♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.96  ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」  by  二―ノ・サンツォーニョ&トリノRAI交響楽団

一曲のアリアを聴きお気に入りになりますと
そのオペラ全曲を聴きたくなる・・・という
いつものパターンで今回はドニゼッティの「ラ・ファヴォリータ」です。

「ラ・ファヴォリータ」からフェルナンドのアリア(ロマンツェ)「優しい魂よ」に
初めて出合いましたのは数年前。
アントニーノ・シラグーザのテノールでした。
ピアノ伴奏のみのシラグーザの清流を思わせるような澄んだ声。
静寂の中にピアノと人声だけが織りなす美しい旋律。
以来、「優しい魂よ」との曲名が目に付きますとCDを
つい求めてしまうようになりました。

いつか、「ラ・ファヴォリータ」全曲を聴いてみたい,と思い始めまして
やっと聴くことができました。
フェルナンドのアリア「優しい魂よ」に大いなる期待を抱きつつ。


こちらのディスクは1960年録音のモノラル・ライヴと記載されております。
レオノーラ役のコッソット以外は指揮者も初めての方々ばかりです。

            ドニゼッティ:歌劇「ラ・ファヴォリータ」全曲

               ドニゼッティ:歌劇「ラ.ファヴォリータ」


               アルフォンゾ11世:ピエロ・グェルフィ(Br)
               レオノーラ:フィオレンツァ・コッソット(Ms)
               フェルナンド:ルイジ・オットリーニ(T)
               バルダッサーレ:イヴォ・ヴィンコ(B)
               イネス:ティーナ・トスカーノ(S)  他 

               ニーノ・サンツォーニョ指揮
               トリノRAI交響楽団&合唱団
 
              (録音:1960年6月17日 トリノ モノラル・ライヴ録音)


タイトルの「ラ・ファヴォリータ」はパリ初演時のフランス語から
ウィーン初演、イタリア初演時にいろいろと改変されたそうで
第2次大戦後に現在の「ラ・ファヴォリータ」に落着したとのことです。

「ファヴォリータ」=「愛人」との訳を見かけます。
このオペラの場合に「愛人」?は・・・どうも。
伊辞典を開きますと「愛人」=amante になっています。
“favorita” につきましては
   権力者の寵愛を受けた女性、寵姫
   又は、一夫多妻制の第一夫人 
と記述をされています。
国王アルフォンゾの「側室」のような存在とか。
このオペラのレオノーラは国王アルフォンゾ11世の寵愛を受けているものの
王妃にはなれない身分の女性だそうです。

パリでは1904年までに650回も上演をされたとのこと。
日本での全幕初演は1971年ということですから・・・
パリでの初演から67年後、オペラ後進国の日本でしょうか。

悲劇でありつつも全幕を聴いておりますと楽し気な合唱もあり
緊迫感とのメリハリも際立っています。
登場人物の心理描写、心情をオーケストラは見事に表現しているようです。
一度に全幕を通して聴くことができませんので
途切れ途切れに鑑賞をする一週間でしたが、幕の途中から聴きましても
音楽は常に「活き」且つ「連動」しており
鑑賞の中断は支障をきたすことはありませんでした。
どの部分から聴きましても、心を捉えてしまう魅力をこのオペラから感じます。

いつもの虎の巻からの引用を。

【初演】1840年12月2日 パリ、オペラ
    日本での全幕初演は1971年9月13日 東京文化会館に於いて
    招聘のイタリア歌劇団による
【台本】フランス語版 A.ロワイエとG.ヴァエーズに依る「ニシダの天使」
    イタリア語版:フランチェスコ・ヤンネテッティの訳
【時と場所】1340年 スペイン、カスティリヤ王国
【構成】全4幕
【登場人物】アルフォンゾ11世:カスティリヤの国王
      レオノーラ・ディ・グスマン:国王の側室
      フェルナンド:バルダッサーレの息子、ジャコモ修道院の修道士
      バルダッサーレ:聖ジャコモ修道院の修道院長
      ドン・ガスパロ:式部官
      イネス:レオノーラの侍女
【あらすじ】
  聖ジャコモ修道院の修道士フェルナンドは
  宮廷の女性レオノーラ・デイ・グズマンを愛し
  修道院長で父であるバルダッサーレの誡めを聞かずに還俗。
  兵士として出征し武勲を上げ、褒賞として国王アルフォンゾに
  レオノーラとの結婚を願い出る。
  アルフォンゾ11世は動揺しながらも応じる。
  しかし結婚式に現れたバルダッサールによってレオノーラが
  国王の愛妾(側室)だったと知ったフェルナンド。
  フェルナンドは勲章を叩きつきて修道院に戻る。
  王妃の葬儀の行われている修道院に辿り着いたレオノーラは
  現れたフェルナンドに弁明し、許しを得て喜びながら息絶える。


粗筋を読みまして疑問が・・・。
フェルナンドの実父は聖ジャコモ修道院の修道院長バルッダサーレ。
カトリックでは司祭の独身制度があり
修道院長に息子が存在するというのは?
どうでも良いことながら少々引っ掛かりました。

さて、「ラ・ファヴォリータ」の中から心に残りましたアリアです。

●第1幕:フェルナンドのアリア(ロマンツェ)
    「天使のような乙女」(ラルゲット イ長調 八分の六拍子)

