♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.147 シューベルト:「夕映えの中で」D.799 by ディースカウ

梅雨の時期に、夕映え 夕焼け には縁遠さがありますが
せめて気分だけでも。
ラッペの詩の中に、またシューベルトの旋律の中に
夕映えの素晴らしさを。


拝借をしてきた画像です。
  link style 夕焼けyuu0016-004_m
このような景色を眺めつつ
シューベルトの「夕映えの中で」を聴くことができたら・・・夢のよう。


「夕映えの中で」 Im Abendrot D.799
作曲は1824年 または 1825年2月初めだそうです。
ウィーンの詩人カール・ラッペの詩。
通作形式 変イ長調 2/2拍子
「ゆっくりと、厳かに」の指定とのこと。


夕映えの中で」及び他の2作品について
吉田秀和作曲家論集2「シューベルト」からの引用になります。

 「これ以上、切り詰めようのない簡潔な形をとりながら、
  ここには無限の優しさがあり、
  その幸福はもう悲哀と紙一重である」

古代中国の詩人が
「歓楽極まって哀愁生ず」と詠ったそうです。

氏は、この言葉をヨーロッパの音楽で実感しようとするのであるなら
シューベルトの次の歌曲を挙げておられます。
「笑いと涙」「水の上で歌う」そしてこの「夕映えの中で」です。


ラッペの詩にシューベルトが付曲をした作品では
過日、シューベルト「独りずまい」(詩:カール・ラッペ)
を書かせていただきました。

「独りずまい」「夕映えの中で」ともに
ラッペの詩は繰り返し読むうちに
次第に心が惹かれて行くようです。
「夕映えの中で」は宗教的な感動も歌われているそうです。
宗教的、キリスト教的な音楽は受容し難いものがあるのですが
特に宗教的な詩であるか、否か、ということよりも
ラッペの自然で素朴な内面がよく伝わってくるような味わい深さを感じます。
シューベルトの旋律には、いつものことながら真に心に染み入るものがあります。


ディースカウの 1955年と1967年(ライヴ録音)で聴いてみました。


          ディースカウ:ザ・ベスト・オブ・シューベルト

             ディスカウ:The Best of Schubert

                  D.F=ディースカウ(Br)
                  G.ムーア(P)

             (録音:1955年5月 アビー・ロード・スタジオ)

声量を抑え気味の歌唱でしょうか。
ディースカウの心から滲み出る想いを
恰も自分自身に語りかけるように、そっと囁きかけるような歌い方。
夕映えに見入り、他人に聴かせる歌としてではなく
独り口ずさむような歌唱のように感じられます。
作詞者のラッペが、もし自身で歌うとすれば
きっと、このように歌うのでは?と思いを馳せたりしています。
ディースカウの初々しさにも感じ入るものがあります。
とても好感を抱くことのできる「夕映えの中で」です。
ディースカウのこのような歌い方は他には思い浮かびません。
前述をした吉田氏の書籍より
「歓楽極まって哀愁生ず」そのものではないでしょうか。



            ディースカウ:グレートEMIレコーディングス


              ディスカウ:グレートEMI録音集


               (録音:1967年2月20日 ロンドン 
                ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ)

正にディースカウの素晴らしい「夕映えの中で」と言うべきかと思います。
前述の1955年の録音があまりにも強く心に刻み込まれてしまっておりますが。
1955年の「夕映えの中で」が、秋か冬の風情を感じさせてくれるとすれば
こちらは、春 或いは 夏でしょうか。
煌めきのある夕映えの風情が伝わってくるようです。



           わんぱぐさん:ライン、ブルーの鳥


            夕映えの中で: Im Abendrot D799
                 (詩:カール・ラッペ)

       
       おお あなたの世の 何と美しいことか!
       父よ 黄金の輝きに満ちる時には。
       あなたの輝きが射し込んで
       塵を仄かな光で彩るときには。
       雲の中で煌めく紅が
       わたしのひっそりとした窓に差し込む時には!

       嘆くことがあろうか?臆することことがあろうか?
       迷いがあなたと私の中にあるだろうか?
       否 わたしは胸の中に
       すでにここにあるあなたの天国を抱こう。
       そしてこの心は 滅び去ってしまう前に
       さらにその輝きを飲み 光を吸い込むのだ。

                          (若林氏訳 引用)

  
      (原詩引用)
       
       O wie schön ist deine Welt,
       Vater, wenn sie golden strahlet!
       Wenn dein Glanz herniederfällt,
       Und den Staub mit Schimmer malet,
       Wenn das Rot, das in der Wolke blinkt,
       In mein stilles Fenster sinkt!

       Könnt' ich klagen, könnt' ich zagen?
       Irre sein an dir und mir?
       Nein, ich will im Busen tragen
       Deinen Himmel schon allhier,
       Und dies Herz, eh' es zusammenbricht,
       Trinkt noch Glut und schlürft noch Licht.


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Comment

Re: ディースカウのEMI盤、聴いてみたいのですが・・・

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

今迄、「夕映えの中で」はあまり惹かれることがなかったのですが
ラッペの詩に魅力を感じるようになってから「夕映えの中で」も
魅力的な作品だと感じるようになりました。
1955年のEMI盤では、すっかり虜になってしまいました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2012.06/17 19:21分
  • [Edit]

ディースカウのEMI盤、聴いてみたいのですが・・・

《夕映えの中で》、ディースカウのDG盤とヴンダーリヒ&ギーゼン盤で聴いてみました。
ディースカウのDG盤はじっくりとしみじみと静かに訴えかけてくるようで、寂しげな晩秋の雰囲気。
ヴンダーリヒは甘く切なく、夏の夕立の後の真っ赤な夕日を眺めているような感じ。
どちらも味わい深く素敵な演奏でした。
ディースカウのEMI盤、聴いてみたいとは思うのですが、当分そこまで手が回りそうにありません。いつか聴いてみたいと思います。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2012.06/17 09:26分
  • [Edit]

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