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2010.11/06(Sat)

Op.74 シューベルト:「チェロで弾く、シューベルトの歌曲」 by アレクシス・デシャルム

植物にも流行があるのでしょうか。
かつては良く見かけました庭木のヤツデ。
以前住んでおりました私宅の庭にもヤツデがありました。
ヤツデが懐かしくなりまして園芸店に行きました。
数件訪ね回りましたが扱っているお店がありません。
やっと、注文で取り寄せてくださるとの園芸店にお願いをしまして、
待つこと2週間以上、ヤツデをお迎えすることができました。
現在は庭がありませんので、ポットでの育成になりヤツデには可哀想かも。
ポットに移しつつ、幸いなことに株分けもできました。
無事に育ってくれるかしら、と期待と楽しみです。
窓際に並べたポットが大小10鉢を数えてきました。
庭があれば・・・良いのですが。



              シューベルト:「チェロで弾く、シューベルト歌曲
                          by
                   アレクシス・デシャルム(Vc)
                   セバスティアン・ヴィシャール(P)


            「チェロで弾く、シューベルトの歌曲」byアレクシス・デシャルム

                 1 母なる大地D.788  
                 2 解脱D.807  
                 3 春の想いD.686 
                 4 しずかな国へD.403a  
                 5 春にD.882  
                 6 楽に寄すD.547  
                 7 死と乙女D.531  
                 8 憧れD.879  
                 9 ロザムンデのロマンツェD.797  
                 10 小川のほとりの若者D.638  
                 11 月に寄すD.193  
                 12 タルタロスの群れ2D.583  
                 13 ますD.550  
                 14 夜曲D.672  
                 15 泉のほとりの若者D.300  
                 16 夜と夢D.827 
                 17 水の上で歌うD.774  
                 18 ぼくの挨拶をD.741  
                 19 万霊祭の祈りD.343  
                 20 あなたは憩いD.776  



ショップのCD紹介に次のように記載されていました。

   「もっとも人の声に近いといわれるチェロの音色。
    歌詞がないことで、シューベルトの書いた旋律の美しさが
    ストレートに表現される。まるでチェロの小品集のような趣。
    深々とした低弦の語り口、陰影のある高域。何ていい音なんだろう。
    これを聴いたら、きっとチェロが好きになる。(CDジャーナルより)」



こちらのCDを知りましたのが半年以上前のことでしょうか。
シューベルトのお気に入りの歌曲
お気に入りの楽器であるチェロで聴くことができると
聴く前から心の中でのベストCDになっておりました。

シューベルトのお気に入りの歌曲、ベスト1は「楽に寄す」です。
他の作品を飛び越し、6曲目の「楽に寄す」から聴きました。
何も言葉がありません・・・素晴らし過ぎて。

次のベスト2は「水の上で歌う」でしたので、
また他を飛び越しまして・・・。
やはり素晴らしいの一言・・・まったく感想になっていませんね。

声楽で親しんでいるシューベルトの歌曲ですが
こうしてピアノを伴奏としたチェロで聴きますと
別の魅力に触れることができるようです。

聴き慣れた歌曲ですと自然に原詩が頭に浮かび上がってきてしまい、
演奏を聴きつつ心の中で歌いつつ。
チェロの奏でる旋律に純粋に浸りきることができないこともありますが。
逆に原詩の分からない曲ですと、演奏に浸りきり旋律の虜になってしまいます。

全曲を通して聴きまして
弦楽四重奏曲第2楽章の主題になっている「死と乙女」は
こちらの演奏で初めて「美」が伝わってきたように思います。
何よりもハッとさせられましたのは、特に8曲目の「憧れ」(D.879)でした。
愛らしさと優しさに満ち溢れた旋律。
特にピアノ・パートがこよなく愛らしく美しく囁きかけるかのようです。
チェロはあくまでも穏やかな歌心を聴かせてくれるようです。
何かとても初々しく、無垢な旋律は心を和ませてくれます。
いえ、和ませてくれると同時に余りにも透明すぎ
心の中が「無」になってしまうようです。
無我の境地・・・子守唄に包まれているかのような
穏やかな「無」の世界でしょうか。

シューベルトの歌曲ではお気に入りのナンバー・ワンである「楽に寄す」と首位を争い始める作品になりました。
初めて耳にする作品の筈なのですが・・・。
いつも、いつも聴いていたような気がしてきました。
有名な歌曲なのでしょうか。
ですが、所有しておりますシューベルト歌曲の有名曲を収録したCDにも入っていません。

この作品「憧れ」の原詩を知りたくなったのですが・・・分かりません。
作詞はオーストリアの詩人、劇作家であるヨハン・ガブリエル・ザイドルだそうです。
シューベルトは「憧れ」というタイトルの作品を幾つ作曲したのでしょうか?
D.52 と D.123 と D.636 そしてこちらのD.879
憧れ」とのタイトルでは今のところ4作品が見つかったのですが。
4つの「憧れ」の原詩は共通なのでしょうか?
次から次と疑問が噴出し、迷路に入り込んでしまいました。
とにかく、この「憧れ」について何とか知りたい思いが募ります。

手元のCDには収録されているものがなく、ますます声楽で聴いてみたくなりました。
時を忘れ収録されているCDをショップのウェブ・サイトで探しまして、
やっと見つけました「憧れ」のタイトルに喜びも束の間。
テノールのプレガルディエンはD.123の「憧れ」
ゲルネはD.636の「憧れ」
ほとほと、探しきれなくなりました。
ディスカウの「シューベルト歌曲全集」21枚組の中に探しているD.879「憧れ」が!
D.52の「憧れ」も収録されています。
探している作品のCDが見つかりました時の嬉しさでいっぱいです。
早く聴きたい!思いばかりです。

さて、演奏者ですが、
チェロのアレクシス・デシャルム、
そしてピアノのセバスティアン・ヴィシャールも私には初めて耳にする演奏者です。
デシャルムは1977年生まれ、ヴィシャールは1979年生まれだそうです。
デシャルムが使用しているチェロは1714年製のクロード・ピレとのことです。
楽器のことも解りませんし、技巧的なことについても私には解かりません。
ですが、何よりも心を打つ演奏です。
曲想に合わせてデシャルムとヴィシャールは作品に新たな「生命」を与えているかのようです。
馴染み深い作品であっても、初めて耳にする作品でありましても、
聴く者を温かく包み込んでくれるようです。
同一の作品でありましても、聴くその時その時に依って
印象が変わってきます。
聴く度に、その作品が安息の地のように思えてくるようです。
収録されている作品の一曲、一曲がそれぞれに心の安息の地になってきたこの頃です。

こちらのCDとの出合いで、シューベルト作品への思いが
ますます強く、深まってきました。
これからの日々、欠かすことのできないCDの一枚になりました。


                         ぱたぱた:bird2すずめ(左)S
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : シューベルト歌曲チェロ楽に寄す憧れD.879

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