♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.178 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 by グールド;リヒテル;コープマン

全曲を聴き通すことができず頓挫の繰り返しの作品。
苦手意識が強すぎ、「苦手、苦手」と言いつつ
いつまでも足踏み状態のまま云十年が過ぎてしまいました。
J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集」です。
まだ全曲を聴いていないのですが、今日は第1巻だけを・・・。

前回に続いてグールド・バッハ・エディションと
私にとっては昔の思い出深いピアニストの一人であるリヒテルのディスクも求め
この御二方で聴いてみました。
尚、手持ちのディスクでは十数年前に求めたものの
現在に至るまで全曲を聴き通すことができないままCDラックで眠っていたコープマンの
チェンバロでの演奏も改めて聴き直してみました。


グールドとリヒテルで聴く「平均律」。
御二方の演奏は対極的と感じられましたが
開口一番の言葉・・・「聴いて良かった!」。
第1巻の第1番から 何と!素敵な作品!

バッハの作品に魅了される時のいつものパターンです。
苦手意識は何処へやら、です。
私にとってはバッハもまた魔術師のようです。
つい一昨年頃までは敷居が高く感じられていたバッハ。
何と身近に・・・心の奥底までバッハの作品の旋律が沁み込むような感覚を抱く昨今。
久しい年月、この作品に苦手意識を抱いていたことが嘘のようです。

第1巻では第1番の他に特に心惹かれたのは第22・23・24番です。

第1巻の第1番を聴いていて遥か遠い昔、耳にした思い出が甦りました。
近所のお家で弾くピアノの音がしばしば流れて聞えてきたのがこの曲でした。
ピアノと言えば子どもの玩具の卓上ピアノしか持っていない私。
耳に届くピアノの音色に憧れたものでした。

「平均律」に関しての難解な解説は頭が痛くなりますが
バッハは息子のための教材としてこの曲を書いたとの記述を読み
作品に親しみを感じたりしました。
バッハの親心に思いを馳せつつ耳を傾ける「平均律クラヴィーア曲集」。
昔々、ピアノに憧れた思い出とともに温もりを感じられるようでした。


           1722年、バッハ直筆の「平均律」のタイトル・ページ
            平均律Titelblatt des Autographs von 1722 mit Bachs Eigentitel

この長いタイトルですが解説によると次のように記されているそうです。

 「平均律クラヴィーア曲集、あるいは、すべての全音と半音を長三度
  つまりドレミに関しても 、短三度つまりレミファに関しても用いられて
  作られたプレリュードとフーガ。
  音楽の学習を志す若い人々の有益な利用のため、さらには、すでにこの学習に
  熟達せし人々の特別な慰みのために
  現アンハルト=ケーテン公爵下の楽長であり、その室内楽団の
  監督であるヨハン・セバスティアン・バッハがこれを起草し完成す。1722年」


また、バッハがケーテンで領主のレオポルト公の15名の楽員で構成された楽団の
宮廷楽長を務めていた1717年から1723年の約6年間には
クラヴィーア音楽への異常なほどの情熱があったとのこと。
そして、このケーテン時代のクラヴィーア音楽が
バッハの家庭生活とも関わっていたことが推測されるようです。
            
「平均律クラヴィーア曲集」と直接関係するものついては
「1720年1月22日に開始」と明記され
「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」と
題された作品だそうです。
このクラヴィーア曲集は当時9歳を少し過ぎていたバッハの長男で
フリーデマン(1710年11月22日-1784年7月1日)の将来を期待し
健やかな成長を願い楽譜用紙を綴じて一冊の音楽帖を作ったそうです。
 
後の数ページには、音名表、装飾音記号とその奏法を対置した装飾音表や
正しい指使いを示す表も書き込まれているそうです。

  
    Bachs Erklärung der Verzierungen im Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach
         (フリーデマンのためのノートブック内に記されたバッハの説明)


この小曲集は息子の成長に応じ教材として相応しいと思った曲を
少しずつ書き込んでいったように思われるとのこと。
全部で62曲が書き込まれたこの小曲集には
「平均律クラヴィーア曲集」第1巻に収められている「プレリュード」
11曲が含まれているそうです。


先ず、グールドから聴いてみました。

               グレン・グールド・バッハ・エディション より
                 「平均律クラヴィーア曲集」

              グレン・グールド・バッハ・エディション

                (録音:1962-63年 ニューヨーク
                    コロムビア30番街スタジオ)


