♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

Entries

Op.127 シューベルト:「聴け聴け、ひばり」(セレナーデ)D.889 by ディスカウ;ボ二―;シェーファー

この時期とは縁遠い、降り注ぐ陽光のような明るい歌。
爽やかで軽快なリズムの美しい歌。
シューベルトの有名なD.889の「セレナーデ」または「聴け聴け、ひばり」です。
翳りをまったく感じさせないこの歌を聴いていると
心も弾み、清々しい気分になります。

作曲は1826年の7月初め。
詩はシェイクスピア
シューベルトシェイクスピアの3つの詩に作曲をしたそうですが
これはその中の一曲とのことです。
原詩の第1節はシェイクスピアの『シンべリン(Cymbeline)』の中の1節を
シュレーゲルが独訳。
原詩の第2,3節は後にフリードリヒ・ライルが書き足したものだそうです。


アレグレット、ハ長調 6/8拍子。
3節の有節形式。


聴け聴け、ひばり」の有名なエピソードとして
シューベルトが友人と郊外に散歩に出かけ
酒場でビールを飲んでいた際に
シェイクスピアの、この詩を目にしたそうです。
すぐに楽想が浮かび上がったシューベルト
友人がメニューの裏に5線を引いて差し出したものに書き付けた歌。
それが、この「聴け聴け、ひばり」だったとのことです。

リストがこの曲を基にピアノ独奏用に作曲した作品があるそうですが
興味をそそられます。


いつもシューベルト歌曲での常連のディスカウを中心に
バーバラ・ボ二―、クリスティアン・シェーファーで聴いてみました。
ボ二―の歌がとても気に入っています。


ディスカウ&ムーア(P)、1965年2月24-25日、ベルリンでの録音。
シューベルト歌曲のどの作品でも、ムーアのピアノ伴奏は
控え目でありながら 歌をしっかり支え素晴らしい伴奏者と思いつつ
耳を傾けています。
この作品でもピアノの存在を誇示することなく
軽快なリズムと明るさで見事にディスカウを支えているものを感じました。
ディスカウの歌では落ち着きのある「聴け聴け、ひばり」のように感じます。

ボ二―&ジェフリー・パーソンズ(P)

              バーバラ・ボ二―~シューベルト歌曲集

素晴らしく、可憐な趣の「聴け聴け、ひばり」でしょうか。
清楚で可憐な声、天上の歌声とはこのようなものかと思ったほどです。
また何よりも繊細な表現力に心を奪われるばかりです。
ただ、残念なのはピアノがあまりにも響き過ぎに感じることが・・・。
ボ二―の歌に聴き入り魅了されている耳には、残念ながら少々(かなり)耳触りにも。

●クリスティアン・シェーファー&グレアム・ジョンソン(P)
この作品では、どうもピアノが妙に気になってしまいます。
いつもながら、さすがにジョンソンのピアノは絹のように軽く舞い
決して歌の邪魔をすることなく素晴らしい伴奏に思えます。
シェーファーの歌は明るいリズム感よりも
美しさが際立つ「聴け聴け、ひばり」でしょうか。
原詩第2,3節は書き足しとの判断からなのでしょうか
第1節のみの録音は残念にも思います。



蛇足になりますが
シェイクスピアの『シンべリン』につきまして。
『シンべリン』という戯曲は今回、シューベルトのお蔭で初めて知りました。
本国の英国に於いても上演されることが少なく
日本ではシェイクスピアの全37作品を上演したシェイクスピア・シアターの他には
オンシアター自由劇場が上演したことがあるくらいとのこと。
滅多に上演されないシェイクスピア作品の一つだそうです。

ブリテンとローマを舞台にしたブリテン王シンべリン
シンべリンの先妻の娘イモージェン
王妃の先夫の息子クロートン他が織りなす
再会と和解をテーマにしたロマンス劇だそうです。

「聴け聴け、雲雀」は、この劇の第2幕第3場の
クロートンの台詞が基になっているそうです。
シェイクスピア作品の中で最も優しく、最もあどけない女性として
描かれているイモージェンを横恋慕しようとするクロートンが
彼女に捧げる朝の音楽とのことです。

クロートンの台詞です。

  「東の空に高らかにさえずる雲雀をお聞きなさい
    お日さまももう昇っています
   燃える車を曳く馬は花杯の朝露で
    喉の渇きを癒しています
   金盞花もその眠たげな金の瞼を開いています
   こうして美しいものはみな起き出しています
   負けずに急いで起きなさい」


