2016.07/30(Sat)

Op.346 ベートーヴェン:「ヴァイオリン・ソナタ第1番」 by   ズッカーマン&ナイクルグ

ベートーヴェンの作品が続いています。今日もまたベートーヴェン
クラシック音楽を聴き始めた頃、毎日ベートーヴェンを聴いていたものでした。
遠い昔に戻ったような昨今です。

前回、ピアノ・ソナタ第1番を聴きベートーヴェンの各ジャンルの「第1番」に
関心が湧いてきました。
ベートーヴェンの『第1番』を聴くシリーズ」のスタート?
今回はそのシリーズの第2弾に?
長年、親しみを感じているベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ
今日はヴァイオリン・ソナタ第1番を。
第1番にじっくりと耳を傾けることはあまりなかったように思います。
演奏は初めて聴くズッカーマン&ナイクルダです。

              ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番
                           by
                    ズッカーマン & ナイクルグ
                 ベートーヴェン 主要作品全集より


               304ベートーヴェン:セレナードOP.8Beethoven: Complete Masterpieces
                         (収録曲)

                        ベートーヴェン

               ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12-1
               ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.12-2
               ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12-3

                    ピンカス・ズッカーマン(Vn)
                    マルク・ナイクルグ(p)
                    (録音:1990~1991年)


               第1楽章:Allegro con brio ニ長調 4/4拍子
               第2楽章:Andante con moto イ長調 2/4拍子
               第3楽章:Rondo Allegro ニ長調 6/8拍子


作品12のヴァイオリン・ソナタの3曲
 第1番 作品12-1 ニ長調
 第2番 作品12-2 イ長調
 第3番 作品12-3 変ホ長調
作曲されたのは1797年から1798年にかけて書かれたそうです。

ベートーヴェンは生涯にヴァイオリン・ソナタを10曲残しているそうです。
10曲の内訳は。
第10番を除き大半が初期 及び 初期から中期への過渡期に作曲されたとのことです。
1798年頃に作曲された作品12の第1番から第3番までの3曲。
この作品12の3曲のヴァイオリン・ソナタはモーツァルトの影響を受け
モーツァルトの伝統を継承して書かれたそうです。

1801年に出版された第4番作品23と第5番作品24。
翌1802年に作品30の3曲、第6番、7番、8番。
因みに作品30はロシア皇帝アレキサンドル1世のために書かれたとのこと。
1803年、ベートーヴェン中期傑作時代の初めに書かれた第9番
作品47「クロイツェル」。
1812年、第10番作品96。
第10番はベートーヴェンの中期から後期への過度的時期にルドルフ大公のために
書かれたとのことです。

ベートーヴェンは1792年11月にボンからウィーンに移り住み
ハイドン、シェンク、アルブレツベルガー、サリエリ、フェルスター等に
師事をし作曲を学んだそうです。
この作品12の3曲は師の一人、アントニオ・サリエリに捧げられたとのことです。

以前、ヴァイオリン・ソナタ第3番の時に綴った内容と重複する点もありますが。
ベートーヴェンは4歳の頃からピアノ、9歳の頃からヴァイオリンを学び
12歳の頃からチェンバロやオルガンの奏者として活動を始めたそうです。
1789年、18歳の時にはボン国民歌劇場オーケストラのヴィオラ奏者としても
活動したとのことです。
1792年にウィーンに移住した後も若手ピアニストとして人気を得ていくとともに
ヴァイオリンやヴィオラを名手シュパンツィヒに師事をして学んだそうです。

                 346:ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ  Ignaz Schuppanzigh
                    Ignaz Schuppanzigh
                (1776年7月20日-1830年3月2日)

ベートーヴェンは貴族のサロンで弦楽四重奏のヴィオラのを弾き楽しんでいたそうです。
が、ヴァイオリンやヴィオラの腕前はピアノのように名手と言えるものではなかったとのこと。
作品12の3曲はベートーヴェン自身でヴァイオリン・パートを弾くつもりだったそうです。


ヴァイオリンとピアノで力強く颯爽と奏される第1主題で始まる第1楽章。
短い数小節後に早々とヴァイオリンが奏する緩やかで魅了する調べ。
聴き入っているうちにピアノとヴァイオリンは溌剌と弾むかのように。
第2主題ではヴァイオリンとピアノが奏する旋律に流麗さが漂っているよう。
溌剌とした明るさのうちに閉じられる第1楽章。
凛とした趣の第1主題が印象的な楽章。