グールドの弾くバッハは先日聴いた「ゴルドベルク変奏曲」も
今回の「平均律」も共に「愛らしい」演奏として耳に届きます。
演奏を聴いていると 素直な音楽 としてどの曲も伝わってきます。
リズムが克明で躍動的、喜びをもって耳を傾けてしまいました。



次はドキドキしながら耳を傾けたリヒテルの演奏です。

             リヒテル:「平均律クラヴィーア曲集」全曲
               (HMV)平均律クラヴィア曲集全曲 リヒテル

                  スヴャトスラフ・リヒテル(P)

                (録音:1970-73年 ザルツブルク
                          クレスハイム宮殿)
                     



リヒテルの演奏を初めて聴いたのは大昔になります。
「展覧会の絵」原典版でソフィアのライヴ録音でした。
ラヴェル編のオーケストラ版よりも聴いていて面白く感じたものでした。
リヒテルのスケールの大きさ、強靭さやタッチの鋭さを感じさせる演奏で
鬼気迫るものものすら感じられたものです。
この演奏を聴き、初めて感銘を受けたピア二ストがリヒテルでした。
以来、リヒテルは心に住み着き続けており「平均律」を是非聴いてみたくなりました。

リヒテルに抱いていたイメージが覆る演奏です。
美しく歌い上げられる「平均律」でしょうか。
崇高ともいえる美しさに満たされた一曲一曲。
また躍動する生命力も。
お気に入りになった第22・23・24番では聴き惚れてしまいました。
まるで現世を離れたような幻想的な趣。
「二つの深淵の間に咲いた一輪の草花」と称される第23番では
奏でられる旋律だけが心を支配しすべての雑念が消え去ってしまうようです。
リヒテルはこの演奏でベーゼンドルファーを使用しているそうで
それもまた魅力の一つになっているのでしょうか。
「静」と「動」で織りなされた素晴らしさを感じます。


最後にコープマン。
全曲を聴き通すことができず頓挫の繰り返しで私にとっては因縁付きです。
当時はピアノよりもチェンバロの音色に魅せられていたもので
このディスクを求めたものでしたが。
CDの一枚目より先に進むことがないまま今日に至りました。
かなりの時を経て久々振りに改めてコープマンのCDを取り出して聴いてみました。
繊細さは感じられないものの豊かな躍動感には爽快な心地も抱きました。


グールド、リヒテル 各々の演奏が対極的と感じられつつも
惹かれるものがあります。
またコープマンのチェンバロでの演奏も
CDを求めて以来、十数年を経て初めて楽しく聴くことができました。
グールド、リヒテルの演奏を聴いていなければ
未だコープマンのCDもラックの中で眠り続けていたと思います。

第2巻がますます楽しみになってきました。


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Comment

Re: ついに《平均律》ですね

burleskeさま、こんばんは。
こめんとをありがとうございます。

「平均律クラヴィーア曲集」は素敵な作品だったのですね。
過日は、一気に聴くのではなくCD一枚づつ・・・とのアドヴァイスを本当にありがとうございました。
今迄は一気に、と意気込んでいました。
グールド、リヒテルはburleskeさまもお気に入りの演奏なのですね。
リヒテルも本当に素敵ですね。
シフもお気に入りだそうですね。
CDを求めるのを迷っていましたが聴いてみたくなりました。
いろいろなピアニストで聴いてみたい作品にもなりました。
チェンバロの音色は好みの筈だったのですが「平均律」を聴く限り
ピアノの方が好みになったようです。
第2巻の方もこれから聴いてみますね。

今回、「平均律」の素晴らしさにやっとやっと気付いたのも
グールドのバッハ・エディションのお陰です。
改めて本当にありがとうございました!
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.01/27 19:55分
  • [Edit]

ついに《平均律》ですね

《平均律》は第1巻、第2巻併せてCD4枚ということで、聴くまでに覚悟がいるのですが、聴いてしまうと面白いんですよね。
グールド、リヒテル共に魅力的な演奏で、僕も気に入ってます。
チェンバロではコープマンは聴いたことがありませんが、レオンハルトとショルンスハイムもなかなか良い演奏だと思います。
特にショルンスハイムには実演で《平均律》の魅力を再認識されられました。
他には、グルダ、ヒューイット、シフもお気に入りです。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.01/26 21:41分
  • [Edit]

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