♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.172 シューベルト:「鳥」D.691 ;「少年」D.692 by ディースカウ;ゲルネ

シューベルトの歌曲でタイトルも初めて
聴くのも初めての曲「鳥」D.691 と 「少年」D.692です。
解説書によると「鳥」は、愉快でアイロニカルな歌とのことで
興味をそそられ聴いてみました。
手元にはディースカウとマティアス・ゲルネのCDしかありませんので
この御二方で「鳥」を。
「少年」はディースカウのみで。

先ずはいつものディースカウ です。

            ディースカウ:シューベルト歌曲全集

             シューベルト歌曲全集byディスカウ

                 ジェラルド・ムーア(P)
                 D.F=ディースカウ(Br)

                (録音:1969年 ベルリン)


1820年3月、23歳の時の作曲になるそうです。
詩はドイツの哲学者、思想家、作家、評論家、文学史家諸々
でもあるフリードリヒ・フォン・シュレーゲル。
イ長調 3/8拍子 アレグレット

              フリードリヒ・フォン・シュレーゲル
            Karl Wilhelm Friedrich von Schlegel
            Karl Wilhelm Friedrich von Schlegel
           (1772年3月10日-1829年1月11日または12日)

シュレーゲルの妻ドロテーア・シュレーゲルはフェリックス・メンデルスゾーンの
祖父モーゼス・メンデルスゾーンの娘とのことです。


シュレーゲルの詩はアイロニカルな感じがしますが
旋律からはとても素直な楽しさが伝わってきます。

ディースカウの歌も皮肉を込めたものではなく
空を舞う鳥が楽しく、喜びに満ちているように
自ら楽しんで歌っているような印象すら受けます。
詩の末節になると翳りも伝わってきますが。
1分4秒の短い歌の中に喜びが詰まっているようです。

「鳥」の次曲に
同じくシュレーゲルの詩で「少年」D.692が収録されているのですが
こちらの曲も鳥に因む詩。
自分がもしも鳥であったのなら・・・と、少年が抱く望み、想いが
明るく そして優しく伝わってくるような曲で好感を抱きました。

ピアノ・パートは詩の第4節
  「僕は陽の光の中を飛び回り
   空に羽ばたく音を響かせて」
を思わせる鳥の羽ばたきのようにリズミカルでキビキビとした速さです。
第1節ではディースカウは弾けるような楽しい歌声です。
次第に夢をみるかのような思いに浸り
最後の第3節では母を想う少年の心を慈しみかのように
そっと優しく包み込み歌うディースカウ。
そしてピアノの消え入るかのような終音も印象的でした。
ディースカウとムーアの息の合った語りを聴くようです。

ディースカウが歌う「鳥」及び「少年」からは
共に短い曲ながらも豊かな物語を歌い聞かせてくれるようです。


次はマティアス・ゲルネの「鳥」です。


           シューベルト歌曲全集~60名の歌手たち

              シューベルト歌曲全集~60名の歌手たち

                 グレアム・ジョンソン(P)
                 マティアス・ゲルネ(Br)


ディースカウとは対照的に感じてしまいました。
ゲルネの暗さを帯びた声と歌唱には
人間に敵意を抱く鳥の怨念(?)のようなものすらを感じてしまいます。
詩の第1節、鳥が抱いている楽しさは微塵も感じられませんでした。
シュレーゲルの詩のアイロニカルというものは伝わってくのですが
喜ばしい気分はまったく感じられることはありません。
シューベルトの付曲からはディースカウの表現が相応しいようにも思いました。


シューベルトの歌曲を聴いていると
シューベルトの心の中で奏でられていた調べはどのようなものだったのかと
いつも思いを馳せてしまいます。


            わんぱぐさん:ライン、ブルーの鳥

                   鳥:Die Vögel D691
               (詩:フリードリヒ・フォン・シュレーゲル)


              なんて気持ち良くて楽しんだろう
              飛ぶこと 歌うことは!
              輝く大空から
              大地を見下ろすのは!

