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2015.08/22(Sat)

Op.298 サン=サーンス:「チェロ協奏曲」 by デュ・プレ;バレンボイム&ニュー・フィルハーモニアO.

前回、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲に続いて
チェロ協奏曲を聴いてみました。

デュ・プレバレンボイムニュー・フィルハーモニアO.(1968年)
シュタルケルジュリーニ&フィルハーモニアO.(1957年録音) の
2種の演奏です。

デュ・プレシュタルケルの各ブックレットに記載をされている収録時間に
「???」になってしまい聴く前から気分的に脱線。
取り敢えずデュ・プレを主として聴いてみました。


               サン=サーンスチェロ協奏曲第1番
             The sound of Jacline du Pre より


                   291:ハイドン:チェロ協奏曲第1番デュ・プレ

                         (収録曲)
    
          エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 Op.85
          カミーユ・サン=サーンスチェロ協奏曲第1番 ニ短調 Op.33
          シューマン:チェロ協奏曲 Op.129

               (録音:1968年4月24日 ロンドン
                    アビー・ロード・スタジオ)

             第1部:アレグロ・ノン・トロッポ 2/2拍子
             第2部:アレグレット・コン・モート 変ロ長調 3/4拍子
             第3部:アレグロ・ノン・トロッポ


作曲されたのは1872年だそうです。
サン=サーンスはチェロ協奏曲を2曲残したそうですが
第2番は今日、ほとんど演奏されることがないとのことです。
曲は3つの部分からなり単一楽章の形式で各部分は続けて
演奏されるそうです。
私自身は演奏技術についてはまったくの無知なのですが
この曲の演奏は小規模な曲だけに美しさを表現することが難しいそうです。
また運弓の技巧に熟達していないと綺麗に演奏ができないとのことです。


                  298サン=サーンスチェロ協奏曲Auguste Tolbecque
                   Auguste Tolbecque
               (1830年3月30日-1919年3月8日)


初演は1873年1月18日(19日との記載もあり)にパリ音楽院に於いて。
ヴァイオリン独奏はパリ音楽院のチェロ教授オーギュスト・トルべック
指揮はエドゥアール・デルドヴェーズ、パリ音楽院定期演奏会にて
行われたそうです。
パリ音楽院管弦楽団の慣例として生存中の作曲家の作品を
取り上げることがなかったそうです。
然し、当時の院長ドルドヴェスの好意により慣例を破って演奏されたとのこと。
曲の献呈は初演時のチェロ独奏者のトルべックに。

この初演は好評だったそうです。
曲についての評価は
「美しく優れた作品で、素晴らしい情感、完璧な首尾一貫性を備えており
いつもながら、形式は非常に興味深い」
と称賛されたとのことです。


曲を聴きつつの感想はデュ・プレの演奏になってしまいました。

第1部は力強い強奏での始まり。
早々と独奏チェロが奏する第1主題からは熱情のような趣。
次に現れる第2主題は対照的に美しい調べ。
展開部での独奏チェロは躍動的で活気が感じられます。
再び第2主題の登場で独奏チェロがゆっくりと静かに奏する調べ。
しみじみと独白をするかのようにも聴こえます。
静かなチェロに耳を奪われていて気が付くと第2部に。

弦楽器たちが軽やかに奏する主題旋律で始まる第2部。
愛らしい軽快さで主題が奏され現れる独奏チェロ。
軽やかな弦楽器たちの伴奏に乗って優雅に美しく歌い紡ぐ独奏チェロ。
夢幻的な雰囲気も漂っているようです。
一転して活気のある独奏チェロの調べに乗り
愛らしい木管のスタッカートが印象的です。
独奏チェロの低音の響きと
全合奏になり跳躍的に高揚し第3部に。

独奏チェロが穏やかに奏しつつ始まる第3部。
流麗に奏される独奏チェロ。
曲に力強さが現れ早急に奏されるチェロ。
そして高揚するオーケストラ。
流れが穏やかになり悠々とした美しい調べが独奏チェロに。
再び跳躍する旋律。
独奏チェロとオーケストラがで高揚しつ曲の終わりに。


さて、上述をしたブックレットに収録時間についてですが。
3部構成で各部の収録時間は
デュ・プレが  5分46秒;6分40秒;7分45秒
シュタルケル 11分49秒;4分55秒;3分19秒

時間があまりにも違い過ぎて別の曲かと思い、曲名を確認したほどでした。
それとも記載のミス? 等々の「?」が。
デュ・プレとシュタルケルの演奏を聴き
各部に多少のズレがあるようです。
曲が3つの部分から成るということですが
厳密は分け方ではなく演奏者により異なるように思われるのですが
ご教示いただけると幸いです。


デュ・プレの演奏は各部の構成が分かり易く収録されているようです。
一直線に進むような渾身的な演奏でしょうか。
盲目、驀進的な演奏のようにも感じられてしまいました。

シュタルケル盤では独奏チェロもオーケストラも表情豊かに感じられます。
シュタルケルは一音一音が克明に聴き取れるようです。
大らかな余裕も感じられるようです。
オーケストラも各パートが聴き取り易くメリハリを感じます。
軽快なパートでは弾むようなリズム感。
均衡がとれた美しい調べと躍動的な旋律。
爽やかさも漂う演奏のように感じられました。
「良い曲」と認識を新たにされるシュタルケル盤。
改めて繰り返し耳を傾けてみたくなる演奏になりました。

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タグ : サン=サーンス チェロ協奏曲 デュ・プレ バレンボイム ニュー・フィルハーモニアO. トルべック シュタルケル ジュリーニ

