♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.115 シューベルト:「馭者クロノスに 」D.369 by ディスカウ;キーンリーサイド

今年のカレンダーもあと2枚を残すだけになりました。
「一日が早い」と毎日思い
「一年経つのが早い」と毎年思います。
人生は駆け足のように過ぎ去ることを実感するゲーテの「馭者クロノスに」です。

前向きで覇気が漲るゲーテはお気に入りになりました。
駆け足の人生を力強く・・・そのように感じるです。

特に第1節の後半から第3節にかけては強靭な意志と人生への希望を感じます。
   
   木 株 石ころ 躓こうがなんだろうが
   無二無三に突っ走れ
   一散に人生の只中へと!

   すぐにまた登りだ
   足取りは喘いでも
   歯を喰いしばって登るのだ!
   さあ行け 休んではならぬ
   希望を胸に頑張るのだ!

   登り立てば広々と
   人生への展望は壮麗に開け


が気に入りましたことに免じて
シューベルトの「馭者クロノスに」D.369を聴いてみました。
この種のシューベルトの歌曲は少々苦手な類なのですが。
いざ聴いてみますと、気分が明るくなるような気がします。
ゲーテシューベルトの旋律がとてもよく合っているようです。


ゲーテがこちらのを作ったのは1774年10月10日だそうです。
旅行中にフランクフルトのゲーテを訪ねたドイツの詩人のクロプシュトックを
ダルムシュタットに送って行ったゲーテ
馭者クロノスに」は、その帰途に馬車の中で作られたとのことです。
クロノスとは「時」を支配する神、だそうです。
「時」の神を馭者として
人生を馬車旅行に譬えて詠っているとのこと。

シューベルトの付曲は1816年。
前年には創作活動が活発になったそうで「野ばら」や「魔王」を作曲。
この年1816年、19歳のシューベルト付曲の「馭者クロノスに」も
ドラマティックな趣は「魔王」に似ているようです。

原調は二短調、8/6拍子 「急ぎすぎぬよう」の指定。
ドラマティックでありつつも、旋律は馬車の動きのようで軽快な感じがするようです。
特にディスカウの歌にそれを感じます。

ディスカウ&ムーア(P)の他に
サイモン・キーンリーサイド&ジョンソン(P)には関心があり聴いてみました。

ディスカウは詩の第1節から「ディスカウ節」?満開です。
いつも耳に馴染んでいる発音までが違うように感じられ別人かと思ったほどです。
詩の躍動感を伝えるかのように単語の一つ一つがまるでダンスをしているようです。
何か、可笑しな表現になってしまいました。
とても活き活きとし、軽快で明朗な「馭者クロノスに」のようです。

キーンリーサイドの歌が比較的穏やかな歌い方に感じるのは
ディスカウの覇気のある躍動的な歌唱を聴いた所為でしょうか。
キーンリーサイドでは余裕を感じさせられます。
スケールの大きな「馭者クロノス」のように伝わります。


訳詞は山口四郎氏の訳を引用させていただきます。


    わんぱぐさん

           馭者クロノスに:An Schwager Kronos D.369
             (詩:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)

    急げ クロノス!
    跑足に馬車を軋ませ!
    道は下りだ一瀉千里
    お前にもたもた馭されると
    俺は目がくらくらして嘔吐がでる
    木株石ころ 躓こうがなんだろうが
    無二無三に突っ走れ
    一散に人生の只中へと!

    すぐにまた登りだ
    足取りは喘いでも
    歯を喰いしばって登るのだ!
    さあ行け 休んではならぬ
    希望を胸に頑張るのだ!

    登り立てば広々と
    人生への展望は壮麗に開け
    永遠の霊は
    山から山へと漂って
    永遠の生の予感に溢れている

    傍らの軒端の蔭が
    ふとお前の心を惹く
    見れば戸口に立った乙女の
    生気を約束する眼差し
    休んでいらして!― 頼む 俺にも
    泡立つその盃を
    爽やかに健やかなその眼差しを!

    今度は下りだ さあ急ごう!
    見ろ 日が沈んでゆく!
    日が沈み 沼地の霧が
    老残の俺を捉えぬうちに
    歯の抜けた顎ががくがく鳴り
    骨に がたが来ぬうちに

    沈みゆく残照に酔い
    泡立つ目に日の海を宿して
    眼眩みよろめくこの俺を
    一気に拉し去れ
    冥界の漆黒の門の中へと

    吹き鳴らせ 馭者よ 角笛を
    轟かせ跑足を おどろおどろに
    冥界は聞け― 我らが到来
    主人は即座に戸口に出て
    我らをば親しく迎えよ


 (原詩引用)

Spute dich, Kronos!
Fort den rasselnden Trott!
Bergab gleitet der Weg;
Ekles Schwindeln zögert
Mir vor die Stirne dein Zaudern.
Frisch, holpert es gleich,
Über Stock und Steine den Trott
Rasch ins Leben hinein!

Nun schon wieder
Den eratmenden Schritt
Mühsam berghinauf.
Auf denn, nicht träge denn,
Strebend und hoffend hinan!

Weit, hoch, herrlich rings
Den Blick ins Leben hinein,
Vom Gebirg zum Gebirg
Schwebet der ewige Geist,
Ewigen Lebens ahndevoll.

Seitwärts des Überdachs Schatten
Zieht dich an
Und ein Frischung verheißender Blick
Auf der Schwelle des Mädchens da.
Labe dich! - Mir auch, Mädchen,
Diesen schäumenden Trank,
Diesen frischen Gesundheitsblick!

Ab denn, rascher hinab!
Sieh, die Sonne sinkt!
Eh sie sinkt, eh mich Greisen
Ergreift im Moore Nebelduft,
Entzahnte Kiefer schnattern
Und das schlotternde Gebein,

Trunken vom letzten Strahl
Reiß mich, ein Feuermeer
Mir im schäumenden Aug,
Mich geblendeten Taumelnden
In der Hölle nächtliches Tor.

Tone, Schwager, ins Horn,
Raßle den schallenden Trab,
Daß der Orkus vernehme: wir kommen,
Daß gleich an der Tür
Der Wirt uns freundlich empfange.


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Comment

Re: 一年経つのが本当にはやいですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをいつもありがとうございます。

光陰矢のごとし・・・ですね、本当に。
今年は月日が飛ぶように過ぎ去る割には聴く音楽が少なくて。
あと2カ月少々、頑張って(?)音楽鑑賞です。

分かってしまいました?
そうなのです、このような作品はあまり好みではないのですが
詩の内容に惹かれて聴いてみましたら予想外に良かったです。
「いつもとはチョッピリ変わって」もまた新しい発見、出合いになるようですね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.10/26 19:09分
  • [Edit]

一年経つのが本当にはやいですね

luminさま、こんばんは。
本当に一年があっという間ですね。
気が付けばもう11月ですか。

「馭者クロノスに」は力強い躍動感が良いですね。
でも、確かにいつものluminoさまの趣味とは少し違うような・・・
こういうシューベルトも魅力的ですよね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2011.10/25 22:52分
  • [Edit]

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