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2010.10/27(Wed)

佐渡裕著:「僕はいかにして指揮者になったのか 」

「木枯らし1号」とニュースで耳にする時期になりました。
つい先週までは室内では半袖だったのですが、
急に気温が下がり、明日の気温は12月並みとの予報です。

今日10月27日(水)から11月9日(火)まで読書週間だそうで、
読書週間に因み?まして、今日は最近読みました本を。
佐渡裕著の「僕はいかにして指揮者になったのか」です。

佐渡裕氏を知りましたのは、ブログ仲間の御方の記事を拝読したのがキッカケでした。
昨年9月「佐渡裕とPACオーケストラ演奏会」との記事にて、
コンサートのご感想を拝読しました。
それ以前は、まったく私にとっては無知に等しい指揮者でした。
お名前も、「ユタカ」と読まず「ヒロシ」とお読みしていたほどの無知さ加減でした。
ましてや、バーンスタインの弟子ということすら・・・知らなかった有様です。
以来、佐渡裕氏は関心のある指揮者に。
演奏、CDよりも先に書籍を求めてみました。



              佐渡裕著「僕はいかにして指揮者になったのか」
                   (新潮社:2001年6月発行版)


佐渡氏の著書「僕はいかにして指揮者になったのか」を読み始めました頃、
ちょうど、NHK教育にて10月、4回シリーズでバーンスタイン没後20年記念、
 「こだわり人物伝」~愛弟子が語るバーンスタイン 
の放映にて佐渡氏のお話を興味深く聞きつつ、
TVと並行して本を読んでおりました。
このシリーズも本日、10月27日が最終回。

書籍から伝わってきましたのは、
とにかく、心底、限りなく、指揮することがお好きということ。
指揮することに対する限りない喜びと情熱。
そして何よりも音楽を愛する心。
とっても気さくなお人柄も魅力でしょうか。
人々との出会いにも恵まれ、幸運の女神はいつでも氏の友達であるかのようです。

氏がこちらの本を執筆された動機として、
次のようにお書きになっていられます。

  「クラシックが自分の小さな枠を取り払い、
   感性を縦横無尽に広げてくれること、
   そして、人生に幅と奥行きを作ってくれる力を持っていることを、
   クラシックが小難しくて苦手だと思っている人に
   知ってもらいたかったからである。」

因みに私自身、クラシックの中でも、特に現代音楽は、
小難しくて苦手と思っている一人です。
古典派を聴いていると一番安心していられるのですから、
救いようがないとの自覚も・・・。

氏は続けて次のようにも。

  「一番大切なのは、どれだけその人が音楽を愛しているかということであり、
   音楽をどう感じるかである。
   また僕にとっては、音楽を創る喜びを、指揮者という立場で
   どう表現できるかということだと思っている。」

その思い故に、バーンスタイン、小澤征爾と出会えたと思う、
とも記されていらっしゃいます。

手にしました書籍は2001年の出版。
1995年、30歳代の頃の執筆。
すでに15年が過ぎ去り・・・。
最近のニュースでは来年、2011年5月にベルリン・フィルの定期公演にて、
指揮をなさるということも昨今話題になっていましたようで。
先月には同じ新潮社よりこちらの書籍の再発売もされたようです。
売れっ子指揮者というところでしょうか。

書籍の佐渡氏のプロローグ、「演奏会ほど面白いものはない!」から、
『いっぺん演奏会に来いひんか?』の中で、
   
   「どんなに年数を重ねようが、近所のおばさんたちを
    気軽にクラシックの演奏会に誘えるような指揮者でいたいと思っている。」

このご自身の思いをお書きになられてから15年程経った現在、
志しを貫いていらっしゃるようですね。

一貫して、飾りっ気のない語りかけるような文章に先ず好感を抱きました。
読んでいまして、つい笑みが浮かんでしまいます。
お話がとても面白いのです。
ですが、ただ単に面白可笑しいだけではなく、随所にご自身のお考えが。
読んでいまして文章に引き込まれてしまいます。

クラシックの演奏会はこうでなければならないとか、
型にはまったことが大嫌い・・・と、佐渡氏。

氏の人生、考え方も型にはまらず、型破り のようにも感じられます。
型破りと言いましても、良い意味で。
指揮に対する情熱が型破りの原動力でしょうか。

小学生のころからコンサート鑑賞をされた話から、
辿ってきた道、出来事・・・自伝のようでもあります。
指揮者になるまでの道のり途上で、
出会いのあった邦人指揮者の方々とのお話も興味深いものがありました。
指揮者に留まらず、氏が出会い、影なりになって支えられた人々のことも生き生きと書かれています。
人の心を魅了してしまう、佐渡氏のお人柄。

中心の話題はやはりバーンスタイン
この書籍の終わりもバーンスタインの死と、
バーンスタインの死以来、指揮台に立つときのご自身の気持ちが書かれています。
「今夜が僕の引退公演!」とのタイトルで、次のように。
 
  「それ以来、どんな時でも、これが最後だ、
   一回きりの演奏会だと思って指揮台に立っている。
   たとえその日、何かがあって、
   指揮者生命が絶たれるようなことになったとしても、
   決して後悔しないために。
   というより、その日、そこに集まった聴衆とオーケストラと 、
   そして僕自身が音楽を楽しむことが、他の何よりも大切なことだと思うから。」

こちらの本を読んでいるだけで気分も楽しくなります。
音楽は楽しい
人生は楽しい
人生賛歌をしたくなる本でした。

ところで、書籍を読み終え佐渡氏の演奏を聴きたくなりましてCDを探してみましたが。
苦手な作曲家の作品が多く・・・尻込みをするばかりです。
こちらの本に出合えましただけでも幸いかと思います。



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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : 佐渡裕 僕はいかにして指揮者になったのか こだわり人物伝 バーンスタイン

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