♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.185 ヴェルディ:歌劇「オテロ」 by ドミンゴ、ステューダー; ミュンフン&パリ・バスティーユ歌劇場OR.

以前、聴いてお気に入りになっていたヴェルディのオペラ「エルナー二」。
パヴァロッティ、リチャード・ボ二ング&ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団。
また聴いてみようとしてウッカリのアクシデントに。
自分の手落ちでディスクがCDトレイに巻き込まれ・・・取り出し不可能に。
ヴェルディ・エディションからの2枚組のうちの一枚でした。
CDプレーヤーは購入して1カ月も経たずディスクと心中をさせてしまい愕然。
諦めきれないのはディスクの方。
どうしよう?
同じ演奏の「エルナーニ」が諦めきれません。
2010年発売のヴェルディ・エディションはすでに廃盤の憂き目に。
購入を迷っていた今年ヴェルディ生誕200年のアニーバーサリー・イヤーに
発売されたヴェルディ全集に同じ演奏の「エルナー二」がありました。
ヴェルディ・エディションから11作品入れ替えがされているそうで
「エルナー二」の買い替え、及びドミンゴで多くのヴェルディ・オペラを
聴くことができるので入手の決意が付きました。
災い転じて福となす、の心境です。
前置きが長くなりすぎました。

ヴェルディ全集から初めて聴いたのが「オテロ」です。
オテロ役はドミンゴ。
ヴェルディ・エディションのほうではオテロ役がデル・モナコ
アルベルト・エレーデ&ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団。
デル・モナコのオテロ役も評判は良いようなのですが。
あまり聴く気をそそられずでした。
今回、ドミンゴで聴き関心を抱いた「オテロ」。
エレーデ盤も聴いてみたくなりました。


          ヴェルディ全集
                          ↓
                    (HMVへのリンクです)


               オテロ:プラシド・ドミンゴ(T)
               デズデモナ:シェリル・ステューダー(S)
               イヤーゴ:セルゲイ・レイフェルクス(Br)
               カッシオ:ラモン・バルガス(T)
               エミリア:デニス・グレイヴズ(Ms)
               ロドリーゴ:ミヒャエル・シャーデ(T)

                チョン・ミュンフン指揮
                パリ・バステューユ歌劇場管弦楽団&合唱団

              (録音:1993年5月 パリ・バスティーユ劇場)


ヴェルディの26あるオペラ作品の25番目に当たるのが「オテロ」だそうです。
1806年に初演されたシェイクスピアの『オセロ』をオペラ化したもので
ヴェルディの最も円熟した時期の作品とのこと。
イタリア歌劇の中で最も音楽的で且つ力強い作品であり
バーナード・ショウは次のように評価、賞賛をしているそうです。
「『オテロ』はシェイクスピアによってイタリア・オペラ風に書かれた戯曲だ」

作曲の経過ですが
1874年以来ヴェルディは長い沈黙の生活を送り訪問者さえも謝絶したそうです。
すでに歌劇「メフィストフェーレ」で世に知られていた作曲家のアリゴ・ボイトは
例外だったとのことです。
パドヴァ生まれの覇気満々たる青年理論家の論説にヴェルディは
傾聴を惜しまなかったそうです。
ボイトは信奉するワーグナーの楽劇的な作風をもって
シェイクスピアの悲劇「オセロ」を脚色したものの
自己の作曲能力では充分表現し得ないと1880年に隠棲中のヴェルディのもとに持参。
当時67歳を迎えたヴェルディは台本を手にして異常な霊感に襲われ
その作曲を決意し74歳の時に完成したそうです。


                     アリゴ・ボイト
             (Wikiイタリア)Boito intorno al 1868 
                    Arrigo Boito
               (1842年2月24日-1918年6月10日)

ボイトはパリを中心にドイツ、イギリスと音楽遍歴を続け
作曲とともに文筆をもってイタリア音楽のシンフォニズムとオペラの改良に
力を傾倒したとのことです。
ドイツに留学中知ったワーグナーの楽劇理論には深く共鳴し
後に作曲家としてより寧ろ理論家、オペラ台本作家として知られるようになったそうです。


