♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.87 シューベルト:歌曲「万霊節の連祷」D.343 by ディスカウ

万霊節の時期ではありませんが
シューベルト歌曲で最近
大のお気に入りになりました
ヤーコビの詩による「万霊節の連祷」を。

タイトルの「万霊節」ですが
カトリックでは11月2日の「死者の日」として
長年馴染んできたものでした。
過去に所属をしておりましたカトリック教会では
「死者の日」を迎える10月になりますと
教会に備え付けの書に各自で祈りを希望する肉親の名前を記入しました。
故人がカトリック信者の場合は霊名と俗名(何か仏教みたいな)を記入します。
11月2日の「死者の日」には司祭が記載された故人にミサの中で祈りを捧げます。
「死者の日」、万霊節は合同慰霊祭?合同追悼ミサのようなものでしょうか。

万霊節の連祷」は
シューベルトの旋律も
ヤーコビの詩も
本来の「死者の日」」に相応しいものかと思います。



              シューベルト:「歌曲全集」byディスカウ
  
              ディートリヒ・フィッシャー=ディスカウ(Br)
              ジェラルド・ムーア(p)



ヤーコビの詩には、すべての死者に対する
畏敬の心と深い慈しみが感じられます。
シューベルトがこの詩に与えた旋律は
詩と共に死者の魂を静かに、優しく包み込むようです。
真の鎮魂歌として心に沁み込みます。

この歌曲に出合いましたのは
ディスカウが歌うシューベルト歌曲全集でした。
シューベルト歌曲でお気に入りの3本の指に入るようになりました。

初め聴きました時には
平坦で退屈な歌曲というのが正直な印象です。
旋律を暗記するくらいに聴き込みますうちには
大のお気に入りになっておりました。

さて、こちらの作品ですが
1816年8月に作曲されたそうです。
この年のシューベルトの歌曲で有名なものとしてはこの作品・・・ぐらいのようです。
「ゆっくりと、敬虔に」との指示に従い
静かに流れ行く川のように
ピアノが淡々と音を紡ぎます。
ディスカウも色付けをされた歌唱ではなく
自らの心に語りかけのように素朴に歌われているように感じます。
静かに消え入るかのように曲が終わります。

三節よりなる有節形式とのことですが
ヤーコビの9節の詩は長過ぎるとのことで
シューベルトは第1,3,6節のみを取り上げたそうです。


             Johann Georg Jacobi
          ヨハン・ゲオルグ・ヤーコビ(詳細はこちらに)
           (1740.9.2-1814.1.4)

シューベルトの旋律と同様にヤコービの詩に共鳴をしてしまいます。
ヤコービの心には文字になった9節の詩だけではなく
心の中には限りなく続く詩が綴られていたように思えてなりません。

すべての魂に語りかける真摯な祈りを感じます。
祈りとは言いましても、
ただ私には幸いにも教会のような形式的、宗教的な色彩は感じられず
快く耳を傾けることができました。


ヨハン・ゲオルク・ヤコービの原詩の全訳を引用させていただきます。
割愛をするにはあまりにも心に訴えかける詩ですので。


安らかに眠ってください すべての魂よ
不安に苦しみ抜いた魂よ
甘い夢を見終えた魂よ
生きる事に倦んだ魂よ
生まれるや否やこの世から旅立った魂よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

ここで古き友人を探し求めている魂は
幾度となく涙を流しながら、決して逃げ出す事はない。
友人たちの誠実な手の前では
その重荷を忘れない者はいなかったのだから。
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

愛 深き少女たちの魂よ
数え切れない涙を流した
不実な恋人に捨てられ
理解の無い世に追い立てられた少女たちよ
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください

また 若者も、彼のために 人目を忍んで
彼の花嫁が 朝早くに
-彼を愛が 墓に横たえてしまったために-
彼の墓から蝋燭を持って出てくる。
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

