♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.116 ヴェルディ:歌劇「シチリアの晩鐘」 by レヴァイン&ニューフィルハーモニアOR.;ドミンゴ、ライモンディ、ミルンズ

久々振りに聴いたオペラ、ヴェルディの「シチリアの晩鐘」。
このオペラは史実のシチリア晩鐘事件を元にした作品であることを初めて知りました。
シチリア晩鐘事件??・・・鑑賞と同時に苦手な歴史の勉強をする羽目に。
史実のシチリア晩鐘事件とオペラの内容と照らし合わせつつ何度も頷く有様です。
フィクションのオペラであっても真に迫るに迫るものを感じました。

私自身、シチリア晩鐘事件には強い関心を抱きました。
覚書として以下に。

イタリア政策をめぐって神聖ローマ帝国とローマ教皇間(教皇ウルバヌ4世)で勃発した紛争。
イタリアでは都市単位、貴族単位にはゲルフ(教皇党)とギベリン(皇帝党)をそれぞれ結成して対立を深めた由。
ローマ教皇(ウルバヌス4世、在位1261-64)に支持されたアンジュー伯シャルル=ダンジューは、当時シチリア王だったフリードリヒ2世の庶子マンフレートを南イタリアのベネヴェントで破りマンフレートを戦死させたとのこと。
1266年にシャルルはシチリア王カルロ1世(在位1266-1285)として王位に就いたことで、
フランス支配下におけるシチリア王国の誕生。

惨事、シチリア晩鐘事件が起こったのは復活祭の翌日にあたる月曜日、1282年3月30日。
教会の晩鐘の鐘が鳴った瞬間にシチリアのパレルモで島民によるフランス兵虐殺が始まる。
この事件の直接の原因は教会の晩祷に集まっていた地元の女性にフランス兵が手を出したことにより、
女性の夫が怒り兵士を刺し殺したことだった。
フランス統治下でフランスに反感を抱いていたシチリア人。
晩鐘の鐘が鳴ると同時に、他の島民も暴徒化し、フランス兵の一団に襲いかかり全員を虐殺。
この暴動は瞬時にシチリア全土に拡大、フランス系住民と分かるとすぐにその場で殺された。
フランス系住民、約4000人が亡くなったそうです。
シチリア晩鐘事件につきましては以上で。


ヴェルディはイタリア統一と外国支配からの独立を支持していたと言われます。
オペラでは同じ民族間で敵味方に別れた父モンフォルテと
その息子アッリーゴの愛憎が和解に達した時に殺害をされる悲劇。
暴力による解放がもたらす悲劇、不幸がオペラからも痛切に伝わります。

解説書に依りますとこのオペラは1855年、パリ開催の第1回万国博覧会のために
18525年春、ヴェルディはパリ、オペラ座の支配人とオペラの作曲契約をしたとのこと。
ヴェルディはスクリーブの原作をデュヴェイリエが脚色したフランス語の「シチリア島の晩鐘」を受け取ったそうです。


レヴァイン盤で全曲を聴き、ヴェルディのオペラの中でも叙情性豊かな旋律を随所に感じました。
全5幕の中で一番惹かれましたのが
モンフォルテ総督とアッリーゴが実の親子であることを互いに知る第3幕です。

        
     ヴェルディ歌劇「シチリア島の晩鐘」全5幕


    アッリーゴ:プラシド・ドミンゴ(T)
    ジョヴァン二・ダ・プロチダ:ルッジェーロ・ライモンディ(B)
    グイド・ディ・モンフォルテ:シェリル・ミルンズ(Br)
    エレナオ:マーティナ・アーロヨ(S)
 
    ジェイムズ・レヴァイン(指揮)
    ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
    ジョン・オールディス合唱団

    (録音:1974年、ロンドン)

こちらのディスクは廃盤になっているようです。
手持ちの「ヴェルディ・エディション」の中にレヴァイン盤がありましたので聴くことができました。
レヴァイン以外で聴きたい・・・というのが正直なところですが歌手陣に惹かれました。

