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2019.05/25(Sat)

Op.471 メンデルスゾーン:「ピアノ六重奏曲」 by アマティ弦楽合奏団

いつもお邪魔をさせていただいているブログでメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲の記事に出合ったのは、つい最近のことです。
記事を拝読し、メンデルスゾーンの作品に新たな関心が湧いてきました。
私にとっては心に響く作品に出合うことが少ないメンデルスゾーンの音楽。
久しく疎遠な作曲家の一人でした。
云々、言いつつもメンデルスゾーンはこの拙ブログに出番が多い方かも・・・。

メンデルスゾーンに関心を抱き始めたのは、この数年来の事のように思います。
当時、いつでも聴きたい時に聴くことができるように、との想いで入手をしておいたメンデルスゾーンのBox。
冬眠状態だったBoxです。
ブログを拝読させていただき、やっと聴き始めてから数週間が経ちました。
数週間を経ても40枚組Boxのほんの一部しか未だ聴いていない状況ですが
目下のお気に入りはピアノ六重奏曲

いつもお邪魔をしているブログの御方も昨日、偶然にこのピアノ六重奏曲をお取り挙げになられていらっしゃいました。
ピアノ六重奏曲はお気に入り中のお気に入りで、メンデルスゾーンの作品では最も好きな作品になってきました。
初めてこの曲との出合いから2週間来、この曲ばかりを聴いています。
繰り返し何回聴いても未だ飽くことがありません。
あまり心に響く曲が少ないメンデルスゾーンの音楽でしたが
この曲は数少ない例外の一曲になりました。
演奏はアマティ弦楽合奏団です。

メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲
メンデルスゾーン・ポートレイトより~アマティ弦楽合奏団


471メンデルスゾーン:ピアノ六重奏曲 アマティ弦楽合奏団 メンデルスゾーン.ポートレイト
(収録曲)
ピアノ六重奏曲 ニ長調 Op.110
弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20

アマティ弦楽合奏団(ピアノ六重奏曲の奏者たち)
ダリア・ウズィエル(P);ギル・シャロン(vn)
ロン・エプハート;リーサ・タミネン(Vla)
アレックス・ファルショフ(Vc)、ヤン・サッセン(Cb)
(録音:1996-97年)


第1楽章:Allegro vivace ニ長調 4/4拍子
第2楽章:Adagio 嬰へ長調 3/4拍子
第3楽章:Menuetto agitato ニ短調 6/8拍子
第4楽章:Allegro vivace ニ長調 4/4拍子


作曲はメンデルスゾーン15歳の年、1824年の4月から5月にかけ、1ヶ月足らずの間に書かれたそうです。
メンデルスゾーンの自筆楽譜によると第1楽章の終わりに「1824年4月13日」と記され
最後の第4楽章の終わりには「1824年5月10日」と書き込まれているとのことです。

作品番号が110となっていて、後期に作曲されたものと思ったのですが
1824年、15歳の時、極めて初期に作曲されたそうです。
同年に作曲されたのは、「ピアノ四重奏曲ロ短調」作品3、「交響曲第1番」作品11、「2台のピアノのための協奏曲」変イ長調などがあるとのことです。
またこの年、1824年前後より公開での演奏活動もかなり多くなってきたそうです。
以前までの家庭での小編成のアンサンブルを主体とした演奏会から
演奏活動が多くなってきたことにより広い会場での演奏会に目を向け始め
本格的な演奏会向きの作品を書く傾向になったとのことです。
ピアノ六重奏曲はそのような過渡期に属する作品になるそうです。
尚、余談ながら祖母からバッハの「マタイ受難曲」のスコアをプレゼントされたのがこの年、1824年だったようです。

メンデルスゾーンはピアノを用いた室内楽曲を始めとする作品でピアノをピアノ協奏曲風に動かし、ピアノを主体とする傾向があったそうです。
然し、公開の演奏会を前提として書かれたこのピアノ六重奏曲ではピアノは華やかに効果的に活躍させつつ、弦楽器との対立やバランスを緻密に考慮するようになってきているとのこと。
然しこの曲は成功をした作品になることはなかったようですが。

初演の正確な日時や場所は不明とのことです。
この作品をメンデルスゾーンは生前に公開で演奏をすることがなく、自身であまり気に入ることがなく出版もしなかったそうです。
メンデルスゾーン家では毎週土曜日の午前中に自宅で家庭演奏会が催されていたとのことで、その家庭演奏会で初めて紹介されたのではないか、と言われているそうです。

