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2018.07/28(Sat)

Op.450 シューベルト:「ピアノ・ソナタ第17番」 by カーゾン

シューベルトピアノ・ソナタを聴くシリーズ」。
今日はピアノ・ソナタ第17番を。
クリフォード・カーゾンのピアノで聴いてみました。

シューベルトピアノ・ソナタ第17番 D.850
クリフォード・カーゾン~デッカ録音全集より

450シューベルト ピアノ.ソナタ第17番~クリフォード・カーゾン デッカ録音全集
(収録曲)
シューベルト

4つの即興曲 D.935 
ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 D.850,

クリフォード・カーゾン(P)
(録音:第17番 1963年6月 ステレオ)

第1楽章:Allegro vivace ニ長調 4/4拍子
第2楽章:Con moto イ長調 3/4拍子
第3楽章:Scherzo Allegro vivace ニ長調 3/4拍子
第4楽章:Allegro moderato ニ長調 4/4拍子


1825年8月に作曲されたそうです。
1823年2月にソナタ第14番D.784 が作曲された後
2年を経た1825年には3曲のピアノ・ソナタ
第15番ハ長調D.840
第16番イ短調D.845
そしてこのソナタ第17番ニ長調D.850
以上が作曲されたそうです。

これらの作品はシューベルトの芸術家としての目覚めを示す本格的な作品で
個性も十分に発揮されているとのことです。
シューベルトが悩み続けていたベートーヴェン的な動機操作から離れ
独自の展開技法を身につけ始めているそうです。
このソナタは第18番、19番、20番、21番と連なる大作に入るとのこと。

この年の4月、5月に続けて2曲のソナタ第15,16番を書き上げた後に
シューベルトは約4ヶ月の旅に出かけているそうです。
ソナタ第17番は旅先のオーストリアのグムデンとガスタインで書かれた交響曲第8(9)番、「大ハ長調交響曲」の完成直後に作曲されたとのことです。

曲の献呈はシューベルトの友人でピアニストのカルル・マリア・フォン・ボクレット(1801-1881)に。
ボクレットはアン・デア・ウィーン劇場のヴァイオリニストから後に優れたピアニストになり、友人シューベルトのピアノ曲の普及に大きな貢献をしたそうです。
尚、1825年以降作曲されたシューベルとのピアノ入りの室内楽曲の全ては技巧的になっているそうですが、ボクレットを想定し書かれたことが技巧的になっている理由とのこと。

初版は1826年4月8日にウィーンのM.アルタリア社から出版。
自筆譜はウィーンの国立図書館所蔵とのことです。


カーゾンで聴くシューベルトのピアノ・ソナタ第17番

重厚に響く和音の一打鍵に続き軽快なリズムで弾むような第1主題で始まる第1楽章。
この主題の左手が奏する和音の連打と右手の3連符の組み合わせは呈示部構成上の重要な素材となっているとのことです。
聴き覚えのあるような親しみを感じる主題旋律。
初めて聴く曲の筈なのに耳に馴染みのあるリズムと旋律。
第2主題も軽快。
弱音で奏される右手は流麗。愛らしい響きが印象的。
楽章の一貫した軽快さ。
コーダでは速度を上げつつ右手が奏する旋律の煌びやかな趣。
第1主題が現れ力強く閉じられる第1楽章。

抒情的な美しい調べの主題で始まる第2楽章。
静かに歌われるピアノの歌は心に染み入るような調べ。
ウットリと聴き入っていると静かな歌から生気を湛えた雰囲気に。
そして高揚感。情熱を感じさせる表情に。
ピアノの重厚な和音の響きは楽想を増長するようにも。
コーダで冒頭の調べが愛らしく静かに奏され、消え入るように閉じられる第2楽章。、
優しいピアノの歌、詩に心惹かれる楽章でお気に入りに。

躍動的な主題で始まる第3楽章。
3連符の軽やかさと付点リズムで奏されるスケルツォ主題。
躍動的な活発さ満点。
トリオはト長調の完全な和声的書法とのこと。
快い響き。響きの美しさの虜に。
軽やかで躍動的+愛らしさ。
コーダが28小節加えれれているとのことです。
愛らしさの漂う静かな調べで閉じられる第3楽章。
口ずさみたくなるようなリズミカルな楽章。

第4楽章は古典的なロンド楽章とのこと。
この楽章は「前第3楽章の充実にも関わらず、安直な終楽章を書いてしまっている」との記述が目に入ります。
幸いにも難解な事は分からない自分ですが。

左手の弾むような伴奏、右手の軽やかで愛らしい調べのロンド主題で始まる第4楽章。
右手の愛らしさが印象的。
左手と右手が無垢、無邪気に愉しく対話をしているかのような主題に好印象を。
ロンド主題が奏され静かに迎える曲の終わり。
愉しい雰囲気に溢れた愛らしい楽章。


愛らしい、の一言の曲。
今まで聴いていたシューベルトのピアノ・ソナタでは最も愛らしさを感じます。

カーゾンの演奏も肩ひじを張ることがなく聴いていて好感を抱きます。
第1楽章での流麗なタッチ。
軽快なリズムは一糸乱れることなく一貫性のあるタッチ。
お気に入りになった第2楽章で静かに歌われるピアノの「歌」。
カーゾンが奏し出す歌は心に染み入るようです。
内に語りかけるような繊細で気品が漂うピアノの「詩」を感じるようです。
弱音でのタッチの愛らしさ、響きの愛らしさも印象に残ります。
ベートーヴェンのソナタ第29番に匹敵する大作のソナタとのことですが
長大さを感じることなく耳を傾けておりました。

シュナーベルを師とするカーゾンは録音嫌いだったとか。
まだ、カーゾンの演奏でベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴いたことがなく
聴いてみたくなりました。

                
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : シューベルト ピアノ・ソナタ クリフォード・カーゾン

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