♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

Entries

Op.93 シューベルト:「緑の中の歌」D.917 by ディスカウ&ムーア

東日本大震災から今日28日で49日目。
お亡くなりになられた御方々の四十九日法要を迎えられたとのこと。(合掌)

自然の脅威と残酷さ
相反して自然が与えてくれる憩いを
例年になく感じるこの頃です。

新緑の瑞々しさに、ついつい目を奪われています。
あと一週間もすれば皐月。
そして立夏。
今年も毎年、見慣れていたツツジの白い花が咲き始めました。
今年はこの白い花が目に染み入ります。


子供の頃、春の訪れにいつも歌っていた歌。

  春が来た 春が来た どこに来た
  山に来た 里に来た 野にも来た

  花がさく 花がさく どこにさく
  山にさく 里にさく 野にもさく

歌詞も簡潔
旋律も簡潔
単純そのものですけれど
この歌には春がいっぱい。

この歌を思い出しましたのは
シューベルト歌曲「緑の中の歌」を聴いていまして、ふと脳裡に浮かびました。
そしてまた、シューベルト「美しき水車小屋の娘」から
特に第一曲目の「さすらい」も心の中で響いておりました。
シューベルトの三大歌曲集では
素直な そして素朴な心情が伝わってくる一番のお気に入りの「水車小屋」。
その歌曲集を彷彿とさせられる「緑の中の歌」です。

「緑の中の歌」“Das Lied im Grünen”D.917
この作品につきましては聴いたことがありませんでした。
先日、シューベルト「春に」の記事に対しましてコメントをいただきました。
拝読しまして「緑の中の歌」という作品を初めて知りました。

作品の鑑賞の前に歌詞を読んでみました。
先にを読んでしまいますと先入観が入り
音楽を純粋に受け止められないかと危惧しつつも。
数回、を読みます内にすっかり「心の」となりました。

そして初めて耳にする「緑の中の歌」の旋律。
いつものシューベルト歌曲全集からディスカウで聴いてみました。
装飾的なものはまったく感じられず
簡素で素直な旋律・・・「心の歌」になりました。
この歌曲に出合うことができましたことに感謝の思いで一杯です。
ありがとうございました。

今まで耳にすることもなく過ぎてしまいました多くのシューベルト歌曲
初めて聴く作品の一曲、一曲に心を惹かれるものが多い昨今になりました。
或いは、過去に聴きました作品でも新しい発見と感動に満たされるようになりました。
ブログは当分、シューベルト歌曲一辺倒に・・・なるような予感も。

さて、「緑の中の歌」ですが
作曲は1827年6月。
「冬の旅」と同じ年の作曲とのことです。
「冬の旅」から感じられる「厳」はまったく顔を見せず
「柔」に彩られ心を和ませてくれるようです。

有節形式で
第1,2,5,8節
第3,4節
第6,7節 が各々同じ旋律とのことです。
8分音符で終始簡潔に音を連ねるピアノは まるで永遠に続くかのように。
素直に伸び伸びと旋律を歌うディスカウ
テクニックを駆使した歌唱は
シューベルトの歌曲には似つかわしくないと思える最たる作品でしょうか。

に目を凝らしてみますと
第1節、始めと終わりが ins Grüne:「緑の中へ
第2節~6節、始めと終わりが im Grünen:「緑の中で」

余談ながら下記に引用をさせていただきました訳詞では
ins Grüne は直訳的に「緑の中へ
また 
im Grünen は「緑の中で」と和訳をされているようですが
辞書を調べますと
ins Grüne は「野外(郊外)へ」
im Grünen は「野外(郊外)で」と記述をされております。

を読みまして
緑豊か郊外の田園風景を連想しています。
草木が歌を歌うことができるなら
きっとこのシューベルトの旋律を歌うのでは・・・と思いましたり。
夢が飛翔するかのような心のオアシスの歌でしょうか。

穏やかな喜びと幸福感に満たされた詩
そして牧歌的な旋律は心に憩いをもたらしてくれるようです。

そして第7節の始まりの O gerne im Grünen
ここで初めて im Grünenの前に付け加えられる“gerne”
引用をさせていただきました訳詞では単に「おお」との感嘆の言葉だけですが
「緑の中の喜びよ」と心の中で付け加えて聴いております。
この7節の中の「燃え上がる心で自分を幸せに思っていた頃」。
過ぎ去った子供時代の日々を懐かしく想起し
より一層の喜びに そして希望?にも満たされていた少年時代。

この第7節にシューベルトは何を感じたのでしょうか・・・。
今日、ふと目に留まりました「神曲」で有名なダンテ・アリギエーリの言葉。
  
      幸多かりし日を偲ぶより 大いなる苦しみはなし 


風と樹と空と
 
      「緑の中の歌」:Das Lied im Grünen
       ヨハン・アントン・フリードリヒ・ライル(1773.2.2-1843.7.22)


緑の中へ 緑の中へ
可愛い子供の姿で 春が僕らを待っている
そして僕らを花の巻きつけられた杖で導く
雲雀やツグミが目覚めた外へと
森へ 野原へ 丘へ 小川へ
緑の中へ 緑の中へ

