♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.67 ヴェルディ:「アイーダ」 by カラヤン&ウィーン・フィル(1979年)

初めて求めましたオペラ作品はヴェルディの「アイーダ」でした。
昔々のLP時代のことで、カラヤンウィーン・フィルの1959年録音のハイライト盤。
アイーダがテバルディ、アムネリスがシミオナート、ラダメスがベルゴンツィ。
神話的名演、ということすら知らずに聴いておりました。
当時の、そして今でもお気に入りの「アイーダ」です。

今回は、一度は聴きたいと思っておりました、同じくカラヤンウィーン・フィル
1979年録音の「アイーダ」です。
アイーダはミレッラ・フレーニ、アムネリスはアグネス・バルツァ、ラダメスがホセ・カレーラス

カレーラスの歌声に親しむ年月でありながら、
オペラ歌手としてのカレーラスを聴くのは初めてです。
私にはラダメスのイメージに程遠いカレーラスなのですが。
興味津々のうちに手にしました「アイーダ」です。


                   ヴェルディ:「アイーダ」全曲
                         by
                  カラヤンウィーン・フィル




             ヴェルディ:「アイーダ」カラヤン&ウィーン・フィル


                アイーダ:ミレッラ・フレーニ
                ラダメス:ホセ・カレーラス
                アムネリス:アグネス・バルツァ
                アモナスロ:ピエロ・カップチッリ
                ランフィス:ルッジェーロ・ライモンディ
                エジプト王:ホセ・ファン・ダム
                巫女の長:カーティア・リッチャレッリ
                使者:トマス・モーザー
 

                 へルベルト・フォン・カラヤン
                ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団&
                ウィーン国立歌劇場合唱団

             (録音:1979年5月 ウィーン、ムジークフェラインザール)



ヴェルディが58歳を迎えもっとも円熟した頃の「アイーダ」。
それまでに作曲した23作品の総決算のオペラだそうです。
イタリア歌劇の最高傑作とも。

カラヤンの2種の「アイーダ」。
昔からの愛聴盤である1959年盤はカラヤン、51歳。
ウィーン国立歌劇場音楽監督就任直後の録音とのこと。
余談になりますが、この年1959年にはカラヤン&ウィーン・フィルが、
世界一周ツアーの際に、来日。
テレビが普及し、NHKがコンサートを中継したそうです。
この年のカラヤンの来日を契機にして、カラヤンが日本で最も有名な音楽家になったとのこと。

今回聴きました1979年録音盤はカラヤン71歳。
カラヤン指揮者デヴュー(1929年1月、故郷ザルツブルクでモーツァルテウム管弦楽団の指揮)から50周年の記念すべき年だったようです。
こちらの録音、1979年5月ウィーン楽友協会大ホールでのレコーディング。
1979年夏のザルツブルク音楽祭本番前の録音。
レコーディング、音楽祭共に同じメンバーは、
フレーニ、カレーラスそしてアモナスロ役のピエロ・カップチッリとのことです。

因みに、こちらは1980年度レコード・アカデミー賞を受賞したそうですが。
また、この「アイーダ」でのアイーダ・トランペットにつきまして、
過日、小松潔著の「カラヤンと日本人」の中に、記述がありました。
当時話題にもなったそうなのですが・・・それすら、初めて知りました。

小松氏に依りますと、ウィン・フィルのトランペット奏者、
ワルター・ジンガーが、 ウィーン・フィルが来日した1973年、
当時ヤマハの開発責任者だった梶吉宏氏に制作依頼をしたとのこと。
 
  (以下、小松潔著「カラヤンと日本人」よりの引用です)
  ジンガーは年に、一、二度ヤマハの浜松工場を訪れた。
が良い試作品ができない。
ジンガーの師に当たるヘルムート・ヴォービッシュがヤマハに協力をする。
その頃、ウィーンに於いて梶氏はヴォービッシュから、
「1979年のザルツブルク音楽祭でカラヤンがヴェルディの歌劇『アイーダ』を取り上げる。
ついては有名な行進のシーンに使うファンファーレ用トランペットを作ってくれないか」
というのだ。
ウィーン・フィルはすでにこの細長い、所謂アイーダ・トランペットを持っていたが、
これまた音程が不安定だった。
ヴォービッシュによると、カラヤンは従来のアイーダ・トランペットは使いたくないと言っているという。
「とにかく、今までの経験をもとに管の折り曲げる場所などを変えるだけだから、
という気持ちで開発したのですが、これが意外といいものができちゃったんです」。
ヤマハ開発担当の岡部比呂男氏はこともなげに説明してくれた。
試作品をウィーンに送ったところ、ウィーン・フィルから正式に12本の発注がきた。(
引用)

