2010.02/26(Fri)

Op.30 シューベルトピアノ三重奏曲第1番~オイストラフEMI全録音集より

                オイストラフ EMI全録音集    

              シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番~オイストラフEMI全録音集


           シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調D.898
                  
                  ダヴィド・オイストラフ(Vn)
                  スヴィヤトスラフ・クヌシェヴィツキー(Vc)
                  レフ・オボーリン(P)
                      
                   (1958年 ステレオ録音)


オイストラフのBOXセット(17CD)が限定盤としてリリースされてから、
約1年半位が経つでしょうか。
限定盤の文字にヒヤリ、ドキリとしまして、お気に入りの演奏家でしたので,
後先を考えずに購入したものでした。
入手をして一安心をしてしまい、このBOXのお目当てでしたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲(旧ブログにて、取り上げさせていただき)他、BOXの半分も聴かないままで・・・。
「他のディスクは、また、後で・・・」と。
すっかり休止しておりました。
BOXセットを入手しましても、だいたいこの運命を辿ってしまっています。

或る御方が先日、ブログで、こちらの全集からシューベルトの「ピアノ三重奏曲第1番」を、
お取り挙げになられていらっしゃいました。
拝読しまして、是非聴きたくなりました。

シューベルトの後期作品の傑作の一つとされているようですが、
ピアノ三重奏曲は初めて耳にする作品です。
聴けば聴くほどに味わい深いものがあります。
初めて聴く作品で、このような感動を受けましたのは何年振りでしょうか。
歌心に満ち、親しみ、時には愛らしさも感じられる旋律の数々。
聴いていて、とても幸せな気分に満たされます。
この作品を知らずに過ぎてしまいました年月が悔やまれます。

シューベルトのピアノ三重奏曲は1812年に、第1楽章だけを作曲した変ロ長調D.28があり、
晩年になり再びピアノ三重奏曲に着手したそうです。
こちらの第1番、変ロ長調D.898(Op.99)の作曲は1827年、秋。
若しくは1828年とされているようです。

1827年、シューベルトにとっての出来事では、
3月に、臨終のベートーヴェンを見舞ったことが目に留まります。
3月28日のベートーヴェンの葬儀には侍者の一人として参加したとも。

1827年から1828年は精力的に創作をしていた頃だそうです。
1827年2月の《冬の旅》の作曲開始から、ドイツ・ミサ曲、
そしてピアノ三重奏曲は2曲。
この頃には、リート作品では 死 をテーマとしたものが多いそうで、
内省的な作品も多い中で、このピアノ三重奏曲第1番は異質の作品でしょうか。
この作品を聴いていて、有名なピアノ五重奏曲《ます》に重ね合わせていました。
共通するのは、清澄な明るさや躍動感に彩られた幸福で、のびやかな歌心でしょうか。

ピアノ三重奏曲第1番の幸福の源は何処からでしょうか。
1825、6年には私的なサロン的集まりの「シューベルトの夕べ」であるシューベルティアーデが毎週開催されるようになったそうです。
快活な仲間達に囲まれたシューベルティアーデ。
当時のウィーンで流行していたダンスをシューベルトの即興演奏を伴奏としたパーティ、読書会や楽しいゲーム。
そして、歌曲集《白鳥の歌》の後半のハイネの詩を知った読書会は1828年とのこと。
陽気で楽しいひと時の思いが、このピアノ三重奏曲第1番に込められているのでしょうか。
それともまた、青春時代にヴァイオリンを弾く二人の兄、チェロを弾く父親と共に自宅で演奏をした、きっと幸せで楽しいひと時への懐古なのでしょうか。

第1楽章のヴァイオリンとチェロで始まる主題は躍動感に。
      主題がピアノに変り叙情性漂う旋律。
      オイストラフの渋いヴァイオリンの音色が殊更に引き立つようです。
第2楽章では、チェロが奏でる主題に回顧的なものを感じます。
      シューマンはこの楽章に「いくつもの快い夢」
      「人間の美しい感情が波のように上下する」と評したそうです。
第3楽章のスケルツォは軽妙なピアノ。
第4楽章のヴァイオリンが奏でる軽快な主題。

演奏時間中は極上の幸福感に満たされていました。




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タグ : シューベルト ピアノ三重奏曲 オイストラフ ベートーヴェン シューベルティアーデ

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