2011.03/06(Sun)

Op.91 ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」 by ガルデッリ&ウィーン国立歌劇場管弦楽団(ゴッビ、スリオティス)

一日一歩、三日で三歩 という歌謡曲がありましたが
一日一幕・・・を聴くこともできず
毎日、途切れ途切れに聴きまして
一週間が「ナブッコ」で終わりました。
ですが充実した素晴らしい時を過ごすことができました。
素晴らしく心に刻まれる「ナブッコ」に出合えました。




             ヴェルディ歌劇ナブッコ
                  by
        ガルデッリウィーン国立歌劇場管弦楽団



               ヴェルディ・エディション~「ナブッコ」


              ナブッコティート・ゴッビ(Br)
              アビガイッレ:エレナ・スリオティス(S)
              ザッカーリア:カルロ・カーヴァ(B)
              イズマエレ:ブルーノ・プレヴェ-ディ(T)
              フェネーナ:ドーラ・カッラル(S)

              ランベルト・ガルデッリ指揮
              ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団

             (録音:1965年9月 ウィーン、ゾフィエンザール
                 ステレオ、セッション)



ガルデッリの指揮は初めて聴きました。
演奏も素晴らしく思います。
勿論、ソリストもすべて素晴らしいの一言。
それ以上に、作品そのものが素晴らしい!

ガルデッリはイタリア・オペラを得意とするそうですが
ヴェネツィア生まれのガルデッリにはお手の物でしょうか。
ヴェルディの初期作品では並ぶものがないとまで評価されているとのことですが
ナブッコ」を聴きまして頷くことができました。


原題の“Nabucco(Nabucodonosor)”
「ナブッコ(ナブコドノゾル)」は
旧約聖書に登場する古代バビロン王とのことですが
旧約聖書のナブコドノゾル王の名前はまったく記憶にありません。
ネブカドネザル二世のイタリア語読みだったようで今回初めて知りました。
ネブカドネザルの名前は旧約では辟易するほど目に付いておりました。
因みに「エレミヤ書」「列王記下」「ダニエル書」に記述があるようです。
ナブコドノゾルは紀元前605年-562年の43年間在位したとのこと。
旧約の中の有名なバビロン捕囚が題材。
鑑賞をする音楽にまで旧約聖書とか
宗教的な題材は勘弁願いたいところですが
ヴェルディのオペラですので敢えて・・・というのは杞憂でした。

当時のヴェルディ
妻マルゲリータ、そして二人の幼児をも失い
悲しみの中で書いた「一日だけの王様(偽のスタニスラオ)」も失敗に。
失意のどん底にあったヴェルディが次に挑んだ「ナブッコ」。

そのような失意のヴェルディに
旧約聖書のナブコドノゾル王の悲劇に心を奪われたスカラ座支配人のメレルリが
作曲を持ちかけたそうです。
メレルリは最初オットー・ニコライに作曲を委嘱したそうですが
ニコライが素材に興味を示さずヴェルディに話を持ちかけられたようです。

こちらのオペラは「幕」ではなく「部」と表されるそうです。
また各部には以下の副題が付けられているとのこと。
  第1部「エルサレム」
  第2部「背信」
  第3部「予言」
  第4部「偶像崇拝」

いつもの虎の巻を片手にしつつ。

【作曲】1842年
【初演】1842年3月9日 ミラノ・スカラ座(結果は大成功)
【原作】旧約聖書ほかに依る
【台本】テミストクレ・ソレーラ
【時・場所】 紀元前6世紀(586年から7年間)
       第1部:攻略されるエルサレム
       第2部以降:バビロンのユーフラテス河畔と王宮
【主な登場人物】
    ナブッコ:バビロニア王
    アビガイッレ:ナブッコが奴隷に生ませた娘
    ザッカりーア:ヘブライの大祭司
    イズマエーレ:ヘブライ(ユダヤ王)の甥
    フェネーナ:ナブッコの娘、アビガイッレの妹
    ベルの大司教
【物語】
   第1部 「エルサレム」 ソロモンの神殿

ヘブライ人はバビロニア軍の侵攻に怯えている。
大祭司ザッカーリアは人質として捕えられているバビロニア王ナブッコの娘
フェネーナが平和をもたらすだろうと語る。
ヘブライ王の甥イズマエーレがフェネーナを逃がそうとした時
フェネーナの姉アビガイッレが姿を現した。
彼女もイズマエーレを愛している。
ナブッコが乗り入れてヘブライの神を侮辱。
怒ったザッカーリアは人質フェネーナに短剣を突きつけるが
彼女を愛するイズマエーレに阻まれてしまう。

