♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.189 ワグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲 by ショルティ&ウィーン・フィルハーモニーOr.

すでに4月になってしまいましたが
今年はワグナーも生誕200年のアニヴァーサリー・イヤーとのこと。
ヴェルディとワグナーのBOXセットを
ブログ仲間の御方もご紹介をされていらっしゃいました記事を拝読をするにつれ
ワーグナーに食指が動いてきました。

ワグナーは数種のBOXセットが発売されているようでどれも気に入りました。
すべて求めることができないので迷いに迷った末に
ショルティワグナー・オペラ・レコーディグスにしました。
ショルティはLP時代にハッとさせられるものを感じさせてくれた初めての指揮者。

ワグナーの作品はCD時代になってから初めて求めた有様です。
初めて「マイスタージンガー」を聴いたのはLP時代ですから
昔々のことになります。
カラヤン&ドレスデン国立管弦楽団で5枚組でした。
耳にして即、お気に入りになったワーグナーの思い出深い作品です。


          ショルティ:ワグナー・オペラ・レコーディングンスより
          楽劇ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲

                ショルティ:ワグナー.オペラ.レコーディングズ


                ザックス:ノーマン・ベイリー(B)
                ワルター:ルネ・コロ(T)
                べックメッサー:ベルント・ヴァイクル(Br)
                エヴァ:ハンネローレ・ボーデ(S)
                ポーグナー:クルト・モル(B)
                マグダレーネ:ユリア・ハマリ(Ms)
                ダーヴィド:アドルフ・ダラポッツァ(T) 他

                 ゲオルグ・ショルティ指揮
                 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                 ウィーン国立歌劇場合唱団
 
                (録音:1975年 ステレオ セッション)
 

お気に入りの「マイスタージンガー」でありながら
じっくりと耳を傾けることなく年月が過ぎてしまいました。
あらすじも概ねは忘れ去りの状態ですで概要を覚書として。

 「中世のニュルンベルクの町。
  人々の敬愛を集める靴屋の親方で歌芸術の名匠ザックスは、
  若い騎士ワルターの大胆で型破りな歌に魅力を感じる。
  様々な障害を乗り越えザックスは彼をマイスターに推薦しようとする。」
                        (オペラ・ガイドより引用)


昔聴いたカラヤン盤のLPの思い出。
5枚組でドッシリとした重さも懐かしく、価格もドッシリと重く
レコ―ド店のサービス券一年分を溜め充当して求めた思い出も懐かしいものがあります。

当時のLPのライナー・ノーツを懐かしく読み返してみました。
ワルター役のルネ・コロについて
  「新鋭ルネ・コロ」「新人テノール」
として紹介されています。
その当時にはルネ・コロに特に関心も抱くことなく聴いていたことを思い出します。
あれから云十年、いつしかルネ・コロがお気に入りのテノールの一人に。
今回聴いたショルティ盤でもワルター役がルネ・コロです。

カラヤン盤では1970年の録音でルネ・コロ33歳。
ショルティ盤は1975年の録音です。

嘗てはLP付属のライナー・ノーツを読むことが滅多にありませんでした。
今回読み返してみて有名な話だそうですが
ワーグナーは対立をしていた批評家のハンスリックを
意地悪く才能が乏しいべックメッサーに当てとのことに
思わず笑みがこぼれてしまいました。



【作曲】1862-67年
    ワグナーは1835年にニュルンベルクを訪れたとのこと。
    1845年7月16日に「マイスタージンガー」の台本の草案を散文の形で書き上げ
    1862年1月に台本が完成し作曲に取り掛かり
    同年11月に前奏曲が完成。
    ライプツィヒのゲヴァントハウスにて演奏されたとのこと。
    1864年に「ニーベルングの指輪」にて「マイスタージンガー」は中断。
    ミュンヘンからスイスに移住をしていたワグナーは1866年に
    本格的に「マイスタージンガー」に取り掛かり
    1867年10月20日に総譜が完成したとのことです。
【初演】1868年6月21日 ミュンヘン宮廷歌劇場
    ハンス・フォン・ビューローの指揮
    大好評 だったさそうです。
    日本での初演は1960年11月2日 日比谷公会堂に於いて
    演出はウォルフラム・フンパーディンク
    指揮がマンフレッド・グルリットだったとのこと。
【台本】作曲者ワグナー自身
【主な登場人物】
    ハンス・ザックス:靴屋の親方
    ワルター・フォン・シュトルツィング:フランケン出身の若い騎士 
    ジンクスト・べックメッサー:市の書記
    ダーヴィド:ザックスの徒弟
    エヴァ:金細工師ボーグナーの娘
【あらすじ】

