♪クラシック音楽 さんぽみち♪〜第1楽章:CD&MUSIC BIRD

クラシック・ビギナーのCD及びCS-PCM放送のミュージック・バードを主とした音楽便りです。 敬愛する作曲家はベートーヴェン。 古典派〜ロマン派を中心に聴いています。 時には日常の雑感も。また、時には家族のコザクラインコの話も。ゆっくり、のんびりと。

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Op.197 J.S.バッハ:「農民カンタータ」 by マリナー&アカデミー・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ;ディースカウ、ヴァラディ

前回のJ.S.バッハ「コーヒー・カンタータ」以来
2週間近い日々が過ぎてしまいました。

「コーヒー・カンタータ」と同じディスクに収録されている
世俗カンタータ第212番「わしらの新しい領主に」
通称「農民カンタータ」です。
演奏も前回同様のメンバーで
マリナー指揮、アカデミー・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ
独唱者はD.F=ディースカウとジュリア・ヴァラディです。

昔々、初めて聴いた「コーヒー・カンタータ」は強く印象に残っていましたが
農民カンタータ」は特に心に留まるものもなく聴き流していました。

「コーヒー・カンタータ」同様に云十年前にFM放送で聴いたと思います。
演奏者名も残念ながら記憶にない有様。
今回、久々に聴き最もお気に入りのカンタータになりました。
「コーヒー・カンタータ」よりも楽しく快く
耳を傾けることができたように思います。



           J.S.バッハ:カンタータ第212番「農民カンタータ
                “Mer hahan en neue Oberkeet
                    (Bquernkantate)”

              (HMV)バッハ:コーヒー.カンタータ;農民カンタータ ディースカウ

            ジュリア・ヴァラディ(S)
            ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)

            ネヴィル・マリナー指揮
            アカデミー・オブ・セントマーティン・イン・ザ・フィールズ

                    (録音:1981年11月)



この作品を今回聴いてディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウの名前の
由来が「農民カンタータ」の領主に名前に因んでいたことを初めて知った有様。
両親の姓は父方がフィッシャー、母方のディースカウだったそうで
この「農民カンタータ」の領主の名前ディースカウに因み縁起を担いで
両親の姓を名乗ったとのことです。


「農民カンタータ」の舞台になっているクラインチョッハー
ライプツィヒの南西にある地域とのことです。
                
             Schloss Kleinzschocher, um 1860
                  クラインチョッハー


             Die Dorfkirche Kleinzschocher um 1850
                 クラインチョッハー村の教会



1743年8月30日にライプツィヒ近郊のクラインチョッハー村で
新領主のカール・ハインリヒ・フォン・ディースカウを迎える祭りが
催されたそうです。
その祭りのために直前に作曲されたとの推定のようです。

新しい領主のカール・ハインリヒ・フォン・ディースカウは
母親が亡くなったためにクライチョッハー村をはじめとして
新しい領地を相続したとのことです。
新領主ディースカウの徴税官だったのがバッハのカンタータには
欠くことのできない存在であったピカンダー(本名、ヘンリーキ)。
ピカンダーは新領主のために楽しいカンタータの歌詞を書き
その作曲をバッハに依頼をしたとのことです。

このカンタータでは土地の言葉である上部ザクセン方言を多く使用しているそうです。
また舞踏のリズムも多く取り入れられているとのこと。
全24曲のうち改作された曲と推定されるのが
第14曲の「王様、万歳、国の父君」第9曲のアリアからとのことで
この曲は現在は歌詞のみしか知られていないカンタータだそうです。
第20曲はカンタータ第201番「フェブスとパンの争い」の第7曲からの改作
になるとのことです。


登場するのは地元の男性(B)と女性(S)の二人だけとのこと。
このディスクの演奏ではバスではなくバリトンを起用されています。
二人のアリアとレチタティーヴォが交互に織り込まれ
最後の24曲目はまた二重唱になり曲の終了に。
約30分の演奏時間が束の間に感じられました。

序曲は様々なリズムの6つの短い舞曲とのことです。
マリナー&アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズは
爽快な演奏で聴かせてくれます。

序曲に続いての第2曲“Mer hahn en neue Oberkeet”
「わしらは新しい領主をいただいた」はディースカウとヴァラディ
二重唱のアリア。
この二重唱を聴いて「コーヒー・カンタータ」から受けたヴァラディの印象が
少し変わりました。

    私たちに新しい領主さまがおいでだ。
    宮廷のお偉い方でいらっしゃる。
    ビールのお振る舞いだ、頭に効くぞ
    それが勿論 肝心のところさ。
    牧師さんはどうせいつでも仏頂面。
    楽師のみなさん、速い処お願いだ!
    ミーケのスカートはもう揺れてるぞ
    これはちょっとしたお楽しみ。
                     (訳詞:川端純四郎氏)

ヴァラディの歌唱は「コーヒー・カンタータ」では辟易をしてしまいましたが
こちらの「農民カンタータ」では不自然なものを感じることもなく
心地良く聴くことができました。
透明感のある華やかな声質で歌われるアリアは魅了されるものもあります。

陽気に軽快に歌われるこの二重唱。
ディースカウの歌声は時として弾むようにも聴き取れるようです。


二重唱ばかりの感想になりますが。
最後の第24曲「さあ行こうよ・・・」と歌い出される二重唱。
前述の第2曲の二重唱とは対照的に感じられました。

    さあ行こうよ、トゥーデルザックが
    ブンブン唸る俺たちの酒場へ。
    喜びの叫びをあげるとしよう
    ディースカウの旦那とそのご一族万歳
    神さまが叶えてくださいますように
    殿の求めと
    何でも願いをすべて。
                     (訳詞引用:川端純四郎氏)

終曲はお祭り気分で喧噪がかった曲かと想像していました。
さに非ず、でしょうか。
二重唱はお祭り気分満々ではなく
落ち着いた喜びの趣を感じさせるもののように感じられました。
ヴァラディとディースカウの歌唱は力強さを伴って耳に伝わります。


楽しい音楽であるとともに
楽しさ一辺倒にはなることもなく魅力ある作品であり
マリナー指揮のオーケストラの爽やかで明快な演奏。
独唱者もオーケストラと相成って素敵な音楽を聴かせてくれました。


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Comment

Re: ディースカウの名前の由来は知りませんでした

burleskeさま、こんばんは。
コメントをありがとございます。

「農民カンタータ」はアーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスでお聴きになられていらっしゃるのですね。
ザクセン方言が多く使われているとのことなのですが
まったく方言については皆目理解不能のまま聴いていていました。
そもそもドイツ語(標準?)ですら解らないのですから
方言に至ってはお手上げです。

この作品はお気に入りになりましたので他の演奏者でも聴いてみたく思います。
アーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス盤についての
ご感想を拝読して機会がありましたら聴いてみたくなりました。
  • posted by lumino
  • URL
  • 2013.06/23 20:23分
  • [Edit]

ディースカウの名前の由来は知りませんでした

フィッシャー=ディースカウの名前が《農民カンタータ》の領主の名前に因んでいるというのは、知りませんでした。
勉強になりますね。

僕はアーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス盤しか持っていませんが、方言の訛りをうまく生かした雄弁な表現で、なかなか面白い演奏だと思います。
領主の名前に因んだディースカウの歌った演奏も聴いてみたいですね。
  • posted by burleske
  • URL
  • 2013.06/23 16:38分
  • [Edit]

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