   第2部「背信」 バビロンのナブッコの王宮

アビガイッレは自分が奴隷の子であること
父が王位を妹のフェネーナに継がせようとしていることを知って怒りに燃える。
アビガイッレがフェネーナから王冠を奪おうとした時
突然ナブッコが現れ、私は王ではなく神だ と叫ぶ。
雷鳴が王冠を直撃し、アビガイッレはそれを手にする。
エルサレム焼き討ちを命じるナブッコ。

    第3部「予言」

王位に就いたアビガイッレはヘブライ教に改宗したフェネーナとユダヤ人を処刑しようとしている。
ナブッコはフェネーナの助命を乞請。
しかしアビガイッレに幽閉されてしまう。
囚われのユダヤ人たちは祖国への憧れ≪行けわが想いよ、金色の翼に乗って≫を歌う
    
    第4部「偶像崇拝」

ヘブライの神に許しを求めるナブッコ。
ユダヤ人処刑の直前、彼は祭壇の偶像の破壊を命じる。
奇跡に驚く人々。
ナブッコはユダヤ人の帰還を許可した。
そこへ深い傷を負ったアビガイッレが現れ父と妹に許しを求め息絶える。
ザッカーリアはナブッコを王の中の王と讃える。


聴きました感想ですが

●序曲であるシンフォニアから生命力全開です。
また美しい旋律も織り交ぜられ
演奏はキビキビとし息つく間もないほどに引き込まれます。

第1部
●ザッカリーアのカヴァティーナ「「輝く太陽に夜のとばりが消え」
ヘブライの人々に希望を持つようにと説くザッカりーア。
何とも親しみを感じられる旋律です。
ゴッビの歌からも生き生きしたものが伝わります。
ザッカりーアに応酬する合唱からも溌剌とした気分にさせられます。
このオペラの中でのお気に入りです。

●第2部
アビガイッレの≪いつか私も晴れの身となり≫
アビガイッレが純真だった頃の自分を懐かしみ歌うカヴァティーナから
ベルの大司教たちに焚きつけられ王位への野望を歌うカバレッタへ。
ドラマティコ・ダジリタ・ソプラノで難易度の高い大アリアだそうです。
「ナブッコ」を世界に再び注目させるようになったのは
マリア・カラスの超絶技巧の絶唱だったそうですが
未だカラスは一度も聴いたことがありませんし・・・聴く気もないのですが。

アビガイッレ役のエレナ・スリオティスは初めて聴くソプラノです。
ドラマティコでありながらも激情を込めて喜怒哀楽を表現するのではなく
内に秘めた感情が切々と伝わる歌唱で聴かせてくれます。
とても好感を抱くことができるスリオティスです。

●同じく第2部のザッカリーアの祈り
チェロ6台での伴奏でザッカりーアが神に甦りを祈り歌われます。
ゴッビは威厳を以って歌い上げ大祭司に相応しい役柄でしょうか。

●第3部では
有名なヘブライの捕虜たちの合唱≪行け、わが想いは金色の翼に乗って≫
重厚極まるオーケストラで始まり
合唱は何と美しい旋律でしょうか。
哀愁をも漂う美しさ。
ヴェルディの合唱曲の中では最も美しい作品でしょうか。

この合唱に因む
イタリア統一運動の政治的な事はさて置きまして
合唱の美しい旋律に耳を傾けつつ
作曲当時のヴェルディの心情に思いを馳せずにはいられませんでした。

長くイタリア人の愛唱歌となったことは有名だそうで。
ヴェルディの葬儀の際にはトスカニーニ指揮のもと
数千人で歌われたことも有名だそうで・・・にも拘らず初めて知りました。

 
≪行けわが想いは金色の翼に乗って≫の歌詞を
 Wikipediaから拝借しました。


   行け、想いよ 金色の翼に乗って
   行け、斜面に 丘に憩いつつ
   そこでは薫っている
   暖かく柔かい 故国の甘いそよ風が!

   ヨルダンの河岸に挨拶を
   そして破壊されたシオンの塔にも…
   おお、あんなにも美しく そして失われた我が故郷!
   おお、あんなにも懐かしく そして酷い思い出!

