2011.09/18(Sun)

Op.110 シューベルト:「ドイツ・ミサ曲」D.872 by サヴァリッシュ&バイエルン放送交響楽団、合唱団

前回に引き続きサヴァリッシュ&バイエルン放送響響楽団、合唱団の
「宗教的、世俗的合唱作品集」から「ドイツ・ミサ曲」です。
こちらのCDセットを求めました動機が
「ドイツ・ミサ曲」をお取り上げになられていらっしゃいましたブログを拝読しまして是非、聴いてみたくなったからでした。
そして「ミサ曲第2番」「ミサ曲第6番」も聴きたい思いを抱きました。
と申しましても宗教音楽はとても苦手なのです。
ですから、シューベルトの「ミサ曲」の類を聴くのは初めてです。


                シューベルト:世俗合唱曲集

    第1曲:(通常ミサ曲のキリエ)「入祭文のために」ヘ長調 4/4拍子 
    第2曲:「グローリアのために」 変ロ長調 4/4拍子 
    第3曲:「福音誦とクレドのために」 ト長調 8/6拍子 
    第4曲:「奉献誦のために」 ハ長調 4/3拍子 
    第5曲:「サンクトゥスのために」 変ホ長調 4/3拍子
    第6曲:「聖変化のあとに」 ト長調 4/4拍子 
    第7曲:「アニュス・デイのために」 変ロ長調 8/6拍子
    第8曲:「終結の賛歌」 ヘ長調 4/3拍子 
    第9曲:「付録 主の祈り」ホ短調 8/6拍子


作曲は1827年の夏から初秋とのことですので
シューベルトが亡くなる前年の作曲でしょうか。
シューベルトの友人の家で私的に行われたとの推測。
混声四部合唱で演奏時間は約30分。

シューベルトのこちらの「ドイツ・ミサ曲」は
他の作曲家の宗教作品とは一線を画するものがあるようです。
聴いていまして儀式的なカトリックのミサ曲を思わせるものは皆無で
プロテスタントの音楽を聴いているような気分になり好感を抱きました。
プロテスタント教会でオルガンを伴奏に
信徒たちが心を一つに声を合わせて皆で歌う
そのような慎ましい情景を思い描いてしまいました。

それにしましても、何と美しい調べのミサ曲でしょうか。
素朴さを漂わせ、親しみやすい旋律です。
合唱を聴いておりますと、無性に懐かしい思いが湧き上がってきます。
日頃は意識をすることのない「優しさ」に触れる思いがします。
何回も、何回も繰り返し聴いていたくなる調べ。
「優しさ」に包まれる極上のひと時を感じます。
シューベルトの歌曲「万霊節の連祷」からも同様の印象を受けました。
「ドイツ・ミサ曲」と「万霊節の連祷」が心の中でオーヴァー・ラップします。

合唱は、とにかく自然な感じで終始しているようです。
合唱に対して 清楚 という言葉は不適切かもしれませんが
余計な色付けや、飾り気がなく、あくまで清らかで質素な印象を与える合唱として耳に響きます。
合唱の美しさを初めて知った・・・と申しても過言ではないかも知れません。
合唱が主体でオーケストラは補助的?に顔を出す程度ですので
合唱に集中して耳を傾けることができます。
このような「ミサ曲」はシューベルト故の特有な作品ではないのでしょうか。

シューベルトは現在のウィーン少年合唱団の前身であった「宮廷礼拝堂付き合唱少年」の一員であったとのこと。
この、少年合唱の任務は
  
   王室のために宗教音楽を演奏すること
   毎週日曜日に王室の礼拝堂でミサ曲を歌うこと だったそうです。

シューベルトはこの少年合唱の予備試験を7歳で受け
4年後の本試験に合格し11歳で一員になったとのことです。
合唱から歩みを始めたシューベルトの結晶を感じる作品のように思えます。

シューベルト自身の信仰心に少なからずの関心を抱いております。
喜多尾道冬氏に依りますと
当時は宗教離れが進んでいた時代だそうで
シューベルト自身は信仰深い方ではなかったとのこと。
そのような宗教離れの時代でもカトリック(敢えて言わせていただくと専制君主的?)は根強い勢力を保っていたそうでミサ曲などの宗教音楽の需要はあったとのこと。
喜多尾氏はシューベルトがミサ曲を作曲した思いの内には
「名を成す足掛かりの確保」と推測をされているようです。
個人的には好ましいシューベルトの一面と受け止めております。

また、作品に戻りますが、こちらの「ドイツ・ミサ曲」。
カトリックの典礼のミサ曲の歌詞ではないとのこと。
聖書のドイツ語訳を使用せず、シューベルトと交流があった
ヨハンフィリップ・ノイマン(ウィーンの工業学校、物理学教授)が書き下ろした歌詞だそうです。

解説書に依りますとノイマン氏は
 
  18世紀後半から行われていた運動で
  教会音楽を解かり易いものとし、民衆に親しみ易いものにする運動を推進
 
していたそうです。

余談ながら、この作品に関しオーストリア政府は
「教会音楽の伝統的な様式から外れた音楽」として教会での使用を禁止していたとのこと。
教会以外での演奏は許可していたそうです。

「ドイツ・ミサ曲」の中でのお気に入りは第1曲と第6曲です。
第1曲の歌詞、1節だけを引用させていただきます。

  苦しみに悩まされた私は何処に向かえばいいのか
  私の心が喜びに震えるときには
  それを誰に知らせようか。
  おお、主よ、
  私は喜びと悩みの中で あなたの元へ来て
  あなたは更に喜びを贈り
  すべての悩みを除いてくれるのだ。


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タグ : シューベルト ドイツミサ曲 合唱曲 サヴァリッシュ

20:21  |  シューベルト  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●Re: ドイツ・ミサ曲って素敵な作品ですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをいつもありがとうございます。

シューベルトの「ドイツ・ミサ曲」は本当に耳と心を奪う作品なのですね。
サヴァリッシュ盤では男声と女声のバランスもとても良いように思いました。
独唱者を置かないのも魅力になりました。
聴くことができて幸いを感じる作品でした。
この作品に出合えて本当に良かったと思っています。
一生の宝であり、思い出深い作品になりました。

ブルーノ・ヴァイルでお聴きになられていらっしゃったのですね。
古楽での演奏もこの作品に合いそうですね。
いつか、ヴァイルの古楽でも聴くことができたら、と思います。
lumino | 2011.09.19(月) 19:49 | URL | コメント編集

●ドイツ・ミサ曲って素敵な作品ですね

luminoさま、こんばんは。
ドイツ・ミサ曲はブルーノ・ヴァイル指揮Orchestra Of The Age Of Enlightenment の古楽演奏で持っています。
実は一回しか聴いたことがなくて、そのときはあまり印象に残っていなかったんですが、luminoさまの記事を拝読して聴き直してみました。
こんなに素敵な曲だったんですね。
古楽奏法の素朴な響きが曲に合っていて、このヴァイルの演奏は名演だと思いますよ。
サヴァリッシュの演奏も聴いてみたいですね。
burleske | 2011.09.18(日) 21:33 | URL | コメント編集

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