曲の出版はメンデルスゾーンの死後1868年にライプツィヒのキストナー社、及びロンドンのノヴェロ社から初めて出版されたそうです。
出版された際にはまだ作品110の番号を与えられず、メンデルスゾーンの遺品を新たに整理した番号に従い「39」という番号だったとのこと。
後にメンデルスゾーンの全集に収められた時に作品110とされたそうです。
尚、後に出たメンデルスゾーンの新しい作品目録によると「MWV Q16」との新たな作品番号が付けられたとのこと。

この曲の楽器編成(ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ2、チェロ、コントラバス)について。
門馬直美氏によると、このピアノ六重奏曲とまったく同じ編成の曲は
アルトマン「室内楽文献」に一曲も掲載されていないとのことで、メンデルスゾーン自身がこの編成を考えだしたと推定されるようです。
ピアノがかなり派手に動くことへの対比として弦の中声部以下を充実させるという考慮もされていたようです。


アマティ弦楽合奏団で聴くメンデルスゾーンのピアノ六重奏曲

弦が奏する穏やかで滑らかな第1主題で始まる第1楽章。
この主題の穏やかさには夢見るような趣も漂っているようにも。
ピアノが現れピアノからも穏やかな雰囲気が。
ピアノと弦の滑らかな会話を経てこの曲では初めて感じられる活気ある調べに。
優美な調べを経てピアノだけが奏する第2主題に。
清明で屈託のない愛くるしさが漂うような主題。
初めて耳にする旋律でありながら「いつか、どこかで」聴いたような親和感を抱く主題。
ピアノに代わり弦が繰り返し奏するこの主題を経て
華麗な動きをするピアノの登場。
展開部もピアノの軽快な華やかさ。
再現部を経て迎えるコーダ。
明朗に弾むように奏されるピアノと弦楽器たち。
明るく力強く閉じられる第1楽章。

ヴァイオリンとヴィオラで静かで和やかな旋律が奏でられ始まる第2楽章。
柔和で穏やかなこの第1主題。 
現れるピアノは物思わしげに呟くような趣。
瞑想的な雰囲気も漂う第2主題。
ピアノと弦が静かに奏され閉じられる第2楽章。
お気に入りの楽章になりました。

切迫をした雰囲気を感じさせ始まる第3楽章。
ドイツ語では、小さなステップの踊り、を意味するメヌエット。
本来のメヌエットの舞曲を想像してこの楽章を聴き始めたものの・・・。
耳を傾けていると弦楽器たちが何やら深刻な会話をしているかのような雰囲気。
トリオになり主役的に奏される弦楽器。
感傷的な雰囲気すら感じてしまいます。
ピアノは動的に奏され活気を感じさせるよう。
楽章の終わりは切り上げるかのようにサッパリと。
前楽章同様にこの楽章も惹かれるものがありお気に入りの楽章に。

左手で刻むリズムの中を右手が奏する軽やかで明朗な調べで始まる第4楽章。
この第1主題の活気のあるピアノ。
弦だけで奏される第2主題。
新しいリズムになり明朗な躍動感に溢れ
ピアノ、弦楽器たちともどもが生き生きとしているよう。
熱情的な趣、高揚感に満ち聴いていて息を呑む想い。
この曲では最も躍動的な楽想に溢れた楽章でしょうか。
ピアノ、弦楽器たちが醸し出す華麗な雰囲気にも耳を奪われます。
楽章の終わり頃、ドラマティックに奏される第1主題には耳を奪われるばかり。
闊達に力強く突き進み迎える曲の終わり。


曲が終了し、素晴らしい曲、の一言。
第1楽章ではほとんど休むことなく奏し続けられる華麗なピアノに対し弦楽器たちからは素朴な雰囲気すら感じられるようです。
第2楽章。この楽章を聴き、メンデルスゾーンに対し抱いていた認識が新たにされたようです。
味わいのある楽章。
メンデルスゾーンの音楽の一面として深く印象に残る楽章になりました。 
第3楽章は通常耳にするメヌエットとは異質さを感じますがこの楽章も前楽章とともに印象的。
第4楽章に漂う熱気、活気には震撼させるような魅力を感じます。
弦楽合奏団ながら織り成す音楽のスケールの大きさ。


演奏者のピアノのダリア・ウズィエル
及びアマティ弦楽合奏団について私にはまったく初耳でした。
ウズィエルのピアノは滑らかで流麗、且つ力強さも併せ持った表情豊かなピアニズムを聴かせてくれるようです。
アマティ弦楽合奏団は誇張のない至って自然な流れを重視しているのでしょうか。
楽想を真摯に捉えた音楽を創造しているように感じられます。

演奏される機会も少なく、有名曲の陰に隠れてしまっているような曲ですが
もっと陽が当たることを祈りたくなります。
メンデルスゾーンの有名曲と比肩をしても勝るとも劣らない作品のように思われます。

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タグ : メンデルスゾーン ピアノ六重奏曲 アマティ弦楽合奏団

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