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2016.09/24(Sat)

Op.354 シューマン:「おとぎの絵本」 by バシュメット&ムンチャン

今まで気にかけることもなかったシューマンの「おとぎの絵本」。
バシュメットの演奏でシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」を聴き終え
次に流れてきた曲にハッと惹かれるものがありました。
タイトルを見るとシューマンの「おとぎの絵本」と記載されていました。

                 シューマン:「おとぎの絵本
        ユーリ・バシュメット~コンプリートRCAレコーディングより


         338シューマン「おとぎの絵本」ユーリ・バシュメット/コンプリートRCAレコーディング
                          (収録曲)

     シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
     シューマン:「おとぎの絵本」 ピアノとヴィオラのための4つの作品 Op.113
     シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 Op.70
     ブルッフ:コル・ニドライ Op.47
     エネスコ:演奏会用小品

                     ユーリ・バシュメット(Vla)
                    ミハイル・ムンチャン(P)
                       (録音: 1990年)


作曲は1851年3月にデュッセルドルフで書かれたそうです。
作品は4つの曲からなりヴィオラの代わりにヴァイオリンでも可とのこと。


            338Wilhelm Joseph von Wasielewski
             Wilhelm Joseph von Wasielewski
             (1822年6月17日-1896年12月13日)

曲はドイツのヴァイオリニストで音楽学者の
ヴィルヘルム・ヴァシエレフスキーに献呈されたそうです。
シューマンはこの曲のヴィオラ声部についての助言をヴァシエレフスキーから
受けたそうです。
尚、1950年秋にシューマンはデュッセルドルフ市の音楽監督として赴任し
この時デュッセルドルフの管弦楽団のコンサート・マスターとして招聘
されたのがヴァシエレフスキーだったとのこと。
また彼は最初のシューマンの伝記を書いたそうです。

私的初演は1853年3月25日にシューマン家に於いて
クララのピアノ、ベッカーのヴィオラで。
公式初演は1853年11月21日にボンに於いて
ピアノはクララ、ヴィオラはヴァシレフスキーで行われたそうです。  

1849年頃からシューマンは家庭音楽としての室内楽に
関心が向けられていたそうです。
当時作曲された作品には楽器の変更が可とされているものも多くあるそうで
おとぎの絵本」もヴィオラ譜とヴァイオリン譜が添付されているとのことです。


第1曲:Nicht schnell
寄りそうピアノの伴奏にヴィオラが哀愁を帯びた調べを歌って始まる第1曲。
ヴィオラの旋律を繰り返すピアノ。
そして、ともに同じ旋律を歌うヴィオラとピアノ。
曲の終わり頃にピアノのトリルが耳を惹きます。
が、華々しさを感じさせるようなものではなく
この曲から感じられる唯一の装飾のようにも。
ヴィオラとピアノが醸し出す静かで柔和な歌。
歌の底流には哀愁が漂っているようにも。
淡々と流れる旋律には心に染み入るものがあります。

第2曲:Lebhaft  
ヴィオラが切れの良い音を刻み闊達に奏され
追うようにピアノも。
ギャロップで進む馬の足音を表しているようです。
行進でもするかのような闊達な趣のギャロップ音形。
ピアノとヴィオラの早いパセージには華やかさや
高揚し飛翔をするような雰囲気も。
後半には舞踏を想わせるような雰囲気も漂い明朗な感じがするようです。
第1曲と同様にこの曲でもヴィオラが弦を指で弾くようにキリッとした終わりに。

第3曲:Rasch     
早い動きをで奏されるヴィオラとピアノでの始まる第3曲。
相変わらず素早く動き回るヴィオラ。
対照的にピアノは落ち着いた伴奏を。
束の間、曲が穏やかに。速度を落とすヴィオラ。
再び素早い動きが戻りヴィオラからは感情を駆り立てるような
情熱的な趣が。
闊達に終わる第3曲。

第4曲:.Langsam, mit melancholischem Ausdruck
夢見るようなヴィオラの甘美な調べと
静かに寄り添うピアノでの始まり。
印象的な曲の始まりです。
静かに思索をするようなヴィオラ。
ヴィオラとピアノがしみじみと語り合っているかのよう。
淡々と独白をするようなヴィオラにそっと寄り添うピアノ。
漂う静穏な雰囲気。
2つの楽器の静かな語らいに心が解されるようです。
この曲もまた最後はヴィオラが弦を指で弾くように静かに終わる。


タイトルを目にした時に子供のための作品かと思っていました。
が、どうしてどうして、まったくの見当違いの思い込み。
4曲のうち第1曲と第4曲には心に沁み入るものがあり
その調べにはいつまでも耳を傾けていたくなります。
お気に入りになりました。

バシュメットはこの曲の録音当時は37歳頃でしょうか。
RCAへの録音で初期のものになるそうです。
過日、バシュメットのヴィオラではシューベルトの「魔王」の
ヴァイオリンとヴィオラ版を聴きました。
今回の「おとぎの絵本」を聴き改めてヴィオラに惹かれるようになりました。

バシュメットのヴィオラの味わいのある音色。
爽やかに舞う風のような趣で奏されるヴィオラに好感を抱きます。
バシュメットが使用しているヴィオラは1758年製のパウロ・アントニオ・テストーレ
とのことです。
ピアノのミハイル・ムンチャンは初耳でした。
バシュメットを控え目に支えつつもバランスの良い演奏を聴かせてくれるようです。

通常ならこの作曲家名と作品名を目にしてもじっくりと耳を傾けることを
しない曲の類です。
こうして立ち止まって耳を傾け思いもかけない素敵な出合いになりました。

                 
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : シューマン おとぎの絵本 バシュメット

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