         『シンべリン』についての詳細はコチラに
                  ↓
      シェイクスピアの戯曲『シンべリン』の詳細-Wikipediaです
  



    風と樹と空と

        セレナーデ;聴け聴け、ひばり:Ständchen D889
          (詩:ウィリアム・シェイクスピア
           独訳:アウグスト・ヴィルヘルム・シュレーゲル
           第2,3節:ヨハン・アントン・フリードリヒ・ライル)

  
   お聴き、お聴き、青空を舞う雲雀の歌を!
   ちょうどポイボスが目を覚まし、
   馬を連れ出し、花の露を
   飲ませているところです。
   きんせん花の蕾が
   金色の小さな芽を開いています。
   こうしたものすべてと一緒に
   起きてください、素敵な娘さん!

   すっかり楽しい夜になって、
   お日さまの替わりに満天の星々が
   空高くに目を覚ましています。
   そして星々は願っているのです、
   あなたの星のような瞳の挨拶を、
   起きてください、星たちは待っています、
   あなたをとても好きだから、
   起きてください、素敵な娘さん!

   それでも目覚めないというのなら、
   愛の調べを奏でながら
   あなたを優しく起こしましょう、
   ほら、もう目が覚めたでしょう!
   そしていつもものように窓辺に姿を
   現わしてください、起きるのです、
   そしてここで歌っている僕を愛して。  
   起きてください、素敵な娘さん!
 
          (訳引用:喜多尾道冬氏)

  
   (原詩引用)

   Horch, horch, die Lerch’ im Ätherblau!
   Und Phöbus, neu erweckt,
   Tränkt seine Rosse mit dem Tau,
   Der Blumenkelche deckt.
   Der Ringelblume Knospe schleußt
   Die goldnen Äuglein auf;
   Mit allem, was da reizend ist, 、
   Da süße Maid, steh auf!

   Wenn schon die liebe ganze Nacht
   Der Sterne lichtes Heer
   Hoch über dir im Wechsel wacht,
   So hoffen sie noch mehr,
   Daß auch dein Augenstern sie grüßt.
   Erwach! Sie warten drauf,
   Weil du doch gar so reizend bist;
   Du süße Maid, steh auf!

   Und wenn dich alles das nicht weckt,
   So werde durch den Ton
   Der Minne zärtlich aufgeneckt!
   O dann erwachst du schon!
   Wie oft sie dich ans Fenster trieb,
   Das weiß sie, drum steh auf,
   Und habe deinen Sänger lieb,
   Da süße Maid, steh auf!



                   にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
関連記事

Comment

Re: シューベルトのセレナードといえば・・・

burleskeさま、こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます。

ディスカウ盤では「セレナーデ」の邦訳でしたし
私も「セレナーデ」とのタイトルを見て「聴け聴け、ひばり」とは違う曲だと思っていました。
シューベルトは真のメロディ・メーカー(?)かと
この作品を聴いて、その思いを強めました。

リスト編曲も是非、聴いてみたいです。
リストの編曲も魅力がありそうですね。
この作品に限らず、他のシューベルト歌曲のリスト編曲を聴いてみたくなりました。
いつも情報をありがとうございます!
  • posted by lumino
  • URL
  • 2012.01/19 20:10分
  • [Edit]

シューベルトのセレナードといえば・・・

luminoさま、こんばんは。
シューベルトのセレナードというので、てっきり《白鳥の歌》の第4曲のセレナードかと思ったのですが、違う曲だったんですね。
こちらのセレナードは初めて聴く曲です。例によってディースカウ&ムーアで聴いてみました。
明るくリズミカルな素敵な曲で、こちらのセレナードも良いですね。
この曲のリストが編曲した演奏は、ホルヘ・ボレットのリスト:ピアノ作品集の中のシューベルト歌曲トランスクリプションに収録されていたので、聴いてみました。
華やかでチャーミングで、これもなかなか良いですね。
今回も素敵な作品を紹介していただき、ありがとうございます。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2012.01/18 22:25分
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメント投稿不可です。

左サイドMenu

プロフィール

lumino

Author:lumino
音楽が日々の活力源になっています。
特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
日々の生活に無くてはならないのが音楽と本です。
また2羽の小桜インコの兄弟は大切な家族です。

最新記事

lumino

右サイドメニュー

♪ こんにちは ♪

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

ブログ内検索