集に分けて
第1集は1799年にウィーンのアルタリアから
第2集がロンドンのロングマン・クレメンティから出版されたそうです。
ヨーゼフ・エルデーティ伯爵に献呈されたとのことです。


演奏団体のエオリアン弦楽四重奏団ですが
英国のヴァイオリニスト Emanuel Hurwitz が率いた四重奏団で
1927年に創設されたとのこと。
こちらの全集は、ひとつの四重奏団による
史上初のハイドン弦楽四重奏曲全集だそうです。
1972-76年のステレオ録音で当時はLP35枚組での発売だったそうです。
こちらのCDでは22枚組です。


エオリアン四重奏団の「皇帝」を聴き印象的だったのは第1楽章です。
第1主題でチェロとヴィオラが低域音を弾き続ける中
ヴァイオリンの旋律が躍動的に感じられます。
短い小節ですがとても印象的でした。
また、第2楽章では優雅な歌い回しを聴かせてくれるようです。
刻まれる調べは心に浸透をしてきます。

曲全体としては、この作品の伸びやかさや軽快さが
聴いていて快く、楽しく伝わってくるようです。
親しみを感じられる演奏で他の作品も楽しみになってきました。

ハイドンの作品は好みなのですが
全曲を聴くことができるまでには・・・かなりの時間がかかりそうです。



                  にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

19:15  |  ハイドン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |  NEXT