初演は1887年2月5日、ミラノ・スカラ座。
この新作の上演にはヴェルディ自らが監修して慎重な練習が重ねられたそうです。
終演後、感激をした聴衆はヴェルディが宿泊していたホテルにまで押しかけ
深夜まで彼をバルコニーに呼び出さずにはおかなかったとも。

新聞評でも。
 「ヴェルディはまったく新しい形式をもたらした。
  それにも拘らず脈々として波打つイタリア・オペラの伝統的な息吹は、
  この作品に接する者の心を完全に捉えずにはおかない。
  構成は一見、ワーグナー的であるけれども、示導動機の姿はさして見当たらず、
  あくまでイタリア・オペラとして貫いている」
と絶賛だったそうです 

日本での初演ははカービ・イタリア歌劇団が帝劇で大正14年3月とのことです。


ヴェルディがこのオテロの役を
当時その声の素晴らしさにおいて最高と讃えられていたテノールの
フランチェスコ・タマーニョ(Ⅰ851-1905年)に当てて書いたとのことで
タマーニョに好奇心が湧いてきてしまいました。

                   フランチェスコ・タマーニョ
              Francesco Tamagno
                    Francesco Tamagno
             (1850または51年10月28日-1905年8月31日)

              Francesco Tamagno as Otello 1887
             1887年ミラノ・スカラ座 オテロ役のタマーニョ


【作曲】1880-86年秋に完成
【初演】1887年2月5日 ミラノ・スカラ座
【原作】シェイクスピアの戯曲「オテロ」
【台本】アリーゴ・ボイド
【時と場所】15世紀の末期
      地中海東部のキプロス島の海岸と総督邸内
      因みに15世紀頃キプロス島はヴェネツィアの領地で
      本国から総督が派遣され統治されていたそうです。
【構成】4幕 
【主な登場人物】
 オテロ:ムーア人 ヴェネツィア共和国の将軍
 デズデモーナ:オテロの妻
 イアーゴ:オテロの旗手
 カッシオ:オテロの副官
 ロドリーゴ:ヴェネツィアの若い紳士
 エミリア:イヤーゴの妻、デズデモーナの侍女

【あらすじ】

   第1幕

嵐のキプロス港で人々はヴェネツィア軍艦の帰還を待っている。
時刻は夕方、前総督モンターノ、ヴェネツィアの紳士ロドリーゴ、副官カッシオ
旗手イヤーゴが多くの島民たちとともに荒れ狂う沖合を眺めている。
ムーア人の将軍でキプロス島総督のオテロはトルコ艦隊を撃破し嵐の中を帰還する。
オテロは颯爽と姿を現し「喜べ、敵はすべて海の藻屑となってしまった」と
勝利を宣言する。
(ヴェルディはこのオテロの一声で力強いオテロの人間像を描きだし
また、オテロ歌手としてもこの一声が聴かせどころとのことです)
オテロが城に入るとイヤーゴとロドリーゴが残る。
イヤーゴは後輩のカッシオが副官になったことを
一方、ロドリーゴは想いを寄せていたデズデモーナが
オテロと結婚したのを恨んでいた。

勝利の祝宴が始まりオテロに悪意を抱く士官イアーゴは副官カッシオに
祝いの酒席で失態を演じさせる。
騒ぎを聞きつけたオテロが現れその場を鎮め即座にカッシオの副官の任を解く。

   
    第2幕: 城内の大広間

イアーゴはデズデモナに仲裁を頼むようカッシオに入り知恵し
イヤーゴは悪の信条≪無慈悲な神を信ず≫と屈折した心情を歌う。
奥でカッシオがデズデモーナに仲裁を頼んでいるところにオテロが入って来る。
イヤーゴはオテロに置くの二人のことを意味ありげに囁き
オテロにカッシオと妻の仲への疑いを抱かせる。
何も知らないデズデモーナがオテロにカッシオの許しを乞うので
オテロは疑念を抱き始める。
イヤーゴの妻エミーリアはオテロがデズデモーナに贈ったハンカチを拾うが
夫に取り上げられる。

一人になったオテロ≪永遠にさらば、清らかな思い出よ≫と
過去の栄光と現在の寂しさを歌う。
オテロがイヤーゴに不義の証拠を見せるように迫ると
イヤーゴはカッシオが夢でデズデモーナの名を口にしたことと
彼女のハンカチを持っていたことを話す。
オテロの怒りは爆発し≪神かけて誓う≫とイヤーゴとの二重唱で復讐を誓う。


