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2018.10/27(Sat)

Op.463 ワーグナー:「交響曲」 by ハンス・シュミット=イッセルシュテット&北ドイツ放送交響楽団

ワーグナー交響曲は一度は聴いてみたいと思いながらも
わざわざディスクを求めてまで聴きたい気持ちはなし。
偶然にもイッセルシュテット・ザ・コレクションの Box に収録されていました。

ワーグナーの作品で一番のお気に入りは「マイスタージンガー」。
第1幕への前奏曲が聴きたくイッセルシュテットの Box より取り出したディスクに
ワーグナー交響曲が収録されていることに気が付きました。
イッセルシュテットの「マイスタージンガー」第1幕への前奏曲を聴き気分を良くし
次曲の交響曲は興味本位全開で耳を傾けてみました。
初めて聴くワーグナー交響曲
意外にも魅力溢れる交響曲と感じ入っています。
イッセルシュテット北ドイツ放送交響楽団の演奏で。

ワーグナー交響曲 ハ長調
イッセルシュテット・ザ・コレクションより

463:ワーグナー:交響曲ハンス・シュミット=イッセルシュテット・コレクション
(収録曲)
ワーグナー

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より
  第1幕への前奏曲
  第3幕への前奏曲
「パルジファル」~前奏曲
「神々の黄昏」~ジークフリートの葬送行進曲
交響曲ハ長調 WWV29

ハンス・シュミット=イッセルシュテット
北ドイツ放送交響楽団
(録音:交響曲 1962年 モノラル)


第1楽章:Sostenuto e maestoso-Allegro con brio
第2楽章:Andante ma non troppo un poco maestoso
第3楽章:Allegro assai
第4楽章:Allegro molto vivace


1832年6月頃にライプツィッヒで作曲されたそうです。
ワーグナー、19歳。
ワーグナーは1830年頃から多くの演奏会用序曲を作曲していたとのことで
それらの経験が交響曲を作曲する自信になったと、推測されるようです。

ワーグナーは交響曲を2つ作曲しているそうです。
1曲は1834年に作曲された「交響曲」ホ長調。
この作品は第1楽章と第2楽章の29小節しか書かれずに未完とのこと。
ワーグナーの交響曲と言えば、この「交響曲ハ長調 」を指すそうです。

交響曲ハ長調はワーグナーがクリスティアン・テオドール・ヴァインリッヒの下で最初の作曲修業を終了したばかりの時に書かれたそうです。
ヴァインリッヒは聖トーマス教会のカントルであり、クララ・シューマンの作曲の師としても知られているとのこと。
この交響曲は形式と作曲技法の点で高い完成度を持っているそうです。
確固とした形式が維持され均整のとれた音楽的コントラストが見事に織り込まれている、とのことです。

初演は1832年11月にプラハ音楽院に於いて。
ボヘミヤの作曲家でプラハ音楽院の設立に貢献をした音楽教師のディオニス・ウェーバー(1766年-1842年)の指揮、プラハ音楽院管弦楽団の演奏で行われたそうです。
現在は紛失してしまっている自筆譜による初演だったとのこと。
翌1833年1月にはライプツィッヒのゲヴァントハウス・オーケストラが再演しているそうです。
この際に自筆譜が紛失したとのこと。
失われた自筆譜の行方とゲヴァントハウス・オーケストラの指揮者であったメンデルスゾーンとの間に何等かの関係があるのではないか、との推測もされているそうです。

尚、ワーグナー一家は1882年9月14日にヴェニスに旅行をし、半年程の滞在で1883年2月13日にワーグナーは病死したとのこと。
このヴェニス滞在中の1882年12月24日、フェニーチェ劇場で妻コジマの誕生パーティを兼ねた演奏会を開いたそうです。
その際にワーグナーは50年前に作曲したこの交響曲ハ長調を自身の指揮で演奏したとのことです。
その演奏で使用されたのはザイドルが作ったパート譜を使用したとのこと。
自筆スコアは消失したまま発見されていないそうです。

(463)ワーグナー 交響曲ハ長調 アントン.ザイドル
Anton Seidl
(1850年5月7日-1898年3月28日)

この交響曲のパート譜を作成したオーストリア生まれのザイドルは
「ニュルンベルクの指輪」4部作の完全初演などでも有名な指揮者とのこと。
後にニューヨークに渡りドヴォルザークの「新世界より」の初演などもしたそうです。

出版は1911年にライプツィヒのM.ブロックハウスにより初版が刊行され
ブライトコプフ・ヘルテル社版の全集版に収められたとのこと。
出版の経緯は、忘れ去られていたこの交響曲をワグネリアンとして著名な音楽学者W.タッペルト(1830-1907)が再評価したのを受けアントン・ザイドルが作ったパート譜に従っているとのことです。


イッセルシュテット&NDRで聴くワーグナーの交響曲

管楽器の強打の序奏で始まる第1楽章。序奏は54小節とのこと。
第2主題の流れるような旋律にすでに後年のワーグナー特有の雰囲気が漂っているよう。
管楽器の活躍が印象的。
楽章全体がオペラの序曲のような趣。
躍動、ドラマティックさ、力強い華々しさに溢れた楽章でしょうか。
力強い躍動感のうちに閉じられる第1楽章。
聴く者を惹き込むような楽想の連続のように感じられます。

クラリネットがゆったりと奏され始まる第2楽章。
チェロが現れ奏する主題に漂う神秘的な雰囲気。
長い主題が奏された後に現れる管楽器やティンパニ。
ファンファーレのように奏され勇ましさを感じる楽想に。
この楽章を聴いていると「栄華衰退」の言葉が脳裏に浮かぶようです。
ロンド形式で書かれた一遍の「物語」を連想させるような楽章でしょうか。

力強い覇気とともに始まる第3楽章。
スケルツォ主題の華々しさと力強さ。
息をつかせないような楽想の連続。
管楽器、ティンパニも加わり渾身の力を込め閉じられる第3楽章。

強い一打で始まる第4楽章。
第1主題を奏する弦楽器の細やかさ。
第2主題で活躍する木管楽器たち。
軽やかでリズミカルな雰囲気。
再現部に入る前の高揚感、盛り上がりは圧巻。
コーダになり速度を上げて勇壮に迎える曲の終わり。


曲を聴く前にはワグネリアンでもない私にとっては一回聴けば十分な曲、と思っていました。
嘗てはワーグナーの作品が気に入っていた時もあった、と今は懐かしく想い出すだけのワーグナー。
年々、ワーグナーの作品に疎遠になっています。
昔から気に入っていた「マイスタージンガー」と「オランダ人」は今でもお気に入りの作品であることに変わりはありませんが。

さて、交響曲を聴き専門的な事は分からないながらも
1回目に聴いた時には取り立てて記憶に刻まれる旋律がある訳でもなく
作品としての個性も感じられず・・・という、負の印象を抱いていました。
2回目に耳を傾けてみると印象にかなりの変化が。
惹き付ける魅力のある作品と感じるように。
ワーグナーの音楽に漂う「魔」のような魅力でしょうか。

イッセルシュテット&北ドイツ放送交響楽団の演奏は
楽器たちに雄弁に語らせつつも、じっくりと聴かせてくれるようです。
それでも楽想故でしょうか、息つく間もないような想いも抱きますが。
聴いているうちにワーグナーのこの交響曲はあまり耳にする機会がないようで
残念な想いも抱きました。
想像以上に魅力に溢れた惹かれる要素を持つ曲であると目覚めた次第。

               
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ワーグナー 交響曲 イッセルシュテット 北ドイツ放送交響楽団 アントン・ザイドル

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