2015.03/07(Sat)

Op.276 ロッシーニ:「弦楽のためのソナタ」 by マリナー&アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

ロッシーニの「弦楽のためのソナタ集」は聴いてみたい作品の一つでした。
ブログ仲間の御方の記事を拝読してますます聴きたい思いが募っていた作品です。
つい先日のように思っていましたが2013年だったようです。
当時、ショップ・サイトでは入手不可のディスクだったり・・・
なかなか聴いてみたいと思う演奏に出合うことなく月日が過ぎました。

やっとやっと、この作品のディスクに出合うことができました。
マリナー指揮、アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズです。
6曲の弦楽ソナタ、一つ一つの曲がとても素敵な音楽たち。

              ロッシーニ:「弦楽のためのソナタ」(全6曲)

                276ロッシーニ:弦楽ソナタ マリナー&ASMF

                       (収録曲)
                
            ロッシーニ:弦楽のためのソナタ 第1番 ト長調
                                 第2番 イ長調
                                 第3番 ハ長調
                                 第4番 変ロ長調
                                 第5番 変ホ長調
                                 第6番 ニ長調
            ドニゼッティ:弦楽四重奏曲(弦楽合奏版)
            ケルビーニ:エチュード第2番
            ベッリーニ:オーボエと弦楽のための協奏曲

                     ネヴィル・マリナー指揮
            アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

                      (録音:1966、68年)


作曲されたのは1804年、ロッシーニ12歳の時だそうです。
この年の夏に、ロッシーニは友人でパトロンでもあるアマチュアの
コントラバス奏者アゴスティーノ・トリオロッシ(1781-1822)の
ラヴェンナ近郊の別荘で過ごしたそうです。
友人たちと過ごす日々に書かれたのがこの作品とのことです。
友人たちとの気晴らしに数日間で作曲した余興音楽だそうです。

題名に関しては自筆譜が消失しているため正式な作品名は不明とのことです。
手写譜本には第三者の筆跡で “Opera di sei sonata:6つのソナタ作品” と
記載されているそうです。
ロッシーニ自身は冗談めかして “Sei Sonata orrende:6つのひどいソナタ” と
記しているそうですが・・・。

初版は1828年または1825~6年に第3番を除き
また、編成はオリジナルとは異なり
「2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための5つのオリジナル四重奏」と題して
リコルディ社から出版されたそうです。
第3番の初版は1951年。
全6曲の完全版は1954年にオリジナル編成での最初の出版で
ロッシーニ財団が刊行した『ロッシーニ音楽帖』第1巻だそうです。

1930年代後半ワシントンの議会図書館で手写譜の完本が発見されたことにより
この作品の編成がヴィオラではなくコントラバスを含み
全6曲あると確認されたとのことです。

              267Alfredo Casella
                     Alfredo Casella
                (1883年7月25日年-1947年3月5日)

水谷彰良氏によると
手写譜の発見者はイタリアの作曲家、ピアニストで
作曲をフォーレに師事をしたアルフレード・カゼッラとされている(私の手元に
ある解説書にもそのように記述されています)そうですが
正しくはワシントンの議会図書館を訪れたカゼッラに
司書の一人が手写譜の写真複製をプレゼントしたのが
発端になっているとのことです。

この手写譜は4つの楽器のパート譜を合冊したものだそうです。
タイトルページに第三者の筆跡で
 「12歳のジョアキーノ・ロッシーニ氏が 1804年にラヴェンナで作曲した6つのソナタ作品」と書かれているとのこと。

カゼッラが複製は真正な楽譜であると確信したのは
ロッシーニの自筆で次のように記されていたからだそうです。

 「第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、コントラバスのパート譜。この6つのひどいソナタは、私がまだ通奏低音のレッスンすら受けていない少年時代に、パトロンでもあった友人アゴスティーノ・トリオッシの別荘で作曲したものである。すべては3日間で作曲・写譜され、コントラバスのトリオッシ、(彼の従兄弟で)第2ヴァイオリンのモリーニ、彼の弟のチェロ、そして私自身の第2ヴァイオリンによって、聴くに堪えない演奏が行われたが、実を言えばその中で私が一番まともであった。 G.ロッシーニ」

編曲版には編曲者不詳の「フルート四重奏曲」または「木管四重奏曲」
「五重奏曲」などがあるとのことです。
現在、弦楽合奏の形を取ることが普通だそうです。

6曲は急ー緩ー急の3楽章構成で
単一主題とその自由な発展でできているとのことです。
各曲を聴き共通していると感じられるのは
爽やか、清々しさ、軽快、明朗 でしょうか。
「喜怒哀楽」の「喜」「楽」に彩られた旋律。
「怒」「哀」とは無縁の作品のようです。
いずれの曲も親しみ易く、聴いていてホッとしたり
清々しい気分にさせてくれるようです。

明朗な歌のような調べで始まる第1番
口ずさみたくなるような親しみ易さ。
第2楽章が印象に残ります。

第2番の始まりはユーモアを感じてしまいます。
優しい趣の第2楽章はお気に入りに。

オペラの序曲のように始まる第3番。
軽快に歌われる旋律。
第2楽章では趣が変わり重々しさとともに内省的な趣も。
歌が戻る第3楽章。

第4番ではゆっくりと始まる第1楽章の清々しさ。
第2楽章は6曲の中では落ち着いた趣を呈し
ステップを踏みたくなる軽やかさが漂う第3楽章。

第5番は優雅に始まり
主題も優雅で落ち着いた趣。
第2楽章での美しい調べには
夕暮れに一日を回顧するような雰囲気を感じるようです。
第3楽章での踊るような愛らしさ。

流麗な旋律に始まる第6番。
第2楽章の穏やかさが印象的です。
第3楽章は夏のイタリアでは頻繁に発生する短時間の嵐を自然描写をしている
そうです。
小雨から雷が轟く土砂降りになる様子が描かれているとのこと。
後に「セビリアの理髪師」で有名になる『嵐の音楽』の原点とのことです。

6つの曲の中では第5番と第6番が印象に残りお気に入りになりました。

アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの演奏は
爽やかで瑞々しい調べを優雅に紡ぎだしているように感じられます。
ロッシーニの余興音楽というより
真摯で気品のある室内楽として耳に響くようです。

尚、他の収録曲3曲、ドニゼッティ、ケルビーニ、ベッリーニの作品も
魅力を感じます。

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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ロッシーニ 弦楽のためのソナタ マリナー アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィール

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