♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.156シューマン:思い出諸々 と 歌曲「二人のてき弾兵」 by クンツ;ディースカウ

シューマンはまだ当拙ブログに一度も登場していない作曲家の一人です。
苦手な作曲家の一人ですので。
が、長い間シューマンには因縁のようなものを感じています。
シューマンに纏わる諸々の思い出から。

初めて求めたLPの思い出。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番を聴きたくて初めて求めたLP。
そのB面に収録されていたのがシューマンのピアノ協奏曲です。
初めて聴いたシューマンの作品でした。

コンサートの思い出。
すっかりコンサートには縁遠くなってしまっておりますが
昔は時々、足を運んでいたコンサート。
初めて聴いたピアノ協奏曲がシューマンでした。
また!シューマンです。

その数年後のコンサートではプログラムにベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番。
初めて生演奏で聴くことができる喜びで
一晩中LPを聴き続けて楽しみにしていたコンサート。
ところが、コンサート当日、会場で演奏曲目変更のお知らせが。
ベートーヴェンからシューマンのピアノ協奏曲への変更でした。
あ~!またもや!シューマン・・・。
 
コンサートで聴いた最多記録はシューマンのピアノ協奏曲。
シューマンのピアノ協奏曲はお気に入りでしたから・・・まぁ、良しでしたが。

初めて心惹かれた歌曲の思い出。
歌曲に関しても、橋渡しをしてくれたのはシューマンだったように思います。
またもや! シューマン!! です。
「ロマンスとバラード第2集」より「二人のてき弾兵」です。
当時、FM放送から流れていて、ふと耳に入ったものでした。
初めて・・・歌曲も良いもの・・・との思いが芽生えました。

早速、レコード店に。
目に付いたLPタイトル「菩提樹~ヨーロッパ歌の花束」の2枚組。
エーリッヒ・クンツのバリトンで収録されている7曲の中に
「二人のてき弾兵」のタイトルがありました。
即、LPを求めたものでした。
私にとって初めて耳にしたバリトン歌手はエーリッヒ・クンツでした。

以来、「二人のてき弾兵」ではクンツが愛聴盤でした。
心の奥に今でも強く残っている作品であり、バリトン歌手です。


「二人のてき弾兵」に出合ってから云十年という長い年月が経ちました。
一昨年、ディースカウのEMI録音集に「二人のてき弾兵」が収録されているのを知り
懐かしい思いが甦ってきました。
ディースカウはどのように聴かせてくれるのか
楽しみにして聴いてみました。


            ディースカウ:グレイトEMIレコーディングス

               ディスカウ:グレートEMI録音集

                フィッシャー=ディースカウ (Br)
                ジェラルド・ムーア(P)

                (録音:1951年10月10日 
                    アビーロード・スタジオ モノラル録音)



シューマンの歌曲の中でのお気に入りは今でも「二人のてき弾兵」です。
他の歌曲に関しては耳を傾けることもほとんどないのですが。
「二人のてき弾兵」を聴いた当時には
今のように歌曲が好みになるとはまったく想像もしませんでした。


作曲は1840年の正月とのことです。 
3曲から成る「ロマンスとバラード第2集」作品49の第1曲目。
第2曲目も同じくハイネの詩「憎み合う兄弟」
第3曲目はフレーリッヒとう人の詩だそうですが。

「二人のてき弾兵」はシューマンの歌曲では
最も通俗的に知られているものだそうです。
てき弾兵というのは手榴弾を持つ兵士のことだそうで
兵隊の中から極めて優秀なものが選ばれ
主として重要な首脳部の護衛に当たったとのことです。

ハイネの詩「二人のてき弾兵」は1820年の作詩。
劇的な物語風の叙事詩的なもの、ということで
旋律も二人の兵士が語り合う部分などは
特に荒々しいまでの力強さを感じてしまいます。
曲の終わりの方でフランス国家の「ラ・マルセイエーズ」の旋律に
合わせた歌も印象的なものとして心に残ります。


シューマンとハイネはミュンヘン時代より交流があったそうで
ハイネの『歌の本』の中からシューマンが付曲をした作品に
有名な「詩人の恋」「リーダークライス」などがあるとのことですが。
まだ、じっくりと耳を傾けることなく時を経てしまいました。
これを契機に聴いてみたくなりました。



             クリスティアン・ヨハン・ハインリヒ・ハイネ
            
               ハインリッヒ・ハイネのメモリアル・ストーン(ブロッケン)
              (1797年12月13日 -1856年2月17日)
          ドイツ、ブロッケンにあるハイネの記念石碑だそうです



「二人のてき弾兵」を聴いた感想にやっと辿り着きました。

クンツのバリトンで初めてこの作品を聴いた時には
とにかく力強い歌曲でクンツの歌唱も素晴らしく
すっかり魅了をされたものでした。
覇気、迫力、勇壮さ、力強さや高揚する気分、荒々しさの中にも
鷹揚たるものがあるように感じました。
「ラ・マルセイエーズ」の旋律では急に穏やかになり
クンツの歌唱もとても魅力的な趣を湛えており印象的でした。
深く心に刻み込まれる「二人のてき弾兵」でした。

さて、ディースカウで聴く「二人のてき弾兵」。
嘗て聴いたクンツとは受ける印象がかなり違うように感じました。

ディースカウは思索型(?)の「二人のてき弾兵」でしょうか。
物語詩を重視したような微細な表現を感じます。
聴いていて言葉の方に神経が行ってしまい
「歌」であることを忘れてしまいそうに。
この曲の勇壮さなどクンツの歌唱が刻み込まれすぎてしまっている所為か
ハイネの詩の劇的なところばかりが耳に残っています。