  第1幕:カタリーネ教会の内部

親方職人たちの歌芸術が花開くニュルンベルク。
この町に来た若い騎士ワルターは歌の試験に挑戦した。
しかし親方芸術には複雑な作歌の規則があった。
記録係の書記べックメッサーは、ワルターの歌の不備と未熟さをあげつらう。
ワルターは「歌い損ない」を宣言される。
が、たった一人、彼の歌の新鮮さに強い印象を受けた親方がいた。
新しい芸術に理解を示す靴屋のザックスだった。

  第2幕:ザックスとポーグナーの家の前、夏の晴れた夕方

男やもめのザックスは、娘ほど歳が違うエヴァを愛していたが
そのエヴァはすでにワルターと恋仲になっている。
ザックスは妄執に迷いつつも自らは恋から身を引き
ワルターを翌日の歌試合に勝たせ エヴァと結婚させようと決心するのだった。
それとは知らない若い二人は、試験の結果に絶望し駆け落ちを計画。
だが、ザックスは巧みにそれを阻止する。
その時、エヴァに執心のべックメッサーがやって来てセレナーデを歌い始めたが
ザックスは面白半分に靴の修理の物音を入れて彼を妨害。
この騒々しさに近隣の人々が怒りだした。

  第3幕:ザックスの仕事部屋、歌合戦

一夜明け町をあげての歌試合の日。
小細工が過ぎて失敗したべックメッサーを尻目にワルターは≪朝はバラ色に輝き≫を
見事に歌って栄冠を勝ち得た。
だが、彼は親方芸術の中に潜む旧弊な伝統と因習を見破り
親方に推薦されるのを拒否する。
当惑する人々。
その時、ザックスは立ち上がりドイツの芸術と親方の精神の尊さを諄々と説く。
一同は、ザックスの偉大さに改めて打たれるのだった。
                         (幕)


         マイケル・オステンドルファー作のハンス・ザックスの木版画
              (ドイツWiki)Hans Sachs, Holzschnitt von Michael Ostendorfer (1545)
                       Hans Sachs
               (1494年11月5日-1576年1月19日)
             


ニュルンベルクでは歌でも組合が作られ
親方:Meister 詩人:Dichter 歌い手:Singer
弟子:Schulfreund、見習い:Schuler
以上の5つの階級があったそうです。
最も隆盛の時代は1540年頃で、250名もの組合員がいたとも言われているとのこと。
親方たちの多くは巨匠的なマンネリズムに陥り
芸術的に香り高い歌から遠去かってしまう傾向があったようです。
そうした時に、この作品の主人公で詩人、劇作家でありニュルンベルクの靴屋で
あったハンス・ザックスが出現したとのこと。
伝えられるところによるとザックスは6000の詩歌を書き
時事問題から神話に至るまで広汎な題材を用いて当時のマイスタージンガーの世界に
新風を導入したそうです。

ザックスについてワーグナーは次のように記述をしているそうです。

 「芸術的創造力に富んだ国民精神最後の人物として把握し
  この意味で名人気取りの市民的な俗物に対立する人物として描いた」


この作品にてワグナーが表現しようとした思想は次のようなものだったそうです。
1 芸術における俗物性の排撃
2 芸術における自由を尊ぶとしても放堕に流れることを排撃し規律ある芸術を肯定
3 ドイツ精神の高揚  
4 諦念の意味深さ(マチルダ・ベーゼンドンクとの恋愛の諦念。
            「マイスタージンガー」では彼女の姿はエヴァとのこと)


大昔にカラヤン盤で聴いてお気に入りになった第1幕の前奏曲。
ショルティで聴く前奏曲、音が分厚と言うのもおかしな表現ですが
重厚であり、各モチーフも楽想豊かに演奏をされているようです。

登場人物ではザックス役のノーマン・ベイリー
ワルター役のルネ・コロ
べックメッサー役ベルント・ヴァイクル
に耳をそばだててしまいました。
また、エヴァ役のハンネローレ・ボーデも厳かさを感じさせる声質で
惹かれつつ耳を傾けていました。


