2014.09/27(Sat)

Op.258 シューベルト:「ピアノソナタ第18番『幻想』」 by ケンプ

1年振りにシューベルトピアノ・ソナタに耳を傾け始めています。
ケンプのピアノで第18番を聴いているところです。
昨年の秋にシューベルトピアノ・ソナタ第20番、21番を聴いて以来
ピアノ・ソナタから疎遠になっていました。
当時はワルター・クリーンの演奏のディスクしか持っていませんでしたので
クリーンで聴いておりました。

クリーンが演奏するシューベルトも気に入っていたのですが
ケンプで聴いて・・・ますますお気に入りになりました。
ケンプの方が自分の感性に合っているような気がします。

               シューベルトピアノ・ソナタ全集より 第18番
                            by
                       ヴィルヘルム・ケンプ


                  258シューベルト:ピアノソナタ全集 ケンプ

                          (収録曲)

                         シューベルト

                 ピアノ・ソナタ第18番ト長調D.894 op.78
                 ピアノ・ソナタ第17番ニ長調D.850

                      ヴィルヘルム・ケンプ(P)

                  (録音:第18番は1965年2月 ハノーバー
                            ベートーヴェン・ザール)


        第1楽章:モルト・モデラート・エ・カンタービレ ト長調 8分の12拍子
        第2楽章:アンダンテ ニ長調 8分の3拍子
        第3楽章:メヌエット アレグロ・モデラート ロ短調 4分の3拍子
        第4楽章:アレグレット ト長調 4分の4拍子


作曲は1826年10月。
シューベルト29歳の時の作品だそうです。
前年の1825年、ピアノ・ソナタ第16番D.845、第17番D.850に続いて
書かれたとのことです。
1826年にはこの第18番以外にはピアノ・ソナタにほとんど
手を付けることがなかったそうです。

一般には「幻想」として知られているそうですが
「幻想曲」と呼ばれる由来について次のような解説がありました。
この曲の初版譜を出版社ハンスリンガーが同社の『ピアノ叢書』第9巻に
収めた際に「ファンタジーとアンダンテとメヌエット及びアレグレット」という
4つの作品として出版し第1曲に「幻想」の名を与えたことに由来するそうです。
シューベルトの自筆譜には「第4ソナタ」との明記があるとのこと。
この作品はシューベルトの傑作ソナタの一つに数えられているそうです。
シューマンはこの作品について次の言葉を残しているとのことです。

 「すべてが有機的かつ生命に満ちている。・・・・
  形式と精神に関して最も完全な作品である」


              258シューベルト:ピアノソナタ第18番 シュパウン
                  Joseph Freiherr von Spaun
                (1788年11月日-1865年11月25日)

この第18番はシューベルトとは切っても切れない友人であるシュパウンに
献呈されたそうです。
シュパウンについて以前綴った事と重複するかと思いますが。
シューベルトより10歳年長のシュパウンとは
1808年、コンヴィクト時代に知り合ったそうです。
シューベルトの良き理解者であり
生涯を通じての親友であったとのことです。

ピアノ・ソナタ第18番が書かれた1826年12月にはシュパウン家で
大規模なシューベルティアーデが開かれたとのこと。


初めてケンプの演奏で聴くシューベルトのピアノ・ソナタです。
第1楽章はピアノ穏やかな旋律で始まり
優しく柔和なピアノが歌う第1主題。
ケンプのピアノタッチの優しさも心に沁み入るようです。
第2主題では左手の軽快な伴奏に
右手の明るく華麗さを帯びた旋律が楽しげな雰囲気を醸し出しているよう。
音に厚みが出て力強さが顔を出し情熱的な趣も感じます。
再現部では第1と第2主題が現れ
軽やかに歌を紡いでゆくピアノ。
第1主題で力強さを感じさせつつも静かに終わるこの楽章。

前楽章同様に穏やかな調べで始まる第2楽章。
静かに歌われる第1主題は寛ぎの気分に。
突如、寛ぎを破るような変化も束の間に再び歌が戻り。
時には愛らしく、時には軽やかに、時には力強い打鍵で
ピアノが伸びやかに歌い語りかけてくるようです。
尽きることのない泉のようなピアノの語りかけは
耳を傾けていて親しみを感じさせられるようです。
ピアノのゆったりとした語り口で楽章は終わりに。

躍動的で力を秘めた旋律で始まる第3楽章。
トリオでは静かで美しい歌を聴かせてくれるピア。
主題が戻り活気を感じさせつつ迎える楽章の終わり。

第4楽章の軽快な始まり。
軽やかに楽しげに語りかけるピアノ。
リズミカルに飛翔するようなピアノ。
軽やかに曲が進み右手と左手が紡ぎ出す対話は気分を楽しくしてくれるようです。
この楽章での親しみを感じさせるピアノの語りかけが印象的です。
静かに迎える終曲。

一年振りにシューベルトのピアノ・ソナタに耳を傾け
安堵を感じたりしています。
この第18番は明晰な音の戯れを感じさせるような曲でしょうか。
ケンプのピアノから受ける優しさ、美しさ。
また生き生きとして爽やかな印象を受けました。

手持ちのワルター・クリーンのシューベルト、ピアノ・ソナタ全集は
分売でしたので第3集が入手不可の状態で残念に思っていました。
その残念な思いはケンプの演奏を聴き払拭されたようです。
ケンプのディスクを入手してから約10カ月近く眠らせてしまっていましたが
少しづつ、ゆっくり、じっくりと
ケンプが奏でるシューベルトのピアノ・ソナタ一曲一曲に
耳を傾けてゆきたいと思うようになりました。

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タグ : シューベルト ピアノ・ソナタ ケンプ

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