♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.104 シューベルト:「水の上で歌う」D.774 by ディスカウ;フェリシティ・ロット;バーバラ・ボ二―

この数日来、少し暑さから解放をされていますが
心への 打ち水 になりそうなシューベルト歌曲の中から
タイトルも涼し気、流れるような清々しい旋律の「歌」。

今日はゲーテのを離れまして
シュトルベルクに依る有名な「水の上で歌う」です。

昔、初めてシューベルト歌曲ディスカウで聴きまして
お気に入りになった作品の一つです。
今でもお気に入りの一曲です。

作曲は1823年。
三節から成る有節形式とのことです。
ピアノ伴奏の32分音符は水のせせらぎを描写しているそうです。
歌も軽やかに、そしてリズミカルに流れるような旋律。
清々しさを感じる歌です。

喜多尾道冬氏は「水の上で歌う」の他に次の作品につきまして

「夕映えの中で」D.799(1825年作曲、:ラッペ)
「戸外で」D.880(1826年、:ザイドル)
「緑の中の歌」D.917(1827年、:ライル)
「星」D.939(1828年、:ライトナー)

氏の自著「シューベルト」の中で次の記述に目を惹かれました。

 「機械文明と都市の発達が自然を侵食し、それが危機に晒され始める時、
  自然は初めてわたしたちの意識に上る。
  その時、シューベルトのメロディは縮小されてゆく自然と、
  膨張しはじめる都市とのバランスをとる役割を目指すようになる。
  これらの作品(上記の作品)には都市と自然との調和が実現されている。
  それは、「歌」の中にだけしか存在せず、現実にはない、
  謂わばユートピアの世界である。
  それを生み出しうるのがメロディの力であり、
  それによって架空の世界がわたしたちにとって現実以上に切実で
  リアルな空間となる。」


作詩者のシュトルベルク伯爵ですが
解説書に依りますと
法律家兼詩人でゲーテとも交流があったそうです。

              フリードリヒ・シュトルベルク
           Friedrich Leopold Graf zu Stolberg
                   (1750-1819年)

貴族の生まれで前半生を自由主義的理想主義に捧げ
後半生を古典主義者として過ごしたそうです。


水の上で歌う」は長年ディスカウで聴き慣れていました。
今回はバーバラ・ボ二―
今日、届いたばかりの「シューベルト歌曲全集:60人の歌手」から
フェリシティ・ロットで聴いてみました。

先ずは、ボ二―です。
ボ二―のリリック・ソプラノは清楚であり
また可憐な声質はこの作品の爽快さを感じさせてくれるようです。
詩の第1,2節の「喜び」は心踊るように声が弾み
聴いていまして 幸福感 をも感じさせられます。
但し、表面的な華麗さのようなものを払拭することはできません。
華麗で美しい極上の「水の上で歌う」ではないでしょうか。
連続して聴くには・・・辟易するものがありますが。

フェリシティ・ロットのソプラノは初めて聴きます。
期待 と 期待はずれ の半々の気持ちで早速、聴いてみました。 
素晴らしい、の一言です。
華麗さは感じないのですが
重量のある芯の強さを感じる声質です。
詩情豊かな表現力とともに詩に込められた内面性をも強く感じさせられます。
爽やかな旋律の中にも、時の移ろいに一抹の翳りが漂うのを感じます。
何回も繰り返し聴いておりました。
「飽きる」という言葉を忘れさせるロットの歌唱に魅了されるばかりです。

勿論、ディスカウは詩心を完璧に伝えてくれるようで
安心をして耳を傾けていられます。
いつもで、何回でも聴きたくなるのはディスカウです。
そして今日、初めて聴くことができましたフェリシティ・ロットも然りです。

詩も、とても素晴らしいものと思います。
郊外の散歩や、美しい夕映えを心ゆくまで眺めるのが好きだったというシューベルト
大好きな夕映えとシュトルベルクの詩が心の中で融合した素敵な旋律。


   風と樹と空と

         水の上で歌う: Auf dem Wasser zu singen D.774
             (詩:フリードリッヒ・シュトルベルク

   
    きらめく波のかすかな光の中を
    白鳥のように揺れる小舟がすべって行く。
    ああ、優しくきらめく波の喜びにのって
    この魂も小舟のようにすべって行く。
    夕映えが大空から波の上に降りそそぎ
    小舟のまわりを踊っているために。


    西の森の梢の上では
    赤い輝きが親しげにわたしたちに目配せしている。
    東の森の枝の下では
    菖蒲が赤い輝きの中でそよいでいる。
    大空の喜びと森の安らぎを
    魂は吸い込むのだ、赤く燃える輝きの中で。


    ああ、時が揺らめく波にのり
    露にぬれた翼でわたしの前から消え去って行く。
    明日もまた、かすかな光の翼で
    時は昨日や今日と同じように消え去っていくのだ、
    わたし自身がより高く輝く翼にのって
    うつろう時の中から消え去っていくまで。

          (若林氏訳を引用させていただきました)

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Comment

Re: 「水の上で歌う」、良いですね

burleskeさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

良いですよね、この歌曲。
初めて聴きましてから、○十年も経ちますが魅力が失せることがありません。
今迄は私もディスカウだけで聴いていましたが
今回はソプラノでも初めて聴きました。
ソプラノ(ロットの方ですが)も素晴らしい趣があることを気付かされました。
いろいろな歌手で聴いてみると十人十色の味もあり
また、新発見もあるものですね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.07/25 19:42分
  • [Edit]

「水の上で歌う」、良いですね

「水の上で歌う」は旋律も清々しくて良いですね。
僕も気に入りました。
ディースカウはさすがに上手いですね。聴き惚れてしまいます。
僕はディースカウ盤しか持っていませんが、他の歌手でも聴いてみたいですね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2011.07/25 13:17分
  • [Edit]

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