肝心のカラヤンはと言えば、アイーダ・トランペットを実際に吹かすつもりはなかったそうです。
ドイツのオペラ・ハウスでは普通のやり方である、舞台裏で普通のトランペットの使用を考えていたそうです。
また、カラヤン自身、アイーダ・トランペットを舞台で吹かせ、
嘗て痛い目に合っていた経験もあったそうで。
   クライマックスで音を外されるのは二度と御免
との思いが強かったそうです。
カラヤンの説得に当たったのがヴォービッシュたち。
「アイーダでは本物を使うべきだ」と言うヴォービッシュ。
「まず自分が聴かないと」と、カラヤン。
ウィーン楽友協会大ホールでのリハーサル中に、ヤマハのアイーダ・トランペットをジンガーらが演奏。
ウィーン・フィルのメンバーが緊張した面持ちでカラヤンの反応を窺う。
カラヤンは「自分の持っているヤマハのオートバイもいいが、これもいい」
と感心したそうで、採用を決めたとのことです。

余談ながら、アイーダ・トランペットを契機として、
ヤマハはウィーン・フィルからトランペットだけでなく、
その後ホルン、オーボエ、トロンボーンなどの発注を受けるようになったとのことです。


今更、詳細は必要のない有名な「アイーダ」なのですが、
いつものように備忘録的に虎の巻より。

【作曲】1870年
【初演】1871年12月24日 カイロ劇場
【原作】エジプト学者オギュスト・マリエット
【台本】カミュ・デュ・ロークルのフランス語台本から、
    アントニオ・ギスランツォー二が作曲者自身の協力にてイタリア語で完成。
【構成】全4幕
【時と場所】古代エジプトのファラオ全盛の時代。
      首都メンフィス(現在のカイロの南、約35キロ)と
      テーベ(メンフィスから南、500キロを隔てたナイル河畔の中心地)のあたり。
【主な登場人物】
  アイーダ:エジプトの奴隷、アムネリスに仕える(実はエチオピア王の娘)
  ラダメス:エジプトの若い将軍
  アムネリス:エジプト王の娘
  アモナスロ:エチオピア王、アイーダの父
  ランフィス:エジプトの祭司長
  国王:エジプト王、アムネリスの父
【物語】

(第1幕)
 エチオピアのアモナスロ王率いるエチオピア軍がエジプトに接近している。
護衛隊長ラダメスは、手柄を立て愛する奴隷娘アイーダを得たいと願って歌う、
<清きアイーダ>。
エジプト王の娘アムネリスはアイーダに嫉妬。
防衛軍指揮官に任ぜられたラダメスの勝利を願う合唱の中、
愛するラダメスと父との戦いに苦悩するアイーダは、アリア<勝ちて帰れ>を歌う。

(第2幕)
 エジプト王女アムネリスはラダメスに思いを寄せている。
アイーダがやって来るとラダメスは戦死をした、と嘘をつく。
動揺するアイーダの様子を見て、アイーダが恋敵であることを確信する。
テーベ城門でエジプト人が凱旋軍を迎える。
輝かしい凱旋行進曲にのって数多くの戦利品が運ばれ、
最後に凱旋将軍ラダメスが登場。
褒美として捕虜の解放を望むラダメス。
するとその中にアモナスロがいた。
捕虜に交じるエチオピア王は、正体を隠すよう娘アイーダに命じる。
祭司が捕虜への極刑を叫ぶが、アナモスロは慈悲を垂れる。
国王はラダメスに、アムネリスと結婚をしてエジプトを治めるように命じる。
歓喜するアムネリス、困惑するラダメス、絶望するアイーダ。
ラダメスとアイーダの悲痛な思いと、アムネリスと民衆の歓喜が交錯する。

(第3幕)ナイル河辺の神殿
 婚礼を翌日に控え、アムネリスが女神への祈りに訪れる。
闇に潜むアイーダが、美しい故郷を思い出し<おお、わが故郷>を歌うと、
父アモナスロが出現。
ラダメスからエジプト軍の動きを探るよう迫る。
入れ替わりにやってきたラダメスが、愛するのはアイーダだけだと告げる。
国を棄てて逃げようとラダメスを説得するアイーダ。
軍に出会わずに脱出する抜け道を口にすると、それを聞いていたアモナスロが現れる。
アモナスロは、国を裏切ってしまったと嘆くラダメスに逃亡を勧める。
己の軽率さを悟ったラダメスはアイーダらを逃がし、自らは番兵に身を預ける。

