2011.02/27(Sun)

Op.90 シューベルト:ゲーテの詩による歌曲集 by シュライアー より『狩人の夕べの歌』

ディスカウのシューベルト歌曲全集を入手しまして以来
シューベルトの歌曲にドップリと浸かってしまっています。
聴いていますと
「アッ、良い曲!」
「こんなに素晴らしい歌曲があったの?!」
と思える作品が一曲、一曲と増えてきております。
以前はシューベルトの歌曲でお気に入りは10本の指で足りていたのですが
足りなくなってきました。

輪を掛けましてシュライアーで
「シューベルト~ゲーテの詩による歌曲集」なるCDの存在が目に入りました。
即、CDに手が出てしまいました。

2-3回聴きましても・・・???の状態でした。
『狩人の夕べの歌』を聴きまして
シュライアーの歌うシューベルトに完全魅了状態です。

      
              シューベルト:ゲーテの詩による歌曲集
                        by
                  ペーター・シュライアー

         シューベルト・ゲーテの詩による歌曲集by ペーター・シュライアー

                1. 憩いなき愛 D.138
                2. 野ばら D.257
                3. 恋人のそばに D.162
                4. 秘密 D.719
                5. 狩人の夕べの歌 D.368
                6. 羊飼の嘆きの歌 D.121
                7. ガニメート D.544
                8. 初恋の痛み D.226
                9. 旅人の夜の歌 D.768
                10. 漁夫 D.225
                11. 静かな海 D.216
                12. 湖上にて D.543
                13. 竪琴弾きの歌1 D.478
                14. 竪琴弾きの歌3 D.480
                15. 竪琴弾きの歌2 D.479
                16. ミューズの子 D.764

                ペーター・シュライアー(T)
                ワルター・オルべルツ(P)

             (録音:1971、72年 ドレスデン、ルカ教会)


こちらのCDから今日は『狩人の夕べの歌』について。
一曲一曲があまりにも素晴らしいので
後日再び、こちらのCDよりお気に入り歌曲を一曲づつ
取り上げさせていただきたいと思います。

CDタイトルの如くゲーテの詩に作曲された作品が収録されています。
シューベルトはゲーテの詩に70曲以上作曲したそうで
量的にも質に於いてももっとも重要な詩人がゲーテだったとのことです。
ゲーテはドイツ歌曲において重要な存在で
シューベルトがゲーテの詩を音楽に
積極的に採用した最初の作曲家とのことです。

シューベルト歌曲全集に収録をされている詩を一通り読んでみました。
正確には 流し読みなのですが。

「詩」の気障な言葉や表現には読んでいる自分が気恥ずかしくなり
また抵抗感を抱かずにはいられなくなるものもあります。
が、多くの素晴らしい詩にも出合うことができました。

『狩人の夕べの歌』・・・詩そのものは好みではないのですが
旋律の素晴らしさに耳を奪われてしまいました。

ディスクのライナー・ノーツに以下のような記載がありました。
引用をさせていただきます。

「ドイツ・リートは、ドイツの芸術的風土に咲いた花であった。
一篇の歌詞に作曲するという安易な言い方の許されない
まさに文学と音楽の火花を散らす合一であった。」


こちらのCDを聴きましての第一印象。
シュライアーの歌うシューベルトの歌曲には深く心を打つものがあります。
他の歌手で聴きましても特別な印象がなかった作品でも
シュライアーで聴きますとガラリと印象が変わるようです。
例えば有名な『野バラ』や『恋人のそばに』です。

殊に魅了をされていますのが
『狩人の夕べの歌』に始まりまして
『羊飼いの嘆きの歌』
『旅人の夜の歌』
3曲の『竪琴弾きの歌』 です。

シュライアーのシューベルト歌曲は
こちらのディスク一枚でしかじっくりと聴いていないのですが
ディスカウのように「シューベルト歌曲全集」なる録音を
残して欲し買ったとの思いが募ってまいりました。


シュライアーの歌を自然界に例えますと
野原に素朴に咲く小さな花に降り注ぐ露の雫でしょうか。
露に朝陽が当たり
花が可憐な輝きを発しているかのようです。
巧みな歌唱法による歌曲というよりも
心からしみじみと歌い込むように感じられます。
あくまでも 自然に 自然に湧き出る心根が感じられます。
加えてピアノ伴奏のオルべルツもシュライアーを主役として
心に訴えかける音を紡ぎ出しているようです。

ディスカウの歌うシューベルトは
大庭園に咲き誇る絢爛豪華な花々でしょうか。
庭園に芳しい香りを漂わせ
美しさを競い合う高貴な花達を連想してしまいます。
作品の持つ物語性は
巧みな歌唱と共に感情豊かに歌われているようです。
ムーアのピアノはディスカウに劣らず
ドラマティックに盛り上げているようです。


同じ歌曲でありながら伝わって来る印象は大きく異なるようです。
『狩人の夕べの歌』に関しましても
シュライアーとディスカウ・・・例外ではないように思えます。


さて、『狩人の夕べの歌』D.368 ですが
ゲーテが1775-86年のワイマール時代に
別れたリリー・シェーネマンを偲び1775年12月に創作をした詩だそうです。
1821年にシューベルトが作曲。
四節の有節歌曲とのことです。

いろいろな御方の邦訳がありますが
高橋健二氏の訳詩が気に入っておりますので引用をさせていただきます。

狩人の夕べの歌:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

    猟銃に弾をこめ 野をしのび行く
    はげしい心に静けさを装って。
    すると、懐かしいそなたの姿が
    そなたの愛らしい姿がはっきりと目に浮かぶ。

    そなたは今し静かに心もなごやかに
    野を過ぎ 懐かしい谷を越えてそぞろ歩み行く。
    ああ、たちまちに消え去る私の姿は
    そなたの目には映らないのか。

    そなたに捨てられたればこそ
    心たのしまず いらだたしくも
    東に西に世をあまねく
    さすらい歩くこの身の姿。

    そなたを思えば
    月を覗き見るような心地して
    静かな平和に満たされる
    何ゆえか自分にはわからないが。



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タグ : シューベルト 歌曲 狩人の夕べの歌 ゲーテ シュライアー オルベルツ ディスカウ ムーア

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