2011.05/29(Sun)

Op.97 シューベルト:「旅人の夜の歌」D.224&D.768

また、いつものようにシューベルトに戻ります。
シューベルト歌曲三昧の月日
シューベルトの音楽が「当たり前」の日常になりました。
現在、自分の心を「生かせてくれる」最大の栄養剤、糧になっているのが
シューベルトの音楽であるような気もします。
シューベルトの音楽がなかったら・・・。

今日は「旅人の夜の歌」または「さすらい人の夜の歌」を。
初めて聴いたのですが、どうも・・・「暗く重い」印象でした。
お気に入りの歌曲になることもなく
聞き流してしまいそうな・・・。
ですが、繰り返し聴くうちに曲の持つ深みとでも言いましょうか
旋律が心の中に深く根付いてくるようです。
気が付けば、心の中で歌っている・・・
忘れられない「歌」になりました。
やはりシューベルトは素敵な魔法使いです
曲名は同じながらD.224とD.768は異なる詩とのことですが
二つの詩にも共鳴する点が多く感じられます。

2曲の「旅人の夜の歌」はどちらもゲーテの詩とのことです。
高橋健二訳のゲーテ詩集では
旅人の夜の歌」Ⅰは『空より来たりて』
旅人の夜の歌」Ⅱは『山々の頂に』と
詩の初めの部分の内容を副題(?)のように記されています。

聴いておりまして「旅人の夜の歌」ⅡD.768には、より一層心を惹かれました。
ゲーテの詩を読みましてこちらの『山々の頂に』に心打たれるものがありましたので。
とても短い詩なのですが、言葉、文字として表れる以外にも
ゲーテとシューベルトの多くの思いが感じられるようです。

旅人の夜の歌」ⅡD.768は
自然が好きなゲーテが31歳の時に登攀したキルケハーン山にて
1780年9月に宿泊をした山小屋の板壁に書いた詩とのことです。
古今の名詩とされるものだそうです。
「名詩」であるか否かには興味はありません。
「名盤」とか「名演奏」に興味、関心がないのと同じ理由で。

シューベルトはこの二つの「旅人の夜の歌」を
ⅠD.224 は1815年7月5日
ⅡD.768 は1824年7月以前に作曲されたそうです。

「旅人の夜の歌」Ⅰはディスカウプライ
「旅人の夜の歌」Ⅱは、同じくディスカウ、そしてシュライアーで聴いております。
共に8行から成る短い詩です。
シューベルトのLangsamの指示で、ゆっくり歌われます。
とても「ゆっくり」と歌われますので
恰も自分自身の心と対峙しているような錯覚を起こして耳を傾けてしまいます。

こちらの2曲の「旅人の夜の歌」を聴いておりまして
この作品は、どなたが歌われましても素晴らしいのでは、と思うようになりました。
聴き比べをしたい・・・そのような気持ちを払拭させられてしまいます。
きっと、それはシューベルトの歌曲から伝わる「純」かも知れません。

こちらの二つの作品、ゲーテの詩(若林氏訳)を引用させていただきます。

   風と樹と空と


●Wandrers Nachtlied :「旅人の夜の歌」ⅠD.224~『空より来たりて』
    ( 詩: ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)


   おまえは天から降りてきて
   すべての悩みと苦しみをしずめ
   二重に悲しむ者には
   二重の恍惚で満たしてくれる。
   ああ、わたしは この慌ただしい人生には疲れ果てた!
   こんな苦しみや喜びが一体何になろう?
   甘き安らぎよ
   来たれ ああ、来たれ わたしの胸に!   


   風と樹と空と


●「旅人の夜の歌」ⅡD.768~『山々の頂に』

   すべての山の頂きには
   安らぎがある。
   あらゆる木の梢では
   風のそよぎも
   感じられず
   森の小鳥たちも静まり返っている。
   待っているがいい、いずれすぐに
   おまえも安らぐのだ。



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タグ : シューベルト 歌曲 旅人の夜の歌 ゲーテ ディスカウ シュライアー プライ

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