2015.11/28(Sat)

Op.312 ベートーヴェン:「弦楽四重奏曲第13番」 by ブッシュ四重奏団

音楽ブログを拝読させていただいたり
またお寄せいただくコメントを拝読しては
「是非、聴いてみたい!」との想いを抱くことが多々あります。

いつもお邪魔をさせていただいている音楽ブログを拝読し
初めて知ったのがアドルフ・ブッシュでありブッシュ四重奏団です。
半年ほど前に初めて求めたアドルフ・ブッシュのディスクはブラームスでした。
ヴァイオリン協奏曲(ミュンヒ&バーゼルO.)と二重協奏曲のカプリングでした。
ヴァイオリン協奏曲は愛聴盤の仲間入りをしています。

四重奏団としては初めて聴くブッシュ四重奏団です。
ベートーヴェン弦楽四重奏曲がとても身近に感じられ
耳を傾ける時間が多くなっている昨今。
ディスクが届いて以来、毎日のように聴いているベートーヴェン
弦楽四重奏曲第13番を。


                ベートーヴェン弦楽四重奏曲第13番
         アドルフ・ブッシュ&ブッシュ四重奏団 ワーナー録音全集より

             311:ベートーヴェンSQ第13 ブッシュ四重奏団
                          (収録曲)

           ベートーヴェン弦楽四重奏曲第11番Op.95「セリオーソ」
                     弦楽四重奏曲第13番Op.130
                     「大フーガ」Op.133(ワインガルトナー編)

                       ブッシュ四重奏団
                Adolf Bush ; GÖsta Andereason (Vn)
                Karl Doktor(Vla) ; Herman Bush(Vc)

                  (録音:1941年6月 ニューヨーク)


      第1楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ 変ロ長調 3/4拍子
      第2楽章 プレスト 変ロ短調 2/2拍子
      第3楽章 アンダンテ・コン・モート・マ・ノン・トロッポ 変ニ長調 4/4拍子
      第4楽章 アラ・ダンツァ・テデスカ アレグロ・アッサイ イ長調 3/8拍子
      第5楽章 カヴァティーナ 
            アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ 変ロ長調 3/4拍子
      第6楽章 アレグロ 変ロ長調 2/4拍子


作曲は1825年に
ペテルブルクの音楽愛好家で自身が熟練したチェロ奏者でもあった
ニコラス・ガリツィン侯爵より複数の弦楽四重奏曲を依頼されて書かれたそうです。
弦楽四重奏曲を3曲書きガリツィン侯爵に捧げられたとのことです。
この3曲を「ガリツィン四重奏曲」と呼ぶこともあるそうです。

              132ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 ガリツィン侯爵
                Nikolai Borissowitsch Golizyn
              (1794年12月19日-1886年11月3日)

これらの3曲は
作品127 第12番
作品130 第13番
作品132 第15番
第13番は3曲の中では最後に完成した作品とのことですが
出版順に従い第13番となっているそうです。

曲の構成は
作品127が通常の4楽章
作品132が5楽章
作品130が6楽章になっており
楽章の数が一つづつ増えていく形になっているそうです。

この曲が完成した際、第6楽章に置かれたフーガは巨大なもので
1826年の初演の時には概ね好評だったそうです。
が、長大なフーガは一部に不評があり
周囲の忠告や、楽譜の売れ行きを懸念した出版社アルタリアの意向などにより
ベートーヴェンはフーガに代わる新しい終曲を書くことになったとのことです。
新たに書かれた終曲、第6楽章は1826年9月から11月にかけて書かれたそうです。
弦楽四重奏曲第16番とともにベートーヴェンの最後の作品となったそうです。

終曲の装いを新たにして完成した第13番はベートーヴェンの死の直後に
初演、出版されたとのことです。
周知の事ながらオリジナルの終曲は「大フーガ」作品133 は
独立した作品として出版されたとのこと。

初演は終曲がオリジナルの形で1826年3月21日にウィーンに於いて
シュパンツィヒ弦楽重奏団により行われたそうです。


荘厳な趣の序奏で始まる第1楽章。
穏やかで重々しい序奏ですが気持ちが解されるような調べです。
序奏が終わり一転して第1ヴァイオリンが奏する躍動的な旋律。
明るさを感じる主題です。
楽器たちは楽しげな雰囲気を醸し出しているようです。
第2主題が現れ美しさも顔を覗かせ。
楽章内で一区切りのように数回現れる序奏が印象的です。
生き生きと溌剌とした楽章でしょうか。