    第3幕 城内の大広間

オテロはイヤーゴと不義の罪の証拠を確かめることにする。
入れ替わりにデズデモーナがやって来て再度カッシオの赦免を願うので
オテロは疑念を募らせ、結婚をした時に初めて贈り物としたハンカチの行方を責める。
デズデモーナは勿論持ち合わせていないが自分の潔白なことを誓う。
デズデモーナを追いやったオテロは一人苦悩をして≪恥と悲しみに満ちて≫と歌う。
そこへイヤーゴがカッシオを連れてくる。
カッシオがあのハンカチを取り出したので、オテロは二人の不義を信じてしまう。

ヴェネツィアの大使ロドヴィーコを乗せた船が到着する。
書状には「オテロの後任にカッシオをあて、オテロは本国へ召還する」と。
デズデモーナの悲しげな表情をオテロはカッシオとの別れが辛いからだと誤解し
逆上して人々の前でデズデモーナを罵倒するオテロ。
人々は驚き、イヤーゴはオテロに復讐を迫る。
オテロはすべての人々を去らせると気絶してしまう。


    第4幕: 夜更けのデズデモーナの寝室

その晩、不吉な予感がするデズデモーナはエミーリアに髪をとかせながら
愛に死んだ娘を≪柳の歌≫に託して歌い、祈りを捧げる。
オテロが入って来て妻の不貞を激しく責め首を絞めてしまう。
エミーリアがカッシオがロドリーゴを殺したことを告げにやってくると
ベッドの上で虫の息のデズデモーナは「誰のせいでもない」と言い残して息絶える。
オテロの問い詰めに、エミーリアはイヤーゴがハンカチを取り上げたことを話し
モン他のーのはロドリーゴがイヤーゴの陰謀を白状したと告げる。
すべてはイアーゴの策略と判明する。
オテロは妻の潔白をさ鳥担当で自らの胸を突き死後の口づけをしながら死んでいく。
                                    (幕)


とにかくオーケストラも歌手陣も素晴らしい演奏です。
指揮のミュンフンは初めてその演奏を聴きました。
体当たりと言うか緊張に次ぐ緊張でグイグイと引っ張り
まるで推理小説を読んでいる気分で、次は?と期待と緊張の連続です。
ヴェルディのオペラで、これほどドラマティックな演奏に出合ったことが
あったのかと記憶を辿ってしまいます。

オテロ役のドミンゴが目的で聴き始めましたので大満足です。
デズデモーナ役のシェリル・ステューダーも惹きつける声質で耳を奪われます。

オテロ役はイタリア歌劇テノールでは最難役だそうで
最も劇的な表現を必要とするドラマティック・テノールの役とか。
一握りの最高のテノールにしか歌いこなすことができないとされている。
マリオ・デル・モナコ、最近ではドミンゴが得意としていたそうです。
現在はホセ・クーラが人気のようです。



全幕、どの場面も印象に残る演奏であり歌なのですが
特に印象に残る場面での歌は第4幕の2曲です。
デズデモーナが歌う≪柳の歌≫
そして最後の有名な≪オテロの死≫。
感想としては≪柳の歌≫だけに。



第4幕:デズデモーナが歌う≪柳の歌≫

この歌は愛する夫オテロから疑いをかけられ侮辱を受けて傷ついたデズデモーナが
就寝前に侍女エミーリアに
「もし私が死んでしまったら、婚礼の夜使った敷布に包んでくれ」と頼み
髪をすかせながら、昔自分の母親の召使で男に捨てられたバルバラが歌っていた
悲しい歌≪柳の歌≫を思い出し
「バルバラはこの歌を歌いながら死んでいった」とエミーリアに語りかけつつ
聴かせる歌。
この曲と次の≪アヴェ・マリア≫はこのオペラの代表的な曲として知られているそうで
リサイタルでもこの2曲はしばしば続けて歌われるとのことです。

デズデモーナ役のシェリル・ステューダーは初めて聴くソプラノです。
愁いを帯びた奥深い声 且つ 高域音での透明な美しさ
そして繊細な表現力には感嘆してしまいました。