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2015.08/15(Sat)

Op.297 サン=サーンス:「ヴァイオリン協奏曲第3番」 by メニューイン;G.プーレ&LSO

70回目の8月15日。
時が解決する・・・とは言うものの
残された方々の生涯癒されることのない涙と心身の傷。
亡き多くの霊が今現在のこの国を見たら・・・どのように思われるのか、と
例年、8月15日を迎えるとこの思いが強まります。


用事をしていてもこの旋律が耳に入ると手が止まってしまいます。
サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲の第2楽章。
この曲に出合ったのは昨年の暮れ。
最近、改めて聴き直してみて魅力に取りつかれ始めました。
サン=サーンスの作品にじっくりと耳を傾けたのは初めてかと思います。
メニューインの演奏です。


               サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲
           メニューイン~グレートEMIレコーディングスより


                297:サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲メニューイン~グレートEMIレコーディングス

                        (収録曲)

           サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 Op.61
                     序奏とロンド・カプリッチョ Op.28
                     ハバネラ Op.83

                     ガストン・プーレ指揮
                     ロンドン交響楽団

                  (録音:1953年7月2-3日
                      ロンドン キングズウェイ・ホール)

      第1楽章:アレグロ・ノン・トロッポ ロ短調 2/2拍子
      第2楽章:アンダンティーノ・クアジ・アレグレット 変ロ長調 6/8拍子
      第3楽章:(序奏)モルト・モデラート・エ・マエストーソ ト短調 4/4拍子
            (主部)アレグロ・ノン・トロッポ ロ短調 2/2拍子


作曲は1880年。
サン=サーンスはヴァイオリン協奏曲を3曲書いたそうです。
第1番は1859年、第2番が1879年に作曲され
この第3番は第2番の翌年に書かれたとのことです。

第1、第2番は今日ほとんど演奏をされないとのこと。
第3番は広く愛好をされておりサン=サーンスの代表的な器楽作品の
一つだそうです。

初演は1881年1月2日。
パリにおいてサラサーテの独奏ヴァイオリンで行われたとのことです。
曲もサラサーテに捧げられたとのこと。

曲を聴く前にブックレトに記載された指揮者名、ガストン・プーレ。
ガストン・プーレ? 初めて目にする名前です。
曲を聴いてみて、曲と演奏に感銘を受けガストン・プーレに
いつもの好奇心が芽生え知りたくなりました。

      (wiki297サン=サーンス ガストン・プーレQuatuorPOULET
            (プーレ四重奏団、左から2番目ガストン・プーレ)
                     Gaston Poulet
               (1892年4月10日-1974年4月14日)

プーレはフランス、パリ生まれのヴァイオリニスト、指揮者だったとのことです。
1917年にドビュッシーのヴァイオリン・ソナタをドビュッシー自身のピアノで
初演したことで知られているそうです。


第1楽章は弱音で始まる小刻みな弦のトレモロそしてティンパニ。
張り詰めた雰囲気が漂っているように感じられます。
独奏ヴァイオリンが奏する第1主題には悲壮感のようなものが漂っているようにも。
曲の経過につれ悲壮感は情熱的な趣へと変化するようです。
(この変化は聴いている私自身の心境の変化かも知れませんが)
弦のピッツィカートに乗って抒情的な調べを歌う独奏ヴァイオリンが印象的。
力強く終わる楽章。
動的で情熱を感じさせる楽章でしょうか。

オーケストラが奏する穏やかな前奏。
前奏が終わり静かに調べを奏する独奏ヴァイオリン。
この第1主題を奏でる独奏ヴァイオリンの調べは抒情的な美しさに満ち
温もりを感じる優しい旋律。
琴線に強く触れます。
続くヴァイオリンと木管の対話が愛らしくお気に入りのパートです。
心に染み入るような愛らしさに感じられます。
この楽章に耳を傾けていると多々の想いが呼び起こされるようです。
静かに閉じられる楽章。
お気に入りの楽章になりました。

第3楽章は情熱的なヴァイオリンで始まり
応酬するオーケストラとドラマティックに。
オーケストラの覇気を感じさせる旋律。
第1主題を奏する独奏ヴァイオリンは躍動的で弾むようです。  
第1主題とと対照的な第2主題の抒情的な調べ。
穏やかな美しさが漂うこの第2主題を奏する独奏ヴァイオリンとオーケストラ。
和みの旋律として耳に響きます。
ファンファーレのように奏されるオーケストラの力強さを経て
忙しげに奏される独奏ヴァイオリン。
力強く華やかに迎える曲の終わり。
ドラマティックな主題と抒情的な主題の対照が印象的な楽章として
心に残るものがあります。


今までサン=サーンスは自発的には聴いてみたい作曲家ではなかったのですが
耳を傾けてみると惹かれるものがあります。
この曲を聴き、特に第2楽章に惹かれ
サン=サーンスの他の作品にも耳を傾けたく思い始めました。

演奏時間は20分少々だそうですが長く感じられました。
と言っても、退屈なのではなく
各楽章の密度が高い、とでも言うのでしょうか。
新展開をする長編小説でも読んでいるかのような愉しさが感じられました。

メニューインの演奏は耽美的な旋律でも抑制が効いているように感じられます。
愛用をしているヴァイオリンはグァルネリとのことで
個人的には楽想に深味や豊さを感じられるようです。
また、この曲を通して指揮者ガストン・プーレを初めて知ることができ
記憶に残るディスクになりそうです。

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タグ : サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲 メニューイン プーレ LSO

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