第2楽章の始まりは軽快で速く忙しげに動き回る楽器たち。
楽しげな旋律。舞曲でも聴いているようです。
躍動感とともに終わる2分に満たない短い楽章。

第3楽章は短い序奏の後に現れる第1主題。
軽やかで親しみを感じます。
しばしば耳にするような旋律です。何かのテーマ曲だったのでしょうか。
第2主題も軽快。
軽やかに跳ねるような趣で愛らしさも漂っているようです。
耳を傾けていると身体が自然にリズムに乗っているような楽しい楽章。

優雅な旋律で始まる第4楽章。
ドイツ風舞曲のレントラーが用いられているそうです。
軽快に優雅な雰囲気で流れて行く楽章。

静かに始まる第5楽章。
ベートーヴェン自身が会心の作としていたそうです。
第1ヴァイオリンが奏でる1主題の優美さ。
ヴァイオリンはゆったりと抒情的な歌を歌っているように。
時の流れを悠として美しく語り続けるような第1ヴァイオリンの調べが
心に染み入ります。
第1ヴァイオリンに寄り添うように奏される他の楽器たちの調べも
心に残ります。
静かに閉じられるこの楽章。

明快な第1ヴァイオリンが奏する旋律で始まる第6楽章。
第1主題のヴァイオリンがヴィオラのスタッカートに乗り
奏される明るく軽やかな旋律。
第3楽章の愉悦の雰囲気を思い出します。
コーダで第1主題が明るく伸びやかに奏され歯切れよく迎える曲の終わりに。


耳を傾けていて楽しい曲です。
これらの曲を書いていた時期にはベートーヴェン自身は重篤な腸炎を
患い、また甥のカールを巡り家庭問題も凄まじい状態であったそうです。
このような私生活の時期にも関わらず曲想に溢れている明るさ。
印象に残るのは楽章中で趣を異にする第5楽章です。

初めて耳にするブッシュ四重奏団の演奏。
メンバーの一人一人が心から楽しみつつ演奏をしている情景を
連想してしまいます。
爽快さを感じる演奏でしょうか。

第6楽章については
ベートーヴェンが意に反して(?)改作した演奏でなく
機会があればオリジナルの演奏も是非、聴いてみたと思い始めました。
このディスクにはワインガルトナー編曲の「大フーガ」も収録されており
これからまた、じっくりと耳を傾けてみたく思います。
ベートーヴェンの他にシューベルト、ブラームスJ.S.バッハなど
お気に入りの作曲家が目白押しです。
時間をかけてじっくりと聴いてみたいBoxになりました。

最後にアドルフ・ブッシュのメモとしてショップの記事を引用させていただきます。
「アドルフ・ブッシュ[1891-1952]は、兄フリッツ[1890-1951]が指揮者、弟ヘルマン[1897-1975]がチェリストというブッシュ三兄弟の二男。3歳からヴァイオリン学習を始め、11歳でケルン音楽院に入学、1912年、ブラームスのヴァイオリン協奏曲でソリストとしてデビューし、同年、ウィーン・コンツェルトフェライン四重奏団を結成、さらにウィーン・コンツェルトフェライ管弦楽団の首席奏者となり、翌1913年にザルツブルク音楽祭の前身であるSalzburger Musikfestに出演しています(ちなみに現在のザルツブルク音楽祭はSalzburger Festspiele)。
ソロ、室内楽、オケ奏者として実績を重ねたブッシュは、1917年、26歳でベルリン高等音楽院の教授に就任、1919年、ブッシュ弦楽四重奏団を結成しています。
その後、1921年に18歳のルドルフ・ゼルキン[1903-1991]とブランデンブルク協奏曲第5番で初共演、大成功を収め、以後、ヨーロッパ各地での室内楽の公演を中心に評価を高めて行きます。
しかし1926年、ナチ党がヒトラーの独裁体制となると、翌年、ブッシュはゼルキンがユダヤ系だったこともあり、共にスイスのバーゼルに移住、演奏活動を継続しますが、1939年、第二次世界大戦が始まると家族やカルテットのメンバーとアメリカに移住、1952年6月9日に亡くなるまでアメリカを拠点に演奏活動をおこないます。」
(以上、引用を)

                   
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 ブッシュ四重奏団

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