(第4幕)
 アムネリスがラダメスに改心を迫るが、ラダメスの心は変わらない。
裁判が始まり司祭はラダメスは死刑を宣告される。
アムネリスはラダメスに命乞いをするように迫るが、すでに運命を甘受し動じない。
ラダメスは地下牢での生き埋めの死を待つばかり。
そこに、牢が閉じられる前に潜入したアイーダが現れる。
〈大地よさらば〉と天井での愛を祈る地下の二重唱が響く。
己の嫉妬故の悲劇を前にアムネリスは涙にむせぶ。
                    (終幕)



さて、「アイーダ」の中で一番聴きたく思いましたのが、
誰もが知る有名な、第2幕「凱旋行進曲」です。
また、トランペットの話に戻ってしまいますが、
ラダメスがエチオピアを破り凱旋する場面で、
アイーダ・トランペットが左右から凱旋の行進曲を演奏。
普通は左右三本ずつであるのに対し、カラヤンは左右六本、計十二本を使っているとのこと。
凱旋の勇壮さよりも、トランペットが柔らかく透明な美しさで鳴り響くのが印象的です。

続いての、バレエ音楽も活気溢れ、悲劇作品であることに思いを馳せつつ聴きますと、
バレエ音楽の旋律が複雑な思いと共に心に響きます。

さて、ラダメス役のカレーラス。
これも有名なアリア<清きアイーダ>。
若き日のカレーラス・・・ラダメス役には繊細で美しすぎる趣も。
この作品中で、情感は豊かに表現されマイナスのイメージは払拭されましたが。

第3幕で、ラダメスと会う約束をしているアイーダ。
ラダメスが、もし別れを告げるならナイル川に身を投げる覚悟をしつつ、
アイーダが歌う嘆きの歌<ああ、わが故郷>。
すべてが失われ・・・祖国は敗北し故郷の風景は失われ、
父は虜囚となり、愛するラダメスは王女アムネリスの婚約者になる。
アイーダはすべてを失い、残っているのは思い出だけ。
アイーダ役のミレッラ・フレーニ。
個人的にはこのソプラノ歌手はとても苦手なのですが、
その歌にはアイーダの抱く絶望感に痛く胸を打たれるようです。

この作品の中で、私にとりまして存在感が最も強いのが、
アムネリス役のアグネス・バルツァでした。
第4幕で、アムネリスが歌う<すでに祭司たちは集っています>や、
<あのお方は生きながら>など、強靭さと深い響きを併せ持った声質に惹かれます。

政界では、数年来○○チルドレンなどという言葉を耳にしますが、
1970年代のオペラ界でのカレーラスとバルツァは、カラヤン・チルドレンとでも?

カラヤンの「アイーダ」。
1959年盤に比べ、こちら1979年録音盤は、
洗練された演奏、且つ美しさが殊更、充実しているように思います。
1959年盤の方からは、若々しいエネルギッシュさ、演奏からも高揚感が伝わります。
キャストもまた素晴らしいですし。
各々、魅力ある「アイーダ」を堪能することができるようです。



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Comment

Re: 「アイーダ」良いですねぇ

burleskeさま、こんばんは〜。
いつもコメントをありがとうございます。

1979年…もう、30年以上も前の録音にも拘らず初めて聴くことができました。
アバド盤では、ドミンゴがラダメス役だったのですね。
ドミンゴでも聴きたくなってしまいました。
カレーラスよりはe-461でしょうね。

DVDのシャイーの方ではラダメスがロベルト・アラーニャだそうで・・・。
やはりラダメス役ばかりが気になってしまいます。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2010.09/30 19:53分
  • [Edit]

「アイーダ」良いですねぇ

luminoさま、こんばんは。

79年のカラヤンの「アイーダ」とは、懐かしい演奏ですね。当時ヤマハのアイーダ・トランペットが話題になって、そこだけよく聴いてました。でも演奏についてはあまり印象がないんです。同じ頃に発売されたアバド&スカラ座の「アイーダ」の方がインパクトがあったように思います。でもなぜかカラヤン盤はCDでも購入したのに、アバド盤はLPでしか持っていません。久しぶりに聴いてみたいですね。

ちなみに、今お気に入りの「アイーダ」はゼッフィレッリ演出、シャイー&スカラ座のDVDです。

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