              人間たちは愚かで
              飛ぶこともできず
              苦しみの中で嘆いているけど
              僕らは空へと羽ばたき飛んでゆく

              狩人は僕らを殺そうとする
              彼の成果を僕らがつまみ食いしてきたから
              だけど僕らは狩人を嘲笑って
              彼の獲物を横取りするんだ

                               (訳:若林氏 引用)

             (原詩引用)
 
              Wie lieblich und fröhlich,
              Zu schweben, zu singen,
              Von glänzender Höhe
              Zur Erde zu blicken!

              Die Menschen sind töricht,
              Sie können nicht fliegen.
              Sie jammern in Nöten,
              Wir flattern gen Himmel.

              Der Jäger will töten,
              Dem Früchte wir pickten;
              Wir müssen ihn höhnen,
              Und Beute gewinnen.

            わんぱぐさん:ライン、ブルーの鳥


                  少年:Der Knabe D.692
              (詩:フリードリヒ・フォン・シュレーゲル )


              もしも 僕が小鳥だったら
              ああ 元気に飛び回って
              すべての鳥を打ち負かしたい

              もしも僕がそんな鳥だったら
              僕はすべてを すべてを掴み
              一番高い所にあるさくらんぼも食べられる
              そしてお母さんの所に飛んで行ける

              もしお母さんの機嫌が悪くても
              僕が甘えてすり寄ると
              お母さんの機嫌もすぐにおさまる
  
              色鮮やかな羽根 軽やかな翼
              僕は陽の光の中と飛び回り
              空に羽ばたく 音を響かせて
              もう枷も網も感じない

              もしも僕があの丘を越えてゆけたら
              ああ 元気に飛び回って
              すべての鳥を打ち負かしたい 
                                      
                                   (訳:若林氏 引用)

             (原詩引用)
              
              Wenn ich nur ein Voglein wäre,
              Ach, wie wollt’ ich lustig fliegen,
              Alle Vögel weit besiegen.

              Wenn ich so ein Vögel bin,
              Darf ich alles, alles haschen
              Und die höchsten Kirschen naschen;
              Fliege dann zur Mutter hin.

              Ist sie bos in ihrem Sinn,
              Kann ich lieb mich an sie schmiegen
              Ihren Ernst gar bald besiegen.

              Bunte Federn, leichte Flügel,
              Dürft’ ich in der Sonne schwingen,
              Daß die Lüfte laut erklingen,
              Weiß ich nichts mehr von Band und Zügel.

              Wär’ ich über jene Hügel,
              Ach, dann wollt’ ich lustig fliegen,
              Alle Vögel weit besiegen.


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Comment

Re: 《鳥》と《少年》は初めて聴きます

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

私も初めて聴いた「鳥」「少年」でしたので先入観がなかった所為か
ディースカウとゲルネで聴いてみて改めてディースカウの素晴らしさを感じました。
ゲルネでは「少年」の方も聴いたのですが・・・「鳥」を聴いて良い感想を書くことができずでしたので「少年」については何も書かない方が無難との気持ちになってしまいました。

「鳥」はマーラーの「少年の不思議な角笛」の中の曲に似ているとのことですね。
「不思議な角笛」は以前に聴いたのですが・・・どうも、印象に残らなかったのですが。
マーラーの元ネタ?・・・興味が出てきました。
これを機会に聴き直すのも良いかも知れませんね。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2012.12/17 19:48分
  • [Edit]

《鳥》と《少年》は初めて聴きます

《鳥》も《少年》も初めて聴く作品です。
ディースカウのDG盤で聴きましたが、楽しくて良いですね。
《鳥》の方は少しアイロニカルな雰囲気もあって、マーラーの《少年の不思議な角笛》の「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」に似ているように思えました。
案外、本当にマーラーの元ネタだったりして?
  • posted by burleske
  • URL
  • 2012.12/16 20:56分
  • [Edit]

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