♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.106 シューベルト:「漁師」D.225 by ディスカウ;シュライアー;J.ベイカー

暑い夏が舞い戻ってきました。
今夏初めて蝉の声が聞えました。
8月に入り今日で7日。

8月・・・6日 そして 9日。
広島、8月6日午前8時15分。
長崎、8月9日午前11時2分。
今年で66年目。
今年は原発事故もあり、重ね合わせて考えてしまいます。


さて、前回はシューベルトの「ハガルの嘆き」に漂う陰鬱さに
気が滅入るものすらを感じてしまいました。
音楽の暗さに飲まれてしまうようでした。

シューベルト・リートの良さ
あくまでも私自身にとってなのですが
明るく時には口ずさむことができるような親しみを感じられる旋律
そのような「歌」がお気に入りです。

シューベルトのリート と感じられる一曲を。
「漁師」或いは「漁夫」D.225。

聴いていまして心が躍るような旋律です。
生き返るような清々しい旋律で好ましく耳を傾けています。

ゲーテ
1777年夏、または翌年1月の創作だそうです。
水の不思議な不可抗力的な魅力を歌って有名な
とのことですが初めて知るです。
このにはシューマンも作曲をしているようなのですが未聴です。
シューマンにはシューベルトのように強く惹かれるものを
今は未だ感じられません。


シューベルトの付曲は1815年7月5日。
ゲーテの韻を楽しみつつ作曲したかのような印象を与えられるようです。
シューベルトの付曲に依り 弾み出すようです。

この作品もシュライアーが歌う「ゲーテの詩による歌曲集」を聴き
お気に入りになりました。
今回はディスカウシュライアーそしてジャネット・ベイカーの歌で。

初めて「漁師」を聴きましたのがディスカウでした。
他の御二方、シュライアーベイカーに比べまして20秒程遅いテンポで
数字の上では20秒とはいえ、かなり遅く感じられます。
ディスカウなりに熟考されたとは思うのですが
ムーアのピアノも、ディスカウも旋律の流れよりも
訴えかけるようなものを感じさせられてしまいます。
  ディスカウさん、そんなに考えながら歌わないでください 
と心の中で呟きたくなりました。

シュライアーは、他のゲーテ詩作品同様にディスカウよりも早めのテンポです。
流麗な旋律にシュライアーの透明無比とも言える声質が
作品の清々しさを引き立てているようです。
やはり、シュライアーには強く惹きつけられるものがあります。
詩の持つ韻を楽しみつつ また 無心とも言えるように歌うシュライアー。
最も好感を抱くことができる「漁師」の歌です。

ジャネット・ベイカー、ソプラノでは初めて聴きました。
「歌」から受ける印象はシュライアーに似ています。
ソプラノ歌手にも依るかと思いますが
ベイカーの歌うシューベルトもまた、お気に入りになりそうです。

ベイカーの歌を支えるピアノ伴奏はシューベルト研究家でもあるグレアム・ジョンソン
ジョンソンのピアノは歌を覆うような感じでしょうか。
言葉で表現が的確にはできない歯痒さがあるのですが
歌を、そっと優しく、まるで絹のベールで覆うかのように包み込んでいるようです。
ピアノ伴奏と言うよりもピアノが一つの「声」となり
まるで 二重唱 という表現をしたくなります。
それほどまでに人声と一致しているものを感じます。
運指も軽やかさを感じさせるものでピアノ伴奏に依り
これ程にもリートのイメージが変わるのかと思わされた一曲です。

終始、軽やかで流れゆく旋律。
清涼剤のような「歌」ではないでしょうか。


風と樹と空と


           漁師:Der Fischer D225
          (詩:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

    水が轟き、水が勢いを増し
    その岸辺に一人の漁師が座り
    落ち着いて 心の底まで冷静に
    浮きを見つめていた。
    そして 彼が座って目を凝らしていると
    波が高まって割れ
    ざわめき騒ぐ水の中から
    一人の濡れた女が現れた。

