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2015.05/30(Sat)

Op.286 ベートーヴェン:「ピアノ三重奏曲第7番『大公』」 by ルービンシュタイン;ハイフェッツ&フォイアマン

時として無意識のうちに、ふと脳裏に浮かぶ旋律があります。
ベートーヴェンピアノ三重奏曲大公」のあの快活な第4楽章の旋律が
浮かんできました。
ベートーヴェンの作品の中でもお気に入りでありながら
数年来、耳を傾けていなかった曲です。
とても聴きたくなってきました。
フランクの作品を聴くシリーズは一休みをして「大公」を。

昔から馴染んでいたのははイシュトミン(P)、スターン(Vn).ローズ(Vc)の
ディスクでした。
今回、初めてルービンシュタイン,ハイフェッツ、フォイアマン 及び
リヒテル&ボロディン四重奏団員のミハイル・カぺルマン(Vn)
ヴァレンティン・べリンスキー(Vc)の演奏も聴いてみました。


      ルーヴィンシュタイン・コンプリート・アルバム・コレクションより
           ベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番「大公


               286ルービンシュタイン:コンプリート・アルバム・コレクション

       ベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 作品97「大公

               アルトゥール・ルーヴィンシュタイン(P) 
               ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
               エマヌエル・フォイアマン(Vc)

                    (録音:1941年)

           第1楽章:アレグロ・モデラート 変ロ長調 4/4拍子
           第2楽章:スケルツォ アレグロ 変ロ長調 3/4拍子
           第3楽章:アンダンテ・カンタービレ・マ・ぺロ・コン・モート
                                 ニ長調3/4拍子
           第4楽章:アレグロ・モデラート 変ロ長調 2/4拍子


作曲の完成は1811年だそうです。
この曲の草稿にはベートーヴェンの自筆で最初の部分に
「1811年3月3日」の日付があり
また、最後の部分には「1811年3月2日完成」の日付が記されているそうです。
が、ノッテポームによると1810年にすでに曲の幾つかのスケッチが現れており
実際には草稿に記された日付より遡って構想されたものであることが
実証されているそうです。

初演は1814年4月11日にウィーンのホテル「ローマ皇帝」で行われたと
伝えられているとのことです。
ピアノはベートーヴェン自身、ヴァイオリンをシュパンツィヒ弦楽四重奏団の
イグナーツ・シュパンツィヒ、チェロはヨーゼフ・リンケの演奏だったそうです。
初演当時、ベートーヴェンの聴力はかなり低下しており
この初演はピアニストとしてのベートーヴェンの最後の公開音楽会になったそうです。


             286:ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲」ルドルフ大公
      Rudolph Johann Joseph Rainer Kardinal von Österreich
              (1788年1月8日-1831年7月24日)

曲は皇帝レオポルド2世の末の息子、ルドルフ大公に献呈されたそうです。
大公はこの曲に深く感動したと言われているとのことです。
ルドルフ大公は音楽愛好家で早くから宮廷作曲家のA..タイバーから
音楽を学んでいたそうです。
しばしばロブコヴィッツ侯のサロンでピアノ演奏をして貴族たちを
満足させるほどだったとのこと。
後に自らベートーヴェンに弟子入りをして作曲家ベートーヴェンの作曲上の
唯一の弟子だったそうです。
1819年にオルミッツ大司教に任ぜられ生涯を捧げたそうです。


親しみを感じるピアノの旋律で始まる第1楽章。
ピアノとチェロが奏でる明朗な調べの第1主題。
明るく心おきなく対話をしているような趣で温もりを感じるようです。
第2主題は2つの旋律から成っているそうです。
ピアノが歌う旋律を繰り返すチェロ。
そして次にはチェロの伸びやかな歌。
ゆったりとした調べの第2主題に和むようです。
展開部での第1主題で活躍をするピアノの華麗さ。
曲が進み、ピアノのスタッカートと弦のピッツィカートの掛合いには
活気を感じさせられます。
この楽章の主人公の第1主題からは多彩で豊かな表情
そして何よりも親しみやすい旋律でお気に入りの主題です。
輝くような明朗さのうちに終わる第1楽章。

第2楽章はチェロとヴァイオリンの切れの味の良い調べでの開始。
この主題も軽快で明朗。
中間部で独りごとをしているかのようなチェロが印象的です。
楽章の終わりは力強く。
華麗でもあり、溌剌とした雰囲気の漂う楽章でしょうか。
耳を傾けていると爽快な気分になるようです。

第3楽章は主題と4つの変奏でできているそうです。
ピアノの物想うような調べで始まる抒情性を感じさせられる楽章。
最後の変奏が心に残ります。
ヴァイオリンの美しい調べ
明るく寄り添うようなピアノ
チェロもまた美しい歌を。
3つの楽器が醸し出す抒情美に浸ってしまいます。
暫し続く静かで美しい調べに耳を奪われているとアタッカで第4楽章に。

前楽章の夢見心地な気分から一転して目が覚めるようです。
ピアノの明るく軽快な調べ。
快活で生き生きとした旋律。
華麗に舞うようなピアノ、そしてヴァイオリン、チェロが奏するこのロンド主題。
溌剌と躍動しているような活気のある主題。
速度を上げてのコーダでは華麗に力強く高揚する3つの楽器たち。
溌剌と力強い趣を湛えて閉じられる曲。


久々振りに耳を傾けた「大公」。
とてもとても懐かしい気分になりました。
古里というものがあり、帰郷すればきっとこのような気分になるのでは
と思いつつ耳を傾けていました。

3種の演奏を聴き各々、魅力ある素晴らしい演奏かと思います。
曲に出合って以来、長年第4楽章が気に入っていたのですが
今回、聴いてみて第3楽章の美しさに初めて気が付いた次第です。
その美しさに気付かせてくれたのはリヒテルの演奏でした。

曲想にピッタリな演奏はルービンシュタイン、ハイフェッツそしてフォイアマンでしょうか。
ルービンシュタインの軽やかなピアノ・タッチ、華麗で溌剌としています。
華麗な「大公」でしょうか。
尚、リヒテルでは少し重さを感じましたがピアノの美しい響きには聴き惚れます。
美しい「大公」でしょうか。
長年馴染んできたイシュトミンスターン、ローズは均整のとれた安堵感を
抱かせてくれるような演奏かと思います。
風格を感じさせる「大公」になるでしょうか。

長い年月を経て耳にする愛聴曲。
新しい発見。
タイムカプセルに乗って「昔」を旅してきたような愉しい錯覚。
改めてこの曲に魅せられています。

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タグ : ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 大公 ルービンシュタイン リヒテル イシュトミン スターン

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