♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.128 シューベルト:歌劇「4年間の歩哨兵勤務」全曲 by シュペリング&ダス・ノイエ・オーケストラ

シューベルトのオペラを聴きたくても録音が少なく残念に思う日々です。
久しく気に掛かっていた「4年間の歩哨兵勤務」と「双子の兄弟」。
シューベルトの初期オペラ作品と中期オペラ作品が一枚のCDに
収録されているものより「4年間の歩哨兵勤務」を先に聴いてみました。
簡潔な粗筋で短い時間ながらもシューベルトの歌心に満ちた
素晴らしいオペラではないでしょうか。


            シューベルト歌劇4年間の歩哨兵勤務
               Der fieerjährige Posten
                   (全1幕)D.190



              シューベルト:歌劇「4年間の歩哨兵義務」「双子の兄弟」全曲

              ヴァルター:シュテファン・ゲンツ(Br)
              ケーテ  :アガ・ミコライ(S)
              デュヴァル:アンドレアス・カラシアク(T)
              隊長   :トーマス・ヤーコプス(T)
 
              クリストフ・シュペリング(指揮)
              ダス・ノイエ・オーケストラ
              コーラス・ムジクス・ケルン

                    (録音:2008年)




4年間の歩哨兵勤務」は12日間で書き上げられたそうです。
1815年に作曲されたとのことですから
シューベルト、18歳でしょうか。
やはり、溌剌とした清々しさを感じるオペラです。
シューベルトの作品は作曲時の年齢に関係なく
「溌剌さ」や「清々しさ」「爽やかさ」を感じさせる作品が
多々あるようにも思いますが。

シューベルトのこの作品のように
当時、脱走兵を扱った物語が非常にポピュラーになっていたそうで
フランス革命以前の兵隊はほとんどが傭兵で金目当てであったとのこと。
革命以後は国民の義務として兵役が一般人に課せられるようになったため
このような脱走兵の事件が多く起こるようになっていたそうです。

台本のテーオドール・ケルナー(Ⅰ791-1813年)ですが
1811年からウィーンに住んでいた愛国的詩人。
1813年初めにシューベルトとはシュパウンを通じて知り合う。
ケルナーは1813年にリュツォフの義勇団に参加し
22歳の誕生日の目前に命を落としたとのこと。
ケルナーの代表作『ツリニ』は1812年12月ウィーンで上演され
嵐のような興奮を巻き起こしていたそうです。
彼の死後、詩や劇作品がライプツィヒとウィーンで次々と出版。
シューベルトは1815年2-5月の4ヵ月の間に彼の詩から
14曲のリートと「4年間の歩哨兵勤務」を作曲したそうです。



【作曲】1815年5月8-19日 全1幕のジングシュピール
【台本】テーオドール・ケルナー『騎馬哨兵』
【初演】1896年9月23日 ドレスデン宮廷劇場
【演奏時間】序曲 8分;全1幕 31分
【登場人物】
  ヴァルター:村の裁判官
  ケーテ:ヴァルターの娘
  デュヴァル:ケーテの夫、元兵士
  隊長
  ファイト:農夫
【物語】
  村の広場、左手にヴァルターの家、右手に小高い丘

遠くでは戦争の嵐が吹き荒れているが
この村では幸いにも、この4年間平和が続いていると
歌う村人たちの喜びの合唱で幕が開く。

村人たちが野良仕事に出かけた後
ケーテとデュヴァルは4年前に出会い結婚して2年になるが
今では畑仕事が忙しく、なかなか一緒にいられないとこぼす程愛し合っている。
そこに血相を変えたヴァルターが軍隊が押し寄せて来ると飛び込んでくる。
デュヴァルが脱走兵として捕えられると恐れるヴァルターとケーテ。
デュヴァルは4年前、丘の上で哨兵として勤務していたが
彼の連隊が撤去する際に置き去りにされたために
武器を鋤に換えヴァルターの所で働かせてもらったのだから脱走したのではない。
冷静に考えれば必ず解決策は見つかる、とデュヴァル。
近づいてくる軍隊は自分のいた第2連隊ではないだろうとも、言う。

