2014.07/05(Sat)

Op.249 ラロ:「スペイン交響曲」 by メニューイン;グーセンス&フィルハーモニア管弦楽団

近頃、「そう言えばあの曲・・・」などと思い出しては
耳を傾けることが多くなっているようです。
久しく聴くこともなく年月が過ぎ去りながらも
いつも気になっている作品の一つにラロの「スペイン交響曲」があります。
この曲を初めて聴いたのは昔々、LPでした。
以来、お気に入りになりつつも耳を傾ける機会がなく年月が過ぎ去りました。

今回聴いたのはメニューインのボックスからです。
ラロの「スペイン交響曲」は2種収録されています。
George Enescu & Orchestre Synphonique de Paris 1933年録音
Sir Eugene Aynsley Goossens & Philharmonia Orchestra 1956年録音  
後者で聴いてみました。


            メニューイン:グレートEMIレコーディングスより
               ラロスペイン交響曲 二短調 作品21


                 245メニューイン/グレートEMIレコーディングス

                         (収録曲)

               ラロスペイン交響曲 二短調 作品21
               サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 他

                   ユージン・グーセンス指揮
                   フィルハーモニア管弦楽団

                (録音:1956年4月
                     ロンドン キングスウェイ・ホール)


         第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ 二短調 2分の2拍子 
         第2楽章 スケルツァンド アレグロ・モルト ト長調 8分の3拍子
         第3楽章 インテルメッツォ 
                アレグレット・ノン・トロッポ イ短調 4分の2拍子
         第4楽章 アンダンテ 二短調 4分の3拍子
         第5楽章 ロンド アレグロ ニ長調 8分の6拍子


                    :249ラロ「スペイン交響曲」Victor Antoine Édouard Lalo
                 Édouard Victor Antoine Lalo
                (1823年1月27日-1892年4月22日)


ヴァイオリン協奏曲第1番に続いて1873年に完成されたそうです。
ヴァイオリン協奏曲の第2番に当たるとのこと。
友人でもあるパブロ・デ・サラサーテに献呈されたそうです。
ラロの実質的なヴァイオリン協奏曲は4曲あるそうですが
そのうちの3曲には地名が標題に付けられているとのことです。
スペイン交響曲」「ノルウェー幻想曲」「ロシア協奏曲」の3曲。

この「スペイン交響曲」はリズム、旋律にスペイン情緒が濃いために
付けられた標題とのことです。
因みに、ラロの祖父はスペイン人だったそうです。
また、当時は音楽上にエキゾティシズムの風潮が現れ始めていたそうで
その風潮が「スペイン交響曲」として実を結んだそうです。

初演はヴァイオリン協奏曲第1番が初演された翌年の
1875年2月7日にヴァイオリン協奏曲と同じくサラサーテにより
コンセール・ポピュレーレで行われたそうです。
この初演の際にサラサーテは第3楽章を省略して演奏したとのことです。
一時期、他の楽章に比しべ第3楽章は演奏効果が少ないとのことで
省略することが習わしになっていたそうです。
現在では省略することなく演奏されるのが一般的になっているそうです。

2曲とも初演は大成功だったそうです。
ヴァイオリン協奏曲第1番と「スペイン交響曲」によって
ラロは作曲家として不動の地位を得たとのことです。


第1楽章の勇壮としたオーケストラの強奏での始まりは
この楽章全体の基礎となる動機となっているそうです。
すぐに同じ動機を奏する独奏ヴァイオリン。
第1主題も力強く、生き生きとしています。
昔、聴いた時にはこの部分がとても気に入ったものでした。
独奏ヴァイオリンが暫し奏でる旋律には抒情的な趣も。
第2主題も独奏ヴァイオリンは美しい調べを。
曲のタイトルの先入観からでしょうか
異国情緒が漂う力強くも美しく華麗な楽章。

弦の弱音のピッツィカートで静かに始まる第2楽章。
独奏ヴァイオリンが奏する旋律もスペイン風な趣で。
中間部での寂寥感を抱かせる独奏ヴァイオリンの調べは印象的です。
対照的にオーケストラの明朗さがヴァイオリンに花を添えているようです。
楽しい舞踏会を連想してしまう楽章です。

第3楽章の序奏はオーケストラの闊達で歯切れのよいリズム。
独奏ヴァイオリンが登場して奏する主題。
抒情性を帯びているようで印象的な旋律です。
やがて中間部で独奏ヴァイオリンが奏でる華やかな旋律。
独奏ヴァイオリンに耳を惹かれているうちに
そっと静かに終わるこの楽章。

重々しい厳かさを湛えたオーケストラの序奏で始まる第4楽章。
序奏に続いて独奏ヴァイオリンも静かな物思いに耽るかのような調べを。
次の新しい主題では独奏ヴァイオリンの美しい歌を聴くようです。
1-3楽章までとは打って変わったような独奏ヴァイオリン。
華麗さや技巧的な印象は姿を消したかのようです。
静けさの中に漂う独奏ヴァイオリンの優しく美しい歌を想わせる楽章でしょうか。
昔、聴いた時には退屈をした楽章でしたが
今はこの曲の中で最もお気に入りになりました。

第5楽章もオーケストラの序奏で。
序奏の後に現れる独奏ヴァイオリンの奏でる軽やかで明るい主題は
まるで華麗な独奏ヴァイオリンの独壇場でしょうか。
新しく表れる主題では一転して
もの想いに耽るようなヴァイオリンの調べに耳を奪われます。
再び華やかになるヴァイオリン。
疾走するかのような独奏ヴァイオリン。
華麗に迎える終曲。


メニューインのヴァイオリンを聴いていると安堵感があります。
この「スペイン交響曲」での息をつかせないようなパートであっても
メニューインの演奏には余裕を感じさせてくれるものがあるように感じます。

指揮のユージン・グーセンス(Aynsley Eugene Goossens 1893-1962)
の名前は初めて知りました。
ベルギー系でイギリスの指揮者、ヴァイオリン奏者、作曲家だそうです。
音楽的に恵まれた家庭環境で育ちヴァイオリン奏者として活動後に
1916年にトーマス・ビーチャムに見いだされて助演指揮者に就任したとのこと。
晩年の1950年代以降はオーストラリアに渡り
シドニー音楽院長等も務めたそうです。

云十年振りに聴いた「スペイン交響曲」ですが
恰も数ヶ月振りで聴いたかのような錯覚に捕らわれています。
昔々、初めて聴いた時の印象が強かった所為でしょうか。
聴き直してみて、音楽に対する嗜好に変化がありながらも
やはり印象に残る曲という想いを抱きました。


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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ラロ スペイン交響曲 ヴァイオリン協奏曲 メニューイン フィルハーモニア管弦楽団 グーセンス

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