2016.08/27(Sat)

Op.350 ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」抜粋 by アバド&ベルリン・フィルハーモニーO.

ベートーヴェンのバレエ音楽「プロメテウスの創造物」。
曲のタイトルは目にするもののベートーヴェンのバレエ音楽を聴くのは初めてです。
アバドベルリン・フィルの演奏です。
全曲録音は少ないようでこちらのディスクも抜粋の7曲のみの収録です。
序曲が収録されていないのが残念。

            ベートーヴェン 「プロメテウスの創造物」抜粋(7曲)
            アバド~The RCA and Sony Album Collectionより


                 (tpwer)350ベートーヴェン 「プロメテウスの創造物」よりClaudio Abbado - The RCA and Sony Album Collection
                          (収録曲)

           ベートーヴェン:バレエ『プロメテウスの創造物』抜粋(7曲)
           リスト:交響詩『プロメテウス』
           スクリャービン:交響曲第5番作品60『プロメテウス』
           ノーノ:プロメテウス~組曲 (抜粋)

                   クラウディオ・アバド指揮
                   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
                 (録音:1992年5月23-25日 
                     ベルリン、フィルハーモニー ライヴ)
 

収録されているのは以下の7曲です。
 序奏:La.Temmpresta. Allegro non troppo
 第1曲:Poco Adagio-Allegro con brio
 第9曲:Adagio-Allegro molt
 第10曲:Pastorare. Allegro
 第14曲:Allegretto
 第15曲Adagjo-Allegro
 第16曲:Finale.Allegretto


作曲されたのは1800年。ベートーヴェン、30歳頃でしょうか。
序曲、序奏、他16曲で全18曲からなっているそうです。
現在は序曲と終曲を除き演奏される機会はないとのことです。

ベートーヴェンは2つのバレエ音楽「騎士バレエ」と「プロメテウスの創造物」を
作曲したそうです。
「騎士バレエ」(舞踏劇 Ritterballet への音楽)は8曲の小品を連ねたもので
オーケストラの編成も小規模たっだそうです。
ボン時代の1791年3月6日に宮廷の仮装舞踏会で上演されたそうです。
よって、本格的なバレエ音楽としては「プロメテウスの創造物」が
ベートーヴェンの唯一の作品と言ってもよいとのことです。

イタリアのバレエ作家兼舞踏家のサルヴァトーレ・ヴィガーノが企画した
バレエ公演のためにヴィガーノに依頼をされ作曲したそうです。

             350:ベートーヴェン:「プロメテウスの創造物」Salvatore Viganò
                    Salvatore Viganò
              (1769年3月25日-1821年8月10日)

ヴィガーノは既に1793年と99年にウィーンを訪れ成功を収めていたそうです。
彼は1801年にもウィーンを訪れる予定でその際に新作の<プロメテウス>を
上演しフランツ2世の妃、マリア・テレジア皇后に敬意を示そうとしたとのこと。
その作曲家として新進のベートーヴェンが選ばれたそうです。
ベートーヴェンが選ばれた理由としては
ヴィガーノ自身が音楽に造詣が深く、母方の兄弟にルイジ・ボッケリーニがおり
音楽と舞踏との双方のジャンルの音楽に親しむ環境等があったそうです。

バレエ音楽の素材として<プロメテウス>が選ばれたのは
当時、ハイドンのオラトリオ「天地創造」が人気を博していたことに
影響を受けたとみられているとのこと。

バレエの内容についてヴィガーノは2幕のバレエとしたそうです。
正確な内容の記録は残されていないとのことですが
以下のようなものであったようです。

第1幕:神の怒りに触れて天界を追われたプロメテウスが2体の粘土人形を作り、天界から盗んできた火をその心臓に与え生命をを吹き込む。
プロメテウスが疲れて仮眠をしている間に粘土人形は動き出し目覚めたプロメテウスはそれを喜ぶが、それがあまりにも粗野で不器用であり感情と理性に欠けているので失望する。
一旦はそれを壊そうとするが思い留まりパルナス山に連れて行くために引き摺って立ち去って行く。

第2幕:パルナス山のアポロ宮殿には多くの神々がいて美しい舞台を作る。
2人の創造物を連れて行ったプロメテウスは美の神や美術の神から人間の感情や欲望を彼らに授けてもらう。
2人はプロメテウスに感謝をするがそこに悲劇の神メルポメーネが現れ彼らを脅かしプロメテウスは殺される。
しかし、喜劇の神ターリアが登場すると悲劇は一変して喜劇となり、パンは半身半獣の諸神をともなって彼らを蘇生させバッカスとともに華やかで賑やかな饗宴を繰り広げる。

初演は1801年3月28日にウィーンのホーフブルク劇場で行われたそうです。
バレエ公演そのものは予想以上の好評を博したとのこと。
1801年のうちに16回、翌年は13回、公演されたそうです。

1801年に全曲のピアノ編曲が作品24として出版。
1804年にオーケストラ用の総譜がライプツィッヒで出版されたとのこと。
献呈はリヒノフスキー侯爵夫人に。


第1幕 序奏は1801年にピアノ編曲版が出版された際にこの序奏に『嵐』との
標題が付けられたそうです。
始まりはいかにも嵐を連想するような雰囲気で不安感が漂っているようです。

次の第1幕 第1曲は軽やかで明るく愉しげ。喜びの音楽のよう。

第2幕 第9曲は悲劇の神メルポメーネがもたらす悲劇の場面を表しているそうです。
音を刻むように始まる不穏な雰囲気。
時に活気のある趣も。

第2幕 第10曲 は喜劇の神ターリアが登場する場面の音楽とのことです。
木管楽器でユーモラスな感じで奏されて始まる。
ティンパニの連打も華やかに感じられます。
華を感じさせるような音楽。

第2幕 第14曲では
木管の穏やかな対話のようでオーケストラも鷹揚な雰囲気。
親しみを感じます。

第2幕 第15曲はのんびりとした雰囲気での始まり。
弦のピッツィカートを伴奏に穏やかに奏される木管たち。
軽やかさを経て次第に音量を上げ高揚し
活気を感じさせつつ15曲目は終わりに。

第2幕 第16曲では曲が始まりだした途端に耳に飛び込む馴染み深い旋律。
交響曲第3番の終楽章の主題。
ベートーヴェンはこの主題に愛着を抱いていたようで
1800年前後の作品「12のコントルダンス」の第7曲や
1802年作曲のピアノ独奏曲「エロイカ変奏曲」にもこの同じ主題が用いられているとのことです。
伸びやかに明るく軽やか。そして美しい旋律。
この主題が持つ明るさ美しさに聴き入ってしまいます。
耳を傾けていて心躍る愉しさも。
オーケストラとティンパ二の連打で閉じられる終曲。


初めて耳にした時には第16曲以外はほとんど印象に残らずでした。
回を重ね耳を傾けるていると各曲に魅力を感じるようになりました。
全曲録音を聴くこともない・・・と始めは感じていましたが
機会があったら全曲を聴きたいとの思いに変わってきました。

アバドベルリン・フィルのスッキリとした切れの良い演奏。
各曲は短いですが聴き終えてみると一つの楽曲を聴いた
充実感(?)のようなものを感じます。

アバドの逝去後に求めたBoxですが今まで眠らせてばかりでした。
これからは一枚一枚、耳を傾けたく思うようになりました。

                   
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン プロメテウスの創造物 アバド ベルリン・フィル ヴィガーノ

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