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2019.02/02(Sat)

Op.468 ベートーヴェン:「ピアノ・ソナタ第29番 <ハンマークラヴィーア> 」 (弦楽四重奏版) by ライプツィヒ弦楽四重奏団

週一回の更新が、月一回の更新になりつつあるような昨今です。
ゆっくり、のんびりペースで・・・。
さて、年が明けて初買いのディスクは2種。
ライプツィヒ弦楽四重奏団とパスカル四重奏団でした。

今日は先ずライプツィヒ弦楽四重奏団のディスクからです。
ベートーヴェンピアノ・ソナタ第29番弦楽四重奏版
こちらのディスクはブログ仲間の御方が昨年、印象に残ったディスクとして
お取り挙げになられているブログ記事を拝読し是非、聴きたくなりました。
ブログを拝読するまで弦楽四重奏版の存在すら知らなかった自分。
オーケストラ版は嘗てワインガルトナーのオーケストラ編曲版で聴き
気に入りブログに登場していました。

ベートーヴェンピアノ・ソナタ第29番ハンマークラヴィーア弦楽四重奏版
by
ライプツィヒ弦楽四重奏団

468 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』(弦楽四重奏版) ライプツィヒ弦楽四重奏団
(収録曲)
ベートーヴェン

ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」(弦楽四重奏版
「レオノーレ」序曲第3番 Op.72b(弦楽四重奏版
「フィデリオ」序曲 Op.72c(弦楽四重奏版)

ライプツィヒ弦楽四重奏団 のメンバー
  コンラッド・マック、ティルマン・ビューニング(Vn)
  イーヴォ・バウアー(Vla)
  マティアス・モースドルフ(Vc)
(録音:2017年)

  第1楽章:Allegro 変ロ長調 2/2拍子
  第2楽章:Scherzo Assai vivace 変ロ長調 3/4拍子
  第3楽章:Adagio sostenuto 嬰へ短調 6/8拍子
  第4楽章:Largo 4/4拍子 - Allegro risoluto 3/4拍子 変ロ長調


弦楽四重奏への編曲者はデイヴィッド・プライラーとのことです。

ピアノ・ソナタ第29番について、いつものように自分の復習を兼ねて過去の記事からコピーなどを以下に。

ベートーヴェンのスケッチ・ブックによると1817年11月に作曲に着手。
翌1818年初めには第2楽章までが完成。
第3,4楽章は夏にメードリングの「ハフナ―ハウス」に滞在をしていた間に
ほぼ完成したようです。
ベートーヴェン47歳頃から48歳頃でしょうか。
1819年の3月には作曲も浄書もすべて終わっていたとのことです。

この曲の「ハンマークラヴィーア」という呼称の由来は
ベートーヴェンがシュタイナー社宛ての手紙に “Große Sonate für das Hammerklavier” とドイツ語で記すように指定したことによるそうです。

ベートーヴェンは1818年の夏、ロンドンのピアノ製造者ブロードウッドから優秀なピアノを贈られたそうです。
当時、英国製のピアノは性能では他を圧し優れた機構と音質を持っていたとのこと。
このソナタの第1、第2楽章はピアノを贈与される以前に作曲されており
第3,4楽章だけがブロードウッドのピアノで作曲されたようです。
因みに、ベートーヴェンは1787年にヴァルトシュタイン伯からシュタイン製のピアノフォルテを贈与されて以来、1825年に最後のものとなるC.グラーフ製のピアノを手にするまでに10種類以上のピアノを使用したとのこと。

第3楽章の導入の1小節は、すでにロンドンで印刷にかかっている頃にベートーヴェンが付加したものだそうです。
ベートーヴェンがロンドンに住むリース宛ての1819年4月16日付けの手紙に、各楽章のテンポをメトロノームで指示した折に、第3楽章の導入の1小節を挿入するように依頼をしたとのこと。
また、同じくリース宛ての4月19日付けの手紙には、ベートーヴェンは次のようにも記しているそうです。
「このソナタは苦しい事情のもとで書かれた。パンのために書くのはまったく辛いことだ」

出版は1819年9月、ウィーンのアルタリアから。
曲の献呈はルドルフ大公。
自筆譜は紛失したとのことです。


ライプツィヒ弦楽四重奏団で聴くベートーヴェン、ピアノ・ソナタ第29番弦楽四重奏版

通常はスピーカで聴ているのですが極力集中をして鑑賞をする時はヘッドフォンを使用。
と言うか、ヘッドフォンで聴くことが大好き。
スピーカとヘッドフォンではかなり違った印象を受けてしまうのですが。
このディスクも さに非ず で、今回初めてヘッドフォンで聴いてみて魅力が倍増したようです。

