♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.107 シューベルト:「幸福」D.433 by ディスカウ;B.ファスベンダー

明日、8月15日は「終戦記念日」。
今迄、終戦記念日との表現に違和感を抱いておりました。
そう、「敗戦の日」という表現が相応しいと気付かされた今年の夏(すでに立秋ですが)です。
あの戦争は・・・まだ続いていることも気付かされました。


今回も執拗にシューベルト歌曲です。
シューベルトの存在がなければ、このブログの更新が絶えそうなほど
シューベルトの世界に嵌る日々です。

シューベルト幸福」D.433は、前回取り上げました「漁師」D.225 と同じような趣を感じた作品です。
共通する趣は、楽しさ と 親しみ易さ であるかと思います。

「漁師」の方は原の韻を楽しむかのように付曲された旋律の楽しさ。
幸福」の方は、全体が素直に、感じるままに楽しいのです。
シューベルトの指定が Lustig だそうですので
聴いていて楽し気なのも当然と言えば当然なのですが。
ファスベンダーの歌では、プラス 美しさの虜にもなっております。

はルートヴィヒ・ハインリヒ・クリストフ・ヘルティ
ヘルティの内容には特別に共感するものもなく
文字としてのみ目に映るだけです。
残念ながら心に響くものは皆無です。
旋律のみに惹かれます。
内容としては 深刻な突きつめた思いはなく
天国に行こうと、現世に留まろうとも、相手次第ということだそうで。


ヘルティシューベルトですが
シューベルトがヘルティに付曲をしたリート作品は23曲あるそうです。
1815年-1816年の間に殆んどを作曲したようです。
こちらの歌曲幸福」または「至福」はヘルティに付曲されたものの内で
最もよく知られているとのこと。
また、シューベルトのリート作品の中でも名高い作品の一つとのこと。
にも拘らず、今回初めて耳にしました。

作曲は1816年5月。
ホ長調、8分の3拍子 ワルツ。
指定は Lustig で「楽しげに」とのことです。

解説書に「幸福」についての面白い言葉が記されていました。
 
  「ずるい女性歌手たちによって
   短くて成功確実なアンコール用楽曲としてよく利用される
   楽しい素朴な小ワルツである」

アインシュタインの言葉だそうです。
確かに、この歌曲をアンコールで歌えば拍手喝采。
リサイタルも大成功で幕が閉じられること請け合いでしょうか。

グレアム・ジョンソンは、この歌曲につき次のように述べているそうです。
 
  「ウィンナ・ワルツの軽快さとレントラーの泥臭さをいくらか帯びており
   テンポはワルツとしては遅すぎ、レントラーとしては速すぎる。
   このリートはどんな定義にも当てはまらない高い芸術性を有し
   天衣無縫と言うに相応しい」

高い芸術性とか難しいことは解りませんが
リズミカルで、また美しくもあり、シューベルトの歌の世界を満悦しております。

いつものようにディスカウの歌で最初に聴いてみました。
前回聴きました「漁師」と同じ感想です。
シューベルトの指定 Lustig があるにも係わらず・・・。
旋律のリズミカルさも感じられず平坦な歌としか・・・。
バラードですと鬼気迫る緊張感などが見事に伝わるのですが。

余談ながら大昔の思い出。
ディスカウの歌う、シューベルト「魔王」の思い出です。
中学生の時、音楽の時間に「魔王」が鑑賞曲として取り上げられました。
印象は一言、「怖い!」でした。
勿論、ドイツ語は理解できないながらも(今でも)
情景を想像し緊張感と恐怖心で心臓がドキドキしておりました。
それは何よりも、ディスカウの表現力の素晴らしさの証明?だったのでしょうが。
当時は、この世で一番怖い歌曲と思ったものでした。
当時のトラウマ? 今でも「魔王」には引いてしまうものがあります。

いろいろとシューベルトの歌曲を聴きます内に
ディスカウのテクニックの素晴らしさを感じつつも
作品によりましてはテクニックが歌を支配しているのを感じてしまうようになりました。
この作品も例外ではなく・・・。