さて、いつもの解説書、虎の巻を参照しつつ以下に。

【作曲】1854年
【初演】1855年6月30日(又は13日) 
【台本】原作:ウジェーヌ・スクリーブ 脚色:シャルル・デュヴェイリエ
【登場人物】
   アッリーゴ:シチリアの青年
   ジョヴァン二・ダ・プロチダ:身分の高いシチリア人医師で独立運動の志士
   グイド・ディ・モンフォルテ:シチリア総督
   エレナ公女:オーストリアの公爵フェデリーゴ(暗殺された前シチリア王)の妹
【時と場所】1282年 シチリア島の首都パレルモ
【物語】

   第1幕:パレルモの城壁のほとりの広場
 
暗殺された前シチリア王フェデリーゴの妹であるエレナ公女は、パレルモの宮殿でフランスの人質になっている。
亡き兄の冥福を祈るために教会を訪れようとして広場に姿を見せたエレナ公女。
兵士たちや島民からも恐れられているモンフォルテ総督が現れる。
内乱の陰謀を企てた嫌疑で捉えられていたシチリアの青年アッリーゴが釈放されて姿を見せる。
アッリーゴと旧知の間柄であるエレナ公女。
モンフォルテ総督はアッリーゴにシチリア人たちが冷静になり憎悪感を拭い去るようにと手を差し伸べる。
アッリーゴは敵であるモンフォルテの手を振り払う。


   第2幕:パレルモに近い風光明媚な谷間

一方、亡命していた独立運動の志士プロチダが帰って来る。
プロチダは教会から出てきたアッリーゴとエレナ公女に祖国のために奮起することを誓って去る。
そこへフランス兵がアッリーゴにモンフォルテ総督からの招待状を持って現れる。
が、応じないアッリーゴを連れ去る。
親仏主義者を装ったプロチダはフランス兵たちを扇動。
娘たちの略奪を始めるフランス兵。
エレナ公女が一人のフランス兵に押さえられようとする騒ぎの中
フランス兵に連れ去られようとする娘を取り返そうとした一人のシチリア人が剣で刺される。
それを見たシチリア人たちは独立のために戦おうと固く心に決める。


   第3幕第1場:モンフォルテ総督の宮殿の一室

実子であるアッリーゴと共に暮らせれば、と心の中で願っているモンフォルテ総督。
アッリーゴが部下に連れられて現れる。
モンフォルテは亡き妻の手紙を示し、アッリーゴに二人が真実の親子であることを告げる。
父親に巡り合えた歓びを抑え、エレナ公女との誓いのためにモンフォルテの手を振り切って立ち去るアッリーゴ。

   第3幕第2場:モンフォルテの宮殿の舞踏会場

仮面舞踏会が開かれ、フランス人に変装したプロチダはアッリーゴに
モンフォルテは刺客に殺されるだろう、と告げる。
アッリーゴは悩む。
モンフォルテに呼び止められたアッリーゴは「危険が迫っているから早く席を外すように」と知らせる。
その時、プロチダやエレナ公女がモンフォルテに短刀で襲いかかる。
彼らの味方である筈のアッリーゴがモンフォルテを庇い救う。
嬉しさにアッリーゴの手を取るモンフォルテ総督。


   第4幕:城内の中庭、一方に牢屋がある

アッリーゴは牢屋に入れられたエレナ公女のことを思う。
牢屋から出てきたエレナ公女にアッリーゴはモンフォルテとの関係を告白する。
そこへ、鎖で縛られたプロチダが現れる。
エレナが事情を話しているとべテューネを率いてモンフォルテが現れ
暴動が拡大しない前にプロチダとエレナ公女を死刑に処するように命じる。
アッリーゴは、人々を助けて下されば子として仕える、と叫ぶ。
モンフォルテは「フランスとシチリアは友好的であるべき」と述べて
公女エレナとアッリーゴを夕べの鐘の鳴り渡るときに結婚させよう、と宣言する。


