2014.11/29(Sat)

Op.265 モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番 バーンスタイン(P&指揮)&コロンビア交響楽団

今迄、聴いたことがなかったバーンスタインのピアノ演奏。
初めて耳にすることができました。
バーンスタイン・エディションに収録されている作品の幾つかを
バーンスタインが弾き振りをしていますが
モーツァルトピアノ協奏曲第15番から聴いてみました。                      

              レナード・バーンスタイン・エディション ~
                      協奏曲&管弦楽曲全録音より
                 モーツァルトピアノ協奏曲第15番


             264レナード・バーンスタイン・エディション

                         (収録曲)

             モーツァルトピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
                      ピアノ協奏曲第17番ト長調 K.453

                  レナード・バーンスタイン(P&指揮)
                  コロンビア交響楽団
 
                     (録音:1956年5月7日 ニューヨーク
                              コロンビア・スタジオ)

              第1楽章:アレグロ 変ロ長調 4分の4拍子
              第2楽章:アンダンテ 変ホ長調 8分の3拍子
              第3楽章:アレグロ 変ロ長調 8分の6拍子


この第15番はモーツァルト28歳のとき、1784年3月5日に完成したそうです。
トラットナーホーフにおけるモーツァルトの予約制の私設演奏会においては
毎回、新作のピアノ協奏曲が一曲ずつ演奏され
モーツァルト自身の演奏レパートリーを増やすために書かれた作品とのことです。

この年、1784年1月から9月の間は
モーツァルトとコンスタンツェはグラーベン通りのトラットナーの邸に
住んでいたそうです。
1784年から1787年の約3年間はウィーンの音楽会の寵児となり
モールァルトの最も輝かしい絶頂期だったとのことです。
フリーメーソンに入団したのがこの年の12月のことだったとか。

モーツァルトは1784年2月から自身の作曲家としての活動を再確認し
自作を記録に留めておく「自作品目録」を作り始めたそうです。
「自作品目録」の記入は死の直前まで続いたとのこと。
この目録の最初に記録されているのがピアノ協奏曲第14番だそうです。
「自作品目録」の2曲目に当たるのが、このピアノ協奏曲第15番で
前作のピアノ協奏曲第14番より5週間後に書かれたとのことですが
前作よりもはるかに前進しているそうです。
従来のサロン的性格を脱却し、交響的響きが追及され
円熟期のピアノ協奏曲群の出発点をなすとのことです。
この第15番によりモーツァルトはピアノ協奏曲のジャンルで
新たな一歩を踏み出したそうです。

モーツァルト自身は第15番 K.450;第16番 K.451;第17番K.453 の3曲を
「大協奏曲」と呼び第14番K.449 から区別していたそうです。
3つの協奏曲はモーツァルトの自信作であったとのこと。

父親に宛てた1784年5月26日付け書簡には次のように綴られているそうです。

 「リヒター氏が感動した協奏曲は変ロ長調のものです。
 これは、ぼくが作った最初の方のもので、彼は出来上がった時からすでに
 ぼくに褒めてくれてくれていました。
 これら2曲の協奏曲(K.450 と K.451)のうち、
 どちらか一方を選び出すことはできません。
 ぼくは2曲とも汗をかかされる協奏曲だと思います。
 然し、難しさの点から見れば変ロ長調の方がニ長調(K.451)よりも上です。
 ところで、変ロ長調、ニ長調、ト長調(K.453) のうち
 どれが一番お父さんやお姉さんのお気に召すか、たいへん気になります。
 変ホ長調(K.449) は問題外です。
 これはまったく特別な種類の協奏曲で、大編成のオーケストラではなく、
 むしろ小編成のオーケストラのためのものです。
 つまり、3曲の大協奏曲についてだけの話です。」

前後してしまいましたが
第15番の自筆譜には多くの訂正が見られるとのことです。
第2楽章の主題が大幅に書き変えられ
フィナーレの第1部が追加されているそうです。

初演は1784年3月24日、と推定されるそうで
トラットナー邸における第2回予約制私的演奏会において
モーツァルト自身のピアノ独奏で行われたとのことです。


第1楽章の軽やかで爽やかな始まり。
暫くして加わる独奏ピアノは華麗に。
そして伸びやかに語り続けるピアノ。
再びオーケストラが奏する第1主題の軽やかさ。
第2主題では跳躍感が大きくなるようでより一層軽やかに。
茶目っ気も感じてしまいます。
聴いていてウキウキするような楽しい主題。
曲が進みピアノのカデンツァを経て
陽気な趣を感じさせつつ楽章の終わりに。

第2楽章での主題は楽節ごとのリピートを持たず
代わりにピアノが少し変奏しながら繰り返しているとのこと。
主題そのものが一つの変奏を含んでいて
二重変奏の技法がとられているとのことです。

穏やかで柔和な弦楽器の旋律で始まる第2楽章。
ピアノもゆったりとした大らかな調べを紡ぎ。
ピアノの響きが止んでは、オーケストラの調べが繰り返され
印象に残る調べです。
耳を傾けるごとに心に染み入る旋律になってきました。
柔和で優しい歌を聴いているような楽章に感じられます。
ピアノが消え入るように静かに音を紡ぎ楽章の終わりに。
お気に入りの楽章になりました。

愛らしいピアノの旋律で始まる第3楽章。
愛らしい旋律に愛らしいピアノ。
カデンツァでの流麗な調べを経て
ピアノとオーケストラが盛り上がり。
愛らしさから力強さに変身をするピアノ。
左手パートの重々しい力強さ。
盛り上がりつつ終わるこの曲。

因みに第1楽章の28小節のカデンツァと
第3楽章の34小節の自作カデンツァの自筆譜は
ニューヨークのY,ガイスト夫人が所蔵しているとのことです。

初めて耳にしたバーンスタインのピアノ演奏。
指が爽やかな歌を歌っているように感じられます。
第3楽章のような愛らしい旋律でも過剰な表現をせずに
自然なピアノタッチで好ましく感じられました。
左手パートに重さが感じられたのですが
それが至って落ち着きのあるものとして好感を抱きました。

モーツァルトのピアノ協奏曲の第20番以降はしばしば耳にする機会があり
また、お気に入りの作品も第20番以降でした。
今迄、ほとんど耳を傾けることがなかった第15番。
バーンスタインの弾き振りで聴き
モーツァルトのピアノ協奏曲に抱いていたイメージに
変化が起こり始めたように感じています。

第15番に続いて第17番もじっくりと耳を傾けてみたいと思います。
モーツァルトの作品以外にもバーンスタインのピアノ演奏を聴くことが
楽しみになってきました。

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タグ : モーツァルト ピアノ協奏曲 バーンスタイン コロンビア交響楽団

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