    女は漁師に歌いかけ、語りかけた
    「どうしてあなたはわたしの子供たちを
    人間のずるい知恵と罠で
    詩の炎へと誘い出すの?
    ああ 魚たちが水の底で
    どんなに楽しいか知ったなら
    あなたも着の身着のまま降りてきて
    初めて健やかになるでしょう。

    愛しい太陽も月も 海の中で
    元気を取り戻すのではないかしら?
    波を吸い込んでその顔は
    二倍に美しくなって戻ってくるのでは?
    水底の空、濡れて美しく輝く青さは
    あなたの心を誘わないの?
    水面に映るあなたの顔は
    あなたを永遠の露の中へと誘わないの?」

    水が轟き、水が勢いを増し
    漁師の素足を濡らした。
    彼の心は憧れを一杯に膨らませた
    愛しい人に挨拶された時のように。
    女は彼に語りかけ、歌いかけた
    すると漁師は正気を失い
    半ば女に引かれ、半ば自ら沈み
    もう二度と姿を見せなかった。

         (若林氏訳を引用させていただきました)

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Comment

Re: 「漁師」って、実は怖くないですか?

burleskeさま、こんばんは。
コメントをいつもありがとうございます。

私も詩を初めて読みました時には、不気味さ・・・確かに怖さを感じました。
詩の内容に引っ掛かり、この歌曲を取り上げられませんでした。
旋律はすぐにお気に入りになったのですが。
詩を繰り返し何回も読んでみました。
その内に、初めに感じた不気味な怖さが薄れてゆきました。
幻想的な趣が強調され、詩の中にもある「憧れ」という言葉が救いになりました。
この言葉こそが、この詩が持つ「怖さ」の元凶?の一つかも知れませんが。

詩はシューベルトに旋律を与えられて
新しい命を吹き込まれ、生まれ変わった「漁師」に惹かれるものがありました。
確かに詩に忠実ということを重視すればディスカウですよね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.08/08 22:02分
  • [Edit]

Re: お早うございます~

rudolfさま、こんばんは~。
コメントを本当にありがとうございます。

シューベルトの歌曲ばかりですので、自分で疑問を感じたりしていました。
rudolfさまのコメントを拝読しまして、吹っ切れたように思います。

>何ものにも代え難いものがあると思います
そうですよね!!
この、何物にも代えがたいもの・・・に出合えただけでも幸せだと思うようになりました。
歌曲も他の作品も、シューベルトが今、一番心の近く以上の存在で
心の中にいてくれるのはシューベルトような気も。

この処、凌ぎやすい日々が続いていたせいでしょうか
この暑さにやっと「夏」であることを思い出しました。
rudolfさまもどうぞご自愛なさってくださいね。(*^_^*)
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.08/08 20:19分
  • [Edit]

「漁師」って、実は怖くないですか?

luminoさま、こんにちは。

「漁師」、ディースカウとシュライアーで聴いてみました。
軽やかに流れるようで、楽しげなメロディーですね。
シュライアーで聴くと素直に楽しげな歌なんですが・・・
詩の内容をみると、漁師が水中に誘い込まれる話で、実は楽しくなんかなくて怖い歌なんじゃないかと。
僕にはディースカウの方が、一見楽しげなようで実は怖いという詩の内容を巧みに伝えているように思えるのですが・・・
  • posted by burleske
  • URL
  • 2011.08/08 13:57分
  • [Edit]

お早うございます~

luminoさま お早うございます~

お久しぶりです
いつも拙ブログにコメントありがとうございます。

シュベルトの歌曲、ずっと聴いておられますよね~何ものにも代え難いものがあると思います
久しく聴いていないので、また聴いてみようかと思っています

まだまだ暑いですので、お身体をご自愛くださいね~
ミ(`w´彡)
  • posted by rudolf2006
  • URL
  • 2011.08/08 07:16分
  • [Edit]

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