すべての霊魂よ、まったく澄み切った心で
真の殉教者となり
聖地のために戦い
その責め苦を自慢しようとはしなかった霊魂よ。
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

また 決して太陽に笑いかけず
月の下 茨の上で 目を覚ましていた者も
神と 清き天上の光の中で
いつか あいまみえるのです。
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

また いつもバラの花園で
喜びの杯を手に待ちわびていた人々
だがかつて、苦難の時期には
自分の苦しみを味わった人々も。
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

そしてまた どんな安らぎも知らずに
勇気と力で
半ば眠りこけた世界で
死体であふれた戦場へ送り出された人々も。
この世を去ってしまった あらゆる人々よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

安らかに眠ってください すべての魂よ
不安に苦しみ抜いた魂よ
甘い夢を見終えた魂よ  
生きる事に倦んだ魂よ 
生まれるや否や この世から旅立った魂よ
すべての魂よ、安らかに眠ってください!

    (訳:若林氏より引用)


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Comment

Re: NoTitle

colorkoさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

この作品のヤーコビの詩と
シューベルトの旋律を聴きつつ
世を去った自分の肉親、親族からetc.etc.
大きな存在でした先代の小桜インコさんも心に浮かびました。

皆のお陰・・・と、感謝の気持ちにも。
詩の中に 戦場で亡くなった方々に思いを馳せては
現在の平和?なこの国で生活できるのも、
戦争で失われた多くの命、多くの犠牲を思っては
また、感謝の気持ちになってしまいました。
「ありがとう!」の気持ちでいっぱいになりました。

機会がありましたらお聴きくださいね〜♪
コメント、本当にありがとうございました。(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.01/28 20:20分
  • [Edit]

Re: シューベルトの歌曲、まだ聴いてません

burleskeさま、こんばんは。
コメントをいつもありがとうございます。

ヤーコビの詩、本当にジーンとしてしまいますよね。
歌曲全集は私も未だほとんど聴いていない有様です。
この作品ばかり1ヶ月以上、連日聴いてばかりで・・・
先に進んでいないんですよ。
どの作品から聴けばよいのか漠然としすぎているので
ゲーテとシラーを中心に、詩が気に入ったものから聴くようにしています。
シューベルトの歌曲、特にこの全集はライフ・ワーク?になりそうな気配です〜。

シューベルトには「死」が似合う・・・
仰られてみると、そのような気もしてきますね。
シューベルト自身、現実的な死と向き合わざるを得ない時期があったからでしょうか?
「死」が浄化されて 安らぎ に近いような趣があるような気も・・・。
そうですよね、モーツァルトは・・・
生々しいと言うか、救い難い切羽詰まった緊迫感・・・でしょうか。
それが耐え難いのですが。
シューベルトからは本当に慈愛が感じられますね。
救い でもあるかのように。
「万霊節の連祷」是非、お聴きくださいね。(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.01/28 19:54分
  • [Edit]

NoTitle

こんにちは^^
鎮魂歌なのですね
>自らの心に語りかけのように素朴に歌われている
と拝読し私も聴いてみたくなりました

すべての魂よ、安らかに...
そうやって人間はもうずっとずっと昔から
当たり前のように死者を敬ってきたのですね
ふと..なんでかな
って思っちゃいました
自分にも必ずその時が来るからなのでしょうか
...って今回も肝心な音楽のお話とズレてしまって
申し訳ありません
  • posted by colorko
  • URL
  • 2011.01/28 16:42分
  • [Edit]

シューベルトの歌曲、まだ聴いてません

こんばんは。
ヤーコビの詩は心に浸み込んできますね。
ディースカウの「歌曲大全集」、まだほとんど聴いていませんが、この作品早速聴いてみたいと思います。

シューベルトにはなにか「死」が似合うような気がしないでしょうか?
モーツァルトとはまた違った哀しみと慈しみを感じるような気がするのですが・・・
  • posted by bulreske
  • URL
  • 2011.01/27 20:23分
  • [Edit]

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