第1楽章の第1主題は印象に残りますのでこの主題を聴くと第29番だと分かるのですが
他のベートーヴェンのピアノ・ソナタ作品になると相変わらず今でも「???第何番なのか?」になってしまいます。
第1楽章からこの弦楽四重奏版及び四重奏団に惹き込まれてしまいます。
ライプツィヒ弦楽四重奏団の演奏は初めて聴くものです。
4者一体化した緻密なアンサンブル。
理屈っぽくない演奏・・・と言う表現は変かも知れませんが
じっくりと音楽に向き合わせてくれ、情感が豊かに伝わってくるような演奏でしょうか。
往年の演奏家ばかりに惹かれることが多いのですが
このディスクを聴き、現在の演奏家の素晴らしさを認識させる魅力ある四重奏団のように感じます。

第1楽章の流麗な美しさ。
第1楽章がこのよう美しさを湛えていることを初めて感じたように思います。
息を呑みつつ耳を傾けてしまいます。
今まで、この曲に楽しさに似た想いを抱いて聴いたことがあった?と自問をしつつ。
情感、表情豊かな演奏。
素晴らしい弦楽四重奏版。

第2楽章のスケルツォでは楽章中終始奏される同一のリズム。
弦楽四重奏版ではそのリズムが一層、簡潔な趣、歯切れの良さとして感じられるようです。
またこの編曲で聴くと見通しが良く、曲が分かり易く感じられるようです。
原曲のピアノ演奏よりも多様な変化を楽しみつつ耳を傾けてしまいます。

第3楽章はピアノで聴いていた時にはあまり印象に残らない楽章でした。
この編曲版で聴き、とても惹き込まれ大のお気に入りになった楽章。
愁いを帯びた調べで始まる第3楽章。
まるで悲歌のような調べの第1主題。
ピアノで聴く以上に哀愁、哀感が伝わり胸を締め付けられるようです。
深い悲哀感。
救いようのない悲哀でありながら、相反するような穏やかさ。
複雑に絡み合う心情が美しい悲歌として歌われているように感じられ聴き入ってしまいます。
悲哀は大らかにゆったりとした「美」として浄化、昇華された「悲歌」でしょうか。
窮極の「美」の姿でとも言うべきでしょうか。
この楽章は聴く折々の心を反映するように感じつつ耳を傾けています。
多々の想いを心にしつつ聴く時にはそっと寄り添い慰めてくれるような楽章。
ホッと安堵をした気分で聴く時には、限りない優しさで包み込んでくれるような楽章。
そして今日、数日振りに聴くこの楽章は
太陽が顔を出し外気は寒くても、暖かな温もりで包んでくれるような。
耳を傾ける毎に七変化をするかのような不思議さを感じる楽章。
ライプツィヒ弦楽四重奏団のメンバー、一人一人の楽器から生み出される調べは
恰も子守歌のように心に伝わる時もあります。

第4楽章の序奏を聴き、ピアノ・ソナタの弦楽四重奏版ということを忘れてしまうようです。
主部に入り活き活きと伝わる躍動感。
フーガも分かり易い形で耳に伝わって来るようです。


ディスクが到着してから約3週間程が経ちましたが
繰り返し聴く毎に好感度が増してゆくようです。
毎日、聴いていても飽くことがありません。
特に第3楽章。
聴く度に新たに気付くことや発見、感動があります。
興味深い編曲であり演奏。
原曲のピアノで聴くよりもじっくり耳を傾け曲に対峙できるようにも感じます。
弦楽四重奏という編成が好みの所為もあるかも知れませんが
原曲のピアノ演奏よりも気に入っています。

耳を傾けていると「ハンマークラヴィーア」の弦楽四重奏版ということを忘れ
ベートーヴェン作曲のもう一つの新たな「弦楽四重奏曲」に出合ったような。
第1楽章から終楽章に聴き進み、素晴らしい編曲、編曲者そして演奏者。
感嘆の想いばかり。

収録されている2つの序曲、「レオノーレ」第3番、「フィデリオ」序曲も素晴らしいもの。
できれば「コリオラン」序曲もこの編曲者、この弦楽四重奏団で聴きたいと切望を。

このディスクを聴きライプツィヒ弦楽四重奏団でベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集を聴きたいとの想いが募ってきました。
う~ん。私には価格が少々・・・ですが、是非、聴いてみたい全集。
今年の抱負、その一。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集をライプツィヒ弦楽四重奏団で聴くこと。

素晴らしいディスクとの出合いに感謝です。
久々振りに感銘を受けた愛聴盤になりました。

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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

タグ : ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第29番 ハンマークラヴィーア 弦楽四重奏版 ライプツィヒ弦楽四重奏団

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