2017.03/04(Sat)

Op.377 ボロディン:「弦楽四重奏曲第2番」 by エマーソン弦楽四重奏団

いつの頃からか、耳を傾ける音楽は気に入った作曲家の作品や
気に入った曲ばかりを聴くようになっています。

過日、お寄せいただいたコメントにボロディンの弦楽四重奏曲第2番の曲名を
拝見してすっかり聴くことのなかったボロディンの作品を聴いてみました。
第3楽章の「夜奏曲」は遥か昔の愛聴曲の一つであったことを思い出しました。
前回のチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」と同じように
昔々の愛聴曲でありながら久しく耳を傾けることのなかった曲です。

ボロディンは馴染むことができない作曲家の一人。
弦楽四重奏曲第2番はディスクを入手したときに聴いただけだったようです。
ロシア国民楽派の作曲家は昔も今も大の苦手で・・・。
云十年振りに今回は全楽章にじっくり耳を傾けてみました。

エマーソン弦楽四重奏団のディスクです。
かなり以前に求めた DGの SUPER BEST 101 です。
現在発売されているCDジャケットとは微妙ににデザインが違いますが
一応ジャケット画像を以下に。

                 ボロディン:弦楽四重奏曲第2番
                   エマーソン弦楽四重奏団

            377:ボロディン:.弦楽四重奏曲第2番 エマーソン弦楽四重奏団
                        (収録曲)

       ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 Op.96 「アメリカ」
       チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 Op.11
       ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調

                  エマーソン弦楽四重奏団
                (録音:1984年 ニューヨーク)


           第1楽章 :Allegro moderato ニ長調 /2拍子
           第2楽章:Scherzo―Allegro ヘ長調 3/4拍子
           第3楽章:Notturno―Andante イ長調 3/4拍子
           第4楽章:Finale―Andante - Vivace ニ長調 2/4拍子


作曲されたのは1881年6月の下旬に数週間で完成したそうです。
余計なことながら、CDジャケットの解説によると作曲に着手したのは
1874年冬、全曲完成は1879年8月と記述されていますが・・・これは第1番の方の
作曲時期では?

ロシア国民楽派の作曲家のうちで室内楽の傑作と呼べる作品を遺したのは
ボロディンだけだったそうです。
彼らは絶対音楽として室内楽に対し国民主義の理念からは相容れないもの
として冷淡であったとのことです。
ロシア国民楽派、<五人組>の中でただ一人、ボロディンは少年時代から
チェロの演奏に親しんだこともあり友人たちと合奏をして楽しむための
室内楽を多く作曲したそうです。
ボロディンが1862年に<五人組>に加わりその指導者のバラキレフの
指導を受け始める以前のものは習作の域を出ないものだったそうです。
また、内容的にもメンデルスゾーンやシューマンの模倣に過ぎなかったとのこと。

ボロディンは医科大学の科学者、教授として多忙な日々を送り
わずかな余暇を作曲に当てていたそうで
ボロディン自身は自らを「日曜日の作曲家」と呼んでいたそうです。

初演は1882年1月26日、ぺテルブルクに於いて
弦楽四重奏曲第1番と同様にロシア国民協会四重奏団によって
行われたそうです。
尚、この初演から5年後の1887年2月27日(ユリウス暦)に
ボロディンは急死をしたそうです。53歳。
曲の献呈はボロディン夫人のエカテリーナ・ボロディンに。


チェロの歌で始まる第1楽章。
第1楽章のこの冒頭の第1主題。惹きつけられる旋律です。
チェロから第1ヴァイオリンへと歌は移り。
柔和で抒情的な趣が感じられる第1主題は心に刻まれます。
第2主題になり第1主題と似たような趣でピッツィカートを伴奏に
奏される第1ヴァイオリン。
田園の長閑さを想起してしまうような穏やかさも感じます。
ゆっくり閉じられる楽章。
優しく美しい第1ヴァイオリンが主唱する歌の楽章でしょうか。
チェロの伸びやかな歌と響きも心に残る楽章です。

第2楽章は2つの似通った楽想の交替で成っている楽章だそうです。
軽快な旋律で始まる第2楽章。
1つは伸びやかな流れのような楽想でホッとする感じがします。
2つ目の楽想は軽妙で活発さを感じるようです。
この2つの楽想が交互に奏され活発な印象を受けます。
楽章の終わりは忙しげに奏され速いピッツィカートで閉じられる第2楽章。
活発さを感じさせる楽章でしょうか。

ヴァイオリンとヴィオラの調べで始まる第3楽章。
例の有名な旋律。
第2ヴァイオリンがヴィオラを伴奏に奏する静かに美しい調べの主楽想。
ヴァイオリンの歌が続き、次に歌い出すチェロ。
第1ヴァイオリンが静かに弱音で奏する調べ。
この主楽想も忘れ難い調べです。
高揚した雰囲気の副楽想。
主奏をする楽器が変わりつつ
伴奏楽器にも変化があり主奏と伴奏に色彩が漂うよう。
静かに終わる第3楽章。
一度、耳にすると忘れられない印象を受ける第3楽章。

ゆっくりとした序奏で始まる第4楽章。
序奏が終わり忙しげに奏される序奏の要素。
緊張感を湛えたチェロが奏する持続音のようなパートを境に
躍動駅な雰囲気に。
再び現れる序奏の要素。
華々しく奏されて閉じられる曲。


エマーソン弦楽四重奏団で聴くボロディンの弦楽四重奏曲第2番。
全楽章にじっくり耳を傾けるのは初めてです。

第1楽章の穏やかさ、歌
第2楽章での活発さ
第3楽章での美しい抒情性
第4楽章は第1、2楽章の面影はまったく感じられず即物的に感じられてしまいました。
奇数楽章は「静」、偶数楽章は「動」のようにも感じます。

エマーソン弦楽四重奏団は緻密な構築さを感じさせる演奏でしょうか。
「情」よりも「知」を感じさせる演奏のように感じます。

お気に入りの第3楽章を聴きたく思い
手持ちのディスクからイタリア四重奏団の演奏も聴いてみました。
情感の豊かさを感じさせられるようです。
ホッとした気分で耳を傾けていました。

あと一枚のディスク。こちらも昔、求めたディスクです。
「アンダンテ・カンタービレ~ロシアへの誘い」と題された小品集。
ボロディン四重奏団の演奏です。
残念ながらボロディンの第2番は第3楽章のみが収録されていました。
ボロディン四重奏団の全楽章の演奏に関心が湧いてきました。

                  

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ボロディン 弦楽四重奏曲 夜想曲 エマーソン弦楽四重奏団

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