さて、ブリギッテ・ファスベンダーのメゾ・ソプラノです。
ピアノはグレアム・ジョンソン
敢えて強調することをせずに自然に歌われ惹かれました。
言葉、単語の一つ一つが生き生きとして
旋律のリズミカルさよりも、一つの言葉がリズミカルに歌われ
全体としては落ち着きのある「歌」を感じます。
ファスベンダーで繰り返し聴きます内に
この曲に対する印象が変わってきました。
こよなく美しい歌として耳に伝わります。


今迄、訳詞を引用させていただき記載をしてきました。
前回の「漁師」にてが一つの音楽、歌曲として新しく命を与えられる時
詩の内容だけではなく原詩も必要な事を痛感しました。
と言えどもドイツ語は解りませんので相変わらず辞書を片手に、ですが。
原詩が分かるものについては今回よりできるだけ記載を心がけたいと思います。



   風と樹と空と

       幸福:Seligkeit D.433
        (詩:ルートヴィヒ・ハインリヒ・クリストフ・ヘルティ

     限りない喜びは
     天国の広間で花開く
     天使たちや変容した人々も
     昔の人々が教えたように集まる。
     ああ、そこに僕もいて
     永遠に楽しみたい!

     誰にでも打ち解けて
     天国の花嫁は微笑んでくれる
     竪琴が響いては
     皆 踊ったり歌ったり。
     ああ、そこに僕もいて
     永遠に楽しみたい!

     だけど それより僕はここにいたいんだ
     ラウラが僕に微笑んで
     視線で 僕に教えてくれる。
     僕の嘆きもお終いだと。
     だから僕は彼女と一緒に幸福
     永遠にここに留まるんだ!

          (上記、若林氏訳を引用させていただきました)

     Freuden sonder Zahl
     Blühn im Himmelssaal
     Engeln und Verklärten,
     Wie die Väter lehrten.
     O da möcht ich sein
     Und mich ewig freun!

     Jedem lächelt traut
     Eine Himmelsbraut;
     Harf und Psalter klinget,
     Und man tanzt und singet.
     O da möcht ich sein
     Und mich ewig freun!

     Lieber bleib ich hier,
     Lächelt Laura mir
     Einen Blick, der saget,
     Daß ich ausgeklaget.
     Selig dann mit ihr,
     Bleib ich ewig hier!


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Comment

Re: シューベルトの歌曲、毎回楽しみです

burleskeさま、こんにちは。
いつもコメントをありがとうございます。

ディスカウ・・・どうも苦手になってきてしまいました。
上手過ぎるのでしょうか・・・。

> もう少し自然な表現の方が良いですかね。
そうなのですよ。
それを望むのは単に自分のシューベルト観(などと大それたものではないのですが)や
シューベルトに対する勝手な思い入れかも知れないのですが。

グレアム・ジョンソンが指摘するワルツとレントラーの違い・・・私も解らないのです。
違いが解るようになりたいとは思うのですが。

シューベルト一色、一筋?の日々になってしまい
また、シューベルトにこの拙いブログの存続が懸かっていることを感じる数ヶ月です。
お言葉、本当にありがとうございます。

今日も暑いですね~。
残暑厳しい日々ですので、どうぞご自愛をなさってくださいね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.08/15 15:10分
  • [Edit]

シューベルトの歌曲、毎回楽しみです

luminoさま、こんにちは。

「幸福」、ディースカウで聴きました。メロディーの綺麗な曲ですね。
絶妙なニュアンスなんですが、技巧的すぎ?
もう少し自然な表現の方が良いですかね。
ワルツとレントラーの中間のテンポですか?
ワルツとレントラーの違いなんてわからないですよ。
やはり、色々聴き比べしたくなりますね。
これからもシューベルトの歌曲の紹介、楽しみにしています。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2011.08/15 13:25分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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