聖ジャコモ修道院の院長でありフェルナンドの実父であるバルダッサーレに心境を尋ねられたフェルナンド。
彼は恋の虜となり、逃れようとしても愛の力に勝てないと宮廷女性への愛を告白する。
そしてフェルナンドが祭壇の前で祈りを捧げていた美女に魅せられ
心の安らぎが失われた悩みを歌う「天使のような乙女」。
テノールの聴かせどころのアリアだそうです。
オットリーニではドラマティコやスピントのように耳に伝わります。
こちらのアリアでは彼の声質が良く生かされているようで
素晴らしいアリアかと思います。


●第2幕:アルフォンゾ国王のアリア
    「さあ、レオノーラよ そなたの足許に」(ラルゲット イ短調 八分の六拍子)

国王はレオノーラに王冠も王座も捧げても悔いはなく
反対者と争ってもレオノーラを王妃にし墓場までも一緒にと
レオノーレへの愛が歌われているようです。
初めて耳にするアルフォンゾ国王役のピエロ・グェルフィですが 
国王というよりも心優しい好人物との印象を受けます。
声の持ち味がとても誠実に感じられます。
フェルナンドよりも好印象を抱いてしまう程に。
アリアの後半(モデラート ヘ長調 四分の四拍子)は前半に比し
とても軽快な旋律で、このオペラの中でのお気に入りが増えました。
作中での国王アルフォンゾ唯一のアリアだそうです。


●第3幕:宮殿の大広間でのレオノーラのアリア「おお、私のフェルナンド」
    (カンタービレ ハ長調 八分の六拍子)

無名の士として出征し、勝利者として帰還したフェルナンド。
国王はフェルナンドの武勲を労い欲するものを与えるという。
フェルナンドの願いは、「名前は知らないが、私を勝利に導いた熱愛する貴夫人を」と
奇しくも現れたレオノーラを求める。
密かに愛するフェルナンドを近くに見て驚くレオノーラ。
王はレオノーラに「明日はこの地を離れるように」と命じてフェルナンドを連れて退場し
一人残ったレオノーラが歌うアリア「おお、私のフェルナンド」
  
  愛する人との結婚の許しに喜びながら、
  王の愛妾であるという我が身を恥じ、
  彼がそれを知った時の恐怖を思い不安に駆られる。
  愛するフェルナンドの心を得るためには、
  地上の王座も、すべてを捧げても悔いないが、
  彼がもし真実を知ってらどんなに軽蔑されることか
と、苦しい気持ちを歌うレオノーラ。

続いて曲調が変わり
「天に私の苦悩が記されている」(モデラート・モッソ ホ長調 四分の四拍子)

婚礼の祭壇は花に蔽われても、自分は見世物で呪われ、蔑まれ、悩み、
最後の日にも罪の許しは得られまいと己の絶望を歌うレオノーラ。
後半では軽快さのうちに華やかに終わります。
このオペラの中で第一の名歌とのこと。
輝かしい高音と充実した低音を要する、メゾ・ソプラノの名アリアとのことを初めて知りました。
レオノーラ役のコッソットを聴きまして
遅まきながら初めてコソットの素晴らしい歌唱力と
感情表現の見事さに気付かされました。


最後になってしまいましたが、お気に入りのアリア「優しい魂よ

●第4幕:「優しい魂よ」(ラルゲット ハ長調 四分の四拍子)

修道院に戻ったフェルナンドがレオノーラへの断ち切れない愛の苦悩を歌う
有名な「優しい魂よ」ですが・・・。

このロマンツァは
  「高度の技巧を要する。高音域に自信のあるテノールにより
   独立しても歌われる聴かせどころの佳曲」
と評されているようです。
前述の第1幕、フェルナンドのアリア「天使のような乙女」に比し
「優しい魂よ」ではオットリーニの歌唱からは残念ながら・・・。
今まで聴いてきましたのはリリコ・レッジェーロによる「優しい魂よ」でした。
その印象が強い所為か、少々違和感を覚える「優しい魂よ」でした。
ライブ録音故に終幕では、ご本人も疲労されていられたのでしょうか、
部分的に濁声(?)になってしまわれたり・・・。
加えまして共演者(?)の御方でしょうか、
オットリーニの声に負けず劣らずの大きな咳が見事2回も・・・。
お気に入りのアリアですので繰り返し聴いておりますが
「そろそろ 咳の出番」などと思いつつです。
私にとりましては「喜劇」にもなりかねない「悲劇」のアリアに化したかのようです。
とにかく、素晴らしいアリアだけに残念な思いは拭えません。

全体を通しましては
素晴らしい音楽・・・との思いを強くしました。


    風と樹と空と

     「優しい魂よ」:Spirto gentil

   王の愛妾とは! 何という暗い地獄
   ひどい出来事が
   私の栄光を瞬時に巻き込み
   愛する心のすべての希望を断ち切ったことか!

   私の夢の中で輝いていた優しい魂は
   今はなくなってしまった。
   偽りの希望よ 心から去れ
   愛の幻よ 共に去れ!

   あなたの傍で 父の涙も
   祖国も 天も忘れていたのに。
   不実な女よ! 大きな愛を抱いた心を
   あなたは死ぬほどの恥辱で汚した!
   私の夢の中で輝いていた優しい魂は・・・

                 (訳:小野桃代)

                  
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