≪柳の歌≫を歌い終えエミーリアが部屋を去って行き
そしてオテロが入って来てデズデモーナは首を絞められてしまうので
悲しい話の思い出から自分自身の死の予感が悲痛な叫びとして
この歌に込められていることに想いを馳せます。
心に沁みる歌詞とステューダーの声。
物語、歌劇・・・とは思えない切実な想いに浸ってしまいます。
旋律も寂寥の美しさを湛えているようです。

最後に相澤敬三著より歌詞の引用を。

「歌って泣いた、寂しい里で、哀れな女。
 おお 柳の木 、柳の木。
 うずくまって 丸くなっていた。
 おお 柳の木 柳の木 
 歌いましょう 葬式柳は いつか私の花飾り」

 急いでね、すぐオテロが来ますから。

「お花畑に小川は流れ
 破れた胸が呻いていた。
 睫毛からはとめどなく 苦い涙が流れ出た。
 おお 柳の木、柳の木 
 歌いましょう、葬式柳はいつか私の花飾り。
 小鳥も枝の繁みから 
 優しい歌へと舞い下りた。
 目を泣きはらし、泣きはらし、
 岩も哀れを催すほどに」

 この指輪をしまってね。

 かわいそうなバルバラ。この話はいつも
 解りきった言葉で終わるものなの。
 
 「生まれながら彼は栄光のために、
  私は愛のために・・・」
 
 聞いてごらん。だれか泣いてる。
 静かに。あの戸を叩くのは誰かしら?

「私は彼を愛して死ぬために、歌いましょう。
 柳の木、柳の木」

 エミーリア、さようなら、睫毛が熱くなっている。
 涙が出る知らせね。お休みなさい。
 おお、エミーリア、エミーリア、さようなら。
 エミーリア、さようなら。
        

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Comment

Re: 「オテロ」は良いですねぇ~

burleskeさま、こんばんは。

見事にディスクもプレイヤーも・・・仲良くゴミ収集車に、でした。
保証期間内だったのですが自分の落ち度ですものね。
有料でも良いと思いメーカーに電話で相談も考えたのですけれど、プレイヤーを送るにしてもトレイが閉まらずで梱包をするにも・・・。
もう、お手上げ状態で諦めて早速、前に使用していたCDプレイヤーを出して使用しています。

ドミンゴ、デル・モナコで「オテロ」をお聴きになられたのですね。
ドミンゴでは他の録音でも聴いてみたいと思います。
デル・モナコはカラヤン&ウィーン・フィルとの録音もあるのですね。
カラヤン盤のテバルディの≪柳の歌≫を聴いてみたくなりました。
「オテロ」に関しては聴き比べにかなり興味が出てきました。

burleskeさまがお好きな≪イヤーゴの信条≫では「残忍な神を信じる」とか天国を否定するところなど気にいてしまいました。
オテロとデズデモーナの歌は繰り返し聴いたのですが
≪イヤーゴの信条≫をもう一度聴き直してみようと思います。

トスカニーニ・コレクションに「オテロ」が収録されていたのですね。
トスカニーニで早速、聴いてみます。
収録曲すら覚えていない有様(と言うかトスカニーニのBoxを忘れていました)です。
ありがとうございました!
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.03/17 19:46分
  • [Edit]

「オテロ」は良いですねぇ~

えぇ~っv-237ディスクとプレイヤーが心中ですか!?
購入して1ヶ月でも、さすがにこれは保証きかないですかねぇ。
それでも、CDブレイヤーのメーカーに連絡すれば、直してくれるんじゃないですか?

ドミンゴとデル・モナコのオテロははまり役ですよね。
ドミンゴはムーティ&スカラ座のDVD、デル・モナコはカラヤン&ウィーン・フィルのCDで持っています。
「柳の歌」はカラヤン盤のテバルディが美しく情感豊かな歌声で良いですよ。
第2幕の「イアーゴの信条」も好きです。

歌手の声の魅力ではドミンゴやデル・モナコほどではないかもしれませんが、トスカニーニ盤も素晴らしいです。
RCAのトスカニーニ・コレクションに収録されているので、まだお聴きになられていらっしゃらないのなら、一度聴いてみてください。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.03/17 14:22分
  • [Edit]

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特に音楽知識のないクラシック・ビギナーに等しいのですが、「ただ、ひたすらに」をモットーに鑑賞をしています。
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