そこにファイトが来て第2連隊がやって来ることを知らせ逃走を勧める。
しかし、デュヴァルは解決策を説明するために皆と家の中に入る。
一人残ったケーテは
神に救いを求めるアリア≪神様、私の願いをお聞き届けください≫を歌う。

軍服を着て出てきたデュヴァルはケーテの心配を振り切り
4年前と同様に同じ場所で哨兵として待機すると大胆な行動に出る。

遠くから兵士たちの合唱が聞こえてくる。
ケーテは恐れながらもデュヴァルを信じて家の中に入る。
兵士を引き連れてきた隊長は宿営しようとするが
その村に見覚えがあることに気付く。
そしてデュヴァルに気付き脱走兵として捕えろ、と命令をする。
デュヴァルは勤務を解くことが先決、それが軍規であると言って譲らない。

ケーテ、ヴァルター、ファイトが家から飛び出してくる。
農夫たちも集まってくる。
彼らの懇願もむなしく隊長は慈悲も涙もない。
そこにやって来た将軍にデュヴァルは事情を説明。
隊長も事実は彼の言う通りだと認め、将軍は彼の招聘勤務を解いてやる。
更に、人情の厚い将軍は彼の軍務も解いてやり
この村で妻と共に暮らすことを許し
合唱、及びケーテ、デュヴァル、ファイト、ヴァルターが歌う
≪目も眩むような素晴らしい時≫で終幕。

(井形ちづる著「シューベルトのオペラ」を参照、引用させていただきました)


平穏な村の田園風景を彷彿とさせるような木管とホルンが奏でる序曲の開始。
一転して活気に満ち、親しみを抱かせる主題が繰り返され
シューベルト特有の旋律に耳を奪われ通しの序曲です。

序曲に続いての導入では
村人たちの喜びの合唱とケーテ、デュヴァル、ヴァルターの歌。
華麗とも言える趣があるようです。

声楽陣は初耳のメンバーです。
ケーテ役のアガ・ミコライはソプラノ・リリコ・レッジェーロでしょうか。
軽やかに舞うような歌唱で
叙情性も豊かに歌われ好印象を持ちました。

このオペラの中で唯一のアリアでケーテの
≪神さま、私の願いをお聞き届けください≫では聴き惚れてしまいます。
このアリアは音域全体が非常に高く、声楽的に難しい曲、とのことですが。
神に救いを求める祈りでありながらも宗教色を感じさせない点が
とても好ましく思えます。

ミコライの歌唱では、殊にデュヴァルとの二重唱≪ハインリッヒよ!可愛い娘よ!≫
を始め他の重唱曲でも耳はミコライに捕われてしまっています。

フィナーレは
登場者全員で事件のハッピーエンドを喜び歌う≪目も眩むような素晴らしい時≫。
喜びとは言えども、喧噪の騒ぎではなく美しい旋律の合唱など
随所にシューベルトらしさがあり好感を抱きます。

素晴らしい重唱曲と合唱で
瞬く間に時間が過ぎ去ってしまうようでした。


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Comment

Re: シューベルトは好きなんですけど・・・

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

シューベルトのオペラでは合唱に特に惹かれるものがあります。
こちらの作品でも、記事に書き忘れましたがやはり合唱が良かったです。
「フィエラブラス」も「サマランカの友人たち」も合唱が心に残っています。
多くのシューベルトのオペラを聴いてみたいと思うのですが
CDが限られてしまっている現状は残念に思うばかりです。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2012.01/26 19:24分
  • [Edit]

シューベルトは好きなんですけど・・・

シューベルトは好きですが、オペラはまだ聴いたことがありません。
どうもマイナーな作品というイメージしかないのですが、聴いたら面白いんでしょうね。
せめて《フィエラブラス》くらいは聴いてみようと思っているのですが・・・
  • posted by burleske
  • URL
  • 2012.01/26 12:27分
  • [Edit]

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