詩もドラマティック
旋律もドラマティック
久し振りに懐かしい歌曲を聴くことができ
今夏の良き思い出になったようです。


           わんぱぐさん:ライン、ブルーの鳥


         二人の擲弾兵:Die beiden Grenadiere Op.49-1
             (詩:ハインリヒ・ハイネ)


       フランスへ向かう二人のてき弾兵
       彼らはロシアで捕らわれていた。
       ドイツの宿舎に着いた時
       彼らは悲しみで首を垂れた。

       そこで二人は悲しい知らせを聞いたのだ。
       フランスは敗れ去り
       勇敢な軍隊は敗れ打ち負かされ
       そして 皇帝が 皇帝が捕らわれたのだと。

       そこで泣き合う てき弾兵
       この悲しい知らせのために。
       一人が言う「ああ、なんてことだ
       古傷も燃えるように痛む!」

       もう一人が言う、「もうお終いだ。
       俺もお前と死んでしまいたい
       だが 俺には家に妻と子がいる
       あいつ等は俺なしでは路頭に迷う。」

       「妻がなんだ、子がどうした
       はるかにましな望みが俺にはある。
       そいつ等が飢えているのなら 乞食でもさせておけ
       皇帝が 俺の皇帝が捕らわれたんだぞ!

       兄弟、俺の願いを聞いてくれ。
       俺がここで死んでしまったら
       俺の亡骸を一緒にフランスへ持って行き
       フランスの地に埋めてくれ。

       緋色の帯の付いた十字の勲章を
       俺の胸に付けてくれ。
       手には銃を持たせ
       腰には剣を帯びさせてくれ。

       そしたら俺は横になってじっと耳を澄まそう
       墓の中で歩哨のように。
       いつか大砲の轟きと
       いななく馬たちの蹄の音を耳にするまで。

       その時 俺の皇帝が俺の墓の上で馬に乗り
       数多の剣が鳴り響き煌く、
       その時こそ俺は武器を持ったまま墓を出て
       「皇帝を、皇帝をお護りするんだ!」

                          (訳:若林氏 引用)


      (原詩引用)

      Nach Frankreich zogen zwei Grenadier,
      Die waren in Rußland gefangen.
      Und als sie kamen ins deutsche Quartier,
      Sie ließen die Köpfe hangen.

      Da hörten sie beide die traurige Mär:
      Das Frankreich verloren gegangen,
      Besiegt und geschlagen das tapfere Heer
      Und der Kaiser, der Kaiser gefangen.

      Da weinten zusammen die Grenadier
      Wohl ob der kläglichen Kunde.
      Der eine sprach: “Wie weh wird mir,
      Wie brennt meine alte Wunde!“

      Der andre sprach: “Das Lied ist aus,
      Auch ich möcht mit dir sterben,
      Doch hab ich Weib und Kind zu Haus,
      Die ohne mich verderben.“

      “Was schert mich Weib, was schert mich Kind,
      Ich trage weit besser Verlangen;
      Laß sie betteln gehn, wenn sie hungrig sind-
      Mein Kaiser, mein Kaiser gefangen!

      Gewahr mir, Bruder, eine Bitt:
      Wenn ich jetzt sterben werde,
      So nimm meine Leiche nach Frankreich mit,
      Begrab mich in Frankreichs Erde.

      Das Ehrenkreuz am roten Band
      Sollst du aufs Herz mir legen;
      Die Flinte gib mir in die Hand,
      Und gürt mir um den Degen.

      So will ich liegen und horchen still,
      Wie eine Schildwach, im Grabe,
      Bis einst ich höre Kanonengebrüll
      Und wiehernder Rosse Getrabe.

      Dann reitet mein Kaiser wohl über mein Grab,
      Viel Schwerter klirren und blitzen;
      Dann steig ich gewaffnet hervor aus dem Grab-
      Den Kaiser, den Kaiser zu schützen!“

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Comment

Re: シューマンも良いですね

burleskeさま、こんばんは。
コメントをいつもありがとうございます。

シューマンの歌曲全集をお持ちなのですね。
私が聴いた1951年の録音当時のディースカウは
ハイ・バリトン(?)のような高い声でしたが
エッシェンバッハとの「二人のてき弾兵」はどうでしょう、一度聴いてみたく思います。
「ラ・マルセイエーズ」の旋律での歌唱は本当に印象的ですよね。

burleskeさまも、やはりシューマン、だったのですね。
シューマンではピアノ協奏曲が同じくお気に入りです。
久しく聴いていなかったのですが、聴いてみたくなりました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2012.08/19 19:29分
  • [Edit]

シューマンも良いですね

実はDGのシューマンの歌曲全集を持っているのですが、まだ《詩人の恋》くらいしかまともに聴いていません。
《二人のてき弾兵》はディースカウ&エッシェンバッハで収録されていました。
巧みな語り口が見事で、面白いですね。クライマックスの「ラ・マルセイエース」の旋律が印象的ですね。

僕も初めて聴いたピアノ協奏曲はシューマンだったような・・・
「ウルトラセブン」の最終回で効果的に使われていました。
この曲がシューマンのピアノ協奏曲だというのを知ったのは、もっと後になってからなのですが、すっかり僕のお気に入りの曲になっています。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2012.08/19 13:35分
  • [Edit]

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