さて、お目当てのルネ・コロです。
第3幕第2場と第5場のワルターの歌で有名な≪朝はバラ色に輝きて≫。
この歌は幸福と愛情を歌ったものとのことで
「愛の情景の動機」「愛の動機」を用いたものだそうです。
≪朝はばら色に輝きて≫が誕生するまでの第2場は殊に関心を抱いて聴いていました。

有名な歌とのことですが
今迄特に注意を払うこともなく聴き過ごしていたことを痛感します。
美しく抒情的な旋律の歌で感銘を受けました。


前後しますが 最も心に残るのは第3幕の第2場です。
第3幕第2場でこの歌が歌われる場面は
ザックスの家に泊まったワルターにザックスは
これから行われる歌試合のために新しい歌を作ることが必要だと説きます。
そしてワルターは明け方に見た良い夢を詩にして読みあげ
ザックスはそれを筆記しながら規則に合わせるべく時々直したりして
忠告を与える、というものです。

ワルターがザックスの忠告を受けつつ≪朝はばら色に輝きて≫が誕生するまでの
経緯は関心を抱いて聴いておりました。
ワルターがザックスの注意を受け中断しつつ低い声で歌ってみたりする部分や
ワルターの歌に感動するザックス。
ザックスとワルターのやり取りも印象に残るものがありました。


さて、第5場の歌合戦で歌われる≪朝はバラ色に輝きて≫。
完成したこの歌は 美しく抒情的な旋律の歌で感銘を受けます。
合唱は野原の草木がまるで風に吹かれ波打つかのように耳に響きます。
素晴らしい合唱とオーケストラの高揚感のうちに迎える終幕。

歌手陣もオーケストラ、合唱もとても素晴らしく
久々にワグナー作品から感銘を受けた「マイスタージンガー」でした。


最後にワルターの歌≪朝はばら色に輝きて≫の歌詞の概要を。


「朝はばら色に輝きて
 大気は 花の香りにふくれ
 得も知らぬ快さに 満たされて
 庭は私を誘い 引き寄せる!」

「幸ある園に生々と聳え
 黄金なす実を 豊かに実らせ
 風に快き枝を生やし 人を誘う 大樹あり」

「我が妙なる奇蹟を 我は語らん。
 見も得ざりし美しき乙女
 我が傍らに立てり。
 花嫁のごとく彼女は 我がからだを抱き
 眼差しもて語りかけ 白き腕もて示すは
 かの生命の大樹に実った 我がひたすら望みし
 尊き美味の果物にてありき。」
 
「夕となれば空は火と燃え
 我を残して 日は去りゆく。
 彼女の瞳より 歓喜を吸わんと
 ひたすらの願い 抑えがたく
 夜の闇に囲まれ 見ることを得ず。
 されど二つの明るき星、遠く彼方より 煌めきて
 細き枝の間より 遠くて近きがごとく 我が顔を照らす。
 静かなる丘に、美しい泉あり
 優しき音、高まり行く。
 かく高らかに美しき音 聞きしことなし。
 輝かしく 星は煌めき、明るく照らす。
 木の葉にも枝の間にも 黄金色 集まりて
 踊り狂うその群れは 黄金の果実にはあらず。
 月桂樹に煌めく星の群」




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Re: ショルティ盤も良さそうですね

burleskeさま、こんばんは。

burleskeさまが貴ブログにてご紹介をさせていられましたワグナーの
EMIのBOXセットも求めたかったのですが・・・懐具合が寒いので諦めました。
ショルティのBOXが届いてからだいぶ月日が経ってしまいましたが
やっと聴くことができました。
カラヤン盤も良かったですがショルティ盤とも優劣を付け付け難いような・・・。
「マイスタージンガー」しか聴いていないのですがショルティのBOXも魅力的ですよね。
burleskeさまのことですから、すでにショルティの「指輪」はお聴きになられていらっしゃると思います。
LP時代にショルティの「指輪」を求めたかったのですが
求められないまま、聴くことがないままでした。
このBOXに「指輪」も収録されているので云十年振りに夢が叶いそうです。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.04/21 19:44分
  • [Edit]

ショルティ盤も良さそうですね

ショルティの「マイスタージンガー」は聴いたとがないのですが、こちらもヴァルター役はコロなんですね。
カラヤン盤でも素敵な歌声を聴かせてくれましたが、ショルティ盤も良さそうですね。
オケと合唱も素晴らしいとのことで、ショルティ盤も聴いてみたくなりました。
益々ショルティのワーグナー・セット、購入しようか迷ってしまいます。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.04/20 23:01分
  • [Edit]

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