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2018.09/22(Sat)

Op.458 ベートーヴェン:「魔笛の主題による12の変奏曲」 by グルダ&フルニエ

ベートーヴェン変奏曲を聴くシリーズ」。
今日はモーツァルトの歌劇「魔笛」よりチェロ用の変奏曲より
魔笛に主題による12の変奏曲」を聴いてみました。

前回と同じフルニエのDG、デッカ、フィリプス録音全集より
グルダフルニエの演奏。
前回「ユダス・マカベウスの主題による12の変奏曲」をケンプ&フルニエで聴いた際に、お寄せいただいたコメントを拝読しグルダフルニエの演奏も聴いてみました。
お気に入りのケンプ&フルニエの演奏ばかりを聴いていたのですがグルダも気に入りましたので、グルダの登場で。

ベートーヴェン:「魔笛」の主題による12の変奏曲
フルニエ~DG、デッカ、フィリップス録音全集より

(457)ベートーヴェン 「ユダス.マカベウスの主題による変奏曲 ピエール・フルニエ DG、デッカ、フィリップス録音全集
(収録曲)
ベートーヴェン

チェロ・ソナタ第4番
チェロ・ソナタ第5番
「ユダス・マカベウス」の主題による12の変奏曲 WoO.45
魔笛」の主題による7つの変奏曲 WoO.46
魔笛」の主題による12の変奏曲 Op.66

フリードリヒ・グルダ(P)
ピエール・フルニエ(Vc)
 (録音:1959年)


作曲されたのは1798年、或いは1796年だそうです。
ベートーヴェンモーツァルトのオペラから主題を採った変奏曲を幾つか書いているとのこと。
ピアノとチェロ用の変奏曲としてはモーツァルトが1791年に作曲をし、生涯最後に完成をさせたオペラ「魔笛」からの2つの変奏曲。
この「『魔笛』の主題による12の変奏曲」と「『魔笛』の主題による7つの変奏曲」。
また同じ時期に「フィガロの結婚」からの主題でピアノとヴァイオリン用の変奏曲も書いているとのことです。

初版譜には「オペラ『魔笛』の<恋人か女房か>をテーマにしたオブリガートのチェロとピアノフォルテのための12の変奏」と記されているそうです。
主題は「魔笛」第2幕でパパゲーノが歌うあの有名なアリア<恋人か女房か>の冒頭を採ったものとのことです。
「魔笛」はモーツァルトの歌劇では一番のお気に入りですので
このパパゲーノのアリアも最も耳に馴染み深いアリア。

出版は1797年9月、ウィーンのトレ―クより。
献呈はなし、とのこと。


グルダ&フルニエで聴くベートーヴェンの「魔笛の主題による12の変奏曲」
自分のメモとして記しつつ。

主題:Allegretto 2/4拍子 ヘ長調
「魔笛」第2幕でパパゲーノが歌う有名なアリアの冒頭をとったもの。 

ピアノが弾むようなタッチの主題を呈示し曲の開始。
例の有名なパパゲーノのアリアの旋律を耳に、つい一緒に口ずさみたくなります。
ユーモラスな雰囲気。
軽やかに弾けるようなピアノ。
ベートーヴェンが初版譜に記したように、ピアノが主導でチェロはオブリガートとしての役目を。
やはりこの曲でも好みの楽器チェロに無意識のうちに神経が向いてしまうのを阻止するグルダのピアノ。
グルダのピアノは主役としての存在感強し。
0分36秒と記載された主題が終わり変奏に。

