♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.84 カラヤン最後の来日コンサート1988年5月5日 最終日               ブラームス&モーツァルト

先日、ミュージック・バードでOAされましたのが
カラヤン&ベルリン・フィルの最後の来日コンサートの最終日
1988年5月5日、サントリー・ホールでのライヴ録音でした。



               カラヤン最後の来日コンサート1988年5月5日

               モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543
               ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68
 

               ヘルベルト・フォン・カラヤン
               ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 
             (1988年5月5日、サントリーホール ライヴ録音)



未だカラヤンの最後の来日コンサートの演奏は聴いたことがありませんでした。
カラヤン生誕100年として2008年に発売されていたそうで
今頃になりましたが耳にすることができました。
特にカラヤン・ファンでもなかったのですが
カラヤンに関するいろいろな書籍を読みます日々
カラヤンの人間性に
そして、その演奏の素晴らしさにも引き寄せられ
遅まきながら今では、すっかりカラヤン・ファンになってしまいました。

ミュージック・バードでOAされました演奏の感想よりも
今まで読みましたカラヤン関係の書籍からの引用が中心になりますが。


カラヤンの最後の来日コンサートの様子につきましては
昨年、読みました小松潔著「カラヤンと日本人」
及び、真鍋圭子著「素顔のカラヤン」
この2冊に記述されていました次の文章が深く心に残っています。


小松潔著「カラヤンと日本人」より

1988年5月2日のコンサート初日の様子についてです。
演奏曲目はモーツァルト:交響曲第29番
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
引用をさせていただきますと。

  「マネージャーに手を引かれ指揮台まで何とか辿り着いたマエストロ。
   80歳という高齢とは言え、予想以上に衰えたという印象は拭えない。
   だが、いったんタクトを執ると我々が知る帝王の威厳が戻った。」(中略)

  「この時、マエストロは微熱があったという。
   舞台裏にいたサントリーの佐治敬三社長は
   ファンサービスで舞台に戻ろうとする老巨匠を心配顔に見守っていた。
   後にホール関係者は、
    青ざめ、疲れ切ったカラヤンの様子を著作などで証言しているが、
   ファンはそんなことは知る由もない。」



真鍋圭子著「素顔のカラヤン」より

サントリー・ホールの設計・建設でもカラヤンと深く関わり
カラヤンに会う度にサントリー・ホールの建設の進捗状況を
報告されていられた真鍋氏。
オープニング・シリーズの企画では
世界中を飛び回っていた真鍋氏が自著「素顔のカラヤン」の中で
1988年5月5日、日本での最後のコンサートにつきまして
記述をされていらっしゃいました文章も心に刻まれるものでした。
また、引用をさせていただきます。

  「1988年5月5日
   カラヤンはサントリー・ホールでの二度目のコンサートに登場しました。
   すでに30年以上も共に音楽を奏でてきたベルリン・フィルとの
   これがおそらく日本での最後のコンサートであろうと、
   誰もが暗黙のうちに感じていたことでしょう。
   ほとんど感覚のない片足をひきずりながら、
   カラヤンが指揮台に立つとそこには突如別世界が出現しました。
   オーケストラを指揮するカラヤンではなく、
   宇宙に存在する音楽にひたすら波長をあわせようとしている一芸術家の姿でした。
   指揮棒の先端からオーケストラの渦が巻き起こり、
   それが大きなうねりうとなってホールと共に振動を始め、
   ホール全体が分厚い雲のじゅうたんに乗せられて
   三次元から四次元へと高く高く天空へと舞い上がって行くのです。
   
   カラヤンが最後に選んだ曲は、
   ブラームスの交響曲第1番でした。
   この壮大で熱い博愛の精神に充ち満ちた作品は
   天上の美と地上の楽園を眺望し、
   いつしか歓喜に酔いしれた重力のない忘我の境地を漂い始めます。」(中略)