   運命を予言する預言者の金色の竪琴よ
   何故黙っている、柳の木に掛けられたまま?
   胸の中の思い出に再び火を点けてくれ
   過ぎ去った時を語ってくれ!

   あるいはエルサレムの運命と同じ
   辛い悲嘆の響きをもった悲劇を語れ
   あるいは主によって美しい響きが惹き起こされ
   それが苦痛に耐える勇気を我々に呼び覚ますように!


深い感動を呼ぶ素晴らしい合唱曲に
もう言葉は要らないようです。



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タグ : ヴェルディ 歌劇 ナブッコ ガルデッリ ウィーン国立歌劇場管弦楽団 ティート・ゴッビ 行けわが想いよ金色の翼に乗って トスカニーニ

19:59  |  ヴェルディ  |  TB(0)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: 安心しました^^

colorkoさん、こんばんは〜。

改めて先日は暖かいお言葉をありがとうございました。
ご心配をおかけしてしまい本当にすみませんでした。
昨夜、7日の大きな余震では青森の方では停電とか・・・。
お義母さまのこともご心配でしょうね。
きっと、colorkoさんがプレゼントをされた湯たんぽで
寒さを凌いでいらっしゃることでしょうか。

私もcolorkoさんと同様に3月11日以降は
報道を耳にし目にするにつけ絶句状態でした。
colorkoさんは音楽の力の凄さを感じられ・・・。
私は或る御方のブログで菜の花のお写真を拝見して
音楽を聴いてみようかしら、との気持ちになりました。
その時思いました・・・写真の力は音楽に勝ると。
写真が持つ素晴らしさ、暖かい温もりを初めて知ったように思いました。
また、colorkoさんの処にもお邪魔をさせていただき
素敵なお写真との出合いを楽しみに。
lumino | 2011.04.08(金) 20:29 | URL | コメント編集

●安心しました^^

こんばんは
時期が時期でしたのでとても心配してしまいました
お元気との事で安心しました〜
私ったら名前を入力していなかったのですね
大変失礼致しました
ブログは一時休止ですか?
寂しいですが無理はいけないですね
3.11の後、毎日ずっとTVを観ていたら
自分が被災したような気持ちになってしまい
とても辛かったときがありました
そんな時にTVを消し電気を暗くして
小さく好きな音楽をかけているととても落ち着きました
音楽ってすごいって思いました
colorko | 2011.04.07(木) 21:26 | URL | コメント編集

●Re: 心配しております

暖かいお心遣いのお言葉を本当にありがとうございます。
一時休止と考えブログにてお知らせをと。
それも迷いつつでした。
今までのように時間的余裕がなくなってしまい
更新することもなく、とうとう一ヶ月が経ってしまいました。
ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
元気に過ごしていますのでご安心ください。

こちらの暖かいコメントをお寄せくださいましたのは
まろんちゃんのお母さんかと思うのですが?
もしcolorkoさんでしたらひと言。
ピーチーズも元気ですのでご安心くださいね。
地震の恐怖と不安でしょうか、
弟のチーはチョッピリ甘えん坊になりました。
まろんちゃんもびっくりしたことでしょうね。
lumino | 2011.04.06(水) 19:55 | URL | コメント編集

●心配しております

luminoさま
更新がないので心配しております
ずっとどうしようか悩んでおりましたが
やはり心配なので書き込んでしまいました
大丈夫でしょうか?
どうぞお変わりありませんように...
ご訪問者さま | 2011.04.06(水) 01:48 | URL | コメント編集

●Re: 「行け、我が想いは金色の翼に乗って」好きです

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

「行け、我が思いは金色の翼に乗って」は
本当に本当に素晴らしい合唱曲ですよね。
ヴェルディは大好きですが益々お気に入りになりました。
ヴェルディのオペラは、どれも素晴らしいね。
と言いましても全部聴いていないのですが。
機会がありましたら「ナブッコ」をv-218
lumino | 2011.03.07(月) 20:10 | URL | コメント編集

●「行け、我が想いは金色の翼に乗って」好きです

こんばんは。
《ナブッコ》といえば「行け、我が想いは金色の翼に乗って」ですよね。って言うか、それしか知らなかったりして。
昔シノーポリのオペラ合唱曲集に収録されていたのを愛聴してました。
《ナブッコ》全曲も聴いてみたいですね。
bulreske | 2011.03.06(日) 22:15 | URL | コメント編集

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