2014.03/15(Sat)

Op.235 チャイコフスキー:「弦楽セレナード」 by デイヴィス&バイエルン放送交響楽団

ふと、気付くと心の中で鳴っている旋律。
誰もが知るチャイコフスキーの「弦楽セレナード」でした。
懐かしい想いを抱きつつ、昔求めたディスクを取り出してみました。
カプリング曲はこちらも有名なドヴォルザークの「弦楽セレナード」です。
演奏はコリン・デイヴィス指揮、バイエルン放送交響楽団
CDと共に当時のレコード芸術誌の切り抜きが出てきました。
すでにセピア色に変色をしている切り抜きを懐かしく読み返しつつ
昔の想い出と共に聴いてみました。


         チャイコフスキー弦楽セレナード ハ長調 作品48

                235チャイコフスキー:弦楽セレナード コリン・ディヴィス
             (現行のCDジャケットを一応貼ってみました)
            
                    コリン・デイヴィス指揮
                    バイエルン放送交響楽団
 
                (録音:1986年10月15日-16日 ミュンヘン)


     第1楽章:ソナティナ形式の小品
          アンダンテ・ノン・トロッポ~アレグロ・モデラート ハ長調8分の6拍子 
     第2楽章:ワルツ 
          モデラート テンポ・ディ・ヴァルス ト長調 4分の3拍子
     第3楽章:エレジー 
          ラルゲット・エレジーコ 二長調 4分の3拍子 
     第4楽章:ロシアの主題によるフィナーレ 
          アンダンテ~アレグロ・コン・スピーリト 4分の2拍子



作曲は1880年の9月27日から11月4日。
チャイコフスキーの妹アレクサンドラの嫁ぎ先であったダヴィドフ家の
領地があったウクライナのカメンカで書かれた作品だそうです。
正式な曲名は「弦楽合奏のためのセレナード」とのことです。
この曲はチャイコフスキーの親友でモスクワ音楽院のチェロの教授
コンスタンティン・アルブレヒトに献呈されたそうです。

              (wikiドイツ)235チャイコフスキー:弦楽セレナードKonstantin Karlowitsch Albrecht
               Konstantin Karlowitsch Albrecht
               (1836年10月14日-1893年6月26日)


井上和男氏の記述によると
チャイコフスキーがセレナードを作曲した背景には
モーツァルトに対する敬愛の念があったとのことです。
チャイコフスキーは次のように述べているとのこと。

 「モーツァルトに対する崇敬、彼の様式の意識的模倣であり、
  その手本に近いものであれば幸である」

井上氏によるとチャイコフスキーがモーツァルトの様式の模倣と述べた点につき
「表面的な模倣を意味するものではなく、簡潔な手法、明解な様式」と
解釈するべきとのことです。

この作品を作曲する1880年前後にチャイコフスキーは一連の管弦楽曲を発表して
バロック、古典派の形式へ接近をしていたそうです。
このセレナードもその一種と考えられるとのこと。
チャイコフスキーはこの曲を当初は組曲と名付けるつもりであったそうです。

1880年10月10日付、チャイコフスキーがフォン・メック夫人宛ての手紙には
次のように記述をされていたそうです。

 「内面的衝動によって作曲され、真の芸術的価値を失わないものと感じている」


公開初演は1881年10月30日にペテルブルクのロシア音楽協会の演奏会において
ナプラヴニクの指揮で行われたとのことです。
非公式の初演は1880年12月3日にモスクワ音楽院において
ニコライ・ルービンシュタインの指揮で教員と学生の合奏で行われたそうです。


第1楽章の全合奏での序奏から印象に残る旋律です。
重厚なバイエルン放送交響楽団の響き。
静かに、ゆったりと奏でられる調べ。
第1主題を歌うヴァイオリン。
深々としたコントラバスのピツィカートも印象に残ります。
第2主題の軽やかさ、親しみやすさ。
魅力を感じる第1楽章の旋律たち。
同時にオーケストラの響きに快さを感じます。

チャイコフスキーは第2楽章に古典派のメヌエットの代わりに
ワルツを取り入れたとのことです。
第1ヴァイオリンの調べで始まる第2楽章。
しばしば耳にする馴染みの旋律。
優雅で気品を感じさせる楽章。
オーケストラも軽やかに舞いの調べを聴かせてくれるようです。

荘重な調べで始まる第3楽章。
中間部で現れるヴァイオリンは憂愁の調べのように。
悠とした流れのように大らかに歌われ
静かに閉じる楽章。

第4楽章での序奏は静かな落ち着いた旋律。
主題は民謡「牧場には」から取られたとのこと。
次に現れる第1主題の軽快さとリズミカルさが心を明るくしてくれるようです。
この旋律は民族舞曲「青いリンゴの木の下で」から取られているとのことです。
第2主題を奏でるチェロの伸びやかさ、流麗さ。
次第にクライマックスを迎え
第1主題と第2主題の混合で活気、覇気を感じます。
力強さを兼ねた軽快さで息をつかせないような終曲。

所有しているCDの中でもお気に入りの一枚です。
チャイコフスキーのこの作品はLP時代からのお気に入りでしたが
久し振りにデイヴィスバイエルン放送交響楽団で聴き
これほど魅力ある作品であったのかと再認識をしました。
ドヴォルザークの「弦楽セレナード」にも同じ想いを抱きました。

バイエルン放送交響楽団の重厚で悠とした響きのこのディスクが
長年の愛聴盤になっています。


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タグ : チャイコフスキー ドヴォルザーク 弦楽セレナード デイヴィス バイエルン放送交響楽団

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