♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.98 シューベルト:「ガニュメート」D.544

ゲーテの詩に依るシューベルト歌曲が続いております。
シューベルトを重視しているのか 
ゲーテを重視しているのか定かではなくなってきました。
ゲーテの詩にシューベルトが作曲をしました歌曲を聴いておりますうちに
ゲーテの魅力にも惹かれつつある今日この頃です。

嘗ては、文豪ゲーテで雲の上の人のように思っていました。
自然が好きで登山をしたり、鉱石を集めたり、
じっとしていられず常に何かをしていたそうで、諸々と
人間ゲーテの魅力を感じ始めました。
以前にも増してゲーテの詩が心に近付いてきてくれるような気もします。

シューベルト歌曲を聴き続ける現在の日々がなければ
きっとゲーテは今でも雲の上の人だったように思います。


               ゲーテの肖像:1779年5月ゲオルグ・オズヴァルト

        (「ガニュメート」を作詩した頃(正確には5年後)の青年ゲーテ)



「ガニュメート」ゲーテの詩から先に。
1774年3月の作詩だそうですから、ゲーテ25歳頃でしょうか。
高橋健二氏に依りますと
こちらの「ガュニメート」と同じ年の秋に書かれた詩「プロメテウス」
この2つの詩は、若きゲーテの二面を表しているので注目される、
とのことです。

同氏に依りますと
「ガニュメート」は 宇宙や自然に自己を捧げきって溶け込もうとする没我的な気持ち
「プロメテウス」は神に逆らう巨人主義を歌っている 
とのことです。
「プロメテウス」の方は未だ聴いていないのですが・・・
詩を先に読みまして、気持ちがスッキリします。
神に逆らう巨人主義には大いなる関心が。
改めて是非聴きたいと思います。

ガニュメートですが、トロヤ王の子で美貌の少年。
ゼウス(ツォイス)に連れられオリンポス山に向かう時に歌ったという
ギリシャ神話が題材になっているそうです。
天を目指す人間の心の象徴として歌われているとのことです。

シューベルトが「ガニュメート」D.544を作曲をしたのは1817年3月。
規模の大きな通作形式に依る歌だそうです。
変イ長調 4分の4拍子。

ゲーテが25歳の時に書かれた詩に
シューベルトが20歳頃に作曲された「ガニュメート」。
詩と旋律に
青春のゲーテとシューベルトの若き息吹が注ぎ込まれているようです。

“Etwas langsam”の指定で、ややゆっくり。
この曲の旋律も、特に前半は いつか どこかで 聴いたような
親しみ易く、また懐かしさを感じさせる旋律。
優しく美しく・・・希望を秘めて。
作為的なものはなく、素直な旋律はいかにもシューベルトらしく思います。

いつもの御三方、ディスカウシュライアーそしてプライ
今回は手持ちのCDでバーバラ・ボ二―の「シューベルト歌曲集」を
思い出しまして聴いてみました。

とても新鮮な感動を受けます。
今までバリトン、テノールで聴いてきましたが
ボ二―のリリック・ソプラノのシューベルトが新鮮に伝わるのは
それだけではないような気がします。
ゲーテも強調したかったのではないかと思う詩の後半では
ボ二―の歌唱は確固とした強靭な意志を感じさせてくれるようです。
旋律の美しさと強靭さが融合しているのを感じます。
「詩」と「歌」の見事な世界の展開に聴き惚れてしまいました。

お気に入りのシュライアー
この歌曲からも、恰も少年合唱団からそのまま抜け出してきたような
瑞々しさを感じます。
言葉の一つ一つを丁寧に歌い上げ「詩」との一体感に捕らわれます。

プライが歌うシューベルトは、この作品に限らず
常に自然体で作為的なところがなく
素直にシューベルトの歌の世界を堪能させてくれるようです。

いつも登場するディスカウですが
この歌曲に関しましては敢えて感想を控えることに・・・。


   風と樹と空と

      「ガニュメート」 “ Ganymed "
       (詩:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)

    朝陽の輝きの中で、  
    おまえがわたしの周りに燃え立つさま!  
    春よ、愛するものよ!  
    愛の歓喜が無限にひろがり、  
    おまえの無限のあたたかさが   
    聖なる感情となって  
    わたしの胸に迫ってくる、  
    尽きることのない春の美しさよ!

    おまえをぐっと抱きしめたい、  
    この腕の中に!  

    ああ、春よわたしはおまえの胸に   
    身を委ね、心を焦がす。   
    そしておまえの花、おまえの若草を   
    わたしの胸に押しつける。  
    おまえはわたしの胸の   
    燃えるような渇きを癒してくれる。   
    爽やかに吹いてくる朝のそよ風に乗せて、   
    連れ合いを求める鶯の鳴き声が   
    霧深い谷間から響いてくる。   

    わたしは行く、いま行くのだ!  
    どこへ? ああ、だがどこへ?  

    上へ行くのだ! 力の限り 上方へ。  
    上空に漂う雲は、  
    下方へ向かいつつ、   
    胸を焦がし、愛するものに身を傾ける。   
    わたしに! このわたしに!   
    おまえたちの雲の膝に抱かれて  
    また 上方に向かう!   
    雲を抱きしめ、雲に抱かれつつ!  

    上へ、あなたの懐の中へ、  
    すべてのものを愛する父よ!   

          (喜多尾道冬氏の訳を引用させていただきました)


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ボニーは途中から 天へ上る頃からテンポが軽快、上昇気分で軽やかです。昇天の気分。あとボストリッジも秀逸。ゲルネはやはり柔らか~~い。真綿で包まれた気分。streben の発音が人により少し違うのが気になりますが…

  • posted by Der einsame in der ferne
  • URL
  • 2016.03/08 15:25分
  • [Edit]

Re: 今回もシューベルトの歌曲ですね♪

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

またまた、シューベルトで・・・。
お書きくださいましたようにディスカウは確かに「良い」のです。
完璧すぎるくらいに・・・。
歌い手の、一人一人の味があり聴いていて「愉しさ」をも感じる作品でした。
いつか機会がありましたら他の御方の歌も是非・・・。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.06/14 20:09分
  • [Edit]

今回もシューベルトの歌曲ですね♪

luminoさま、こんばんは。
例によってディースカウで「ガニュメート」聴いてみました。
自由に対する憧れを力強く表現していて良い演奏だと思ったんですけど・・・
プライ、シュライアーのシューベルトも聴いてみたいんですが、なかなかそこまで手が回りそうにありません。
いつか必ず聴いてみたいと思います。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2011.06/13 20:18分
  • [Edit]

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