   第5幕:モンフォルテの宮殿の大広間

アッリーゴとエレナ公女の結婚祝賀の宴が催されている。
エレナ公女が歌う≪ありがとう、皆さん≫。
プロチダは襲撃の計画をエレナに密かに告げる。
同志との盟約とアッリーゴとの板挟みになるエレナ公女はアッリーゴに従うことを決める。
プロチダはエレナ公女に近付き、鐘を合図に暴動が勃発することを告げる。
モンフォルテが現れアッリーゴとエレナが手を取って結び合わせた瞬間
プロチダは「鐘よ鳴り響け」と叫ぶ。
夕べの鐘を合図に乱入したシチリア人たちが手に手に剣と松明を持ってフランス人に打ちかかる。
                                   (終幕)


全曲を聴き終え特に印象に残ったのは以下です。

●序曲「シンフォニア」で耳を奪われるのは叙情的な旋律です。
有名な曲で単独で演奏されるとのことですが。
全曲をレヴァイン盤で聴きました後に気になる指揮者トスカニーニの演奏で。
序曲のみですが幸い聴くことができました。

             トスカニーニ:ヴェルディ録音集

1942年1月24日 ニューヨーク、NBCスタジオでの録音。
録音の古さは拭い去れないものの演奏の素晴らしさは録音の古さを忘れさせます。
オペラの内容を見事に表現しているように感じました。
登場人物が抱く、心の葛藤、哀切等々が織り込まれ心奪われる演奏です。
全曲をトスカニーニで聴くことができたら・・・渇望する思いを抱きます。
 
●第2幕のプロチダが歌う≪ああ、パレルモ≫
亡命をしていて久し振りに故郷に戻ったプロチダの感激の思いが伝わります。
感激を込め、また何か親しみを抱かせる旋律は和みを与えてくれるようです。
プロチダ役のライモンディも落ち着いた歌唱でじっくりと聴かせてくれます。
ライモンディは、このオペラのプロチダ役の成功が契機となったそうで。
温かみのある柔らな声質で歌われる≪ああ、パレルモ≫には耳を奪われるばかりです。

●第3幕モンフォルテ総督が歌う≪喜びのうちに≫
実子であるアッリーゴと共に暮らせればと心の中で願っているモンフォルテ総督。
長い間別れていた我が子に思いを馳せ歌われるこの≪喜びのうちに≫。
モンフォルテ役、シェリル・ミルンズは、心奥の望みを切々と歌い上げているようで印象的でした。
幾度も繰り返し聴いてしまいます。

●第5幕のエレナ公女のアリア≪ありがとう、愛する友よ≫
アッリーゴとの結婚式が始まる前に花束を捧げられたエレナが歌うこのアリア。
歌の前半は喜び、シチリアの運命を憂慮する後半。
エレナの複雑な心境を思い聴く所為でしょうか
心なしかアーロヨの歌が翳を伴い耳に響くようです。


全曲を聴きましてヴェルディのオペラの中でも叙情的な旋律を随所に感じました。
内容的にも惹かれるものが多いオペラです。
現在、お気に入りのオペラのベスト3に入るものになりました。


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Comment

Re: ヴェルディの序曲だけならよく聴くんですけど・・・

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

「シチリア島の夕べの祈り」とのタイトル訳が大方のようですね。
素直ではなく「シチリアの晩鐘」の方を選ばせていただきました。

トスカニーニの「序曲」にはすっかり魅了されました。
トスカニーニの全曲盤を探しているのですが残念ながら見当たらず、です。
レヴァイン以外で改めて聴いてみたいオペラになりました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2011.11/01 19:54分
  • [Edit]

ヴェルディの序曲だけならよく聴くんですけど・・・

《シチリアの晩鐘》というより《シチリア島の夕べの祈り》と言った方が馴染みがあるんですが、実は序曲しか聴いたことありません。
でも、この序曲は僕も大好きです。
トスカニーニ盤も持っていますが、やっぱり素晴らしいですね。
いつか全曲聴いてみたいと思います。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2011.10/31 21:57分
  • [Edit]

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