第2楽章は主題と4つの変奏で構成されているそうです。
ピアノが静かに語りかけるように始まる第2楽章。
第1変奏はピアノに寄り添うヴァイオリンの静かな美しい調べ。印象的です。
第2変奏でのヴァイオリンの調べは美しい歌。そしてピアノは弾むように。
惹かれる変奏です。
第3変奏では速度を速め軽やかに歌うヴァイオリン。寄り添うピアノ。
次第に高揚するヴァイオリンとピアノからは激しさも。
第4変奏で再び静かな旋律に。
ピアノが奏する優雅な美しい調べ。
ヴァイオリンは柔和な歌を奏し2つの楽器の美しく静かな語らいのよう。
消え入るかのように静かに終わる第2楽章。

軽快なピアノが奏する主題で始まる第3楽章。
ピアノを追うヴァイオリンも軽快に。
耳に馴染んでいる主題。印象的です。
生き生きとした躍動感のうちに曲の終わりに。
溌剌とした生命力に溢れ前向きな推進力を感じる楽章。


曲を聴き終えリフレッシュされたような気持ちになります。
希望や生命力に溢れ、人生に影を落とすものもない明るい未来への
歩みを感じる曲。

軽妙で溌剌とした曲想にも拘らず
ズッカーマンのヴァイオリンからは柔和な落ち着きを感じます。
ナイクルダのピアノは初めて耳にするのですがヴァイオリンの良き
パートナー的存在でしょうか。
共に自己主張、感情を控え「和」を感じさせる演奏のように思われます。
手持ちの某全集では第1番は切れ味よく演奏されており好みの演奏ですが
ズッカーマン&ナイクルダの控え目(?)な演奏にもまた魅力的な一面を感じます。
希望を感じさせる前向きな第1番、気に入りました。

前回のピアノ・ソナタ第1番。そして今回のヴァイオリン・ソナタ第1番。
ともに重要視をされることがないようですが・・・。
じっくりと耳を傾けてみると2つの「第1番」ともに魅力のある曲。
青年ベートーヴェンの若々しい息吹が感じられるようです。


いつもの蛇足です。井戸端会議のオバサン話。メモとして。
しばしば目にする名前、当時の名ヴァイオリニスト、イグナーツ・シュパンツィヒ
彼は1808年からラズモフスキー伯爵の弦楽四重奏団のリーダーを務めたそうです。
ベートーヴェンとシュパンツィヒの交友についての記述(門馬直美著「ベートーヴェン」)
が目に留まりました。

イグナーツ・シュパンツィヒはベートーヴェンとほぼ同年配だったそうです。
シュパンツィヒはベートーヴェンより約6年遅く生まれ、ベートーヴェンの死後
3年目に世を去ったとのことです。
1794年に始まったベートーヴェンとシュパンツィヒの交際。
この年からベートーヴェンはシュパンツィヒからヴィオラを学び始めているそうです。
間もなくヴィオラをマスターしヴァイオリンを習うことになったベートーヴェン。
シュパンツィヒはベートーヴェンの作品を機会を見ては演奏をするようになったとのことです。
1798年3月29日の慈善音楽会でベートーヴェンとシュパンツィヒはヴァイオリン・ソナタを協演したそうです。
この時に演奏されたのが作品12の3曲の中の1曲と推定されるとのことです。

当時のシュパンツィヒは風采も立派だったそうです。
彼は25歳を過ぎた頃から太りだし太鼓腹になってきたとか。
背が低く、太鼓腹のシュパンツィヒはユーモラスにさえ見えたそうで、ベートーヴェンにからかわれる結果に。
1824年、ロシア方面の旅行から帰ってきたシュパンツィヒをベートーヴェンは
「我がフォルスタッフ卿」と呼んだりもしたそうです。
このあだ名はシェークスピアの戯曲、或いはサリエリのオペラ「ファルスタッフ」に因んでいるとか。
ベートーヴェンに悪意はなく時々見られるユーモアの一つだそうです。
微笑ましいエピソードに思わずニッコリ。


                   
関連記事

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ ズッカーマン ナイクルグ シュパンツィヒ

19:55  |  ベートーヴェン  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP |  NEXT