各変奏はテンポ、調性、小節数の変化による楽節構造など様々な変化が音楽の動揺をもたらし表出性を高めているとのこと。

第1変奏は主題の面影をほとんど残しピアノとチェロで奏され
第2変奏はチェロが主導し悠とした雰囲気で僅かに変化をした主題を歌い
この変奏ではピアノがオブリガート的?
第3変奏でピアノ主導になり流麗に奏される主題。
第4変奏ではチェロが呟くような趣で主題を奏し
チェロの合間を縫うように姿を表すピアノ。
第5変奏はピアノが弾むように奏し出され始まり
チェロもピアノとともに歓喜を感じさせる風情の変奏。
第6変奏ではピアノの素早い流麗な動きが変奏の間、一貫して続き
チェロは奏し続けるピアノの中を歩を刻むかのように。
第7変奏になり主題は原形の姿を消し、テンポが落ち、静かな雰囲気に。
ゆったりと歌うチェロ。
明朗な響きのピアノはチェロに歩を合わせるかのように。
前変奏までの雰囲気がだいぶ変わり印象に残る変奏です。
第8変奏で再びテンポが元に。
主導するチェロは駆け足を連想させるように奏され
ピアノも躍動的に。
姿を表す主題は軽快に奏され生気を取り戻すかのよう。
第9変奏、主題が次第に原形に近付くよう。
ピアノ、すぐ続くチェロ。
静かにこの変奏を終え次の第10変奏に。
第10変奏でAdagio に。今までの変奏の調性的安定を崩しへ短調に。この変奏までは主題の16小節構造を保持。音楽は新たな段階に入ったことを表明しているとのこと。
ピアノの暗く物憂い趣で始まる変奏。
沈黙をするチェロ。
ピアノの独り言が終わり加わるチェロ。
ピアノに代わりチェロが主導し重々しい雰囲気に。
時に感情を噴出させるようなピアノ。
暗鬱な表情の変奏で聴き応えを感じます。
第11変奏、Poco adagio quasi andante へ短調 。この変奏から楽節構造に変化、16小節から21小節に。 
前変奏と同じような暗鬱な表情。
前変奏同様にへ短調の調性に支配されたこの変奏も聴き応えを感じます。
最終変奏の第12変奏:Alegro 楽節構造は80小節に。
完全に原形を取り戻す主題。
ピアノとチェロが奏する明朗な軽快さ。
前の2つの変奏の調性から解放され晴天に戻ったような。
生気に溢れた明るい変奏。
生き生きとした雰囲気で閉じられる曲。


モーツァルトの「魔笛」の主題によるチェロ用の2つの変奏曲のうち
「魔笛の主題による7つの変奏曲」WoO.46 は既に6年程前にカザルス&コルトーの演奏でブログに登場をしていたようです。
どのような曲だったのか、すっかり忘れてしまいました。

今回、聴いた「魔笛の主題による12の変奏曲」も
聴いていて変奏曲の楽しみを存分に味わわせてくれるようです。

前回、コメントをお寄せいただくことがなければ聴くことがなかった筈のグルダ&フルニエの演奏。
聴いてみると、曲が鳴り始めた瞬間からグルダのピアノに耳は釘付けに。
生き生きとし、清々しい雰囲気のグルダ&フルニエの演奏。

過日も書いたかも知れませんが、嘗ては変奏曲は聴くとしても漠然と聞くだけでした。
ブログに綴ることもなく聴いていれば、今でも漠然と聴いていることでしょう。
変奏の一つ一つにじっくりと耳を傾けていると変奏曲の世界の楽しさの虜に。
じっくり、と言っても各変奏が数十秒の短さでウッカリしていると次の変奏に入っていることも。
各変奏の移り変わり、性格の変化、主題の変化に耳を奪われ通しに。

12の変奏の中で印象深いのは第7変奏。
第6変奏までの明朗さから一変をするような第7変奏の静かな雰囲気、歌うチェロは印象的。
ベートーヴェン節(?)の復活で聴き応えを感じる第10、第11変奏。
そして最後の第12変奏も主題の原形が生き生きと感じられる快さ。

グルダは苦手なピアニストだったのですが、コメントを拝読して「ユダス・マカベウスの主題による変奏曲」から聴き直してみました。
グルダ&フルニエの演奏を聴きグルダのピアノに耳を傾けつつ、苦手な筈のグルダのピアノ、ピアニズムに即、惹かれてしまいました。
苦手意識はグルダに抱いていた先入観が原因だったのかも・・・と。
お寄せいただいたコメントに感謝を。

チェロ用の変奏曲は前回の「ユダス・マカベウスの主題による変奏曲」
そして今回の「魔笛の主題による12の変奏曲」
6年程前に登場をしていた「魔笛の主題による7つの変奏曲」
以上の3つの作品でチェロ用の変奏曲は卒業でしょうか。
さて、次は?

                 
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン 変奏曲 モーツァルト 魔笛 グルダ フルニエ

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