  「サントリー・ホールでのカラヤンの最後のコンサートは、
   極め付きのブラームスの一番で終わりました。
   『気』の爆発を聴きとることができます。
   それはカラヤンの音楽に込めた魂の集約でした。
   そして、カラヤンは、これが自分の日本での最後のコンサートであることを
   察知していたに違いありません。
   押し寄せて来る聴衆からの感動の波に引き寄せられるように
   カラヤンは痛い足を引きずって、何度も、何度も、舞台に足を運んでいました。
   舞台裏まで挨拶に来た佐治さんが涙ぐんで、
   『もう行かんでもええのに』とカラヤンを気遣っていました。」


小松氏と真鍋氏の書籍の文章を心に刻み
私自身初めて聴くカラヤン最後の来日公演の演奏でした。

最後・・・との思い入れがあって聴く所為でしょうか
聴いていまして胸が熱くなるものがあります。
カラヤンが精魂を傾けたサントリー・ホール。
万感の思いを指揮棒に込められての
モーツァルトブラームスの音楽が心に響いてきます。

モーツァルトの第39番からも
勿論、ブラームスの第1番からも
カラヤンとベルリン・フィルの気迫の演奏が伝わるようです。
この最終日の演奏で
カラヤンは深く愛した日本に惜別の心とともに
カラヤンの中で鳴り響く音楽の証を見事に成されたのでしょう。

書籍で知る限りですが
カラヤンの歩んできた人生に思いを馳せ
耳を傾ける最後のコンサートの
モーツァルトブラームス
演奏の素晴らしさとともに
胸が熱くなる思いを拭うことができませんでした。


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Comment

Re: 最晩年のカラヤンですか

]burleskeさま、こんばんは〜。
コメントをありがとうございます。

burleskeさまはカラヤンの最後の来日コンサートでは
5月2日、4日(ベートーヴェンの第4番だったのですね。絶対に聴かなくては!)
のCDをお持ちなのですね[絵文字:e-343
私も出来ればこの時のCDを全部聴いてみたい思いで一杯です。
5月5日のモーツァルトの第39番ですが、
正直なところ名演ということは良くは解らないのながらも
とにかく胸を打たれました。
聴いていまして涙ぐみそうになって・・・。
たぶん、カラヤンへの思い入れ、単なる感情移入なのでしょうね。
モーツァルトの交響曲を聴いてこのような感情を抱きましたのは
初めてのことでしたので自分自身への戸惑いすら感じてしまいました。

今年の抱負が見つからないままでしたが、一つ芽生えました。
カラヤンのモーツァルト交響曲作品で入手可能な限りのCD求めて聴いてみることに。
それと、
ラスト・レコーディングのブルックナー第7番。
カラヤンがご逝去される僅か4カ月前の録音なのですね。
burleskeさまのご感想を拝読しまして、
CDを是非求め、聴いてみることにしますね。
ありがとうございました。(^^♪
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.01/11 00:16分
  • [Edit]

最晩年のカラヤンですか

lumunoさま、こんばんは。
カラヤン最後の来日コンサートは5月5日のこの演奏会の他に、5月2日のモーツァルト交響曲第29番とチャイコフスキー交響曲第6番、5月4日のベートーヴェン交響曲第4番とムソルグスキー「展覧会の絵」のCDも持っているのですが、正直聴き流してました。luminoさまの記事を拝読して、改めて5月5日のモーツァルト交響曲第39番を聴いてみましたが、なるほどこれは名演ですねぇ。音楽がごく自然に流れて、愛情と優しさが滲み出てくるようです。こんなに良い演奏だったんですね。残りの曲も聴いてみます。
luminoさまのお陰で、改めて晩年のカラヤンの素晴らしさに気付くことができました。ありがとうございます。
ちなみに、カラヤンのラスト・レコーディグの1989年4月のブルックナー交響曲第7番も感動的な名演です。
  • posted by bulreske
  • URL
  • 2011.01/09 21:54分
  • [Edit]

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