緑の中で 緑の中で
生命が喜び溢れ 僕らは楽しく散策する
眼は離れたところから もう釘付けにされ
僕らが晴やかな気分で散策すると
僕らを絶えず幼い頃の喜びが包む
緑の中で 緑の中で

緑の中で 緑の中で
人は気持ちよく憩い 美しいものを感じる
どれもこれも居心地良く思え
僕らを苦しめるものは ああ 魔法で消し去り
心を魅了するものばかりを寄せ集める
緑の中で 緑の中で

緑の中で 緑の中で
星々が明るく煌めいて
大昔の賢人を僕らの人生の導き手として讃える
小さな雲は僕らの上を控えめに通って行き
心は晴れやかに 気持ちは明るくなる
緑の中で 緑の中で

緑の中で 緑の中で
たくさんの小さなアイディアが翼に乗って運ばれ
悲しい見通しの未来は払われる
眼が力付けられ 眼差しは励まされ
軽やかに憧れが行ったり来たりと戯れる
緑の中で 緑の中で

緑の中で 緑の中で
朝の 夕べの 心地よい静寂の中
そこでは多くの小唄や多くの牧歌が
喜びや悲しみで作り出され 歌われる
誘惑するのは簡単で 心は容易に引きつけられる
緑の中で 緑の中で

おお 緑の中で
僕は子供や少年だった頃に戻りたい
ホラティウスやプラトン ヴィーラントやカントを
学び 書き 読んでいた頃へ
そして燃え上がる心で自分を幸せに思っていた頃へ
緑の中で 緑の中で
 
緑の中へ 緑の中へ
心楽しくあの親切な子供について行こう
たとえいつか僕らの生涯が緑色でなくなっても
僕らは賢明にも緑の季節をおろそかにしたことはない
そして 相応しい時期には 幸福に夢見てきたものだ
緑の中で 緑の中で
               (若林氏訳を引用)



                    にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
関連記事

Comment

東日本大震災チャリティーコンサート by 星々の音楽隊

管理人様

突然の書き込み失礼します。
「星々の音楽隊」と申します。

私たちはクラシックのプロアーティストが中心になり
「"Keep our Hope Alive!!" by 星々の音楽隊」として
東日本大震災で被災された方々の為の
第二回チャリティーコンサートを新宿で開催します。
管理人様もよろしかったら、ぜひお越しください。

ロシア国立マリインスキー劇場の専属研修生だった
ソプラノ歌手中村初惠も出演いたします。

日時:  2011年5月3日(火,祝) PM14:00~16:15
場所:  新宿文化センター小ホール
入場料: 無料(事前予約不要,お子様も歓迎)
プログラム: (司会:落語家 桂扇生)、日本の歌
       オペラ、ミュージカルより
       ケーナ&アルパなどの民族楽器の演奏 ほか

詳しくは、
主宰者:Soprano♪中村初惠のHP
http://www.hatsue-music.jp/

(有)プラネット・ワイ
TEL 03-5988-9316(平日11~18 時
FAX 03-5988-9319(24 時間受付)
までお問い合わせください。

**** 募金がチャリティーとなります。会場費を除き、全額を寄附いたします。
**** 賛同者の皆さまは出演者・協力者ともに全員がボランティアです。
**** 2011年6月12日(日) PM15:00~に The Artcomplex Center of Tokyo にて第三回チャリティーコンサートを開催します。
  • posted by 星々の音楽隊
  • URL
  • 2011.05/01 17:20分
  • [Edit]

Re: このところ歌曲も聴いてます

burleskeさま、こんばんは。
コメントをいつもありがとうございます。

「緑の中の歌」はお気に入りなのですね。
「星」の方も最近のお気に入りになりました。
シューベルト歌曲全集からお気に入りだけを集めてCD作成をしているのですが、
目下2枚目作成の中に「星」を入れました。
「さすらい人幻想曲」に似ているとのことで・・・気付きませんでした。

シューマンの「詩人の恋」は長年、良さが分かりませんでした。
今でも分からないかも知れません。
私もヴンダーリヒで聴いた時には初めて「詩人の恋」の退屈(なのですよ)さから解放されました。
H.プライのCD「詩人の恋」も届いているのですが・・・どうなのでしょうね?
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.04/29 19:35分
  • [Edit]

このところ歌曲も聴いてます

luminoさま、こんばんは。

ディースカウの「緑の中での歌」は僕も最近聴いて気に入りました。
繰り返される「緑の中で」のフレーズが印象深いですね。
明るさの中にどこか寂しさも感じさせてくれます。
これと同じディスクに収録されていた「星」D.939も冒頭のピアノが「さすらい人幻想曲」と似ていて印象に残りました。

ちなみに、他に最近聴いて気に入った歌曲はヴンダーリヒの歌うシューマンの「詩人の恋」です。
  • posted by bulreske
  • URL
  • 2011.04/28 21:48分
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

左サイドMenu

プロフィール

lumino

Author:lumino
音楽が日々の活力源になっています。
特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
日々の生活に無くてはならないのが音楽と本です。
また2羽の小桜インコの兄弟は大切な家族です。

最新記事

lumino

右サイドメニュー

♪ こんにちは ♪

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

ブログ内検索